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3:ダンジョンクローラーになろう
327:惑星ヒース神(シガミー)、茅野姫オンステージ
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「まったくもう、出しっぱなしにして――」
ブツブツと文句を言いながら、ちゃぶ台の足を畳む。
「あら、こんな所にも、踏み台が――」
よっこらせと――ぱかん。
超女神像の小指のあたりを、蹴飛ばす。
大きなハッチが開かれ現れたのは、物置のようなスペース。
ソコへ、ちゃぶ台と踏み台を仕舞う、ギルド受付嬢。
「まったくもう、だらしがないですわねぇ」
ぱんぱんと手を叩き、尻でハッチを閉じる。
「もう、お嬢さまこそ、お行儀が悪いですよ」
小言はスルーされ、受付嬢はスタスタと去っていく。
「ちゃぶ台を、仕舞われちまったなぁ」
車座の面々は、ちゃぶ台があった空間を囲んでいる。
「リカルルさまに私たちは、見えなかったみたいだねっ? くふふ、おもしろかった!」
はしゃぐ子供。
「仮想実行環境って……ひそひそ……チート過ぎじゃなぁい? そもそも、そんな機能……ひそひそ……あったっけ?」
子供上空3メートル。
棒にぶら下がる御神体表面を、冷や汗がつたう。
「プレイヤーオノハラ・レンにヨる〝メモリ増設〟がナされており……ひそヒそ……その余剰リソースヲ利用、擬似的ナFATSシステムコマンドを……ひソひそ……実装しタと思わレます」
ヴォォォォンッ♪
滞空するインテリジェンスタレット。
「そうわの? でもたしかに、お兄ちゃ……ウチの兄神なら間違いなくするわねぇそういうこと――下に降りてぇ」
ヴォォーン♪
スルスルと落ちていく、イオノファラーたち。
「ビュギュギゴガガガガボビンゴゴォボン♪」
突然の楽しげな騒音に、一斉に振りかえると――
ジュークボックスの両端に立つのは。
カヤノヒメ(金髪幼女10歳)と――
極所作業用汎用強化服シシガニャン一号自律型(個体名おにぎり0・0057歳)。
「ソレでは、迅雷さまコチラへ。くすくす?」
こめかみから生えた木は、柱のように屹立していて――
「目ガ笑ってイません。形状だケを見るナら、まルでミノタウロースでスし。イオノファラー、もしもノ場合にハ、クイックロードヲ使用してクださい」
棒が震え――
ゴトンゴトン、ガタガタガタッ!
テーブルと人数分の椅子が、置かれる。
「うん、まぁかぁせぇてぇー。えっとぉ、クイックロードって言うのわぁ――――えええっとぉー?」
テーブルの上、解き放たれた丸茸がキョロキョロと。
目をさまよわせていると――
「イオノファラーさま、クイックセーブはわたくしが行うので、随時お申し付けくださいませ。それと、クイックロードに関しては――サブメニューから選択できますので、ご随意にどうぞ、くすくす?」
何も無い所へ指先を這わせ、何らかの確認をするカヤノヒメ。
「はぁァぁぁ――人とシて淑女とシて神とシても、そシてシステム管理者とシても……不安がのこりマすが、イオノファラー」
ことん――テーブルへ棒をつく、INTタレット。
「な、なによご挨拶ねぇん!?」
丸茸が、憤慨する。
「シガミーのこトを、頼みマす」
観念した様子でフワフワ飛んで行く、美の女神の眷属。
インテリジェンスタレット、直訳するなら思考砲台。
そんな便利棒が――ぽぎゅりっ♪
目鼻口のない猫の魔物に、捕らえられた!
