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3:ダンジョンクローラーになろう

382:龍脈の回廊、ホーミング滅の太刀

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 ズゴゴォォォォォォ――――!
 錫杖しゃくじょう鎧武者おれよりながさがあった。
 引っ張ると、いきおいよく飛び出してきやがる。

 グルグルグルグルルン――――ジャッリィィィィィン♪
 手甲てっこううえわたらせ、錫杖しゃくじょうをつかむ。
「よぉーし、こいつぁおれがまえに使つかってたのと、寸分すんぶんたがわね――ニャァ
 鉄鎧てつよろいからだで、寸分すんぶんたがわねぇってこたぁ――
 相当そうとうおもながく、ふとさがある。
 それでもニゲルのけんを、止められなかったわけだがなぁ。

 ズシャッ、ガッキュゥゥゥン――あしをひらく。
 ニゲルが目のまえに居やがる。
 じっとしててくれりゃ、世話せわがねぇんだがなぁ!

 ガキュゥン――――チキリ、スラァァァァッ!
 直刀ちょくとうは、いまさっき研いだみてぇに、研ぎ澄まされてる。
 鉄の柱しゃくじょういろしろみがかってて、最初さいしょに持ってたのとはちがう。
 そして本当ほんとうなげぇ。
 太刀たちみてぇな歯車はぐるまが付いてねぇから、自分てめぇ直刀かたな投げねぇと・・・・・――
 抜くことも出来できん。

 スゥゥゥゥ――直刀ちょくとうはばきを、さやはしに乗せる。
 さやを突き出せば、まえに飛んで行く。
 野郎ニゲルのおかげ鉄鎧からだにも、大分馴だいぶなれた。

 ガッシィン、ガキュィィッィン!
 こしを落とす。
 いきなり〝めつ太刀たち〟ってのも、げいがねぇが――
 大道芸それじゃ、まるでとどかなかったしなぁ!

「(おい、おれはどうすりゃぁ良いんだぜ? このまま普通ふつうに、飛ぶとりを斬るときみてぇに、斬っちまって良いのか?)」

 ふぉふぉふぉん♪
『ガイダンスシーケンス>ロックオンして下さい』
 わからん。

 ふぉふぉん♪
『ヒント>見えない物を斬り、斬れない物を見て下さい』

「(なんだぁその、禅問答もんどうわぁ!)」
 だがなぁ、おれぁくさっても坊主ぼうずだ。

「(いろ、すなわちくうなり――――ながれるかぜしか実在うつつはねぇ)」
 ってことだろう?

 ふぉふぉん♪
『ガイダンスシーケンス>視線入力による多重ロックオンが可能です』
 わからんが。

「(見えねぇもんを、見つめろと?)」
 そりゃつまり、こういうこったろぉ?

 ニゲルの、ジリジリとした足音あしおと
 『ポッ』――かげなかからあらわれる、ひしがた

 ニゲルのいきづかい、上下じょうげするかた
 『ポッ』――かさなっていくふたつ目の、ひしがた

 ニゲルをよけるかぜ
 『ポッ』――かぜながれからみっつ目の、ひしがた

 ニゲルのこころのありかたを、ひかけん視線しせんからかんじとる。
 『ポッ』――切っさきから四つ目の、ひし形。

 おれのなかニゲル気配けはいを、かんじ取る。
 『ポッ』――ニゲルのかおからいつつ目の、ひしがたじゃねぇな……四角しかくだ。

 やつを見るな。ながれるかぜで、ニゲルを捕えろ!

 ふぉふぉぉぉぉん♪
『>多重ロックオン完了。いつでも切断できます。
 >滅モード:ON』
 ビキピピピッピィィィィイィッ――――♪
 とりが、鳴き止まなくなった。

 鉄の柱しゃくじょう易々やすやすと割るあの剣ニゲル相手あいてに、真っこうから斬りむすぶってんならぁ。

拙僧せっソうわァ、妙竹林山みょウちくりんざん朧月寺ろうげツじがぁ虎鶫衆とらつぐミしゅう弐番隊にバんたい隊長たいチょう猪蟹しシがに――ニャァ!」
 せいぜい見得みえを切っておく。

