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4:龍撃の学院
499:ネネルド村奇譚、看板娘と女性冒険者装備について
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「バカを言うなよ。リオレイニアは猪蟹屋の看板娘なんだからさー」
いつもはおれが言われてることだが――「もっとちゃんとしてくれ」だぜ。
「看板娘ならシガミーやレイダが、居るではないですか?」
ガムラン随一の(隠れ)モテ女が、こうして暇そうにしてたら――
いつもならとおくから若い衆が、美女の様子をうかがってるもんだが。
今日はまるで、それがなかった。
そう言う意味で頭陀袋は、とても役立っている。
「いいや、二号店の客の入りでわかったことだがなぁ――冒険者たち、特にガムランの冒険者どもは、リカルルさまやリオくらいの歳の店員や給仕を見に来てるんだよ」
決して、おれやレイダみたいな子供を、見に来ているわけじゃない。
本店向かいの婆さまは、おれやレイダを気に掛けてくれてたけど。
「お嬢さまは明らかに、シガミーやレイダを見に来ていますよ?」
思案に暮れる、元美女。
頭陀袋でも白い仮面や眼鏡よりは、表情をつかみやすいのが笑えた。
ヴォヴォォォォンッ♪
「アれ……リカルルハ例外でス。基本的ニ男性客はリオレイニアヲ。女性客ノ場合ハ、ネコアタマやおにぎりノ頭ヲ撫でに来店してイます」
周囲の索敵が終わった、空とぶ便利棒が戻ってきた。
異常はなく、平和そのものだ。
「ネコアタマなぁー、本当にもてるからなぁ。さしずめ看板息子ってのは認めよう――」
男としちゃ、うらやましいと思わなくも無いが――
「だが、なんだぜ? おにぎりもってのわぁ?」
猫の魔物扱いされて、追いかけ回されるってんならわかるけどよ?
「そういえばカブキーフェスタ以降、おにぎりを訪ねて来店される若い女性冒険者が増えたと聞いています」
頬に手を当て思案する頭陀袋。まるで様にならねぇ。
「そりゃ、なんでだぜ?」
おにぎりは女将さんや茅野姫や、この猪蟹屋番頭株リオレイニアに付き従って――
ガムラン町や神域惑星を、つねに往復している。
「わかりませんが……〝頭を撫で、撫で返され、ご満足されると串焼きを一本購入してお帰りになる〟と聞いております、ふふふ♪」
おにぎりのことをかわいいと思ってくれてるのは、ありがたいことではあるのだが――
「ぬぅ、あぶなくはねぇのか? 万が一、誰かが転んで、どつき合いにでもなった日にゃ――」
大惨事じゃね?
「問題ないト類推しマす。ガムラン町ノ女性冒険者ノ防御力ハ央都の一般的ナ同年代の女性ト比べテ、約15倍ニ相当しますノで」
んー?
普通の若い女の防御力が8として、120?
