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4:龍撃の学院

517:龍撃準備開始、ガムラン系女子たち

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彼女かのじょたちがぁ、〝深遠しんえんささやき〟の三人さんにんよぉー♪」
 派手はでめなドレスに身をつつんだ淑女しゅくじょが、こえたからかに紹介しょうかいする。
 片手かたてを入りぐちへ向かって差し出した淑女しゅくじょあたま指先ゆびさきには、治療ちりょうあとが見て取れた。

 どたたたたっ。壇上だんじょうへ上がる三人さんにん

「「「し、深遠しんえんささやき――推参すいさん!」」」
 むかかってみぎから、フッカ、外套がいとう短剣屋たんけんや

 フッカが魔法杖まほうつえを、ひょいと投げた。
 なにをするのかと見ていたら、ゆびうえに載せ釣合バランスを取った。

 真んなかのは外套がいとうひろげ、裏地うらじ無数むすうに吊された薬瓶くすりびんから七色なないろけむりを立ちのぼらせ……た?
 なんだぜこりゃ、大道芸だいどうげいかぁ?

 収納魔法具しゅうのうまほうぐのような短剣屋たんけんや短刀たんとうを持ち、そのうえさかさにしたショートソードを乗せた。
 あれはどれだけ修行しゅぎょうをしても、出来できねぇやつには一生出来いっしょうできねぇ凄技すごわざだ。

大道芸だいどうげいじゃねーかっ!」
 馬鹿野郎ばかやろうめ、おれも血がさわいじまうだろうが!

「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「おおおおぉおぉぉぉー♪」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」
 あぁあぁあっ!? しかも受けてやがるだとぉ!?
 学者方がくしゃかたにわぁ男衆おとこしゅうおおいからぁ仕方しかたがねぇが、それにしてもだ。

 ふぉん♪
『シガミー>おい迅雷』
 ふぉん♪
『>なんでしょうか、シガミー?』
 ふぉん♪
『シガミー>やっぱり客はリオレイニアやリカルルくらいの歳の女が、好きみてぇだな』

 ふぉん♪
『>その傾向はあるようですが、シガミーの大道芸が負けた証左にはなりません』
 ぐぬぬぅ。それでもやっぱりきゃくは、子供こどもじゃなくてわかおんなを見に来てるっ。
 あの三人さんにん見向みむきもしねぇのは、このなかじゃニゲルくれえのもんだぜ。
 なんせまだ演習場えんしゅうじょう轟雷ぷらも?と、たわむれているからな。

「パーティーリーダーのチャタンパよっ♪」
 ぼっふわぁぁん、七色なないろけむりてんのぼり――ぼっがぁぁんっ♪
 七色なないろ大爆発だいばくはつした。大講堂だいこうどうが、ざわついていく。

「ちょっと、いま爆発力ばくはつりょく!?」
「ああ、見過みすごせない――」
噴煙ふんえん組成そせいを変えれば――」
「10ばい威力いりょくたかめられる!」

「美の女神めがみイオノファラーも――推参すいさん
 ヴォヴォヴォヴォヴォォォォォォゥン――――♪
 ざわついた大講堂だいこうどうを、ひとまわりする浮かぶプロジェクションBOT

 うるせぇ、一体何いったいなにしてやがる!?
 手元てもとに居る根菜こんさいほうをつかむ。

(Θ_<)カシャッ
 ヴォォォォゥン、ヴッ、カシャカチャ――浮かぶ球いおのはらしろけんを取りだし、短剣女たんけんおんなに斬りかかる!

「リュカテークよっ♪ はぁっ!」
 スパスパスパスパパパッ――輪切わぎりにされていくけん
「ありゃけんじゃねぇ、大根だいこんだぜ!」
 おれがそう言うと、ちいさなわらいが起きた。

「そしてっ、フォチャカッ♪」
 がさがさがさささっ――ぽすん♪
 輪切わぎりになった大根だいこんを、手にしたざるで受け止めるフッカじょう

「「「三人合さんにんあわせてぇ――深遠しんえんささやき!」」」
「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「わわーわぁーわっわわぁぁぁ♪」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」
 ちっ、なんだぜこの大歓声だいかんせいわぁ。

「おれぁ、もっと淑やかな奴ら・・・・・・が来るとおもって、期待きたいしてたんだがぁ」
 大道芸人だいどうげいにんとしてのねたみを込めて、言ってやる。
 どっちにしろ〝深遠しんえんささやき〟かんが、ひとつもねぇのは本当ほんとうだ。

期待きたい? なんの?」
 おれのひとごとに、レイダが食いついた。

「そりゃ、おれの行儀ぎょうぎ参考さんこうに、なるかとおもってだな――いてっ!」
 つかんだままの根菜いおのはらに、ゆびかじられた。
 おれたちがすわ長机ながつくえに降りたち、がちがちと空噛からがみする美の女神マルチタスク御神体こんさいさま。

「お行儀ぎょうぎならぁ、リオレイ……ルガレイニアちゃんさんにおしえてもらったら良いじゃないのさっ
 そりゃそーなんだが。

「レーニア……ルーガレおばさんのマナー講座こうざは、ほかの先生せんせいたちから評判良ひょうばんよいってウチのメイドが言ってたよ?」
 そりゃそーなんだが。

「あそこまで完璧かんぺきだと、商売しょうばい冒険者ぼうけんしゃをするときには……都合つごうわりぃこともあるんだよ」
 かんじとしちゃ、〝大酒おおざけをかっくらってるときの鬼娘オルコくらい〟が良い案配あんばいなんだがなぁ。

「「「そぅわのぉ?」」」
 根菜本体こんさいほんたい子供こどもたちが、不思議ふしぎそうに見つめてくる。

 おおきなこえじゃぁ言えねぇが、ルガレイニア先生せんせい指導は・・・――
 戦乱の世らんせに生きた破戒僧はかいそうのおれにゃぁ、ちときびしずぎてなぁ。

   §

「さて出しものも済んで、ひとまばらになったところでうかがいますが――」
 教卓きょうたくへ立つ、ご令嬢れいじょうリカルル。

「な、なんでしょうか、リカルルさま?」
 おびえるフッカ。長年苛ながねんさいなまれていたのろいから解放かいほうされ、装備そうびこころ心機一転しんきいってん
 あかるくなった彼女フッカではあるが――

じつはアナタの――」
 カツコツカツリ――長机ながつくえあゆみよる靴音くつおと

「「ま、まってリカルルさま、チャッカ・・・・わるくないの!」」
 自分じぶんを呼びつけた領主りょうしゅむすめに、詰めよられれば――

「ううん、わるいのはわたしですっ! 身におぼえはないけどっ、二人ふたりには関係かんけいないんです!」
 こうして取りみだしたりも、するわなぁ。
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