「なんだいソレ? じゃあ、もくも言っておこうかな」
 ひかけんかまえるてき
 ひしがたかお四角しかくが、うごくニゲルを追いかける。

   §

迅雷ジンライクンさぁー。あれ、何やってるか・・・・・・分かるぅ
 手に汗握あせにぎ勝負しょうぶの行方ゆくえ

「はイ、赤鬼あかオに各種かくシゅアンテナと光学素子こうガくそしデロックオン。ニゲルノ速度そくドニ、電波でンぱにヨる索敵さくテきと、予測演算よソくえんざんにヨる自動追尾じどうツいびおこナうようデ

「うぷぷぷぷぷっ、坊主ぼうずたいがいにして欲しいんですけどぉー(かっこわらい)♪ けど、おさむらいが持ってるのってぇさぁ――錫杖ぼうよねん
仕込シこ直刀がタなのようデす――タしかニ、姿勢制御フライトコントロール可能かノう推進装置付スラスターつ砲弾ほうだンではありマせ

「――ぼくは、八つ橋高校はしこうこうねんβ組べーたぐみ清掃委員兼せいそういいんけん帰宅部部長きたくぶぶちょう西計にしかず三十六みとむ!」
 僧兵そうへい赤鬼鉄鎧シガミー啖呵たんかたいし、見得みえを切るニゲル。

「に、ニゲルさまぁらぁん❤」
 おもびとであるニゲル。その決死けっし表情ひょうじょうに、釘付くぎづけのラプトル王女おうじょ

「ありゃぁ、本気ほんきでシガミーを斬るつもりだねー」
 人類最高じんるいさいこうLVレベル(シガミーのぞく)をほこ女将おかみが、木さじを手に汗握あせにぎっている。
「カヤノヒメちゃぁん? ほ、ほんとぉにー大丈夫だいじょおぶなのぉー!?」
 コントゥル家名代けみょうだいも、手に汗握あせびぎってる。

 見上げるほど巨大きょだい鉄鬼相手てつおにあいてに、一歩いっぽも引かない。
 それはガムラン町住人ちょうじゅうにんはじめて目にする、精悍せいかんかお

「に、ニゲルってば、本当ほんとう随分ずいぶんとぉー。なーまーいーきーでーすぅーわぁーねぇ――――――ココォォン♪」
 ぼごごぉうわー♪
 戦闘狂せんとうきょうリカルルが、眼からくちから狐火ほのおを噴き出した。

心配しんぱいはいりませんが、そろそろ決着けっちゃくが付きそうなので、わたくしこの場所へ・・・・・おもむかなければなりませ
 星神ほしがみカヤノヒメが、映像えいぞう指差ゆびさした。

「えっ、いまぁ良いところぉなのぉにっていうか――」
 御神体ごしんたいが、シガミーの体カヤノヒメを見つめ――
「――行かぁなぁいとおぉー駄目だめなぁのぉーん
 浮かぶプロジェクションBOT実物大女神映像イオノダラーえいぞうも駆け寄ってきた。

「レイドムらまデの距離きョりハ408キロメートル。いマかラでは決着けっチゃくに間にあいまセ
 飛ぶ独鈷杵ジンライが、目的地もくてきちまでの正確せいかく距離きょりを告げる。

「レイドむらぁ? わたくしがぁ――つえにぃ乗せてぇあげましょおーかぁー?」
 椅子いすがわりにしてた巨大杖きょだいつえを、ヴォォォォンとうならせる伯爵夫人ルリーロ

「ソレでは間に合いませんので、超女神像ちょうめがみぞう使つかいますわ、くすくす
 かかえていた果実かじつを、ポケットにしまう星神カヤノヒメ

「なら地下ちか転移陣てんいじんまで、テンプーラゴウに乗ってけば良いよ!」
 きゅうに、そんな事を言い出す子供レイダ
 おおきな子馬こうまくびを、ぽむぽむんしている。

 それはあんに「わたしも行きたい!」と言っているのであり。
 『監督不行届』のたすき袈裟懸けさがけにしたメイド・タターとラプトル王女殿下おうじょでんかが――
「「いけません。レイダちゃん!」」
 全力ぜんりょくで引き留める、反省中はんせいちゅう二人ふたり

 しかこえおどろいた子馬こうまが、はしり出す。
 子馬こうまへ、よじのぼろうとしていたカヤノヒメと、どういうわけか――
 またもや尻尾しっぽにカフスを囓られた・・・・、メイド・タターをともなって。

