滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~

スサノワ

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4:龍撃の学院

533:猫の魔物はケットーシィ、みゃぎゃにゃぁー♪

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「ええ、ダンジョンが出来でき以来いらい茸狩きのこがりおとずれる観光客かんこうきゃくも居なくなり、いまでこそこんな有様ありさまですが。元々もともとこの地は〝特選とくせんキノコ〟の大産地だいさんちほかではしょくせないような、めずらしいきのこおおく採れておりましたわ♪」
 フッカははながれるような解説かいせつ
 威勢いせいの良さとあいまって、なんかの出しものを見ている気になった。

「まさかっ、お茸さまたち・・・・・・もっ
 ヴッ――ヴォヴォォォン♪
 浮かぶプロジェクションBOTを飛ばし――

 ふたつのきのこ鑑定結果かんていけっかを、空中ちゅううつし出した。
 どっちかひとつをもらって良いことになってるらしいが――

「ひゃっ!? これは……上級鑑定じょうきゅうかんていでしょうか?」
 上級じょうきゅう鑑定結果かんていけっかはルコルたちが持つ上級鑑定じょうきゅうかんてい魔法具箱まほうぐばこでもなければ、普段ふだんは目にすることがない。
 おれたちが入りびたるガムランちょう央都おうとならいざ知らず、このまち空中ちゅうに浮く画面モニタを出したのは今日きょうはじめてだ。

「ぅひゃぃやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ――――!?」
 おどろくのも無理むりはないがぁ、うるせぇ。
 スパパパパパパァァァァァァンッ♪
 おっさんのしりが、心配しんぱいになってきた。

「そーわよ、上級鑑定じょうきゅうかんてい結果けっかわよ! それでっ、どうなのわよっ!?
 フッカははうやうやしく持ち上げられる、丸茸御神体まるきのこごしんたい

「そうですね……庶民しょみんには手が出ないものの、それらの高級茸こうきゅうきのこ祭事さいじおりにはしょくされておりましたので、それをまとめた調理法レシピが我が家にものこされておりま――っきゃっ!?」
 ヴッ――ヴォヴォォォン♪
 『(\△/)カシャッ♪
 目をつり上げ必死ひっしに、浮かぶたまあやつ丸茸まるきのこ

 フッカははたなからほんを取ろうとしたら――
 丸茸いおのはらが割ってはいり、ほんうばった。
 カチャカシャララッ――たまから伸びたほそ機械腕きかいうでで。
 ぱらぱらぱらららっと、ほんのページをめくっていく。

 フッカははと目が合ったから――「猪蟹屋うち御神体さまかみさんが、済まん」とあやまっておく。
 ふぉん♪
『人物DB/クロウリンデ・モソモソ
      特殊な魔法杖を使う冒険者
      旧カピパラポテパケギウス領ザンクネリキキマギバネロベネグラムタタラディッシュ新町役場職員
      旧カピパラポテパ領ザキキギバベグラムタタラデッシ新町ギルド支部職員
      旧パラベラム冒険者専用訓練ダンジョン管理人補佐』
 人物DBひととなりわぁなげぇから、適宜切てきぎきっとくよーにぃ。

「あったっ、これだぁ! あたくしさまがぁ、ギルドの書庫で調しらべたのよりぃー複雑ややこしいっ! ――ってことわぁ、より具体的ぐたいてき美味おいしい♪ そういうことでしょおぉお
 さがし当てたお目当めあててのページには……たしかにうまそうな絵がえがかれていたが――
 そのとなりのページには……とんでもなく複雑ふくざつしたごしらえの、行程こうていらしきものえがかれていた。

「じゃぁ、むなしだぜ。この面倒めんどうそうな下ごしらえところは、おれがやってやるから……晩飯ばんめしまで我慢がまんしろよぉ?」
 さすがにちいさな茸一きのこひとつでは、全員ぜんいんが食うほどにはなるまいて。

