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3:ダンジョンクローラーになろう

381:龍脈の回廊、悪鬼羅刹(仮)

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 ふぉふぉふぉぉぉぉぉん♪
『>スマート仕込み直刀(ホーミング機能付き)ロールアウトまで140秒』

「んな――ニャッ!?
 地味じみ時間じかんが掛かりやがるぜ。
 ズガシャァァン、ドガシャァァン♪
 まだ、来てねえ・・・・たぁ、おもうが――――?
 ズガシャァァン、ドガシャァァン♪

 ドガチャ、ギュィィン?
 振り向いたのは、本当・・に気のまよいで。

「(ィィイィィィッェエェェェェェエェェェェェッィィィィィィィィィィイッィイィィィィッ――――――――!!!!)」
 ずっととおくからはなたれたはつが、みみとどいた。
 見えねぇが、ニゲルが飛びかかってきているのは、間違まちいなかった。

 木々きぎあいだから、ギルド支部しぶ尖塔とうが見えた――キラリ。
 ギュガッチャッ!
 上体じょういたいをひねり、「ィィイィィィッェエェェェェェエェェェェェッィィィィィィィィィィイッィイィィィィッ――――――――!!!!」
 飛び込んできた気配けはいを、すんでのところかわす。

 太刀たちを抜くひまもなかった。
 おれが見ている方向ほうこうに、ニゲルは居ない・・・・・・・

 ふぉふぉん♪
『左上腕328番装甲破損/修復不可』
 地図ちず反対側はんたいがわすみに、鉄鎧てつよろい……おにの絵があらわれた。
 その右肩みぎかた……いや左肩ひだりかたはじけて、欠けた。

 ふぉふぉふぉん♪
『左腕人造三角筋断裂/動力伝達並びに反応速度、50%低下』
 あー、左腕ひだりうでが真っ赤になっちまったぜ!

 なら、ギュガッチャゴッ!
 ニゲルまえを見る間に、チキッ♪
 さや金具かなぐ親指おやゆびで押した――――ビィィィィィッ!

 うるせぇとりめ、はやく太刀たちはなてやぁ!
 そうしねぇと、鎧が使えねぇ・・・・・・だろうがぁぁっ!
 よろいはじけさせてふせがねぇと、ニゲルのけんが――からだなかはいってくる。
 よろいはじけさせるには、まず太刀たち飛ばさなきゃならねぇ・・・・・・・・・・

 ギュルルルルルルッ――――――――――――――――ガリリリリリリリリィィィィィンッ!!!
 さやについた歯車はぐるまがまわって――散る火花ひばな
 あらわれる太刀たちむねには、のこぎりみてぇなみぞ

 ゴォォッ――――ッチィィンッ♪
 はなたれる太刀かたな
 左肩以外ひだりかたいがい鎧板よろいいたが――ヒュパパパパァァッ♪
 全部青ぜんぶあおくなる。

 こいつぁ、いつだか手に入れた〝頓知とんち〟で身につけたことわりはいってる――たぶん。
 なんでか知らんが、龍脈りゅうみゃくながれのちからで撃ち出した太刀たちいきおいを、神力しんりょくに変えることが出来できる――らしい。

 神力しんりょくってのはかみなりだ。ニゲルのはやさによろいがついていくには、必要ひつよう仕組しくみだ。
 そして、あのけんおもさをはじくのにも、龍脈りゅうみゃくながれと神力しんりょく両方りょうほうが要る。

 ふぉふぉん♪
『スラスター点火:3秒』
 シュゴゴォォォォォッ――ォォォォォッ、ッガァァァァァァンッ!
 背中せなかから突き抜ける衝撃しょうげき

 太刀たちをつかむ。
 右足みぎあしが――ギャリィィン――――ピプ――ッ♪
 バッガァァンッ!!
 爆発・・した。

いてぇなぁぁ――ニャァ!!!
 見るな見るな。

 ふぉふぉん♪
『►►►』
 目に見える、ニゲルの気配けはい
 いまさらおせぇ――そいつはさっきのニゲルだろうがぁ”

