512 / 740
4:龍撃の学院
512:ギ術開発部研究所、第一倉庫最下層のなぞ
しおりを挟む
「あら? 倉庫部屋はこの階で、おしまいみたいでしてよ?」
確かに甲冑姿が言うとおりに、下へ続く階段が無い。
「これで終りか、助かった! なんせミャッドがあれもこれもと詰め込むから、収納魔法具が足りなくなるところだったぜ」
まだ、この階全部を見て回ってはいない。
けどここまで、下へ降りる階段は必ず見えるところに有った。
ふぉん♪
『>はい。それを考えれば、ここが最下層で間違いはないように思えます』
「だって今まで、この倉庫は先に進めないところばかりで、こんなに深く降りたのは初めてニャァ♪」
歓喜の小躍りを舞う、猫の獣人。
猫頭をした毛むくじゃら、猫耳族。
手先まで苔のような緑色の毛皮に覆われていて――
「ありがとうだニャヤァー♪」
はしりとつかまれた手のひらには、押すと爪が飛び出る肉球とやらがある。
「よ、よさねぇか!」
総じて憎めない姿形は、異性から絶大にもてる。
こうしてかわいらしい猫頭を向けられると、それはわからんでもない。
「顧問、お気持ちはわかりますが、落ちついてぇ――くっださい!」
べりべりと引き剥がした上役を、すとんと床に置く顧問秘書。
「ふぅ。コレだけの収穫が有れば、魔導騎士団が抱えていた資金難もかなり解消されます♪」
ぺこりと映像の五百乃大角やおれに、首を垂れる秘書。
秘書にならい、顧問氏もぺこり。
「そうわの? 大掃除のガラクタ集めじゃぁなかったのねぇーん♪」
ヴォォォォゥン♪
映像が顧問の頭をなでた。
「役に立てたのなら、何よりだぜ」
央都ではずっと二人に、世話になってたからな。
「ガラクタではないニャァ。まえに君たちに売った〝太古の廃棄女神像の部品〟だって、ここで見つけた物だニャァ?」
それはつまり、おにぎりの中身である――
猪蟹屋が今、もっとも欲しているものだ。
女神関係者なら欲しがるだろうとふっかけられ、まんまと高値で買わされた経緯がある。
「なんだと!? ソレを早く言えやぁ!」
まるで気にしねぇで、ここまで来ちまっただろうがぁ!
「あれ、言ってなかったかニャァ?」
聞いとらんぞ。
「大丈夫でス、シガミー。棚ニ並んでイた物体ノ中ニ、廃棄女神像ヤ女神像に類スる物ハ有りませんでシた」
なら良いが。
酢蛸でも廃棄女神像でも、何でも良い。
おにぎりに使っちまった、〝自分で考えるための――何か〟。
あれがありゃぁ、迅雷とかおれが居なくても――
天狗とか烏天狗を〝本当に居る〟ように出来る。
ふぉん♪
『>そうですね。演算単位を、もう一人分扱えるようになるなら、猪蟹屋業務の完全自動化も夢ではありません』
迅雷が居てくれるだけでも、相当助かってはいるんだがな。
兎に角だ。間違っても大事なそれを、おにぎりの二匹目に使うような真似はもうしねぇ。
自律型一号は一匹で、十分だぜ。
「それで肝心の、その〝封印の宝箱〟とやらは、どこにあるのかしら?」
カッツカッツコッツコッツ――――ひょい?
赤いのが壁向こうの通路を、覗き込んだ――「うぎゃぁ!」
淑女にあるまじき、怒声!
「ひかりのたてよっ!」
ヴォォォォォォンッ――――!
聖なる光を放ち、邪なるものを遠ざける。
蜂女の高等魔術が炸裂し、守るべき主君を――
「むっぎゃっぴゃ――!?」
ドッガァン――ゴドゴロロロロロロッ!
盛大に弾き飛ばした!
「ひ、痛わはいへへへほ、酷ひへふわほレー……ルーア゛レ」
転んだ勢いで狐面が、ふたたび閉じられている。
何を言ってるのか、ほとんどわからんな。
駆けよりカパリと、狐面を持ち上げてやる蜂女。
「申し訳ありません、お嬢さま! この新しい白狐の面……いえ、鏡の眼鏡を通すと、威力や速さが上がるのに、まだ慣れていなくて」
頬を押さえ、弁明する白い魔神。
「威力だけじゃなくて速さもですか、そーですかっ――これだからヒーノモトーの連中は、まったくもうっ!」
ガシャリと飛び起き、睨まれた。
「そんなことよりよ。ありゃぁ、ご令嬢がやったのか?」
短い通路の奥にあったのは、そこそこの広さの部屋。
真っ白い壁床天井、その真ん中。
一段高くなった台の上。
転がるのは――〝豪奢な作りの箱〟。
「そんな訳有りませんでしてよ! その壁に空いた、穴に驚いただけですわっ!」
どうやら、そうらしい。
奥の壁には、大穴が――空いていた。
§
箱は壊れていて、中は空っぽだった。
どういうことだぜ?