「ありゃりゃ、はしり出しちゃったから、仕方しかたが無いよねぇ♪」
 のたまう子供こども。そう、彼女レイダはまだ子供こどもなのだ。
 この暴走ぼうそう(2回目かいめ)が巻き起こす惨状を・・・、まえもって知ることは出来できないのだ。

 ぽっきゅぽっきゅぽっきゅむらっ♪
 一瞬いっしゅんすき姿すがたを消した、子馬こうま子供二人こどもふたりとメイド。

前回同様ぜんかいどうよう準待機中じゅんたいきちゅうものを向かわせて!」
 リカルルの号令ごうれいが、邸宅ていたくひびわたった。

   §

 パッコォォォォォオォンッ!
 ふざけたおと太刀筋たちすじ
 ニゲルの姿すがたかろうじてとどめられる、唯一ゆいいつあしがかりだ。

 しかも、おれの具足ぐそくうろこみてぇな、鎧板よろいいた総出で・・・――――
 太刀筋たちすじを、ニゲルに沿わせて・・・・くれやがる。

 ギュギィギャギョォォォォンッ――――パッコォォオォォォォッォォォォォンッ!
 とらえたのはおれだが、追いかけるのは仕込み直刀かたなだ。

「(こいつぁ、意味いみがわからねぇにもほどがあるぜ!)」
 刀が剣士を操る・・・・・・・なんざ、妖刀ようとうそのもので――
 そんなもんは生まれてこのかた見たことがねぇぞ・・・・・・・・

 ピピピピピピピピッ、プポーン♪
 この升目ますめかさなったときにはなつと、良いかんじに――ニゲルを追いかけてくれるのがわかった。

 ギュギィギャギョォォォォンッ――――パッコォォオォォォォッォォォォォンッ!
 まわ景色けしき
 うまくからだを、さばかねぇと――
 ギャギュギギャッ――――!
 バゴォボゴォォンッ!!!
 手甲てっこうやヒジが、からだにぶち当たる。

 ギュヴォォォオォン、ギョヴォォォォォン♪
 まるで稲妻いなづまのような。
 燕返つばめがえしなら――5、6匹分ぴきぶん往復かえし
 振ってるおれにもつかめねぇ、太刀筋たちすじ

 それでニゲルを取りかこんでやったら――
 ニゲルが居なくなった。
「(どこ行きやがった!?)」

 ピピピピピピピピッ♪
 升目ますめ一箇所いっかしょあつまっていく。

七天しちテん抜刀ばっとう根術こんじゅつぜロ太刀タち――ニャァ
 スウゥゥゥゥッ――ブッシュゴハァァァッ!
 排気いきととのえる。

 プポーーン♪
 ニゲルは見えねぇが、ソコに居る。

「チィェェェェェェェェイ!――ニャァ
 カラダごとぶつかるように、切先きっさきをふりぬいた!

 ふぉん♪
『>悪鬼羅刹(仮)のパラメーターセットに〝滅の太刀〟反応を検出』

 ッイィィィィィィィィィィンッ!
 ッイィィィィィィィィィィンッ!
 ッイィィィィィィィィィィンッ!
 切先きっさきがいつまでも鳴り、鉄輪てつわふるわせやがる。

 ヴォォォォオンヴォォオヴォォオヴォヴォォォォン――――!
 自分てめぇはなったやいばが、見えねぇ。
 まさに疾風迅雷しっぷうじんらい電光石火でんこうせっかだ。
 どっちが疾風かぜで、どっちが電光かみなりだかわかりゃしねぇがぁ!

 ガァァァン――ギャリイィィィィン♪
 ボガァァン――ギャリイィィィィン♪
 ガッチャ、ガチャンッ!
 切結きりむすたびに、コッチの仕込み直刀かたなみじかくなる。

 カカカカカカッカカカッァァァァ――――!
 ニゲルのけんに付いた、かすかなびみたいなのが飛んで――
 ひかりを増していく。

 ――――ッチッ!
 よぉし、ニゲルのはらをかすめた――――!
 ――が、この手応てごたえ。
 くろふくしたに、革鎧かわよろいでも着込きこんでやがったなぁ!

「ちきしょうめぇ――ニャァ!!
 それでも、たしかに斬った・・・
 もう二度にどとらえられねぇ気がしたから――
 真言マントラでもなんでもねぇアレを――となえとく。

めっせよ《・》――ニャァ
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