ルリーロとかリカルルとか、化け……とんでもねぇ連中を見なれたから、見当が付かん。
おれは隣に座る頭陀袋装備の、美の権化(?)を――
しめしめうっひっひ♪
品定めするように、上級鑑定してみた。
チーン♪
『リオレイニア・サキラテ
装備/初心者用魔法杖
コントゥル家の簡易インナーアーマー
コントゥル家の給仕服
コントゥル家の従者用靴』
「こらっ――――いくらパーティーメンバーでも、女性の体をなめ回すように、盗み見るものではありませんよ」
つん――指先で額を突かれた。
「あ、いけねっ。つい盗み見るような真似をしてすまん。普通の若い女が、どれくらいの防御力を持ってるのか気になってなぁ」
よほどじっくり見つめないと、詳しい強さや装備品の詳細は出てこないからな。
「構いませんが今後は一言、断ってから上級鑑定すること。よいですね?」
コトリと置かれる、鉄の棒みたいな物。
「へい、肝に銘じらぁ――?」
棒には紐が付いているなと、見つめていたら――
「これはコントゥル家に仕える執事長や小隊長や侍女隊班長か、またはより上の役職へ支給される、特殊な魔法具です」
それほど数は無いらしい。初めて聞いたし。
「この魔法具は上級鑑定を阻害することで、コントゥル家の装備の情報漏洩を防ぐものです」
棒を外した途端に、追加の情報が画面に現れた。
ふぉふぉん♪
『リオレイニア・サキラテ(New>19)
New>サキラテ家37代目筆頭従士
装備/New>主兵装<初心者用魔法杖>
New>副兵装<風塊の魔杖>
New>猪蟹屋の頭陀袋
New>王虎の肌着
コントゥル家の簡易インナーアーマー
New>コントゥル家の可憐なメイド服
New>コントゥル家の俊敏な靴』
追加部分に表示された『New>』の図案が――
点滅して消える。
ヴュッパパッ♪
『HP:■■■■■■■■■
MP:■■■■■■■■■
攻撃力:247
防御力:140』
なんか、全部見えちまうってのはドキドキするな。
けど妙に少なくね?
迅雷どう思う?
ふぉん♪
『>普段使いの装備と思われますが、元S級冒険者の装備としては、多少の性能不足を感じます』
だよな。
そうだ、アレはどんな感じだったっけ?
ふぉふぉん――チカチカチカ♪
『日夜シリーズ一式【終日】
全防御力日中336~夜半784(+229~+677)。
全魔法攻撃力日中342~夜半81(+143~-118)。
時間帯によって追加効果が変わる、
摩訶不思議な魔術師向け防具一式。
追加効果/日中INT+30/AGL+30
条件効果/日没中にHPが一割を切ると女神の加護により、
STR+30/ATK+30/VIT+30
装備条件/INT25。成人女性または、成人前の子供』
ブクマから呼び出したのは――
魔術師フッカに作ってやった、一式装備。
防御力が最低の状態でも、かるく300を越えてやがる。
これと比べたら頭陀袋嬢の装備は、随分と心許なかった。
いつもはおれが言われてることだが――「もっとちゃんとしてくれ」だぜ。
「看板娘ならシガミーやレイダが、居るではないですか?」
ガムラン随一の(隠れ)モテ女が、こうして暇そうにしてたら――
いつもならとおくから若い衆が、美女の様子をうかがってるもんだが。
今日はまるで、それがなかった。
そう言う意味で頭陀袋は、とても役立っている。
「いいや、二号店の客の入りでわかったことだがなぁ――冒険者たち、特にガムランの冒険者どもは、リカルルさまやリオくらいの歳の店員や給仕を見に来てるんだよ」
決して、おれやレイダみたいな子供を、見に来ているわけじゃない。
本店向かいの婆さまは、おれやレイダを気に掛けてくれてたけど。
「お嬢さまは明らかに、シガミーやレイダを見に来ていますよ?」
思案に暮れる、元美女。
頭陀袋でも白い仮面や眼鏡よりは、表情をつかみやすいのが笑えた。
ヴォヴォォォォンッ♪
「アれ……リカルルハ例外でス。基本的ニ男性客はリオレイニアヲ。女性客ノ場合ハ、ネコアタマやおにぎりノ頭ヲ撫でに来店してイます」
周囲の索敵が終わった、空とぶ便利棒が戻ってきた。
異常はなく、平和そのものだ。
「ネコアタマなぁー、本当にもてるからなぁ。さしずめ看板息子ってのは認めよう――」
男としちゃ、うらやましいと思わなくも無いが――
「だが、なんだぜ? おにぎりもってのわぁ?」
猫の魔物扱いされて、追いかけ回されるってんならわかるけどよ?
