滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~

スサノワ

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4:龍撃の学院

417:初等魔導学院、測定魔法具VSひかりのたま

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「そのまま、〝ひかりのたま〟を使つかってください」
 おれの武器ぶきを入れてる、指輪型ゆびわがた収納魔法具しゅうのうまほうぐとおなじだ。

「ひかりのたま」
 分厚ぶあついたに埋め込まれた、円筒状えんとうじょうびーどろガラス
 ひかりのたまをはなったのに、まるでひからねぇ。

「あれっ? ひかりのたま!?」
 やっぱり、まるでひからない。
 ひからせるんじゃねぇのか?

動力源どうりょクげんニ〝ひかりのたま〟ヲ使ツかうトしても、構造上こうゾうじょうヒかりとモるはズで
 足場あしばがわりの相棒あいぼうも、そう言ってる。

 だよなぁ、錫杖しゃくじょう小太刀こだちを取り出すときも――
 ほんのすこしだが、手元てもとひかる。

「おかしいですね? どんなにちいさなひかりからでも正確せいかくな、生涯最大しょうがいさいだいMPマジックポイントをはじき出すはずなのですが……?」
 測定魔法具そくていまほうぐ側面そくめんをカチャカチャする、おっさん職員しょくいん

「ひかりのたま、ひかりのたま、ひかりのたま――ひかりのたまっ!!」
 チカッ――――!!!
 くらすすけた円筒えんとうそこが、やっとひかっ――――ヴゥォンッ!

 おれの手と、測定魔法具そくていまほうぐが――カッ!
 おっさんと、ギルド支部出張所しぶしゅっちょうじょが――カカッ!
 生徒せいとたちと、見習みなら教師きょうしが――カカカカッ!!

 学院がくいん通路つうろが、まばゆひかりつつみこまれた!

   §

「ギルド支部しぶ備品びひんをぶちこわしたやつが居るって言うから、あわててきてみたら――」
 ひらたいはこに乗る、ギ術開発部じゅつかいはつぶ顧問こもん毛色けいろあかるいみどり
 しぶかおをした猫耳族ねこあたまが、猫手猫の額ひたいに押し当てた。

「やっぱり――あなたたちでしたね」
 橙色だいだいいろ制服せいふくを着た顧問秘書こもんひしょあたまうえみみはない。
 こまがお女性じょせいが、ひとの手をほほに押し当てた。

立て続けに悪ぃなぁみゃにゃんやぁーん学院の魔法具とわぁにゃやみゃやんどうにも相性がにゃうにゃみゅあわねぇらしぃにゃぁーごぉ
そうだみゃぁにゃにゃぁそれで魔法具はみゃにゃむにゃぁ?」
 鉄鍋てつなべかかえたねこ魔物まものみたいなおれの言葉・・・・・を、ギ術部顧問ミャッド理解りかいしたようだ。

「ちょっと、シガミー! にゃがにゃがうるさぁい!」
 根菜いおのはらこえがするが、説明せつめいさきだぜ――にゃぁ。

 ねこ魔物まもののような猫手ねこてで、鉄鍋てつなべのフタを――
 パカリと開いた・・・

 ピカカカカカカッ――――――――ッ!!!!
「ぎにゃっ、まぶしっ!」
 狼狽うろたえ、猫手ねこて両目りょうめを押さえたり――
「きゃっ――はくちゅ♪」
 あまりのまぶしさに、くしゃみをする――
 ギ術開発部じゅつかいはつぶ連中れんちゅう

 がぽん――――ふたを閉じた。
 おれ(猫の魔物シシガニャン10ごう)のかたわらには――
 空飛そらとぼう根菜こんさい介抱かいほうされる、仮面かめんあやしいおんな

 あの光害こうがいなかを、果敢かかんに駆けよってきた彼女かのじょだが――
 彼女かのじょ光の盾マジックシールドをもってしても、ただのひかりを防ぐことは――
 出来できなかったらしい。

 鉄鍋てつなべなかには測定魔法具そくていまほうぐ故障中こしょうちゅう)を、封じ込めてある。

 がやがやがやや。わいわいがやや。
「ではわたくし生徒せいとたちを、教室きょうしつへ連れて行きますね」
 秘書ひしょひとが、子供こどもたちの世話せわを買って出てくれた。

「シガミー、リオレイニアさぁん、イオノファラーさまぁ?」
 目をしばしばさせたタターが、通路つうろの向こうに姿すがたあらわした。

「(迅雷ジンライ心配しんぱいは要らないからさきもどってるよう、タターに言ってくれ)」
 飛んでく相棒ジンライ
 とっさにシシガニャンを着込きこんで、強烈きょうれつひかりを避けたのは良いが。
 猫語ねこごしかしゃべれねぇと、こういうときに面倒めんどうだな。

「じゃぁシガミー、教室きょうしつもどってますねー!」
 タターのそんなこえが聞こえ、やがて――ヴォォォォゥン♪
 迅雷ジンライもどってきた。
 しかし、盛大せいだいにマズったぜ。

「(はい。やって仕舞しまいました)」
 けどよ。たかが魔力上限まりょくじょうげんを、10増やしただけだろ?
 なんで、こんなことになった!?

「(わかりません。さきほど作成さくせいした髪紐リボンとの相性あいしょうわるかったのは、間違まちがいないとおもわれます)」
 作成さくせいしたときの、『アイテム詳細しょうさい』を出せ。

 ふぉん♪
『響言の鉢巻き【今紫】
 防御力30。魔力量10(碇)。
 魔術の多重詠唱が可能になる』

 んぬぅー?
 この、『魔力量まりょくりょう10』のうしろの、『(てい)』てなぁなんだぜ?

「(魔力量まりょくりょうを10増加ぞうかさせるいかり……アンカーや鉤爪かぎづめ? 意味不明いみふめい)」
 どーするよ、迅雷ジンライ解析かいせきさせると、時間じかんが掛かるしな。

 ぽこぉん――♪
 五百乃大角いおのはらこころの、映し身アイコン
 梅干うめぼしみたいなのが、収納魔法ファイリングシステムあらわれた。

 どこ行ってやがった。
 もう、やることなすこと失敗続しっぱいつづきで――
 こういうときにおまえさまの後光ごこうを、役立やくだてろや。
 とらまきをめくって、調しらべてくれるんでも良いがよぅ。

「(えー? だってそれ、シガミーのオリジナル・・・・・でしょぉー)」
 画面がめんなかをてちてちと横断おうだんし、〝アイテム詳細ウインドウ〟に張りつく美の女神かみさん

「(おれの手作てづくりじゃ、なん問題もんだいがあんのかぁ?)」
「(おおありよねぇー♪ 攻略本こうりゃくぼんに載ってるのわぁー、シガミーをこの地に喚びだす前のこと・・・・・・・・だけだぁもぉのぉ――――んぅにゅるーぅ)」
 どーした、気色きしょくわりこえを出すな。
 またなんか拾い食い・・・・でもしたのかぁ?

「(美の女神めがみがぁそんなことするかぁ――いーからっ、ここ見て!・・・・・)」
 そう言うなり、梅干しアイコンが――
 手近てぢかにあった、アイテム詳細画面しょうさいがめんすみを――
「(へりゃっ)」
 ちいさな手で、ぺちりとなぐった。

「(これさぁ、この()カッコところさぁ、なぁんっかぁ文字もじがさぁー、重なってなぁい?・・・・・・・・)」
 がささっ♪
 ふるえる文字もじから、聞きなれない葉ずれのおとが聞こえ――

『(碇)』――がささっ♪
『(固定)』――ぽこん♪
 ふたつの文字もじになった。

 おーい? こいつぁー、どーしたわけだぜ!?

「(おそらく、アイテム作成時さくせいじなんらかの負荷ふかが、わたしやシガミーに掛かったからだとおもわれま)」
 負荷ふかだぁー?
 高負荷演算そいつにはひとつ、心当たりがある・・・・・・・

「(五百乃大角おまえさまよぉう? 最近さいきんなんども、御神体からだごと収納魔法インベントリ出入りしてた・・・・・・なぁ?)」

 ふぉん♪
『響言の鉢巻き【今紫】
 防御力30。魔力量10(固定)。
 魔術の多重詠唱が可能になる』

「(ひゅぷひゅー♪ そ、そそそんなことより、このかっこ固定こていかっことじってなんわのぉー)」
 『アイテム詳細』を持ち上げ、すっとぼける梅干しアイコン

「(イオノファラー、口笛くちぶえが吹けていません……たしかに気になります)」
「(ったくよぉう、おまえさまのせいで重要でぇじ文字もじがぁ、また化けてた・・・・じゃねーか!)」
 しかも、そのしたの――
 『魔術の多重詠唱が可能になる』
 ってのわぁ、リオレイニアが「不可能できません」って言ってたやつだぜ!
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