§
「ねぇ、おにぎりちゃんは、何をしてるの?」
便利な魔法の銀色棒。
猫の魔物はソレをふりまわし、時には指先で弾いたりしている。
「わからないわねぇん――すっころりん!」
テーブル上を不安げにうろついていた丸茸が、つまずいて転ぶ。
ヴヴッ――――ぽぎゅん♪
転んだ丸茸、視線の先。
「ぎゃっ、なんか出したぁ!? 特撃型の九号ぉ?」
白地に文字が書かれた、顔のない猫の魔物が現れた。
すっと歩み出る、星の神。
掲げたタンバリンに体して、半身。
鼓のように――タァン、タン、タタァン♪
肩口で鳴らし続ける――タァン、タン、タタタァン♪
最後に――ジャララララッ♪
一気に振りおろすと――
ぼっしゅわっ――――!
九号の腕先が、血煙に染まった!
「「「「「血ぃ――!?」」」」」
血煙はスグに、光の霧になって霧散し――ぽっぎゅぎゅぼん♪
九号の腕が赤く染まり、どういうわけか固結びにされた。
「九号さんの一部をもらって、十号さんの修繕をしましたわ、くすくす♪」
横へ引っ込む、星の神。
「何だか、酒でも欲しくなるな♪」
星の神と猫の魔物の高負荷演算は、今のところ――
踊りや手品にしか見えない。
「工房長、気を抜いてはけません!」
懐から小さな魔法杖を取りだし、臨戦態勢を取る――元コントゥル家給仕長。
ぽっぎゅぽっぎゅぎゅむ――――すったん、たぁん♪
「また、おにぎりちゃんが来た♪」
もはや、出し物でしかなくなったシガミーの痕跡探査を、楽しむ子供。
ヴヴッ――――ぽぎゅん♪
「ん? 今度わぁ、シシガニャン二号ぉ?」
淡い桜色。かわいらしい色の、猫の魔物が現れた。
「あっ、ソレっ! 私が着たヤツっ♪ くれるのっ!?」
駆け寄る子供が飛びつく寸前、黄緑色が薄桜色を持ち上げた。
「ごめんなさいね、レイダちゃん。コレは、もう着られなくなっちゃうの♪」
タン、シャカシャカ、ジャラララッン♪
自称星神が奏でる、騒々しく短い演奏。
それを聞くなりボコボコと、膨らんだり縮んだりを繰りかえす二号。
ぎゅぶりゅぎゅぶるるん――――ぼぎゅぎゅゆっ、ぶるんっ♪
そのオキオイが激しくなり――――!!!
「「「「わっ、裏返ったっ!?」」」」
驚愕の面々。
「わぎゃふんっ!? まるで神さまみたいっ!?」
その不思議な光景に、ひときわ狼狽する、女神。
「イオノファラー落ちつイてください。高次元かラの干渉ハ、検出されませんデした。つマり単純ナ変形でス。キャラクターエディターヲ使えバ、イオノファラーにモ可能ですノで、まダ負けてイません」
おにぎりの手を逃れた、眷属が。
落ち込む美の女神を、励ます。
「位相幾何学的に同相……位相同型であるならば、二点間の相似構造を入れ替えることが可能ですわ、うふふ。なにせ、わたくしは、惑星(略」
タタタン、ダラララランッ――――♪
強化服二号、着ればどんな攻撃にも耐え、徒手空拳で地を割り空を薙ぐ――
その裏側。
身体にフィットし、かつ強靱な構造。
衝撃を分散し、攻撃を集積する――表裏一体成形。
よく見れば、速乾や保湿、断熱や換気といった魔法のような機能。
ソレらを実現するための、機械的な複雑さも見て取れる――二号の裏返し。
バチバチバチッ――ボゴガァァン♪
火花ののち、血煙に包まれた!
「「「「「またぁ、血ぃ――!?」」」」」
血煙はスグ、光の霧になって霧散し――
ぽぎゅりん――――♪
残されたのは、強化服二号の――裏返った外側だけ。
裏側の構造が、すべて消え去った。
「二号さんは着られなくなっちゃったけど、大丈夫ですわ♪ シガミーちゃんさえ戻ってきたら、たぶん……なぁんでもひとつ、レイダちゃんに作ってくれるから♪」
子供に歩み寄るその姿も子供ではあるが、内面の年齢差は隠れようもない。
「本当!?」
飛び上がり、よろこぶ子供《レイダ》!