 見たら逃げられる・・・・・
 鎧板よろいいたはじかれたいまなら、ニゲルよろいはじけた向きに居る・・・・・

「ッゥゥゥゥオオオオオオオッリャァァァァァアァ――ニャァ
 切っさきが、まえを向く。
 パッコォォォォォォォッォンッ――――奇っかいおと

 いきおいあまった剣筋けんすじみだれ――
 ゴギャギャギャ、ガッチャ、ガシィィンッ!
 まわる景色おれ

 ニゲルが姿すがたあらわしした。
 このまま振り抜いても、また太刀たちを折られるだけだ。
 どうする?

 太刀たちに付いた引きがねを引けば、刀身とうしん空中ちゅう縫い付けられる・・・・・・・
 けどなぁ、ニゲルより速度はやさをあげねぇと、斬り返せねぇ・・・・・・のに。
 剣速それゼロなしにしたところで――!?

 切結きりむす瞬間しゅんかん右手みぎてねじり込み・・・・・つかの引きがねを引いた。
 チキッ――――ピプゥゥゥゥゥッ!
 とりが鳴いて刀身が・・・――ビタリッ!!!!!!!!!!

 空中ちゅうとどまる太刀かたな
 それは鎬筋しのぎすじ――がねえはらのところで、ニゲルのけんを受け止めた。
 コレで良い。一瞬いっしゅんでもながく、ニゲルのけんを引きつけとけ!

 左手甲ひだりてっこう右肩みぎかた小刀こがたなを、パシャリッ♪

 ガシガシッ――――ギュキャゴキャキャッ!
 太刀たちつかはなし、つかんだ小刀こがたなを――――黒い人影ニゲルに投げつける!
 ギシギシギシギシィィィッ、ゴガッチャゴガギャチャララララァァァァン!
 てつからだ悲鳴ひめいをあげた。

 はなった小刀それは、ぎゅるり。
 ガァガァンッ!
 回転かいてんしたニゲルの鉄下駄あしで――なんなく蹴り落とされた。

「っちぃ――ニャァ!?
 ニゲルは、ここまでつよかったのか?
 いやいや、生身なまみからだでこんな〝鉄鎧てつよろい武者むしゃ赤鬼あかおにを混ぜた、三倍さんばいもデカいおれ〟に勝てるわけがねぇ。

 ずっしゃぁぁぁぁぁぁっ――――着地ちゃくちし、地をすべる敵影ニゲル
 いきおいあまって激突げきとつしそうになる、大木たいぼくへ――ゴガガァァンッ!
 鉄下駄てつげたたたきつける。

「まったく、ぼくはまえにも言ったよねぇ。本気ほんきなんて二度にどと出さないってさぁ」
 神速しんそくかぜにながれたかみが、ニゲルの片眼かためかくす。

 つまりは、本気ほんきを出さねぇといけねえくらいにゃぁ、たたかえてるってことだ。

 めきめきめきめきっ――――どっずずずずぅぅぅん!
 蹴られた大木たいぼくが、折れてたおれた。
 よおし、相手あいてにとって不足ふそくはねぇ。

 ふぉん♪
『>スマート仕込み直刀(ホーミング機能付き)を一件作成しました
 >運搬中
 >17秒後に〝悪鬼羅刹(仮)〟胸部搬出口より、お届けします』

 胸部きょうぶ搬出口はんしゅつぐちだぁ!?
 どこにあんだぜ、そんなものよぉ!
 化けねこわぁ、くちから吐いてなかったかぁ?
 あと、おれの名は〝悪鬼羅刹あっきらせつ〟か?

 ぽぽぉん♪
 光る剣ニゲルつらぬかれた、むねの刺しきず
 そんなところから――――ジャッリィィィィィン♪
 錫杖しゃくじょうあたまがとびだした。

「どっから出てきて、やがるんでぇ――ニャァ!?
 おれは、鳴る鉄輪てつわを引っ張った。
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