ふぉん♪
『>この国の歴史は類推ですが、500年から数千年と思われます。少なくとも、それだけの長い期間封印されていた果実を、倉庫の外へ投げ放った者が居るようです』
そいつぁ、どんな大男……いや、大女だぁ。
頭を鬼の娘がよぎった。
「「何ということ――ニャァ」――でしょう」」
モサモサ神官どもを従えた、ギ術開発部の二人が、宝箱に群がる。
「この壊れ方からみて、まだひと月も過ぎていないニャァ?」
モササササッ、モササササッ。
「どういうコトでしょう? 我々でさえ到達出来なかった倉庫最下層へ侵入し、あまつさえ〝封印の宝箱〟を壊すなんて――」
モッサモササ、モモサァサァ。
カツンコツン、カツンコツン――主人の介抱を終えた魔神蜂女さんが、寄ってきた。
「と言うよりも……コレは、箱の中に封印されていた何かが――内側から箱を壊したようにみえませんか?」
銀色の瞳に映りこむ――壁の大穴。
大穴は壁を粉砕し地中を、ほぼ真横に突き進んでいて――
よーく見れば向こう側に、光が見えていた。
すると、この穴は――
「「「「「龍の巣へ、繋がってるっ!?」」」」――のぉん!?」
方角的に間違いねぇ。
「ジリリリリン――ッ♪」
突然の警報!?
「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「ぎゃぁぁっ!!!???」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」
飛び上がる、おれたち。
モモサァ――引く波のように、下がる神官たち。
槍を構え、周囲の警戒に当たる。
「はぁぁい! ガチャリッ――もしもしー、斧原ですけどぉー、どぉーなぁーたぁー?」
胸元から剣の柄みたいな取っ手(映像)を取りだした、イオノファラー(映像)。
それには草の蔓のような紐が、付いている。
激しく動いたからか、五百乃大角(映像)の、中身がうっすらと見えていて――
浮かぶ球から伸びた機械腕が、根菜をつかんで映像の耳に押し当てている。
「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「もしもし?」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」――ござる!?」
だからゴザルは言ってねぇ。
それにしても何の真似だぜ、五百乃大角ぁ?
ふぉん♪
『>女神像デバイス間の、同期チャンネルを利用した音声通話のようです』
はい、わからん。
ふぉん♪
『ホシガミー>シガミーさん。今よろしいでしょうか、クースクス?』
何だぜ、こんなときに――っていうか、いまの「通話」は茅野姫か。
ふぉん♪
『シガミー>構わんが、こっちはとんでもねぇ物を見つけた。たぶん、ゲイルにぶち当たった木の実の出所がわかったぞ』
ふぉん♪
『ホシガミー>あら、それはそれは。こちらでも弾道解析がすんだところですわ』
なに?
ふぉん♪
『ヒント>弾道解析/弾道学と同義。発射した弾を当てるための演算。この場合は着弾の様子から、発射地点を逆算すること』
わか――るな。
そりゃ、ゲイルを狙った果実の出所……だろう?
つまり、おれたちが今居る部屋だ。
確かに甲冑姿が言うとおりに、下へ続く階段が無い。
「これで終りか、助かった! なんせミャッドがあれもこれもと詰め込むから、収納魔法具が足りなくなるところだったぜ」
まだ、この階全部を見て回ってはいない。
けどここまで、下へ降りる階段は必ず見えるところに有った。
ふぉん♪
『>はい。それを考えれば、ここが最下層で間違いはないように思えます』
「だって今まで、この倉庫は先に進めないところばかりで、こんなに深く降りたのは初めてニャァ♪」
歓喜の小躍りを舞う、猫の獣人。
猫頭をした毛むくじゃら、猫耳族。
手先まで苔のような緑色の毛皮に覆われていて――
「ありがとうだニャヤァー♪」
はしりとつかまれた手のひらには、押すと爪が飛び出る肉球とやらがある。
「よ、よさねぇか!」
総じて憎めない姿形は、異性から絶大にもてる。
こうしてかわいらしい猫頭を向けられると、それはわからんでもない。
「顧問、お気持ちはわかりますが、落ちついてぇ――くっださい!」
べりべりと引き剥がした上役を、すとんと床に置く顧問秘書。
「ふぅ。コレだけの収穫が有れば、魔導騎士団が抱えていた資金難もかなり解消されます♪」
ぺこりと映像の五百乃大角やおれに、首を垂れる秘書。
秘書にならい、顧問氏もぺこり。
「そうわの? 大掃除のガラクタ集めじゃぁなかったのねぇーん♪」
ヴォォォォゥン♪
映像が顧問の頭をなでた。
「役に立てたのなら、何よりだぜ」
央都ではずっと二人に、世話になってたからな。
「ガラクタではないニャァ。まえに君たちに売った〝太古の廃棄女神像の部品〟だって、ここで見つけた物だニャァ?」
それはつまり、おにぎりの中身である――
猪蟹屋が今、もっとも欲しているものだ。
女神関係者なら欲しがるだろうとふっかけられ、まんまと高値で買わされた経緯がある。
「なんだと!? ソレを早く言えやぁ!」
まるで気にしねぇで、ここまで来ちまっただろうがぁ!
