滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~

スサノワ

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4:龍撃の学院

554:央都猪蟹屋跡地、唯物ライフルをつくろうその4

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 そとに出てすずんでいたら、おにぎりが――
 「にゃぎゃにゃぎゃぁやー」言いながら、寄ってきた。

 猪蟹屋予定地ししがにやおていちと、タター測定所そくていじょあいだ
 長机ながつくえに――パタン♪

『「じゃあ、さっき見せてくれた棒と、同じ作りでお願いするんだもの」だもの♪』
 そんなら――ながさを変えて『作成ボタン』を押すだけで出来できちまうが?

「けど良いのか? あれたまが出るあななんか、いとらんぞ?」
 〝ひかり〟と〝聞こえないおと〟が出るだけの、魔法具まほうぐだからな。

「ご心配しんぱいなくぅウケケケッケッ、満場一致まんじょういっち決定けっていしましたぁ
 ゴーレム研究けんきゅう第一人者だいいちにんしゃで有らせられる、第一王女だいいちおうじょ殿下通称でんかつうしょうゴーレムひめ
 そんな高貴こうき彼女かのじょに、うやうやしく持たれた・・・・丸茸さまいおのはらが、そうのたまう。

「えっとねぇー。どうせならぁ〝機能性きのうせいケミカル砲弾ほうだん〟から〝完全活力弾マナバレットとかいうのまで・・・・・・・ぇ、なんでもぉ撃てるよーぉーにぃーしーたーいーのーでーぇー――」
 わからんし、台詞せりふなげぇ。伸ばすんじゃねぇやい。
 ヴォヴォォォォォゥン――『(Θ_<カシャッ♪)』
 うなりを上げる、浮かぶプロジェクションBOT

 ヴュッパァァァァッ――――♪
 表示ひょうじされたのは、とんでもなくこまかな細工さいくの――長穴ながあなだった。
「ららぁん♪ こういうふう銃身じゅうしんを、くり抜いて頂きたい・・・・・・・・・のですらららぁ――ん?」
 その細首ほそくびかたむき、おれたち・・・・と目が合った。

「「さすがにこりゃ、無理むりだぜ!」」
 このかたちたがねつくってアダマンタイトさきから打ち込めば、あなを空けることは出来できる。

 アダマンタイトを対魔王結界たいまおうけっかいの、かまどの火にべ――
 おれが押さえたたがねを、工房長ノヴァド金槌かなづちたたけば――
 絵で板エディタ試し彫り・・・・したとおりに長棒・・あなを、引っこ抜けるだろうよ。

 烏天狗からすてんぐ伝説でんせつ職人しょくにん(おれが使つかえる)と、本職ほんしょく鍛冶職人かじしょくにんのスキルと――
 汎用造形はんようぞうけい絵で板エディタがありゃ、大抵たいていのことが出来できる。

 細穴ほそあなねじれた螺旋らせんきざみ――出来できる。
 そのおくまったきざれつに、魔術構文もんようを彫り込む――出来できる。

 けどソレを同時に・・・、てのは――出来できない。
 そのかたちに切ったところで――
 彫り込んだ文字もじが、引っかかっちまう。

 ふぉん♪
『>クサビを打ち込むと同時に完成したインナーバレルを、おにぎりの収納魔法具箱に格納してしまえば良いのでは? あの収納魔法具箱なら、容量速度ともに余力があります』
 チカチカとひかるのは……銃身じゅうしんに空ける予定よていあなかたち
 出来るなら・・・・・最初はなから、そうしてるだろうが。

「ミャッド! さっきのアダマンタイトを借りても良いかぁ?」
「良いニャァー♪」
 群れる学者方がくしゃかたたちのなかから、そんなこえが聞こえた。

 おれはどっこしょを引っこ抜き、空中ちゅうはなつ。
 ふぉん♪
『>シガミー、ソレはダミーです。私ではありません』
「(わかってらぁ! 居る・・あかしを立てとけって言ってんだぜ!)」
 ふぉん♪
『>その言い回しは、仏法に抵触するのでは?』
 やかましいが、そうだ。
 見せかけの、身のあかしを立てろや。

