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3:ダンジョンクローラーになろう
364:龍脈の回廊、シガミー受容体発見?
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「迅雷さま、その調度品に電子戦を仕掛けるのは、お待ちくださいませ♪」
次に入ってきたのは、小さな童。
伸びた背筋で、おれをじっと見つめてくる。
髪は金色に輝き、朝露をちりばめたような、みずみずしくきめ細かい肌。
しゃらあしゃらした白い服から覗く、指先までもが光を放っていた。
傾いた派手な服の女と、下っ腹が出た天女。
これから宴会でもあるのか、どいつもこいつも煌びやかな装いだ。
目の端でなんか動いてると思ったら――「うぉぅわっ――ニャン!?」
白金の棒が、腕みてぇなのを引っ込めつつ、横から現れた。
おれの背後に回っていたようだが、虫みてぇな棒だな!?
「やい、棒っ、おれが見えるのか――ニャン!?」
「リモート接続中ニも関わラず、接続先が検出できマせん。カヤノヒメ、説明ヲ――」
クルクルと空中を回り、童の元へ飛んで行く棒。
あれ? 外方を向かれちまったぜ。
やっぱり聞こえてねぇのかぁ?
っていうかありゃ、さっきつかんだ独古杵そっくりだ。
「「どういうことなのん?」――なのかしら?」
それと此奴等の姿は、すこし大きすぎる気がするな。
どういうことだ?
「おい、おまえらぁ! なんか図体が、でかすぎやしねぇか――ニャァ?」
返事はねぇ。
「イオノファラーさまたちが構築した、神々の理に介入できるのは、星神である私か、もしくはシガミーさんだけですわ」
童がじっとコッチを見てやがる。
どういうわけか、コイツを見てると――
おれのいまの体が、酷く不自由な物に感じられた。
そもそもおれぁ、化け猫でもなけりゃ、こんな〝剣を掲げた兵士〟でもねぇ。
それこそ、目のまえでおれを見あげている――この童の方が、まだおれの体って言われた方が納得できらぁ!
「シガミーがぁ!? こんな置物の中にいるのぉー!?」
ヴォォォォンッ――――♪
不気味な音を立てて、妖怪天女が飛びかかってきた!
「でっ、でけぇなっ! 恐ろしいから、顔を寄せるなってんだっ――ニャッ!」
やっぱりおかしい。ここにいるやつぁ、全員図体がでかすぎらぁ!
「ソの調度品ノ演算単位ハ極小ですノで、有意ノプログラムを実行できルとは思えませンが……シガミー、ソコニ居るノですか?」
ヴォォォォオンッ――不気味な音を立てて、棒まで飛びかかってきた!
「はい。ようやくシガミーさんの尻尾を、つかまえましたわ♪」
ぽんと手を叩き、満面の笑みを浮かべる童。
「そりゃ本当かい!? シガミー! ソコに居るんなら、はやく帰っといで! これから宴会もあるし、明日は央都の王様まで招いて盛大にやるかんだからね!」
横から、ぬっと飛び出したのは――
とんでもなく、でけぇ女。
いやまて、こいつぁ――
でけぇのは、此奴等じゃなくて――
おれが小せぇんじゃねぇーのかぁ!?
よくよく見れば、〝剣を掲げた兵士〟の身長は――
せいぜい、苦瓜程度だった。
「つきましてはリカルルさま。早急にニゲルさんと、連絡を取ってくださいませんか?」
首を傾ける仕草には、無駄がなく。
人ならざる者が持つ、気配を感じた。
「ニゲルと? 構いませんけれど――」
派手な服の女が――小せぇ青板をとりだした。
§
「いま居るのは、レイド村って所でさー。村長さんと神官さんと、話を――――」
誰も居ない方向へ向かって、体をクネクネさせる青年。
「――そんなこと言ったって、しかたないじゃないか! チョットしたいきさつで僕は、おにぎりの助手みたいなことになっちゃったんだからさぁ! 話くらい聞いてあげないとさぁー!」
誰も居ない方向へ向かって、言い訳する青年。
「はぁ? 驚かないで聞きなさい? わかったよ、驚かないで聞くよ――ええええっ、シガミーが見つかったぁ!?」
誰も居ない方向へ向かって、青年はとても驚いた。
「にゃみゃご?」
御使いさまが、その名を聞くなり――ぽきゅむぎゅぎゅむ♪
青年に張りついた!