「あれ、言ってなかったかニャァ?」
聞いとらんぞ。
「大丈夫でス、シガミー。棚ニ並んでイた物体ノ中ニ、廃棄女神像ヤ女神像に類スる物ハ有りませんでシた」
なら良いが。
酢蛸でも廃棄女神像でも、何でも良い。
おにぎりに使っちまった、〝自分で考えるための――何か〟。
あれがありゃぁ、迅雷とかおれが居なくても――
天狗とか烏天狗を〝本当に居る〟ように出来る。
ふぉん♪
『>そうですね。演算単位を、もう一人分扱えるようになるなら、猪蟹屋業務の完全自動化も夢ではありません』
迅雷が居てくれるだけでも、相当助かってはいるんだがな。
兎に角だ。間違っても大事なそれを、おにぎりの二匹目に使うような真似はもうしねぇ。
自律型一号は一匹で、十分だぜ。
「それで肝心の、その〝封印の宝箱〟とやらは、どこにあるのかしら?」
カッツカッツコッツコッツ――――ひょい?
赤いのが壁向こうの通路を、覗き込んだ――「うぎゃぁ!」
淑女にあるまじき、怒声!
「ひかりのたてよっ!」
ヴォォォォォォンッ――――!
聖なる光を放ち、邪なるものを遠ざける。
蜂女の高等魔術が炸裂し、守るべき主君を――
「むっぎゃっぴゃ――!?」
ドッガァン――ゴドゴロロロロロロッ!
盛大に弾き飛ばした!
「ひ、痛わはいへへへほ、酷ひへふわほレー……ルーア゛レ」
転んだ勢いで狐面が、ふたたび閉じられている。
何を言ってるのか、ほとんどわからんな。
駆けよりカパリと、狐面を持ち上げてやる蜂女。
「申し訳ありません、お嬢さま! この新しい白狐の面……いえ、鏡の眼鏡を通すと、威力や速さが上がるのに、まだ慣れていなくて」
頬を押さえ、弁明する白い魔神。
「威力だけじゃなくて速さもですか、そーですかっ――これだからヒーノモトーの連中は、まったくもうっ!」
ガシャリと飛び起き、睨まれた。
「そんなことよりよ。ありゃぁ、ご令嬢がやったのか?」
短い通路の奥にあったのは、そこそこの広さの部屋。
真っ白い壁床天井、その真ん中。
一段高くなった台の上。
転がるのは――〝豪奢な作りの箱〟。
「そんな訳有りませんでしてよ! その壁に空いた、穴に驚いただけですわっ!」
どうやら、そうらしい。
奥の壁には、大穴が――空いていた。
§
箱は壊れていて、中は空っぽだった。
どういうことだぜ?
ふぉん♪
『>この国の歴史は類推ですが、500年から数千年と思われます。少なくとも、それだけの長い期間封印されていた果実を、倉庫の外へ投げ放った者が居るようです』
そいつぁ、どんな大男……いや、大女だぁ。
頭を鬼の娘がよぎった。
「「何ということ――ニャァ」――でしょう」」
モサモサ神官どもを従えた、ギ術開発部の二人が、宝箱に群がる。
「この壊れ方からみて、まだひと月も過ぎていないニャァ?」
モササササッ、モササササッ。
「どういうコトでしょう? 我々でさえ到達出来なかった倉庫最下層へ侵入し、あまつさえ〝封印の宝箱〟を壊すなんて――」
モッサモササ、モモサァサァ。
カツンコツン、カツンコツン――主人の介抱を終えた魔神蜂女さんが、寄ってきた。
「と言うよりも……コレは、箱の中に封印されていた何かが――内側から箱を壊したようにみえませんか?」
銀色の瞳に映りこむ――壁の大穴。
大穴は壁を粉砕し地中を、ほぼ真横に突き進んでいて――
よーく見れば向こう側に、光が見えていた。
すると、この穴は――
「「「「「龍の巣へ、繋がってるっ!?」」」」――のぉん!?」
方角的に間違いねぇ。
「ジリリリリン――ッ♪」
突然の警報!?