 カクカクと緩急かんきゅうを付け、空中ちゅうとどまるぼう
 一行表示越ティッカーごしでも半減はんげんはするが、念話ねんわ使つかった時間稼ぎ・・・・出来できる。

 烏天狗役ジンライが「あぶないっ」と独鈷杵にせジンライをつかむ――ヴォゥン♪
 ガシャッカチャ――カシャカシャ、カチャカチャ、カシャラララララァッ――――――!
 偽の烏天狗ジンライ偽手かいなから独鈷杵にせジンライつたい、黒細腕かいなが伸びていく。

 そのひもだかくさりみたいなのがかばんなかから、アダマンタイト鉱石こうせきをつかみとった。
 ごとんと置かれる、おにぎり大アダマンタイト

「はいシガミー。大事だいじ相棒あいぼうを投げちゃ、駄目だめだよ
 やかましい――カシャカシャガチャンッ♪
わりわりぃ♪」
 機械腕かいなを引っ込めた偽せ迅雷どっこしょ烏天狗役ジンライから受け取り、適当てきとうまるめたうしがみに刺した。

 ふぉん♪
『>多少のアリバイ、居る証になりましたでしょうか?』
 だと良いがな。

「(じゃぁ、アダマンタイトを絵で板エディタで、細工さいくしてみるぞ?)」
 まるかたちを読み込んで、これを箱形はこにでも加工かこうしてみる。
 四角しかく箱形かたちえらんで――作成さくせい
 ッキュッビィン!
 ゴゴッ――跳ねるおにぎりだい
 絵で板エディタ格子こうしが、弾き飛ばされた・・・・・・・のだ。

 ふぉん♪
『>魔導伝導率が、ー8000%を記録しました』
 マイナスてなぁ、無ぇのに借りた借金かりだろ?
 そりゃ使つかえるわけがねぇやな。

なにしてるシガミー? アダマンタイトを加工かこうするには、つえぇ火を入れなきゃ無理むりに決まってるだろうが?」
 工房長ノヴァvド不思議ふしぎがられたが――「(そういうことだ、わかったか相棒あいぼーぉ?)」

 ふぉん♪
『>納得しました。シガミーのスキルに対抗する鉱物が、存在するとは思いませんでした』
 おれもだよ。居合いあいで斬れるからと、あまく見てた。

「ふぅい、ちょっとかわやに行ってくらぁ」
 おれはアダマンタイト鉱石こうせきをつかんで、ミャッドのかばんもどした。

「なんですかシガミー、はしたないですよ!」
 はなれたところですずんでたメイドに、おこられる。
「じゃぁ、ボクも――」
 と付いてくる烏天狗役ジンライ

 ふぉん♪
『>どうするのですか?』
「(アダマンタイトの加工かこうは、これからどんどん請け負っていかなきゃならねぇ)」

 ふぉん♪
『>そうですね。対魔王結界の大火を消すためには、アダマンタイトの加工が不可欠です』
 そういうわけでこの仕事しごと、どうしかしてものにするぞ。

 今度こんどはおれが、烏天狗装束からすてんぐる。
 迅雷おまえ強化服10号改シシガニャンを、着てくれ。

   §

 絵で板エディタ格子こうしなか
 歯車はぐるまのようなかたちつくり、アダマンタイトの銃身じゅうしんさきに貼り付ける。
 アダマンタイト鉱石こうせき中心ちゅうしんを取りやすくするために、うえから吊り下げた。
 ぎしぎしり、揺れがおさまるのを待って――

 上下逆じょうげさかしまになったおれ、いや烏天狗ぼくが――
 貼り付けた・・・・・かたちアダマンタイトさきからおくまで、一気いっきに押し込む――ふぉん♪
『>記録しました』

