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3:ダンジョンクローラーになろう

392:美の女神の料理番(シガミー)、美の女神降臨

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「ようし、まずはデけぇ子馬こうま……なんて言ったタ――ニャァ
 作業台さぎょうだいのまえに胡座あぐらをかき――ガッキュゥゥン♪
 両腕りょううでを伸ばし、だいうえ作業領域ワークスペースを設置せっち
 この立体映像りったいえいぞう格子こうしなかなら――ありとあらゆるものつくり出せる。

「テンプーラゴウで
 機械の細腕プロダクトアームをのばし、〝おれの生身の体かやのひめ〟をグルグル巻きにする、アーティファクト迅雷ジンライ
 放っとくと、勝手かってにおれにからだかえして――三途さんずかわわたっちまいそうだからなぁ。

「そーだゼ、天風羅睺てんぷうらごうだ。大層たいそうな名ノうまに、くら手綱たづなつくっテやる……てんぷーらご――ニャァ
 ん?
「はイ、天ぷら号・・・。・デす」
 ガッギュゥゥン――おれは内燃機関ジェネレーター出力低下しゅつりょくていかかんじ、作業台さぎょうだいに手をついた。

「こいつノ名は、天麩羅てんぷら……ごう――ニャァ
 あまかけるかぜごとく、日月ひがつを喰らうってわけじゃなくて――
「ハい、おにぎりにちナんで和食わしょク……日のもト料理りょウり名前なマえかラ取りマし
 ドゴズズゥゥン――おれはさらなる内燃機関ジェネレーター出力低下しゅつりょくていかかんじじ、作業台さぎょうだいに突っ伏した。

 星神ほしがみちからってぇのは、おれの気持ち・・・・・・随分ずいぶん左右さゆうされるらしい。

「ちナみに、〝おにぎり〟と〝天ぷら〟ヲあわせた、〝天むす〟とイう料理りょウりもありマ
 やかましい。大方おおかた命名めいめいしたのは大飯ぐらいの飯神イオノファラーだろう。
「(立体成形りったいせいけい色つけカラーリングは、おれがやる。材質設定マテリアル縫製ソーイングまかせるぞ)」

 絵で板エディタを立ち上げ、既存物きぞんぶつスキャン>可動域かどういき抽出ちゅうしゅつ>サブシステム検索けんさく
 このへんは、いつもと手順てじゅんちがう。
 わからんが、わかる。
 鉄の体からだがうごく仕組しくみが、おおまかなものかたちつくってくれてる。

 ふぉふぉん♪
『解析指南>天ぷら号には、姿勢制御系のサブシステム〝ジャイロマスター〟を利用した形状変化APIが搭載されています』
 よし、わからんが、わかる。
 このさきは、五百乃大角いおのはら御神体ごしんたい最初さいしょつくったときから、ずっと変わらない。

 うまひといたくならねぇように――
 こうしてこうして――
 とがった部分ぶぶんまるくする。

 ふぉん♪
『ヒント>鞍の形や手綱の長さを、
     自動調節できるようにしますか?
     <Y/N>』
 レイダもタターも王女おうじょさま――あとはおにぎりにも、対応たいおうできるに越したことはない。
 なんとかいう……邪色魔廃ジャイロマスターとかいうやつ。
 なにかをつくるときに、ときどき出てくるやつが――
 くら紐付ひもつけられ――ぐゅぬっ♪
 出来できた馬具ばぐ姿形かたちを、すこしだけ変化へんかさせた。

 半透明はんとうめいのでけぇ子馬こうまに、そこそこ立派りっぱ馬具一式ばぐいっしきが取り付けられた。
 うん、まあ――こいつを乗せときゃぁ、普通ふつううまにみえないこともねぇ。

「こんなモんかぁ? ニゲル、こいツを付けてヤってくれや――ニャァ
 出来でき馬具一式ひとそろえ三番さんばんコンテナからとりだし――むぎゅ、すぽこぉん♪
 作業台さぎょうだいうえに、ドサリと置いた。

「えー、うまなんて乗ったことないから、ぼくにはわからないよ?」
 狼狽うろたえるニゲル。じゃあ、おまえさんはどうやって遠出とおでをしてたんだぁ?
「しょうがネぇな、けどおれぁコの図体ずうたいだし――(五百乃大角いおのはら、どーにかなんねーか?)――ニャァ

「(はぁーやれやれねぇん……じゃぁあれ、階段かいだんのまえに置いてあるヤツって、コントローラーでしょ? 裏天狗うらてんぐでも出して、操作そうさしたら良くぅなぁいぃー)」
 馬鹿野郎ばかやろう。もう神々かみがみ手練手管てれんてくだは、おおかた知られちまったが――
 ことおれと、天狗てんぐと、烏天狗からすてんぐかんすることだけは――
 いまさら、他言たごん出来できねぇだろうが。
 知られる危険きけんおかしてまで。やるこっちゃねーよ。

「(じゃあ、知らないわよぉう――せぇーのっ)」
 美の女神イオノファラーの、薄っぺらい・・・・・アイコンがスポンと消え・・――

「よいしょおー!」
 ぽこ――こぉん♪
 作業台さぎょうだいうえに、降りたつ御神体いおのはら

「てメぇ、五百乃大角いおのはらめっ! とうとう化けテ出やがったな――ニャァ!?
 明確めいかくな引っかかりがしょうじたが、処理落ちそれものともせず――
 降臨こうりんしやがった。

「しっつれいねぇー! 化けてませぇーんだっ! 正真正銘しょうしんしょうめい――アナタの世界せかいのよりどころっ、美の女神めがみイオノファラーちゃんさんでぇーすぅ
 たかいわよぉん?

「またやべぇげいを、おぼえやがったな――ニャァ!」
 ってなんだぜ?

「ちょっと変異種へんいしゅさん。なにをさわいでいるのですか? おかしな真似まねをしたら、美の女神めがみイオノファラーさまの、御手みてによって――」
 五百乃大角いおのはら騒々そうぞうしさに、イオノフ教信徒きょうしんと御神体かみ近寄った・・・・

「いえいえ、まさかまさか、そんなそんな、このような丸茸まるきのこが――イオノファラーさまの、ご威光いこうはなたれるはずがありませ――むぎゅ♪」
 言うがはやいか、組んだ手を――
 自分じぶんはなに押しあてる、神官女性しんかんじょせい
 そのひたいからは、たきのようなあせながれ落ち――こてん。

 気をうしない、ゆかくずれ落ちた。

「シガミーさん、このなわほどいていただけませんか? すべてを解決かいけつするのにも猶予ゆうよがありますので、わたくし彼女かのじょ介抱かいほうをいたしますわ、くすくす
 迅雷ジンライとららえられた星神かやのひめが、そんな提案ていあんをした。

猶予ゆうよってナぁ、どれくらいアるん――ニャァ
 彼女かのじょほかに居るのは、ニゲルにレイダにタターに五百乃大角いおのはらだ。
 タターはリオレイニアに、仕込しこまれてるだろうが――
 どうもたよりねぇ。

やく80時間じかんほどになりますわ。くすくす
 80時間じかんってぇと三日みっかか。
 まあ良いだろう。迅雷ジンライ細腕かいなほどいてやれ。
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