「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「ぎゃぁぁっ!!!???」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」
飛び上がる、おれたち。
モモサァ――引く波のように、下がる神官たち。
槍を構え、周囲の警戒に当たる。
「はぁぁい! ガチャリッ――もしもしー、斧原ですけどぉー、どぉーなぁーたぁー?」
胸元から剣の柄みたいな取っ手(映像)を取りだした、イオノファラー(映像)。
それには草の蔓のような紐が、付いている。
激しく動いたからか、五百乃大角(映像)の、中身がうっすらと見えていて――
浮かぶ球から伸びた機械腕が、根菜をつかんで映像の耳に押し当てている。
「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「もしもし?」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」――ござる!?」
だからゴザルは言ってねぇ。
それにしても何の真似だぜ、五百乃大角ぁ?
ふぉん♪
『>女神像デバイス間の、同期チャンネルを利用した音声通話のようです』
はい、わからん。
ふぉん♪
『ホシガミー>シガミーさん。今よろしいでしょうか、クースクス?』
何だぜ、こんなときに――っていうか、いまの「通話」は茅野姫か。
ふぉん♪
『シガミー>構わんが、こっちはとんでもねぇ物を見つけた。たぶん、ゲイルにぶち当たった木の実の出所がわかったぞ』
ふぉん♪
『ホシガミー>あら、それはそれは。こちらでも弾道解析がすんだところですわ』
なに?
ふぉん♪
『ヒント>弾道解析/弾道学と同義。発射した弾を当てるための演算。この場合は着弾の様子から、発射地点を逆算すること』
わか――るな。
そりゃ、ゲイルを狙った果実の出所……だろう?
つまり、おれたちが今居る部屋だ。
0
お気に入りに追加
54
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
スター・スフィア-異世界冒険はお喋り宝石と共に-
黒河ハル
ファンタジー
——1つの星に1つの世界、1つの宙《そら》に無数の冒険——
帰り道に拾った蒼い石がなんか光りだして、なんか異世界に飛ばされた…。
しかもその石、喋るし、消えるし、食べるしでもう意味わからん!
そんな俺の気持ちなどおかまいなしに、突然黒いドラゴンが襲ってきて——
不思議な力を持った宝石たちを巡る、異世界『転移』物語!
星の命運を掛けた壮大なSFファンタジー!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
我が家に子犬がやって来た!
もも野はち助(旧ハチ助)
ファンタジー
【あらすじ】ラテール伯爵家の令嬢フィリアナは、仕事で帰宅できない父の状況に不満を抱きながら、自身の6歳の誕生日を迎えていた。すると、遅くに帰宅した父が白黒でフワフワな毛をした足の太い子犬を連れ帰る。子犬の飼い主はある高貴な人物らしいが、訳あってラテール家で面倒を見る事になったそうだ。その子犬を自身の誕生日プレゼントだと勘違いしたフィリアナは、兄ロアルドと取り合いながら、可愛がり始める。子犬はすでに名前が決まっており『アルス』といった。
アルスは当初かなり周囲の人間を警戒していたのだが、フィリアナとロアルドが甲斐甲斐しく世話をする事で、すぐに二人と打ち解ける。
だがそんな子犬のアルスには、ある重大な秘密があって……。
この話は、子犬と戯れながら巻き込まれ成長をしていく兄妹の物語。
※全102話で完結済。
★『小説家になろう』でも読めます★
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
最後に言い残した事は
白羽鳥(扇つくも)
ファンタジー
どうして、こんな事になったんだろう……
断頭台の上で、元王妃リテラシーは呆然と己を罵倒する民衆を見下ろしていた。世界中から尊敬を集めていた宰相である父の暗殺。全てが狂い出したのはそこから……いや、もっと前だったかもしれない。
本日、リテラシーは公開処刑される。家族ぐるみで悪魔崇拝を行っていたという謂れなき罪のために王妃の位を剥奪され、邪悪な魔女として。
「最後に、言い残した事はあるか?」
かつての夫だった若き国王の言葉に、リテラシーは父から教えられていた『呪文』を発する。
※ファンタジーです。ややグロ表現注意。
※「小説家になろう」にも掲載。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します
有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。
妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。
さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。
そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。
そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。
現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる