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4:龍撃の学院

415:初等魔導学院、家名と魔術の才能

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「(おい、名前なまえとスキルが駄目だめらしいぞ――どうする!?)」
 轟雷ゴウライを出すか!?
 子供ガキどもには、リオが付いてる。
 建物たてもの瓦礫がれきに埋もれても、すりきずひとつ付けさせんだろ。

「(はい。彼女かのじょには、MAGIC・SHひかりのIELDたてがありますの)」
 あの魔術まじゅつには、じつはすこし興味きょうみがある。

「――、――聞いていますか、シガミーくん?」
「ははい。なんだで、ごぜぇますわぜ?」
 いけねぇ、聞いてなかった。

「「ゴゼーマスワゼ」……それが、家名かめいですか?」
 ジッとおれを見下みおろす、ギルド職員おっさん
「はぁ? まてまて、なんはなしだぜ?」
 カウンターによじのぼる。

なにって、もちろん指名しめいクエストを受けるさい必要ひつような、〝家名かめい〟のはなしですが?」
 カウンターに置かれた〝クエスト依頼書いらいしょ〟を、トンとゆびたたくおっさん。
 どうやらこの支部出張所しぶしゅっちょうじょには、かれひとりしか職員しょくいんはいないらしい。

家名かめいってなぁ、名字みょうじのことだろ? ねぇぞそんなもん」
 ひじからだささえ、両足りょうあしをブラブラさせる。

個人こじんやパーティーが、名指しで・・・・依頼いらいを受けるさい書類上しょるいじょう重複ちょうふくふせぐために家名かめいふたつ名が必要ひつようになります。かならず記入きにゅうしてください」
 依頼書いらいしょをクルリとまわし――トン♪
 『ガムラン町東大通り 猪蟹屋御中』のよこたたく。

「だから家名かめいはねぇし、ふたつ名ってなぁあざなのこったろ? てめぇで名乗なのるもんじゃねぇだろがっ」
 いますぐつくれと、言われてもな。
 学院長がくいんちょうなにも、言ってなかったしよぅ。

「――〝猪蟹屋ししがにや〟か〝シガミー御一行様ごいっこうさま〟じゃ、駄目だめなのか?」
 おれは両肘りょうひじをついたまま、指先ゆびさき依頼書いらいしょを引き寄せる。
 よく見れば横線よこせんが引かれてて、名前なまえを書くようになってた。

「〝猪蟹屋こちら〟は店舗てんぽ屋号やごうであり、〝シガミー御一行様ごいっこうさま〟はパーティーめいになります。君個人きみこじんのファミリーネームを、作成さくせいしてください」
 なんだか面倒めんどうなことになったな。

 ふぉん♪
『ヒント>ファミリーネーム/名字、家名』
 迅雷ジンライィ、オマエがつくってくれや。

 ふぉん♪
『>惑星ヒースにおけるシガミーの今世を、
  左右しかねない重要案件につき出来かねますが、
  迅雷や轟雷を従える〝鳴神〟や、天空を司る〝蒼天〟と、
  名乗りを上げては?』

 ふぉん♪
『斧原イオノ>ばかね迅雷、シガミーはうちの子なんですからね!
       シガミー・オノハラに決まってるでしょ♪』

 鳴神なるかみ蒼天そうてん斧原おのはらだぁ?
 どれもしっくりこねぇ、それなら――
 ふぉふぉん♪
『シガミー>妙竹林山朧月寺虎鶫衆弐番隊隊長。
      前世の名乗りの方がマシだぜ』

 ふふぉん♪
『イオノ>長いね』
『>長いですね』

「では手続てつづきの都合つごうもありますので、パーティーの現拠点げんきょてんである〝ガムラン〟をかんし、〝シガミー・ガムラン〟ではいかがでしょうか?」
 はぁ――?
「おい、それっ良いじゃねぇか♪」
 ながくもねぇしな!

「そうですか? ではそのように家名登録かめいとうろく申請届しんせいとどけも、一緒いっしょに出しておきます」
 迅雷ジンライ根菜オノハラが『素っ気ない』と、ひとこと言ってきたが――文句もんくは言わせねぇ。
 わかりやすくて中々良なかなかよいと、おれがおもったんだからな。

「ソレではもうひとつの問題もんだいも、解決かいけつしましょうか」
 ゴトリ。
 重厚じゅうこうおとを立てて、カウンターしたから取り出されたのは――
 あつみのある木のいた……「魔法具まほうぐか?」
 ちいさなカウンターは、手狭てぜまになり――
 おれはうしろに、飛びおりた。

「はい、生涯最大しょうがいさいだいMPマジックポイント測定魔法具そくていまほうぐです」
 MPマジックポイントてのは、生活魔法せいかつまほう使つかうと1減る数字すうじだろ?
 いまも、迅雷ジンライ五百乃大角いおのはらの、一言ティッカーのそばに見えてる。

 緑色の棒たいりょく紫色の棒まりょくは、迅雷ジンライが見せる画面モニタとはべつに、うつし出されている。

 ヴォゥ――♪
『HP/■■■■■■■■■■4364
 MP/■■32』
 よく見りゃ、HPエイチピーMPエムピーって書いてあるな。
 よこのが総数そうすうか。普段ふだんはまるで気にしねぇけど――