内面との年齢差は、ほぼない。
ブツブツと文句を言いながら、ちゃぶ台の足を畳む。
「あら、こんな所にも、踏み台が――」
よっこらせと――ぱかん。
超女神像の小指のあたりを、蹴飛ばす。
大きなハッチが開かれ現れたのは、物置のようなスペース。
ソコへ、ちゃぶ台と踏み台を仕舞う、ギルド受付嬢。
「まったくもう、だらしがないですわねぇ」
ぱんぱんと手を叩き、尻でハッチを閉じる。
「もう、お嬢さまこそ、お行儀が悪いですよ」
小言はスルーされ、受付嬢はスタスタと去っていく。
「ちゃぶ台を、仕舞われちまったなぁ」
車座の面々は、ちゃぶ台があった空間を囲んでいる。
「リカルルさまに私たちは、見えなかったみたいだねっ? くふふ、おもしろかった!」
はしゃぐ子供。
「仮想実行環境って……ひそひそ……チート過ぎじゃなぁい? そもそも、そんな機能……ひそひそ……あったっけ?」
子供上空3メートル。
棒にぶら下がる御神体表面を、冷や汗がつたう。
「プレイヤーオノハラ・レンにヨる〝メモリ増設〟がナされており……ひそヒそ……その余剰リソースヲ利用、擬似的ナFATSシステムコマンドを……ひソひそ……実装しタと思わレます」
ヴォォォォンッ♪
滞空するインテリジェンスタレット。
「そうわの? でもたしかに、お兄ちゃ……ウチの兄神なら間違いなくするわねぇそういうこと――下に降りてぇ」
ヴォォーン♪
スルスルと落ちていく、イオノファラーたち。
「ビュギュギゴガガガガボビンゴゴォボン♪」
突然の楽しげな騒音に、一斉に振りかえると――
ジュークボックスの両端に立つのは。
カヤノヒメ(金髪幼女10歳)と――
極所作業用汎用強化服シシガニャン一号自律型(個体名おにぎり0・0057歳)。
「ソレでは、迅雷さまコチラへ。くすくす?」
こめかみから生えた木は、柱のように屹立していて――
「目ガ笑ってイません。形状だケを見るナら、まルでミノタウロースでスし。イオノファラー、もしもノ場合にハ、クイックロードヲ使用してクださい」
棒が震え――
ゴトンゴトン、ガタガタガタッ!
テーブルと人数分の椅子が、置かれる。
「うん、まぁかぁせぇてぇー。えっとぉ、クイックロードって言うのわぁ――――えええっとぉー?」
テーブルの上、解き放たれた丸茸がキョロキョロと。
目をさまよわせていると――
「イオノファラーさま、クイックセーブはわたくしが行うので、随時お申し付けくださいませ。それと、クイックロードに関しては――サブメニューから選択できますので、ご随意にどうぞ、くすくす?」
何も無い所へ指先を這わせ、何らかの確認をするカヤノヒメ。
「はぁァぁぁ――人とシて淑女とシて神とシても、そシてシステム管理者とシても……不安がのこりマすが、イオノファラー」
ことん――テーブルへ棒をつく、INTタレット。
「な、なによご挨拶ねぇん!?」
丸茸が、憤慨する。
「シガミーのこトを、頼みマす」
観念した様子でフワフワ飛んで行く、美の女神の眷属。
インテリジェンスタレット、直訳するなら思考砲台。
そんな便利棒が――ぽぎゅりっ♪
目鼻口のない猫の魔物に、捕らえられた!
§
「ねぇ、おにぎりちゃんは、何をしてるの?」
便利な魔法の銀色棒。
猫の魔物はソレをふりまわし、時には指先で弾いたりしている。
「わからないわねぇん――すっころりん!」
テーブル上を不安げにうろついていた丸茸が、つまずいて転ぶ。
ヴヴッ――――ぽぎゅん♪
転んだ丸茸、視線の先。
「ぎゃっ、なんか出したぁ!? 特撃型の九号ぉ?」
白地に文字が書かれた、顔のない猫の魔物が現れた。
すっと歩み出る、星の神。
掲げたタンバリンに体して、半身。
鼓のように――タァン、タン、タタァン♪
肩口で鳴らし続ける――タァン、タン、タタタァン♪
最後に――ジャララララッ♪
一気に振りおろすと――
ぼっしゅわっ――――!
