滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~

スサノワ

文字の大きさ
上 下
525 / 740
4:龍撃の学院

525:ツツィア子爵領紀行、子馬エンジニアリング

しおりを挟む
 ウォオゥン、ニョワァァン――♪

 顧問秘書マルチヴィルが貸してくれた、眼鏡めがね魔法具まほうぐ
 それ越しに見た物置小屋ものおきごやは――ピカカカカッ!
 とてもまぶしかった。
 ひっくりかえった子馬こうま目玉・・を、まぶしいくらいにひからせていたからだ。

「なるほど。おれがつくった全天球ぜんてんきゅうレンズに、活力マナ大量たいりょううばわれてしまってるのか」
 おれは眼鏡めがね魔法具まほうぐかえした。

「ひぃん?」
 すっかりあきらめ、四つあしを伸ばす子馬てんぷらごう

「だからおなかが減ってちからが出ない、ということのようですね」
 そんな子馬こうまを撫でる顧問秘書こもんひしょ
 そういやぁてんぷらごう後ろを見る・・・・・のに、わざわざくびまわしてたっけ。

うごけん理由りゆうはわかったが――」 
 おれもかがみ込んで、子馬こうまはらを撫でてやる。
 こいつの設計せっけいは、ラプトル王女おうじょだ。
 つまり、分解バラしてみないとわからねぇ。

「ふふーん――アニマトロニクスわぁ門外漢もんがいかんだけどぉ――、王女おうじょさまの設計思想せっけいしそうわぁ――中々なかなかどうしてぇ――理にかなってたみたいねぇん
 おれのあたまうえから、素っ頓狂とんきょうこえがする。

「知ったふうなくちを利くんじゃありませんわぜ……なんかわかったのか?」
 糸紡いとつむぎはやめた。もう一生いっしょうしねぇつもりだ。
 またからだ勝手かって歩き出したら・・・・・・今度こんどはどこに行くかわからんからな。

「うん。あのすさまじく鋭利えいりとがった目玉カメラレンズわぁ、みぃーんなにおそれられてたけどさぁ。〝超高燃費ちょうこうねんぴ〟っていうぅ良いところもぉー、有ったんだなぁーって
 古畝皮こうねんぴてなぁ、なんだぜ?

 ふぉん♪
『ヒント>高燃費/油が燃えて火を灯すときの効率。燃料費』
「うむぅ? つまり王女おうじょつくった目玉レンズのほうが、出来できが良かったってことかぁ?」
 そいつぁなんか、ものすごくくやしいなあ?

出来できはともかく、てんぷらごう最適化さいてきかされてたのわぁ――間違まちがいないわねぇーん
 顧問技師ミャッド王女殿下ラプトルはなしを聞けば直ぐに、わかったことではあるが――

「そうだぜ。このゴーレムうまにわぁ、王女おうじょがなんかの……なんだっけ、ドルイドの自然力しぜんりょく……だとか言うスキルも使つかってるんだったぜ」
 五百乃大角いおのはら言葉ことばおもい出したが――

「ドルイドの自然力しぜんりょく……王女殿下おうじょでんかはゴーレムひめおそれられる以前いぜんは、たしかに〝自然しぜんあいするドルイドひめ〟としたわれていましたが」
 いつもの手帳てちょうなにかを、書きしる顧問秘書こもんひしょ

「その自然力しぜんりょくてのわぁ、なんでぇい?」
 もう訊く、超訊ちょうきいてみる。
 轟雷ごうらいを着るたびに身についてきた〝神々かみがみや、この世界せかいことわり〟を、いまこそ役立やくだてるときだろ。
 【地球大百科辞典】とかいうスキルもあるしな。

「それが、王女ご自身・・・・・も「よくは、わからないですらららぁぁん♪」と、よくなげいていました……はぁぁあぁ」
 かおはちにするマルチヴィル。
 自身じしん学者方がくしゃかたである学者方がくしゃかたのまとめやくが、でかいいきを吐いた。

「なんだぜ、わからねーのかよ!」
 つい、怒鳴どなると――
「ひひっひいぃぃん?」
 一瞬いっしゅんジタバタして、またすぐ四つあしをピンと伸ばすてんぷらごう

 この子馬こうまが、おにぎりほどではないにしても、こうして自分じぶんかんがえてうごいているのは――
 間違まちがいなくラプトル王女おうじょの、スキルか魔法まほうのおかげだ。

 現在げんざい猪蟹屋ししがにや総力そうりょくをあげてさがしている――
 神々かみがみ世界せかい使つかわれていた……太古たいこのアーティファクト?
 迅雷じんらいつくるための、酢蛸すだぁこ……SDKエスディーケーというなんか、そんなやつ。