「(体力たいりょくくらべてMPまりょくあたいが、すくなすぎる可能性かのうせいがありま)」
「むぅ、すくないとどうなる?」
 おれはうでを組み、緑色うえとくらべるとやたらとみじけ紫色それにらみつける。

「そうですね。このクエストの指名しめいが、受けられなかったり――」
 あ、またこえに出してたか。
「――初等しょとう魔導学院まどうがくいんへの在籍ざいせきがかなわず、王立騎士団おうりつきしだん訓練校くんれんへの転校てんこう余儀よぎなくされる場合ばあいがあります」

「そいつぁやべぇ、一大事いちだいじじゃねぇーかっ!」
 もしそんなことになったら、レイダにひっぱたかれるに決まってる。
 おれは「伸びろ迅雷ジンライ」――がこん♪
 伸ばした相棒ジンライをカウンターに立てかけて、踏み台代だいがわりにした。

 カウンターのうえに置かれた――
 このなんとか言う魔法具まほうぐで――
 おれの命運めいうんか、決まるらしい。

「おたずねしても、よろしいでしょうか
 ヴォォォン♪
 踏み台ぼうが、職員おっさんたずねた。

なんなりと、おたずねください」
 見た目にはんして、中身なかみはしゃんとしてやがる。
 しゃべるぼうにも、どうじねぇし。

貴殿きでんはシガミーの魔力量まりょくりょう上限じょうげんを、どのようにして把握はあくしたのですか?」
 分厚ぶあつい木のいた
 その真んなかにはくらいろのビードロ……まるいガラスが埋め込まれている。

「そうだぜ、おれぁまだ魔法具こいつさわってもいねぇぞ?」
単純たんじゅんはなしです。冒険者ぼうけんしゃカードの鑑定結果かんていけっかから、魔力関連まりょくかんれんスキルの不足ふそくあやぶみました」
 どーいう?

「(シガミーはMP上限まりょくじょうげん有効ゆうこうなスキルを、持ち合わせていないようで)」
 おれのスキル一覧出いちらんだせ!

 ふぉふぉん♪
『シガミー LV:39
 薬草師★★★★★ /状態異常無効/生産数最大/女神に加護/七天抜刀根術免許皆伝
     追加スキル/遅延回収/自動回収/自動回復/体力増強/上級鑑定/自爆耐性/解析指南/超料理術
 ――所属:シガミー御一行様』

 その偽物ダミーじゃなくて、本物ほんものを出せっ!

 ふぉふぉふぉふぉふぉふぉふぉふぉふぉふぉふぉぉぉん♪
『シガミー LV:100 ☆:8
 薬草師★★★★★ /状態異常無効/生産数最大/女神に加護/七天抜刀根術免許皆伝/星間陸路開拓者
 追加スキル /遅延回収/自動回収/即死回避/自動回復/体力増強/上級鑑定/自爆耐性/上級解体/スキル隠蔽/LV詐称
       /人名詐称/石窟加工/炸薬生成/初級造形/木工彫刻/石礫破砕/防具修復/高速修復/上級修復/頭部防具強化
       /防具筋力強化付与/防具体力強化付与/防具攻撃力強化付与/防具知恵強化付与/防具防御力付与/幸運効果付与/幸運効果永続/幸運効果増大/幸運倍化/幸運リミットブレイク
       /強運行使/防具幸運強化付与/耐性強化付与/耐性強化永続/耐性強化/耐性倍化/伝説の職人/不壊付与/不壊永続/植物図鑑
       /武器修復/研ぎ師/切れ味持続/自動修復(小)付与/収穫量倍化/基礎工学/基礎光学/金属加工/合金錬成/天衣無縫
       /初級位相幾何学/女神像機能解放/女神像機能呼出/先端工学概論/先端光学概論/撮像転写制限解除/システム猶予/投げ縄/ロープワーク/捕縛術
       /水泳上達/体温維持/遠泳術/肺活量上昇/潜水術/食物転化/分離倍化/急速熟成/超抽出/高速調理
       /さじ加減/基礎化学/有機化学/医食同源/かくはん王/生活の知恵/試薬調合/分析術/解析指南/超味覚
       /サバイバルLV3/生存確率上昇/濾過術/分離術/高速結晶化/状態変化(大)/調理術/アイテム名偽装/女神像システムフォルダ開放/女神像Pフォント
       /風使い/滞空LV2/航空力学/羅針盤/体幹/羽ばたき/滑空LV3/魔法具操作術/魔法具自動操作/超感覚
       /星間空路補正/星間陸路補正/早撃ち/酔い止め/宇宙工学概論/システム補佐/血流強化/スタミナ増強/サブシステム使用許諾/サブシステムオフライン切替
       /ジャイロマスター呼出/サブシステム用言語使用許諾/体感強化/作業量倍化/落下術/脳波補正/滅モード/鷲の脚爪/大蝙蝠の毒針/亀の甲羅
       /狼の火弾/
 ――所属:シガミー御一行様』

 長ぇ! まえが見えんだろが!
 おおすぎてさっぱり読めんし、意味いみもわからん。
 どーにかしろい!
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