滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~

スサノワ

文字の大きさ
上 下
323 / 740
3:ダンジョンクローラーになろう

323:惑星ヒース神(シガミー)、龍脈通信プロトコルとケットーシィ

しおりを挟む
「ふうー。コレで一体何いったいなにが、出来できるようになるのですらん?」
 ひたいあせぬぐい、ちゃぶだいひじをつくツナギ姿・・・・王女おうじょ

「えっとねぇー、王女おうじょさまわぁ龍脈りゅうみゃく……マナがながれる地底ちていかわみたいなのってわかるぅ
 小皿こざらから引き抜かれたのは、聖剣爪楊枝せいけんつまようじ
 かかげられる、あおむらさき斑色まだらいろ野菜やさい――の漬物つけもの

「はい、わかりますらぁん。山脈さんみゃく地下水ちかすいながれに沿った、マナの循環じゅんかんのことですらん」
「あら、くわしいわね……ぼぉりぼぉり
 満足まんぞくげな御神体ごしんたいが、浮かぶぼうを見やりうなづく。

召喚しょうかんとうがあった場所ばしょが、大地だいちをうるおすマナの源流げんりゅうで――ソコをまも結界けっかいは、王家おうけ管理かんりしてきましたのでらん」
 身をかがめ、御神体ごしんたい目線めせんにあわせようとする王女おうじょ

「げ、源流げんりゅうっ――そうわの!?
 とてもおどろいた様子ようすだが、ぼぉりぼぉり――もっぎゅ、もっぎゅ♪
 爪楊枝せいけんとどまることを知らない。

王女おうジょさマも、塩分補給えんブんほきゅうにドう
 もうひとつ置かれる小鉢こばち
「いただきますらん♪」
 ぽりぽりぽり――もぐもぐ♪

「おしおのおあじつよいですけれど、おいしいですらん♪」
「シガミーがクエストに出かけるまえ仕込しこんでおいたヤツだから、すこし漬かりすぎだけどねー
 ぼぉりぼぉり――もっぎゅ、もっぎゅ♪

 こぽぽこぽこぽこっ♪
 コトリ、コトリ。
 二つ置かれる持ち手のない――湯飲みカップ

「コチラのオちャもどウぞ。シガミーガ仕込シこんでオいた、モと茶葉ちゃバ
使ツかいマし
「ありがとうらん」
 湯飲ゆのみを受けとる、ツナギ姿おうじょ丸茸めがみ

「ふぅうぅー、しぶい! 良いわねぇー、緑茶りょくちゃぁぁ
あつっ――ほんとうに、しぶいですらん――ふーっ、ふーっ♪」
 飲みなれたおちゃより温度おんどたかいのか、必死ひっしに冷ましている。

 超女神像ちょうめがみぞうを見に来た見物客めんぶつきゃくが、遠巻とおまきにちゃぶだいを見つめるなか
 浮かぶぼう迅雷ジンライが、整備用せいびようハッチに取り付き――その表面ひょうめんころがる。
 ヴォォン、ジジジッジ――――♪
 印字いんじされたのは――『龍脈言語INCLUDE』という、かなりはっきりとした太文字ふともじ

「それでぇーさぁー、そんな大事だいじ場所ばしょおぉー、あたくしさまが吹っ飛ばしちゃったけどさぁ――この大陸たいりくわぁ……大丈夫だいじょうぶわのぉ
 御神体ごしんたい表面ひょうめんを、冷やあせつたう。

「もしマナのながれに問題もんだいがあるならん、その地域ちいき天候てんこう異常いじょうが見られるので……たぶん大丈夫だいじょうぶですらぁん」

「コこ数日すうジつ、ガムラン周辺しゅウへん天候てンこう快晴かイせい龍脈りゅうミゃくつヨ活動かつどウしテおり、以前いゼんよりもふト力強ちかラづよいホどで
 ハッチを閉じもどってきた浮かぶ棒ジンライが、補足説明ほそくせつめいをした。

「そう、じゃあ良かったわぁ――えーっと、なんはなしぉーしてたんだっけ
大地だイちハし龍脈りゅうミゃくのかスかな揺らギから、あル痕跡・・・・サがすタめに超女神像ちょうめがミぞう改修かいシゅうしタというおはなしデは
 ヴォォォン♪
 ながさがみじかくなり――御神体ごしんたいで言うなら二個分にこぶん、20センチ程度ていどになったアーティファクト迅雷ジンライが――指摘してきする。

「そーだった、そーだった。つまり大地だいちがぁうるおされるぅ様子ようすからぁ、ちいさな変化へんかを見つけ出してぇー、シガミーの痕跡こんせきぃおぉー探せるように・・・・・・したのよぉう
 むねをはり――ごろろん♪
 うしろへころがる御神体めがみ

「じゃあ、この女神像めがみぞうで……あの〝お行儀が悪い・・・・・・ケットーシィガミー・・・・・・・・・ちゃん・・・〟のことが、なにかわかるのですらぁん?」
 ぬるくなった緑茶りょくちゃをズズズとすすり、世界最大せかいさいだい女神像めがみぞうを見あげるツナギ王女おうじょ

「そのケットーシィって、ときどき出てくるけど……なんだっけ
検索上位けんサくじょういノケットシーは、〝魔法マほう道具どウぐツくネこ魔物まモの〟のようで
 ゴトン――ちゃぶだいに置かれたのは、大きめの黒板タブレットPC
 表示ひょうじされたのは、あたまのおおきなねこの着ぐるみのようなキャラクター。

 ふぉふぉん♪
『ケットーシィ/
 二足歩行。愛くるしい外見には似合わないイヤミを吐く。
 毛皮は取れず食べる所も無いが、金貨を貯め込んでいる。
 全ての個体が魔王やエリアボス並みの知性を備えており、
 魔法具の作成に心血を注いでいる。
 極稀に大都市の路地裏に、魔法具店をかまえることがある。』

「こノ世界せカいにオいては、ケットーシィの名称めいシょうしタしまレる希少レアエネミーだトオもわレま
 浮かぶ棒アーティファクトが、黒板くろいたうえでクルリと回転かいてんすると――二足歩行にそくほこうねこのイラストが立体的りったいてきに浮かびあがった。

「あらカワイイ。けどこれ……シシガニャンじゃないの?」
 爪楊枝つまようじをピッと立体映像ケットーシィへ向ける、御神体めがみ
「いイえ。よク似ていルためケットシーと、間違われた・・・・・ようデ

ねこ魔物まものから、お行儀の悪い・・・・・・小さな女の子・・・・・・が出てきて、わたくしのゴーレムづくりを手伝てつだってくれましたらぁん♪」
行儀が悪くて・・・・・・、しかも魔道具を作る・・・・・・――聞けば聞くほどシガミーのことよねぇー

「まったくデすね。良イ機会きかイでスので、シシガニャンの整備せいびもココでしてしまいますか
 ヴォヴォォォォンッ――――シュカン♪
 浮かび上がったぼうが、ふたたび子供ひとり分・・・・・・ほどのながさになった。

「そうわね、王女おうじょさまも居てくれるしねぇん
 と自分じぶんを見あげる御神体ごしんたいを、うやうやしく持ちあげる王女殿下ラプトルひめ
「はい、よろこんでお手伝てつだいさせていただきますわぁらぁぁん♡」
 手にした美の女神イオノファラーを、天高てんたかかかげる。

「じゃぁ、シシガニャンたちおぉー、ぜぇーんぶっ出してっ
 ヴヴヴヴヴヴヴッヴヴッ――――ふるえる女神めがみ眷属けんぞく

 ぽきゅぽきゅぽきゅぽきゅぽきゅぽきゅぽきゅぽきゅぽん♪
 ねこ魔物まものたちが、突如とつじょとして姿すがたあらわし、一列いちれつならんだ。

 ちいさくまえにならえ――
 手を下ろし全体ぜんたぁい右向みぎむみぎ
 その一糸乱いっしみだれぬ機敏きびんうごき。
 先頭せんとう黄緑色きみどりいろが「にゃみゃごぉぉ♪」と鳴いた。

「ぎゃっ――ねこ@魔物まものっ!?」
 どたたたたと、逃げていく見物人けんぶつにん

「あーぁ、フェスタで洗礼を・・・大部分だいぶぶんひとが受けたとおもってたけどぉ――まだいたのね、魔物呼ばわり・・・・・・してなかった人・・・・・・・がぁ
 うやうやしく持たれたままの御神体めがみが――ぺちり♪
 みじかい手を必死ひっしに、自分じぶんひたいへ当てている。

「フェスタ後ニガムランちョうへ来タ、観光客かんこウきゃくおモわれマ
「逃げていっちゃいましたらぁん」

「もうすこし、シシガニャンを広めておかないと・・・・・・・・、いざってとき救助活動じゅうじょかつどう使つかえないわねぇ……あとねんのため、連動系オートクルーズオフ
了解りょうかイしマ――」

「うっぎゃっ――――!?」
 またひとり観光客かんこうきゃくが、悲鳴ひめいを上げた。
「あのぅ、これぇ――魔物まものじゃないんですよぉー♪」
 御神体めがみねこなでごえで、ふりむくと――ソコには。

「〝護り鬼まもりがみ〟が――――たくさぁん!?」
 振り返りもせず、一目散いちもくさんに逃げていくうしろ姿すがた

「アレは、ルリーロさまではらん?」
「あはは……ルリーロさまはねぇー、まえに一度いちど――」

「シシガニャン自律型一号じりつがタいちごうニ、完膚無かんプなきマでに退治された・・・・・経緯けいイがありマ
 ヴォヴォォン♪
 先頭せんとう黄緑色きみどりいろのまわりを、一周いっしゅうしてみせるアーティファクト

「にゃみゃごっ?」
 ふと、われかえった仕草しぐさ
 ぼうを――ぽきゅりとひっつかむ♪

 猫の魔物一号ねこのまものいちごうれつからはなれ――ぽきゅぽきゅぽきゅ♪
 ちゃぶだいへ寄ってきた。

 ヴッ――ぱさり。
 ぼうを振り――座布団ざぶとんを出して、正座せいざする。

「にゃみゃごぉ?」
 から湯飲ゆのみと小鉢こばちを見つめ――くびをかしげる。
 まるで「あれ? おにぎりのぶんの、おちゃとお漬物つけものは?」と言わんばかりの仕草そぐさ

「ああもぉう、こわれてなくて良かったけど――出して上げて迅雷ジンライ
 パチリと放電ほうでん――おどろいた猫の魔物きみどりいろが、手をはなす。

 ヴヴッ――コト、コトリ♪

 ひとりでにうごく、猫の魔物ケットーシィそっくりのふく
 自律型一号じりつがたいちごうおにぎりは――
 ちゃをすすり、漬物つけものをかじりはじめた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

スター・スフィア-異世界冒険はお喋り宝石と共に-

黒河ハル
ファンタジー
——1つの星に1つの世界、1つの宙《そら》に無数の冒険—— 帰り道に拾った蒼い石がなんか光りだして、なんか異世界に飛ばされた…。 しかもその石、喋るし、消えるし、食べるしでもう意味わからん! そんな俺の気持ちなどおかまいなしに、突然黒いドラゴンが襲ってきて—— 不思議な力を持った宝石たちを巡る、異世界『転移』物語! 星の命運を掛けた壮大なSFファンタジー!

我が家に子犬がやって来た!

もも野はち助(旧ハチ助)
ファンタジー
【あらすじ】ラテール伯爵家の令嬢フィリアナは、仕事で帰宅できない父の状況に不満を抱きながら、自身の6歳の誕生日を迎えていた。すると、遅くに帰宅した父が白黒でフワフワな毛をした足の太い子犬を連れ帰る。子犬の飼い主はある高貴な人物らしいが、訳あってラテール家で面倒を見る事になったそうだ。その子犬を自身の誕生日プレゼントだと勘違いしたフィリアナは、兄ロアルドと取り合いながら、可愛がり始める。子犬はすでに名前が決まっており『アルス』といった。 アルスは当初かなり周囲の人間を警戒していたのだが、フィリアナとロアルドが甲斐甲斐しく世話をする事で、すぐに二人と打ち解ける。 だがそんな子犬のアルスには、ある重大な秘密があって……。 この話は、子犬と戯れながら巻き込まれ成長をしていく兄妹の物語。 ※全102話で完結済。 ★『小説家になろう』でも読めます★

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

錆びた剣(鈴木さん)と少年

へたまろ
ファンタジー
鈴木は気が付いたら剣だった。 誰にも気づかれず何十年……いや、何百年土の中に。 そこに、偶然通りかかった不運な少年ニコに拾われて、異世界で諸国漫遊の旅に。 剣になった鈴木が、気弱なニコに憑依してあれこれする話です。 そして、鈴木はなんと! 斬った相手の血からスキルを習得する魔剣だった。 チートキタコレ! いや、錆びた鉄のような剣ですが ちょっとアレな性格で、愉快な鈴木。 不幸な生い立ちで、対人恐怖症発症中のニコ。 凸凹コンビの珍道中。 お楽しみください。

魔道具作ってたら断罪回避できてたわw

かぜかおる
ファンタジー
転生して魔法があったからそっちを楽しんで生きてます! って、あれまあ私悪役令嬢だったんですか(笑) フワッと設定、ざまあなし、落ちなし、軽〜く読んでくださいな。

はぁ?とりあえず寝てていい?

夕凪
ファンタジー
嫌いな両親と同級生から逃げて、アメリカ留学をした帰り道。帰国中の飛行機が事故を起こし、日本の女子高生だった私は墜落死した。特に未練もなかったが、強いて言えば、大好きなもふもふと一緒に暮らしたかった。しかし何故か、剣と魔法の異世界で、貴族の子として転生していた。しかも男の子で。今世の両親はとてもやさしくいい人たちで、さらには前世にはいなかった兄弟がいた。せっかくだから思いっきり、もふもふと戯れたい!惰眠を貪りたい!のんびり自由に生きたい!そう思っていたが、5歳の時に行われる判定の儀という、魔法属性を調べた日を境に、幸せな日常が崩れ去っていった・・・。その後、名を変え別の人物として、相棒のもふもふと共に旅に出る。相棒のもふもふであるズィーリオスの為の旅が、次第に自分自身の未来に深く関わっていき、仲間と共に逃れられない運命の荒波に飲み込まれていく。 ※第二章は全体的に説明回が多いです。 <<<小説家になろうにて先行投稿しています>>>

野花を憑かせて〜Reverse〜

野花マリオ
ホラー
怪談ミュージカル劇場の始まり。 主人公音野歌郎は愛する彼女に振り向かせるために野花を憑かせる……。 ※以前消した奴のリメイク作品です。

処理中です...