滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~

スサノワ

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3:ダンジョンクローラーになろう

330:惑星ヒース神(シガミー)、マジック・スクロールをつかう

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「おわかれと言っても、たった一年いちねんですよ。わたくしやおじょうさまのように、専門的せんもんてき教育きょういくを受けるなら二年にねんになりますけれど」
 レイダを引きよせ、抱きしめるメイド。

「そうだな、たった一年いちねんだしよ。そもそもいまはイオノファラーさまのおかげで、央都おうととの行き来は一瞬いっしゅんだろ……う――?」
 いかつい工房長こうぼうちょうくちが、パカリとひらいたままになった。

 そのかおを見ていたメイドの口も、パカリ。
 その顔を見ていた少女しょうじょくちも、おくれてパカリ。

 それはまるで、何か大事なこと・・・・・・・はじめておもいたったような。

「シガミーがもともどったらっ、カヤノヒメちゃん・・・・・・・・はどうなるの・・・・・・っ!?」
 そんな少女しょうじょ

 自然しぜん二本にほん立木たちき根元に・・・、目が向くが――

「あら、そんなことはなん問題もんだいでもありませんわ。わたくしはほしかみ万物ばんぶつつかさどり、神々かみがみ叡知えいちを統べるものですので――如何様いかようにでも、くすくす、うふふ
 立木たちき一切動いっさいどうじず、口元くちもとに手を添えた。

「イオノファラー、やハり……ひそひそ……、目が笑っていまマせん・・・・・・・・・・
「そうわねぇん。ひとまず……ひそひそ……あたまの木が邪魔じゃまなのだけは、たしかよねぇん。超女神像ちょうめがみぞうから出るのも……ひと苦労くろうでしょアレ・・

「それではスクロールを持って、おにぎりさんのまえに立ってくださいな。レイダちゃん
 その目は笑っていない・・・・・・・・

「い、いたいのは、いやだよぅ?」
 おずおずと、ねこ魔物まもの近寄ちかよ子供こども

「にゃみゃごぉー♪」
 陽気ようきねこ魔物まものが、巻紙クスロールを受け取った。
「にゃみゃにゃ、にゃがにゃがぁみゃんや♪」
 パラリと紐解ひもとかれるマジック・スクロール。

 ふぉん♪
『おにぎり>だいじょうぶだもの。きっとすてきな、
      スキルが手に入るもの♪』
 木板きいたはいつの間にかひもで、くびにつり下げられていた。

 猫の魔物シシガニャン一号いちごうかおなかは空っぽ)が――
 『報酬倍化スキル』のマジック・スクロールを――
 幼気いたいけな少女しょうじょに向けた。

 タンッ――ジャラララララッララッ♪
 騒々そうぞうしく舞いおどる、カヤノヒメ。
 その頭上ずじょう立木たちき
 そのえだには、アーティファクト迅雷ジンライ……女神めがみ眷属けんぞくわたしてある。

 猫の魔物おにぎり尻尾しっぽは、猫の置物ジュークボックス突き刺さり・・・・・――
 ビュギボビン、ギュボガラランッ――――ビロロロロロッロン♪
 はげしくひかりはっするジュークボックスを――
 ふたたびとぐろを巻きはじめた、星神ほしがみ後光きりおおかくしていく。

「な、なんののろいの儀式ぎしきだ!?」
「カ、カヤノヒメさま、やっぱりちょっとおまちくださ――――!?」
 おそれる大人おとなたち。

「にゃみゃおぉーーん♪」
 猫の魔物おにぎりが鳴くと――

 ギュギュッと、猫の置物ジュークボックスに吸い込まれるひかりきり
 ヴヴヴヴヴォォォォン♪
 テーブルや椅子いす金槌かなづち給仕服きゅうじふくすそが、ビリビリとふるえる。

 ガタガタガタッ、ガチャガチャガチャン、バサバサバサッ!
 ガタンゴロロゴロロロッ――たおれた美の女神御神体イオノファラーが、テーブルから落っこちた。

 少女しょうじょレイダの足下あしもとに浮かび上がる――光輪こうりん複雑ふくざつ文様もんよう
「わっ、きゃぁぁぁぁっ――――!?」
 地が揺れ、室内しつないだというのに――――ゴロロロロッ――ピッシャンッ!
 きらめく雷光らいこうゆかころがっていた――御神体めがみへ落ちた!