「そういえばカブキーフェスタ以降、おにぎりを訪ねて来店される若い女性冒険者が増えたと聞いています」
頬に手を当て思案する頭陀袋。まるで様にならねぇ。
「そりゃ、なんでだぜ?」
おにぎりは女将さんや茅野姫や、この猪蟹屋番頭株リオレイニアに付き従って――
ガムラン町や神域惑星を、つねに往復している。
「わかりませんが……〝頭を撫で、撫で返され、ご満足されると串焼きを一本購入してお帰りになる〟と聞いております、ふふふ♪」
おにぎりのことをかわいいと思ってくれてるのは、ありがたいことではあるのだが――
「ぬぅ、あぶなくはねぇのか? 万が一、誰かが転んで、どつき合いにでもなった日にゃ――」
大惨事じゃね?
「問題ないト類推しマす。ガムラン町ノ女性冒険者ノ防御力ハ央都の一般的ナ同年代の女性ト比べテ、約15倍ニ相当しますノで」
んー?
普通の若い女の防御力が8として、120?
ルリーロとかリカルルとか、化け……とんでもねぇ連中を見なれたから、見当が付かん。
おれは隣に座る頭陀袋装備の、美の権化(?)を――
しめしめうっひっひ♪
品定めするように、上級鑑定してみた。
チーン♪
『リオレイニア・サキラテ
装備/初心者用魔法杖
コントゥル家の簡易インナーアーマー
コントゥル家の給仕服
コントゥル家の従者用靴』
「こらっ――――いくらパーティーメンバーでも、女性の体をなめ回すように、盗み見るものではありませんよ」
つん――指先で額を突かれた。
「あ、いけねっ。つい盗み見るような真似をしてすまん。普通の若い女が、どれくらいの防御力を持ってるのか気になってなぁ」
よほどじっくり見つめないと、詳しい強さや装備品の詳細は出てこないからな。
「構いませんが今後は一言、断ってから上級鑑定すること。よいですね?」
コトリと置かれる、鉄の棒みたいな物。
「へい、肝に銘じらぁ――?」
棒には紐が付いているなと、見つめていたら――
「これはコントゥル家に仕える執事長や小隊長や侍女隊班長か、またはより上の役職へ支給される、特殊な魔法具です」
それほど数は無いらしい。初めて聞いたし。
「この魔法具は上級鑑定を阻害することで、コントゥル家の装備の情報漏洩を防ぐものです」
棒を外した途端に、追加の情報が画面に現れた。
ふぉふぉん♪
『リオレイニア・サキラテ(New>19)
New>サキラテ家37代目筆頭従士
装備/New>主兵装<初心者用魔法杖>
New>副兵装<風塊の魔杖>
New>猪蟹屋の頭陀袋
New>王虎の肌着
コントゥル家の簡易インナーアーマー
New>コントゥル家の可憐なメイド服
New>コントゥル家の俊敏な靴』
追加部分に表示された『New>』の図案が――
点滅して消える。
ヴュッパパッ♪
『HP:■■■■■■■■■
MP:■■■■■■■■■
攻撃力:247
防御力:140』
なんか、全部見えちまうってのはドキドキするな。
けど妙に少なくね?
迅雷どう思う?
ふぉん♪
『>普段使いの装備と思われますが、元S級冒険者の装備としては、多少の性能不足を感じます』
だよな。
そうだ、アレはどんな感じだったっけ?
ふぉふぉん――チカチカチカ♪
『日夜シリーズ一式【終日】
全防御力日中336~夜半784(+229~+677)。
全魔法攻撃力日中342~夜半81(+143~-118)。
時間帯によって追加効果が変わる、
摩訶不思議な魔術師向け防具一式。
追加効果/日中INT+30/AGL+30
条件効果/日没中にHPが一割を切ると女神の加護により、
STR+30/ATK+30/VIT+30
装備条件/INT25。成人女性または、成人前の子供』
ブクマから呼び出したのは――
魔術師フッカに作ってやった、一式装備。
防御力が最低の状態でも、かるく300を越えてやがる。
これと比べたら頭陀袋嬢の装備は、随分と心許なかった。
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