「シガミィーちゃぁん――ニャァ♪」
 天井てんじょうに空いた大穴おおあなに、はしらわたして組んだやぐら
 その一角いっかくよこたわる、猫の魔物風シシガニャンごう
 その中身なかみは、アダマンタイトに触れても平気へいき少女しょうじょメイド・タターだ。

「そいつを着てりゃ大丈夫だいじょうぶでござる。ルガ……リオレイニアも応援おうえんしています……してるから頑張がんばれやぁ、ぐわははははっはははははっ――ニャァ
 おれぁそんなはなかたわぁ、してねぇだろうがっ!
 してねぇよな?

 うえからチラリと戸口とぐちを見たら、ルガさんが様子ようすうかがってる。
 元部下もとぶかである少女タターを、おもんばかってのことだろう――
 片手かたて四本よんほん練習用れんしゅうよう魔法杖まほうつえかまえ、おおきな太枝ふとえだ魔法杖まほうつえからだあずけている。

「ござる!?」「ござるだっ♪」
 あと子供おまえら、五月蠅うるせぇーから!

「火ぃをー付けるぞぉー!」
 したかまどから、工房長ノヴァド号令こえ――――シュッゴォォォォォォォォォォッ!
 吹き上がるほのおが、ぅあちっちい!
 あちぃがぁ――やらんと終わらん!

いまだよ。魔法具まほうぐ使つかうときみたいに、〝ひかりのたま〟を当ててよ」
 おれ、いや烏天狗ぼくはやさしく、ピンクいろ猫の魔物風の奴シシガニャンに、そうこえを掛ける。

「ひかりのたまぁ――ニャァ♪」
 ピンク色の強化服メイド・タターが手を伸ばし、ちいさなひかりはなつ!
 絵で板エディタなか表示ひょうじが、切り替わる・・・・・

 いままで無かった向きの・・・掴めるところハンドルが増えた。
 細穴じゅうこう手前てまえをつかんで、グルリとねじり込む――『>記録しましたふぉん♪
 タターがともした〝ひかりのたま〟が、フッと消えると――
 きゅるきゅるきゅる。

 絵で板エディタなかねじれていた銃身じゅうしんが、一直線に戻っていく・・・・・・・・・
 ゴリゴリゴリゴリィ――――ごばぎゃぎぼきぱきょききぎゃりぴっ♪
「ぎゃっ!? 折れる? 折れちゃうよぉぅ!?――ニャァ♪」
 画面モニタなか設計図せっけいずとはぎゃくに、アダマンタイト鉱石こうせきねじれ――聞いたことのねぇおとを立てている。

 本当ほんとうにこれ、折れねぇだろうなぁ?
 ふぉん♪
『>捻れた程度で折れる物の加工に、ここまで苦労させられることはないのでは?』

 そりゃそーだな♪
 コツ――――いけねっ、アダマンタイトにさわっちまった!

 ふぉん♪
『>シガミー、ベクトル量を検出! 避けてください!』
 動体検知アクティブトラッカーが出ると同時どうじ烏天狗おれ……のうでと組んだやぐら根こそぎ・・・・持って行かれた!
 ぐっぎゃぁぁぁぁっ――――いってぇっ、なっこの野郎やろう

 アダマンタイトが龍脈りゅうみゃくながれを、うごちからに変えたのだ!
 グガガ、いたみで目が――開けられん!

 ヴォォォォォォゥゥゥゥウン――魔法杖まほうつえうなり!?
 ヴッ、ガッチャンッ!
 なにかをぶつけられ、緑色みどりいろひかりつつまれた。

 なにかに抱きしめられ――
「ひかりのたてよ、ひかりのたてよ、ひかりのたてよ♪」
 そんなこえが、聞こえた気がする。

ーーー
インナーバレル/銃口から続く銃身内部の空洞のこと。ボア直径を維持し、通常は螺旋状の溝(ライフリング)が彫り込まれている。
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