 それと似たことが出来できるのが、おにぎりのもとになった――
 廃棄はいきされた女神像めがみぞうなかから採れた、三角さんかくはこで。
 それは二つ合わせると・・・・・・・SDK代エスディーケーがわりになる。
 くっつけるのにコツが要るが、五百乃大角いおのはら得意とくいだから――
 三角さんかくはこさえ有りゃぁ、無人工房や裏天狗うらてんぐ使つかえて便利べんりなんだが。

 ふぉん♪
『シガミー>おい、五百乃大角よ』
 ふぉん♪
『イオノ>なによ、一行表示なんて使って?』
 ふぉん♪
『シガミー>例のおにぎり型の箱のことを、秘書さんに話しても良いか?』

 ふぉん♪
『品代として――1,500パケタ
  廃棄された古代の女神像から回収した謎の遺物』
 〝おにぎりがたの、おにぎりのもと〟を買ったときの内訳うちわけが、表示ひょうじされた。
 ミャッドから買った、三角形の箱おにぎりふたつ。

 出所でどころ魔導騎士団まどうきしだん倉庫そうこで、それ以上いじょうくわしいはなしは――
 ミャッドたちにも、まだわかってないらしいが。

 ふぉん♪
『イオノ>なんで、どうして?』
 ふぉん♪
『>天ぷら号の動かし方の参考になるだろ』

 ふぉん♪
『イオノ>そうわね。そうしましょ。けど、〝着ぐるみ〟に中の人なんていたら興ざめだし、広く知られたら〝おにぎり〟を作ろうとする人が現れないとも限らないから』

秘書子ひしょこちゃぁん、ちょぉーっとおみみを貸してくださらないかしるぁーん
 マルチヴィルのかたに飛び乗る、御神体まるきのこ

じつはなぁ、此処ここだけのはなしにして欲しいんだけど……ミャッドは、たぶん気づいてるとおもうが――」
 おれたちは子馬こうまかげかくれ、内緒話ないしょばなしをする。

「あのぉーう? そろそろたすけてくれませんかぁー?」
 子馬こうま尻尾しっぽからまった少女しょうじょメイド・タターが、顧問秘書マルチヴィルのすぐうしろでたすけをもとめている。

「きゃぁっ、わたしからまっちゃったぁー♪」
 こともあろうか子供こども・レイダが、内緒の話をする・・・・・・・おれと秘書マルチヴィルあいだに――割ってはいってきやがった。
 とんでもなく邪魔じゃまだが、相手あいてをするといつまでもはなしすすまねぇから、このさいっとく。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

闇の錬金術師と三毛猫 ~全種類のポーションが製造可能になったので猫と共にお店でスローライフします~

桜井正宗
ファンタジー
Cランクの平凡な錬金術師・カイリは、宮廷錬金術師に憧れていた。 技術を磨くために大手ギルドに所属。 半年経つとギルドマスターから追放を言い渡された。 理由は、ポーションがまずくて回復力がないからだった。 孤独になったカイリは絶望の中で三毛猫・ヴァルハラと出会う。人語を話す不思議な猫だった。力を与えられ闇の錬金術師に生まれ変わった。 全種類のポーションが製造可能になってしまったのだ。 その力を活かしてお店を開くと、最高のポーションだと国中に広まった。ポーションは飛ぶように売れ、いつの間にかお金持ちに……! その噂を聞きつけた元ギルドも、もう一度やり直さないかとやって来るが――もう遅かった。 カイリは様々なポーションを製造して成り上がっていくのだった。 三毛猫と共に人生の勝ち組へ...!

我が家に子犬がやって来た!

もも野はち助(旧ハチ助)
ファンタジー
【あらすじ】ラテール伯爵家の令嬢フィリアナは、仕事で帰宅できない父の状況に不満を抱きながら、自身の6歳の誕生日を迎えていた。すると、遅くに帰宅した父が白黒でフワフワな毛をした足の太い子犬を連れ帰る。子犬の飼い主はある高貴な人物らしいが、訳あってラテール家で面倒を見る事になったそうだ。その子犬を自身の誕生日プレゼントだと勘違いしたフィリアナは、兄ロアルドと取り合いながら、可愛がり始める。子犬はすでに名前が決まっており『アルス』といった。 アルスは当初かなり周囲の人間を警戒していたのだが、フィリアナとロアルドが甲斐甲斐しく世話をする事で、すぐに二人と打ち解ける。 だがそんな子犬のアルスには、ある重大な秘密があって……。 この話は、子犬と戯れながら巻き込まれ成長をしていく兄妹の物語。 ※全102話で完結済。 ★『小説家になろう』でも読めます★

悪徳貴族の、イメージ改善、慈善事業

ウィリアム・ブロック
ファンタジー
現代日本から死亡したラスティは貴族に転生する。しかしその世界では貴族はあんまり良く思われていなかった。なのでノブリス・オブリージュを徹底させて、貴族のイメージ改善を目指すのだった。

俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない

亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。 不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。 そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。 帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。 そして邂逅する謎の組織。 萌の物語が始まる。

勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス

R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。 そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。 最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。 そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。 ※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

処理中です...