「ちょっと、おにぎり! じゃまだよ。リカルルさまと、話が出来なーいーだーろーうー!」
ドン――ぽきゅり、ごろごろん♪
「あー、なんでもないなんでもないよ。それでシガミーが見つかったって、どういうことだい!?」
そう思い人へ問いかける、青年の背後でメラメラと。
猫の魔物が立ちあがった。
次に入ってきたのは、小さな童。
伸びた背筋で、おれをじっと見つめてくる。
髪は金色に輝き、朝露をちりばめたような、みずみずしくきめ細かい肌。
しゃらあしゃらした白い服から覗く、指先までもが光を放っていた。
傾いた派手な服の女と、下っ腹が出た天女。
これから宴会でもあるのか、どいつもこいつも煌びやかな装いだ。
目の端でなんか動いてると思ったら――「うぉぅわっ――ニャン!?」
白金の棒が、腕みてぇなのを引っ込めつつ、横から現れた。
おれの背後に回っていたようだが、虫みてぇな棒だな!?
「やい、棒っ、おれが見えるのか――ニャン!?」
「リモート接続中ニも関わラず、接続先が検出できマせん。カヤノヒメ、説明ヲ――」
クルクルと空中を回り、童の元へ飛んで行く棒。
あれ? 外方を向かれちまったぜ。
やっぱり聞こえてねぇのかぁ?
っていうかありゃ、さっきつかんだ独古杵そっくりだ。
「「どういうことなのん?」――なのかしら?」
それと此奴等の姿は、すこし大きすぎる気がするな。
どういうことだ?
「おい、おまえらぁ! なんか図体が、でかすぎやしねぇか――ニャァ?」
返事はねぇ。
「イオノファラーさまたちが構築した、神々の理に介入できるのは、星神である私か、もしくはシガミーさんだけですわ」
童がじっとコッチを見てやがる。
どういうわけか、コイツを見てると――
おれのいまの体が、酷く不自由な物に感じられた。
そもそもおれぁ、化け猫でもなけりゃ、こんな〝剣を掲げた兵士〟でもねぇ。
それこそ、目のまえでおれを見あげている――この童の方が、まだおれの体って言われた方が納得できらぁ!
「シガミーがぁ!? こんな置物の中にいるのぉー!?」
ヴォォォォンッ――――♪
不気味な音を立てて、妖怪天女が飛びかかってきた!
「でっ、でけぇなっ! 恐ろしいから、顔を寄せるなってんだっ――ニャッ!」
やっぱりおかしい。ここにいるやつぁ、全員図体がでかすぎらぁ!
「ソの調度品ノ演算単位ハ極小ですノで、有意ノプログラムを実行できルとは思えませンが……シガミー、ソコニ居るノですか?」
ヴォォォォオンッ――不気味な音を立てて、棒まで飛びかかってきた!
「はい。ようやくシガミーさんの尻尾を、つかまえましたわ♪」
ぽんと手を叩き、満面の笑みを浮かべる童。
「そりゃ本当かい!? シガミー! ソコに居るんなら、はやく帰っといで! これから宴会もあるし、明日は央都の王様まで招いて盛大にやるかんだからね!」
横から、ぬっと飛び出したのは――
とんでもなく、でけぇ女。
いやまて、こいつぁ――
でけぇのは、此奴等じゃなくて――
おれが小せぇんじゃねぇーのかぁ!?
よくよく見れば、〝剣を掲げた兵士〟の身長は――
せいぜい、苦瓜程度だった。
「つきましてはリカルルさま。早急にニゲルさんと、連絡を取ってくださいませんか?」
首を傾ける仕草には、無駄がなく。
人ならざる者が持つ、気配を感じた。
「ニゲルと? 構いませんけれど――」
派手な服の女が――小せぇ青板をとりだした。
§
「いま居るのは、レイド村って所でさー。村長さんと神官さんと、話を――――」
誰も居ない方向へ向かって、体をクネクネさせる青年。
「――そんなこと言ったって、しかたないじゃないか! チョットしたいきさつで僕は、おにぎりの助手みたいなことになっちゃったんだからさぁ! 話くらい聞いてあげないとさぁー!」
誰も居ない方向へ向かって、言い訳する青年。
「はぁ? 驚かないで聞きなさい? わかったよ、驚かないで聞くよ――ええええっ、シガミーが見つかったぁ!?」
誰も居ない方向へ向かって、青年はとても驚いた。
「にゃみゃご?」
御使いさまが、その名を聞くなり――ぽきゅむぎゅぎゅむ♪
青年に張りついた!
「ちょっと、おにぎり! じゃまだよ。リカルルさまと、話が出来なーいーだーろーうー!」
ドン――ぽきゅり、ごろごろん♪
「あー、なんでもないなんでもないよ。それでシガミーが見つかったって、どういうことだい!?」
そう思い人へ問いかける、青年の背後でメラメラと。
猫の魔物が立ちあがった。
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