509 / 736
4:龍撃の学院
509:ギ術開発部研究所、閃雷石とわからん話
しおりを挟む
「あのさ、ルガさん?」
小さな魔法杖を仕舞う、冒険者仲間に声を掛ける。
「ルガさん? リオと呼……んでは、覆面の意味がありませんね。わかりました、以後ルガとお呼び下さい」
軽く腰を落としてみせる、神々しい……蜂のお化け?
そう考えると、あの初心者用魔法杖は――
彼女に持たせると、さながら蜂の毒針だな。
「で、さっきの名乗り……でもねぇ、茶番は何だぜ?」
ここに居る大人たちに、問うてみる。
「それはですね、戦いのまえに名乗りを上げると同時に――」
驚いたぜ。さっきのは本当に、いくさ前の名乗りだったらしい。
一騎討ちや小競り合いならいざ知らず、いくさ場で、ああも目立つことを良くやるもんだぜ。
「――上空へ設置された魔法を解除するための、雷系魔法を放つのですが――」
おい、設置魔法てのは聞いたことがねぇぞ。
ふぉん♪
『>イオノファラーから開示された攻略本の範囲中に、大規模戦闘用に開発された滞空する魔法具を使った罠が確認出来ました』
空飛ぶ魔法具? そいつぁやべえな。
ひとまず名乗りが必要だってのは、わかったが。
「――その行使に必要な特殊な魔石が、少し値が張るのですわ」
カパリと狐面を持ち上げ話す、赤いの。
魔物境界線、つまり人類の矢面の町。
そこの領主の娘が、央都の最大戦力を蹴散らした。
それなのに、それを問題にしてるやつがいねぇ。
「値が張る?」
おれは赤い甲冑を見つめる。
作ってやった便利なベルト型の甲冑入れは、ちゃんと使えてるみたいだ。
「そうですわ。私の剣にも一応付いていますのよ?」
そう言って豪奢な剣の柄頭を、カチャリと開く。
そこから取りだしたのは、小さな丸棒。
金ピカで、青い斑点がある――金属か?
どうもそれが、さっきの雷の元になるらしい。
あの豪奢な剣は聖剣をぶった切った物を打ち直した偽物だが、柄の部分は元のままだろうから――
雷を撃つ習慣は、相当な昔から有ったってことになる。
「私の魔法杖には付いていませんが、上空へ雷を放つのに〝ライトニングストーン〟をひとつ使用します」
蜂の魔神が、説明してくれる。
ふぉん♪
『ヒント>ライトニングストーン/閃雷石。詳細不明』
何も、わからんのか?
「央都の市場価格で10パケタするから節約のために、略式の家族割り雷魔法を使ったんだニャァ」
猫の顔を両手で押さえる顧問氏。
10パケタって言うと――15万円!?
串揚げで言うなら、1,000本にもなる。
価値としちゃ、そうだな……そいつが六個でネネルド村の、〝虹色の魔石〟と同じくらいか。
たしかに普通なら、おいそれと使えやしねぇが――
いくさ場でそれをケチると、死ぬからなぁ。
「誠にお恥ずかしい話ですが、われわれ魔導騎士団は万年金欠団と呼ばれて久しく……」
目を逸らす秘書。
逸らした先には、ソコソコ豪奢でしゃらあしゃらしたドレス姿。
見つめられた第一王女さまが――ソレはソレは流暢に口笛を吹き、そっぽを向いた。
ゴーレム開発資金がらみの話か?
けど王女の扱う素材は、魔王城近くでゴーレムに狩らせてたよな?
ふぉん♪
『>ひょっとしたら、その辺の事情が今回の〝王政不要論〟へ繋がっているのかも知れません』
そうかもなぁ。
「ふぅぅん? ま、魔導騎士団てぇのわぁ随分と、情けねぇ集団だな?」
思ったところを、遠慮無く言っておく。
「「「「「面目ない」ニャァ」を」ですじゃ」かぎりです」
その場に残った魔導騎士団関係者たちが、一斉に恐縮した。
§
魔導騎士団詰め所は央都で一番高い塔の、一階にあった。
そして、やっぱり逗留するための小さい城が立ち並んでいて――
敷地の大部分は訓練場で、併設された巨大な倉庫が外れに何個か建っている。
やや作りの良い会議室へ通された。
集まったのは、おれ、リオ……ルガさん、リカルル、ニゲル、ノヴァド、エクレア。
そしてラプトルとサウルースの、王族ご兄妹。
あと付いてきちまった、レイダとビビビーに、おにぎりに天ぷら号とゲイルも居るな。
ミャッドにマルチヴィル、師団長のケッピンと――
ご老体、童、顔の長い獣人。
それにお偉方を守る、護衛が数名。
20人を越えて、そこそこの人員になった。
央都の騒乱を鎮めるには、頼りないけど。
「では、どうしようか。ウチの兵隊がシガミーに歯が立たないのは実証済だし、ドコまで行っても単純な話になっちゃうけどニャァ?」
猫の額を叩き、悩んでみせる顧問氏。
央都における最大戦力、魔導騎士団の戦力不足には――同情するが。
「「どうしようか」はねぇだろうが。お前さんが連れて来たんだし、「簡単な話」でもなくねぇかぁ――!」
おれは机を、トンと叩いた。
その時、わさわさわさわさ。
微かな音を立てて、そーっと近づいてきたのは――
モサモサの布人間たち。
でた。でたぞ迅雷。モサモサ神官だ!
体中にお札のような物を、上から下までビッシリと貼りつけた連中。
初めて央都に来たときに、手合わせした。
あいつらは以外と厄介だったが、今日は赤いのと白いのと安物が居る。
わらわら、わらららら――カチャ、コトン。
もさもさもっ、さもさもさ――カチャカチャ、コトトン。
その、もっささ、ささぁーとした、寄っては引くような動き。
蹴散らすことは容易くても、やっぱり虚を突かれる。
そいつらが「どうぞ」と、茶を出してくれた。
「お? 悪ぃな」
猪蟹屋の頭巾は口元をぎゅっと持ち上げると、飲み食いが出来る。
伸縮自在で、刃を通さない。
こんな代物が、おれが居た日の本にあったら――
いくさの勝敗がすべて、塗り替えられたことだろう。
ぽこ――こぉん♪
「あらぁ、おいしそーな……お紅茶かしらぁん?」
おれは頭の上に顕現した、女神御神体を、がしりとつかんで――
机の上に解き放つ。
「ずずずずぅー、ぷはぁ♪ おいしい!」
「本当ですね」
「にゃみゃぎにゃあぁー♪」
「ヴィヴィー、ゲイル、おいしーね♪」
「ほんとね、レイダ♪」
「我は猪蟹屋の渋い茶の方が、好みだが」
「がっはははっ♪ まぁ、好き好きだなっ!」
「うまい♪ 二号店でも出したいかも」
「ひっひひぃん?」
「この茶葉はどこで、仕入れたんだい?」
「みなさん、お茶はお静かに嗜む物でしてよ」
「わいわいわいわいわわわい」
「がやがやがややややがやが」
騒々しい……なんか人が増えてね?
「ふぅー、うまい茶だな。それで……単純な話てのわ、何だぜ?」
おれはとおくから聞こえてくる、央都の惨状に思いをはせる。
各地領主の逗留部隊が、ひしめき合うような――
いくさ場へ向かう、行軍の音。
そんなのを聞かされたら、こちとら武者震いが出ちまう。
ミャッドが何を言ってやがるのか、わかるか?
ふぉん♪
『>現在我々が置かれている立場というのが、シガミーが考えたことでほぼ全てということを示唆しているのでは?』
迅雷まで、わっかっらんことをっ言うんじゃねぇやい!
「どー考えても一筋縄じゃぁ、いかんだろぉーがぁ!?」
祭り事てのは、勝ちゃぁ良いってもんでもねぇ。
それでもたしかに、いくさで負けるよりゃ良いんだが。
「ふぅ――カチャ♪」
カップを置く、赤いの。
「この世界を脅かす魔王軍や変異種を、倒すこと――」
彼女が甲冑の下に着ているのは、多少派手だが豪奢なドレスでは無い。
「ふぅ――カチャ♪ それに勝る優先順は、ありません」
蜂の魔神が着ているのは、猪蟹屋標準装備。
「ふぅ――カチャ♪ 魔物境界線ガムランの戦力は、央都のそれとは別物です。なので私のゴーレム開発は急務とされているのですらぁん!」
第一王女殿下の格好が、いつの間に着替えたのか――
作業着姿になっていた。
「ふふるぅーん♪ すすぅー!」
優雅に紅茶をすする、第一王子殿下。
魔導騎士団は、お前さまが率いているんじゃ無いのか?
それが用なしと言われているのに、随分と余裕があるな?
「ずずずーぅ?」
おれは茶をすする。
モサモサ神官が出してくれた、茶はうまいが――
ミャッドが言ってることが、理解出来ん。
迅雷の説明も、要領を得んなら――
轟雷を着るしかねぇかぁ。
着りゃぁ、頓知も働くだろう。
小さな魔法杖を仕舞う、冒険者仲間に声を掛ける。
「ルガさん? リオと呼……んでは、覆面の意味がありませんね。わかりました、以後ルガとお呼び下さい」
軽く腰を落としてみせる、神々しい……蜂のお化け?
そう考えると、あの初心者用魔法杖は――
彼女に持たせると、さながら蜂の毒針だな。
「で、さっきの名乗り……でもねぇ、茶番は何だぜ?」
ここに居る大人たちに、問うてみる。
「それはですね、戦いのまえに名乗りを上げると同時に――」
驚いたぜ。さっきのは本当に、いくさ前の名乗りだったらしい。
一騎討ちや小競り合いならいざ知らず、いくさ場で、ああも目立つことを良くやるもんだぜ。
「――上空へ設置された魔法を解除するための、雷系魔法を放つのですが――」
おい、設置魔法てのは聞いたことがねぇぞ。
ふぉん♪
『>イオノファラーから開示された攻略本の範囲中に、大規模戦闘用に開発された滞空する魔法具を使った罠が確認出来ました』
空飛ぶ魔法具? そいつぁやべえな。
ひとまず名乗りが必要だってのは、わかったが。
「――その行使に必要な特殊な魔石が、少し値が張るのですわ」
カパリと狐面を持ち上げ話す、赤いの。
魔物境界線、つまり人類の矢面の町。
そこの領主の娘が、央都の最大戦力を蹴散らした。
それなのに、それを問題にしてるやつがいねぇ。
「値が張る?」
おれは赤い甲冑を見つめる。
作ってやった便利なベルト型の甲冑入れは、ちゃんと使えてるみたいだ。
「そうですわ。私の剣にも一応付いていますのよ?」
そう言って豪奢な剣の柄頭を、カチャリと開く。
そこから取りだしたのは、小さな丸棒。
金ピカで、青い斑点がある――金属か?
どうもそれが、さっきの雷の元になるらしい。
あの豪奢な剣は聖剣をぶった切った物を打ち直した偽物だが、柄の部分は元のままだろうから――
雷を撃つ習慣は、相当な昔から有ったってことになる。
「私の魔法杖には付いていませんが、上空へ雷を放つのに〝ライトニングストーン〟をひとつ使用します」
蜂の魔神が、説明してくれる。
ふぉん♪
『ヒント>ライトニングストーン/閃雷石。詳細不明』
何も、わからんのか?
「央都の市場価格で10パケタするから節約のために、略式の家族割り雷魔法を使ったんだニャァ」
猫の顔を両手で押さえる顧問氏。
10パケタって言うと――15万円!?
串揚げで言うなら、1,000本にもなる。
価値としちゃ、そうだな……そいつが六個でネネルド村の、〝虹色の魔石〟と同じくらいか。
たしかに普通なら、おいそれと使えやしねぇが――
いくさ場でそれをケチると、死ぬからなぁ。
「誠にお恥ずかしい話ですが、われわれ魔導騎士団は万年金欠団と呼ばれて久しく……」
目を逸らす秘書。
逸らした先には、ソコソコ豪奢でしゃらあしゃらしたドレス姿。
見つめられた第一王女さまが――ソレはソレは流暢に口笛を吹き、そっぽを向いた。
ゴーレム開発資金がらみの話か?
けど王女の扱う素材は、魔王城近くでゴーレムに狩らせてたよな?
ふぉん♪
『>ひょっとしたら、その辺の事情が今回の〝王政不要論〟へ繋がっているのかも知れません』
そうかもなぁ。
「ふぅぅん? ま、魔導騎士団てぇのわぁ随分と、情けねぇ集団だな?」
思ったところを、遠慮無く言っておく。
「「「「「面目ない」ニャァ」を」ですじゃ」かぎりです」
その場に残った魔導騎士団関係者たちが、一斉に恐縮した。
§
魔導騎士団詰め所は央都で一番高い塔の、一階にあった。
そして、やっぱり逗留するための小さい城が立ち並んでいて――
敷地の大部分は訓練場で、併設された巨大な倉庫が外れに何個か建っている。
やや作りの良い会議室へ通された。
集まったのは、おれ、リオ……ルガさん、リカルル、ニゲル、ノヴァド、エクレア。
そしてラプトルとサウルースの、王族ご兄妹。
あと付いてきちまった、レイダとビビビーに、おにぎりに天ぷら号とゲイルも居るな。
ミャッドにマルチヴィル、師団長のケッピンと――
ご老体、童、顔の長い獣人。
それにお偉方を守る、護衛が数名。
20人を越えて、そこそこの人員になった。
央都の騒乱を鎮めるには、頼りないけど。
「では、どうしようか。ウチの兵隊がシガミーに歯が立たないのは実証済だし、ドコまで行っても単純な話になっちゃうけどニャァ?」
猫の額を叩き、悩んでみせる顧問氏。
央都における最大戦力、魔導騎士団の戦力不足には――同情するが。
「「どうしようか」はねぇだろうが。お前さんが連れて来たんだし、「簡単な話」でもなくねぇかぁ――!」
おれは机を、トンと叩いた。
その時、わさわさわさわさ。
微かな音を立てて、そーっと近づいてきたのは――
モサモサの布人間たち。
でた。でたぞ迅雷。モサモサ神官だ!
体中にお札のような物を、上から下までビッシリと貼りつけた連中。
初めて央都に来たときに、手合わせした。
あいつらは以外と厄介だったが、今日は赤いのと白いのと安物が居る。
わらわら、わらららら――カチャ、コトン。
もさもさもっ、さもさもさ――カチャカチャ、コトトン。
その、もっささ、ささぁーとした、寄っては引くような動き。
蹴散らすことは容易くても、やっぱり虚を突かれる。
そいつらが「どうぞ」と、茶を出してくれた。
「お? 悪ぃな」
猪蟹屋の頭巾は口元をぎゅっと持ち上げると、飲み食いが出来る。
伸縮自在で、刃を通さない。
こんな代物が、おれが居た日の本にあったら――
いくさの勝敗がすべて、塗り替えられたことだろう。
ぽこ――こぉん♪
「あらぁ、おいしそーな……お紅茶かしらぁん?」
おれは頭の上に顕現した、女神御神体を、がしりとつかんで――
机の上に解き放つ。
「ずずずずぅー、ぷはぁ♪ おいしい!」
「本当ですね」
「にゃみゃぎにゃあぁー♪」
「ヴィヴィー、ゲイル、おいしーね♪」
「ほんとね、レイダ♪」
「我は猪蟹屋の渋い茶の方が、好みだが」
「がっはははっ♪ まぁ、好き好きだなっ!」
「うまい♪ 二号店でも出したいかも」
「ひっひひぃん?」
「この茶葉はどこで、仕入れたんだい?」
「みなさん、お茶はお静かに嗜む物でしてよ」
「わいわいわいわいわわわい」
「がやがやがややややがやが」
騒々しい……なんか人が増えてね?
「ふぅー、うまい茶だな。それで……単純な話てのわ、何だぜ?」
おれはとおくから聞こえてくる、央都の惨状に思いをはせる。
各地領主の逗留部隊が、ひしめき合うような――
いくさ場へ向かう、行軍の音。
そんなのを聞かされたら、こちとら武者震いが出ちまう。
ミャッドが何を言ってやがるのか、わかるか?
ふぉん♪
『>現在我々が置かれている立場というのが、シガミーが考えたことでほぼ全てということを示唆しているのでは?』
迅雷まで、わっかっらんことをっ言うんじゃねぇやい!
「どー考えても一筋縄じゃぁ、いかんだろぉーがぁ!?」
祭り事てのは、勝ちゃぁ良いってもんでもねぇ。
それでもたしかに、いくさで負けるよりゃ良いんだが。
「ふぅ――カチャ♪」
カップを置く、赤いの。
「この世界を脅かす魔王軍や変異種を、倒すこと――」
彼女が甲冑の下に着ているのは、多少派手だが豪奢なドレスでは無い。
「ふぅ――カチャ♪ それに勝る優先順は、ありません」
蜂の魔神が着ているのは、猪蟹屋標準装備。
「ふぅ――カチャ♪ 魔物境界線ガムランの戦力は、央都のそれとは別物です。なので私のゴーレム開発は急務とされているのですらぁん!」
第一王女殿下の格好が、いつの間に着替えたのか――
作業着姿になっていた。
「ふふるぅーん♪ すすぅー!」
優雅に紅茶をすする、第一王子殿下。
魔導騎士団は、お前さまが率いているんじゃ無いのか?
それが用なしと言われているのに、随分と余裕があるな?