「わかったわよぉぅ。あたくしさまっ、我慢がまんするわっ
 ヴォヴォォォォゥン――♪
(>x<)キュキュン
 浮かぶたまは、すぽんと仕舞しまわれ――
 丸茸ごしんたい長椅子ながいすに、ぼとりと落ちた。

 ヴッ――どさどさっ、どさささっ♪
 ちっ、我慢がまんすると言い終わらんうちに、名代饅頭みょうだいまんじゅうを積みかさねやがったぞ!
 食い気をおさえる気が、最初はなからねぇじゃねぇか。

 ふぉん♪
『>ではせめて、狐耳の饅頭型を新規に10個作成し、既存の饅頭製造ラインへ割り当てましょう』
 既存きぞんのってこたぁ、猪蟹屋二号店ししがにやにごうてんおくにある無人工房むじんこうぼうか?
 そんな場所ばしょ、空いてねぇだろ。

 ふぉん♪
『>いいえ。星神神殿地下の、半自動工作機械群が持つ食品製造ラインです』
 なんだそりゃ、聞いとらんぞ?
 だれ指示しじした?

 ふぉん♪
『ホシガミー>何を隠そう星神の独断と偏見と野望によって、お饅頭の製造ラインを稼働させていただいておりますわ? イオノファラーさまの了承も、ちゃんと頂いておりますよ。くすくす?』

 んぁー、そーなのか。なら問題かまわねぇ。
 神域食堂しょくどうで出す加工食品めしのしたくを、まかなえるなら良いことだしよ。
 けど神域惑星しんいき御神体像めがみぞうわぁ、神域しんいき地面じめんならしたり盛ったりしてるんだろ。
 そのうえ、ただでさえはらと背に転移扉てんいとびらが取り付けられたりしてるってのに――大丈夫だいじょうぶなのか?

 ふぉん♪
『>神域惑星に設置した御神体像直下へ、女神像の配線を通しました。神域や神殿周りの景観を損ねることはありません』
 そー言うこっちゃねーんだが……御神体像ごしんたいぞう無事ぶじなら良ぎゃっああ! 

「ぅわひぃっ――!? なんかあしさわった!」
 やたらとやわらけぇのがぁ!
「――ごろにゃぁぁん♪」

「うわっとっとおっ――なんだぜ、ふわっふわだなお前さん・・・・わぁ!」
 おれのあしまとわり付いていたのは、お猫さまケットーシィだった。
 気をつけんと、踏んじまうぜ。
 ととととん――ねこは、おれのかたに飛び乗り――

「みゃぎゃにゃぁ♪」
 と耳元みみもとで鳴いた。
 耳元みみもとで鳴くんじゃねぇ、うるせぇ!

「みゃにゃにゃ、ぎゃにゃぁぁん
『「ソレを食わせろ」と言ってるもの』
 いたをこっちへ向けるおにぎり。

「ごぅろごぅろ、ぐゎるるるっ♪」
「ぅわ、うるせぇっ!」
 なんだぜ、このおと!?
 おこってるんじゃ……ねぇっぽい?

「やっぱりねこわぁ、なつくとかわいいもんだぜ♪」
 そっと撫でようとしたら――「フシャー!」
 つめで引っかかれた。

「みゃにゃにゃにゃにゃぎゃやーみゃぎゃぁー、みゃぎゃにゃぁー♪」
 長ぇ長ぇ、うるせぇうるせぇ、かわいいかわいい。
「なんて言ってやがる?」
 おにぎりに聞くと。

「みゃにゃぎゃにゃにゃごにゃーみゃみゃにゃんにゃにゃ――――――、――
『「あの本の茸のご飯を食べさせてくれるなら、アダマンタイト製の装備を作ってやるにゃ――半額で♪」って言ってるもの』
 木板いたを読むと、そんなことが書いてあった。

半額はんがくかよっ! か、かわいくねぇなこいつぁ!」
 おねこさまは見た目にはんして、あんまりかわいくなかった。
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