九号の腕先が、血煙に染まった!
「「「「「血ぃ――!?」」」」」
血煙はスグに、光の霧になって霧散し――ぽっぎゅぎゅぼん♪
九号の腕が赤く染まり、どういうわけか固結びにされた。
「九号さんの一部をもらって、十号さんの修繕をしましたわ、くすくす♪」
横へ引っ込む、星の神。
「何だか、酒でも欲しくなるな♪」
星の神と猫の魔物の高負荷演算は、今のところ――
踊りや手品にしか見えない。
「工房長、気を抜いてはけません!」
懐から小さな魔法杖を取りだし、臨戦態勢を取る――元コントゥル家給仕長。
ぽっぎゅぽっぎゅぎゅむ――――すったん、たぁん♪
「また、おにぎりちゃんが来た♪」
もはや、出し物でしかなくなったシガミーの痕跡探査を、楽しむ子供。
ヴヴッ――――ぽぎゅん♪
「ん? 今度わぁ、シシガニャン二号ぉ?」
淡い桜色。かわいらしい色の、猫の魔物が現れた。
「あっ、ソレっ! 私が着たヤツっ♪ くれるのっ!?」
駆け寄る子供が飛びつく寸前、黄緑色が薄桜色を持ち上げた。
「ごめんなさいね、レイダちゃん。コレは、もう着られなくなっちゃうの♪」
タン、シャカシャカ、ジャラララッン♪
自称星神が奏でる、騒々しく短い演奏。
それを聞くなりボコボコと、膨らんだり縮んだりを繰りかえす二号。
ぎゅぶりゅぎゅぶるるん――――ぼぎゅぎゅゆっ、ぶるんっ♪
そのオキオイが激しくなり――――!!!
「「「「わっ、裏返ったっ!?」」」」
驚愕の面々。
「わぎゃふんっ!? まるで神さまみたいっ!?」
その不思議な光景に、ひときわ狼狽する、女神。
「イオノファラー落ちつイてください。高次元かラの干渉ハ、検出されませんデした。つマり単純ナ変形でス。キャラクターエディターヲ使えバ、イオノファラーにモ可能ですノで、まダ負けてイません」
おにぎりの手を逃れた、眷属が。
落ち込む美の女神を、励ます。
「位相幾何学的に同相……位相同型であるならば、二点間の相似構造を入れ替えることが可能ですわ、うふふ。なにせ、わたくしは、惑星(略」
タタタン、ダラララランッ――――♪
強化服二号、着ればどんな攻撃にも耐え、徒手空拳で地を割り空を薙ぐ――
その裏側。
身体にフィットし、かつ強靱な構造。
衝撃を分散し、攻撃を集積する――表裏一体成形。
よく見れば、速乾や保湿、断熱や換気といった魔法のような機能。
ソレらを実現するための、機械的な複雑さも見て取れる――二号の裏返し。
バチバチバチッ――ボゴガァァン♪
火花ののち、血煙に包まれた!
「「「「「またぁ、血ぃ――!?」」」」」
血煙はスグ、光の霧になって霧散し――
ぽぎゅりん――――♪
残されたのは、強化服二号の――裏返った外側だけ。
裏側の構造が、すべて消え去った。
「二号さんは着られなくなっちゃったけど、大丈夫ですわ♪ シガミーちゃんさえ戻ってきたら、たぶん……なぁんでもひとつ、レイダちゃんに作ってくれるから♪」
子供に歩み寄るその姿も子供ではあるが、内面の年齢差は隠れようもない。
「本当!?」
飛び上がり、よろこぶ子供《レイダ》!
内面との年齢差は、ほぼない。
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