った! なにこの地震じしんと……かみなり!?
 プスプス、ゴンゴロロッ――くつに当たった女神御神体めがみのからだを、つかみ上げる少女レイダ

「イ、イオノファラーさ――――」
 少女しょうじょかかえられた御神体ごしんたいが――――フッ!
 魔方陣まほうじんをのこして、少女しょうじょ姿すがたが消えた。

「消えたっ!? キャァァァァァッ――――レイダッ!?」
 給仕服きゅうじふく女性じょせい半狂乱はんきょうらんになり、ポケットから身長ほどの長さの・・・・・・・・立派りっぱ魔法杖まほうつえを取り出した!

「あわてなくても大丈夫だいじょうぶですわ。コレは通常つうじょうのマジック・スクロールの手続てつづきですので、スグに戻ってきます・・・・・・

 コォォォォォォッ、シュルシュルシュルルッ!
魔方陣まほうじんが、まわり出したぜ!?」
 かまえた金槌かなづちが、魔方陣まほうじんへ向けられた。

 シュルルルッ、ギュリュリュッ、ギャリィィィンッ!
「キャァァァァッ――――レ、レイダ! イオノファラーさまっ!」
 目に見えないはやさで回転かいてんしだした魔方陣まほうじんへ、魔法杖まほうつえが向けられる!

「にゃみゃぁご♪」
 ――――パッリィン!
 割れる魔方陣まほうじん
「「「っ――!?」」」
 いきを呑む、金槌かなづち鳥仮面とりかめんと木にわたされた銀の棒アーティファクト

 ぼっしゅるるるるりゅっ――――少女しょうじょのいた場所ばしょに、立ちこめていたひかりきりうずを巻く。
 カカカカァァァァァァァッ!
 星の神カヤノヒメあたまの木が、ひかりはなつ。
 ヴォォ――――ォォン!?
 えだわたされていたアーティファクトが、より強烈きょうれつひかかがやく――――!

「うをわっ、まぶしいぜ!」
「きゃぁぁっ、レイダァ!」

 うずは、ひと姿すがたをかたちどり――――シュルルルッキュゥウッ!
 スタンッ!

「「「レイダッ」」」
 うずなかからあらわれた少女しょうじょが――ゆかへ降りたつ。

「レイダッ――!」
 メイドが駈け寄り――むぎゅり♪
「むぎゅぅぅ――!」
 抱きすくめられ、身動みうごきが取れなくなるレイダ。

「「(ちょっと、ちょっと、リオレイニアちゃん落ちついてねぇん!)」」
 くぐもる御神体めがみこえが、二重に・・・聞こえる。 

「ああ、ごめんなさい。どこかいたところはございませんか?」
 からだはなし、今度こんどはガタガタと、ちいさなからだを揺さぶるメイド。

大丈夫だいじょうぶだよう、リオレイニアさん――それより」
 手にした二つの・・・御神体めがみを、かかげる少女しょうじょ

 やがて、ジュークボックスからチャリチャリチャリチャリと、硬貨こうかが落ちるおと
 そのおとは、いつまでもつづき――――
 きりが晴れてなお、止まらない。

 ふぉふぉん♪
 猫の置物じゅーくぼっくすかおには――
『CONGRATULATION!
 JACKPOT CALL ATTENDANT.』

「「ん、そうぞうしいわね? どうしたのみんなぁ?」」
 少女レイダかかえられた御神体イオノファラー

「くすくすくすくす、そうなる・・・・のですねぇ――――イオノファラーさま、おめでとうございます
 ジャラララララッ、ジャンジャラララララッ――――♪
 鳴らされる、タンバリン。

「「おめでとうって、なにがぁ」」
 くびかしげる御神体ごしんたい

神格しんかく二倍に・・・なりましたわ、くすくす
 そう言われ、少女しょうじょかかえられていた御神体めがみが――
 左右対称シンメトリーに、自分を見た・・・・・
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