「ずずずーぅ?」
おれは茶をすする。
モサモサ神官が出してくれた、茶はうまいが――
ミャッドが言ってることが、理解出来ん。
迅雷の説明も、要領を得んなら――
轟雷を着るしかねぇかぁ。
着りゃぁ、頓知も働くだろう。
0
お気に入りに追加
51
あなたにおすすめの小説
断腸の思いで王家に差し出した孫娘が婚約破棄されて帰ってきた
兎屋亀吉
恋愛
ある日王家主催のパーティに行くといって出かけた孫娘のエリカが泣きながら帰ってきた。買ったばかりのドレスは真っ赤なワインで汚され、左頬は腫れていた。話を聞くと王子に婚約を破棄され、取り巻きたちに酷いことをされたという。許せん。戦じゃ。この命燃え尽きようとも、必ずや王家を滅ぼしてみせようぞ。
Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!
仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。
しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。
そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。
一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった!
これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!
平凡すぎる、と追放された俺。実は大量スキル獲得可のチート能力『無限変化』の使い手でした。俺が抜けてパーティが瓦解したから今更戻れ?お断りです
たかたちひろ【令嬢節約ごはん23日発売】
ファンタジー
★ファンタジーカップ参加作品です。
応援していただけたら執筆の励みになります。
《俺、貸します!》
これはパーティーを追放された男が、その実力で上り詰め、唯一無二の『レンタル冒険者』として無双を極める話である。(新形式のざまぁもあるよ)
ここから、直接ざまぁに入ります。スカッとしたい方は是非!
「君みたいな平均的な冒険者は不要だ」
この一言で、パーティーリーダーに追放を言い渡されたヨシュア。
しかしその実、彼は平均を装っていただけだった。
レベル35と見せかけているが、本当は350。
水属性魔法しか使えないと見せかけ、全属性魔法使い。
あまりに圧倒的な実力があったため、パーティーの中での力量バランスを考え、あえて影からのサポートに徹していたのだ。
それどころか攻撃力・防御力、メンバー関係の調整まで全て、彼が一手に担っていた。
リーダーのあまりに不足している実力を、ヨシュアのサポートにより埋めてきたのである。
その事実を伝えるも、リーダーには取り合ってもらえず。
あえなく、追放されてしまう。
しかし、それにより制限の消えたヨシュア。
一人で無双をしていたところ、その実力を美少女魔導士に見抜かれ、『レンタル冒険者』としてスカウトされる。
その内容は、パーティーや個人などに借りられていき、場面に応じた役割を果たすというものだった。
まさに、ヨシュアにとっての天職であった。
自分を正当に認めてくれ、力を発揮できる環境だ。
生まれつき与えられていたギフト【無限変化】による全武器、全スキルへの適性を活かして、様々な場所や状況に完璧な適応を見せるヨシュア。
目立ちたくないという思いとは裏腹に、引っ張りだこ。
元パーティーメンバーも彼のもとに帰ってきたいと言うなど、美少女たちに溺愛される。
そうしつつ、かつて前例のない、『レンタル』無双を開始するのであった。
一方、ヨシュアを追放したパーティーリーダーはと言えば、クエストの失敗、メンバーの離脱など、どんどん破滅へと追い込まれていく。
ヨシュアのスーパーサポートに頼りきっていたこと、その真の強さに気づき、戻ってこいと声をかけるが……。
そのときには、もう遅いのであった。
お花畑な母親が正当な跡取りである兄を差し置いて俺を跡取りにしようとしている。誰か助けて……
karon
ファンタジー
我が家にはおまけがいる。それは俺の兄、しかし兄はすべてに置いて俺に勝っており、俺は凡人以下。兄を差し置いて俺が跡取りになったら俺は詰む。何とかこの状況から逃げ出したい。
王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します
有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。
妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。
さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。
そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。
そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。
現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
公爵令嬢はアホ係から卒業する
依智川ゆかり
ファンタジー
『エルメリア・バーンフラウト! お前との婚約を破棄すると、ここに宣言する!!」
婚約相手だったアルフォード王子からそんな宣言を受けたエルメリア。
そんな王子は、数日後バーンフラウト家にて、土下座を披露する事になる。
いや、婚約破棄自体はむしろ願ったり叶ったりだったんですが、あなた本当に分かってます?
何故、私があなたと婚約する事になったのか。そして、何故公爵令嬢である私が『アホ係』と呼ばれるようになったのか。
エルメリアはアルフォード王子……いや、アホ王子に話し始めた。
彼女が『アホ係』となった経緯を、嘘偽りなく。
*『小説家になろう』でも公開しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる