滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~

スサノワ

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3:ダンジョンクローラーになろう

309:仙果到達ルートC、ご神木のひみつ

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 ヒュヒュヒュヒュボオオゴゴゴゴォォォォォォォワァァァァァァァァァァァァァァァァァッ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――!!!!!!!!!!

「――――、――!?」
「――――!」
 ぅわあちぃっ――死ぬるっ。
 迅雷ジンライ迅雷ジンライ迅雷ジンライぃ――――五百乃大角いおのはらぁ!

 ヴッ――――錫杖しゃくじょうを取りだし――ぐるるるっ、じゃりぃぃぃぃん♪

ァァァァッ――――――――!」
 せまり来るひかりが、止まる気配けはいはない。
 フゥゥゥウッ――――あたりがきゅうに、くらくなった。

 こりゃおわった!
 いちかばちかめつ太刀たちでも、はなってみりゃぁ良かった――!!
 悔やんでいたら――ふあぁー♪
 とおくの方に、花畑はなばたけなんかが見えやがる。

「シガミー、これそこのシガミーやぁぃ」
 今際いまわきわに、やかましぃやい!

 ふりかえると、ソコに居たのは――――

 白髪はくはつ老人ろうじんのようでもあり――
 眉目麗みめうるわしいわかおんなのようでもあり――
 やりかたな酒瓶さかびんのようでもあり――

「なんだっ、おまえさまわぁ――!?」
 怒鳴どなりつけると、白髪はくはつ老人ろうじん姿すがたをしたわかおんなが――
 手にしたやりを振ってけんに変え、自分じぶん姿すがたおおきな酒瓶さかびんに変えた。

「わしゃぁ、なんでもないただの、かみじゃて」
 酒瓶さかびんうでもないのに、あたまを掻いておおあくびをした。

「やい酒瓶さかびん、ここは――!?」
 気づけばかわながれてる。

 かわの向こうには――城壁じょうへきしろはねぇけど)にかこまれたまち
 まちうえには、ちいさなほしが浮かんでる――ガムランちょうだ。

「ひょっとして、おれぁ死んだのか?」
 おれがおにぎりに、うかつな指図さしずをしたもんだから――
 おれと第一王女ラプトルいのちが終わっちまった。

「けど、それにしちゃ、王女おうじょ野郎やろうが……見当みあたらねぇぞ?」
 のどかな花畑はなばたけにいるのは、おれと酒瓶さかびんだけだ。

「死んだのは爆発ばくはつに巻き込まれた、おまえさんだけじゃわい」
 爆発ばくはつだとぅ……じゃぁ浮かぶ球いおのはらがぶっこわれたのは、間違まちがいねぇんだとしても――
「なんでそんなことがわかる? かみ菩薩ぼさつじゃ有るめぇし」
「いやだからわしゃぁ、かみじゃ」
「はぁ? そんなみずぼらしい、ヒビのはいった酒瓶さかびん生意気なまいきを言うんじゃねぇやい」

かくり世にせいを受けて……せいを受けてってのもへんじゃが~ぁ、実時間じつじかんで622,037,462びょう体感時間たいかんじかんで414,276,949,692びょうねんでいうならぁ~13,128年弱ねんじゃくかみをやっとるわい」
 ぬぅ?
一万三千年いちまんさんぜんねんたぁ、おだややかじゃねぇな……すまねぇ、酒瓶さかびんだってソレだけながく生きてりゃ、かみぐらいやれらぁな」
 おれぁ四十よそじ享年きょうねんと、このからだ十年とおを足したとて、せいぜい五十いそじだ。
 生意気なまいきを言ったのぁ、おれのほうだぜ。

「それでのう、じつはのう――」
かくり世なぁ。なんだかもう、いろいろ良いような気が・・・・・・・してきたな。まちのみんなにゃわりぃけど……前世ぜんせ御負おまけの今世こんぜでも、そこそこたのしい仲間なかま出来でき面白おもしろおかしくやれたしなぁー」
 ヴッ――――っじゃっりぃぃぃぃぃぃん♪
 おれは錫杖しゃくじょうを出して、つえのようについた。

「いぉよぉぉしっ――――おものこすことはねぇぜ! とっとと浄土じょうどでもどこでも、連れてってくれやぁ!」
 心残こころのこりはねぇが、あの子供ガキみてぇな美の女神いおのはらを、ひとりのこして来ちまったことが――

「いやじゃから、はなしを聞いてくれんかのう?」
 酒瓶さかびん今度こんどは、おにぎり……身のたけも有る、でけぇおにぎりに姿すがたを変えた。
 そういやアイツらは――どうしたかなぁ。
 さすがに細切こまぎれに、なっちまったかもなぁ。
 なかに入れておいたマンドラゴーラだけでも、女将おかみさんにわたしたかったが。

「おう、そうだぜ。てめぇで念仏ねんぶつでもとなえてぇところだが、ごうってはごうしたがわねぇとな、おまえさまの仕来しきたりであおくってくれやぁ――♪」

「ふぅ、はなしを聞けと言うに。この……おまえさんにわかるように言うなら〝彼岸ひがん〟にきたのは、シガミーがはじめてなんじゃよ」
「へぁ? はじめて? そりゃ、おかしいじゃねぇーか!」
 だれも死んでねぇ?
 そんなことが、有るわけねぇ!

「けどな……そういやまち葬式そうしきをしてた様子ようすはなかった……蘇生薬エリクサーも有るしな」
「そういうことでも、ないんじゃがなぁ」
 かみが、また姿すがたを変える。

「じゃぁ、どういうわけでぇい! おれぁもうっ、浄土じょうどへ行くって決めたんだ! さっさとはなしを切り上げてぇくれやぁ!?」

「そうじゃなぁ――、一言ひとことで言うならわしゃぁ、ここでかみをするのに……飽きてしもうてのう――」
 飽きた?
 たしかに一万年いちまんねんも、だれも来ねぇところで突っ立ってりゃぁ…………鉄瓶だって・・・・・飽きるだろうよ。
 鉄瓶てつびん黒光くろびかりするからだをよじり、上蓋うわぶたをカタカタと鳴らす。

「つきましてはのぅ、シガミーにお役目を変わって・・・・・・・・もらおうかとおもってのぅ」
「はぁ!? お役目やくめってのはっ――――かみのことか!?」
 よせやい、おれは破門はもんされちゃあいるが――仏門ぶつもん帰依きえした身だぜ。

 がらん――――鉄瓶かみ花畑はなばたけころがった。
「このぼう黄泉よみほしまでの道行みちゆききに使つかえそうじゃから、もらっていくぞぉい♪」
 すぽん♪
 うをっ!? 錫杖しゃくじょうを取られた!?

 鉄瓶てつびんが、まるで磁器じきのように割れる。
 うろたえるしか出来できないおれを、たとえようのない――
 かわいたかぜが――吹き抜けていく。

 ふぁぁっ――――♪
 かぜに吹かれた割れ鉄瓶てつびんが、すなのように吹き飛ばされていく。
 たのしげに――ユラユラと――キラキラキラァ。

 どこか――とおいところへと旅立たびだ鉄瓶かみ

「やい、おまえさまよぉ! こんなところにおれひとり、のこしていくんじゃねぇやぁ!」

 まてまてまて、迅雷ジンライ――!?
 五百乃大角いおのはら――!?
 だれでも良いぃ、こたえろやぁぁ――!

 おれは花畑はなばたけに、突っ伏した。
 いまおれが使つかえるのは――手持てもちの武器数本ふきすうほんと、迅雷ジンライ式隠しきかくれみの
 それと、めし支度したく三週間分さんしゅうかんぶんと、机椅子つくえいす

 なんとかして、ふねでもつくれりゃぁ――向こう岸ガムランもどれるんじゃ?
 なんてかんがえたとき――――

 おれのからだがくずれ、つちになった。
 ぽこん――芽が出たとおもったら――一瞬いっしゅん大木たいぼくへと成長せいちょうする。

「うをわぁ――――すげぇなぁ♪」
 こりゃおもしろいものを見たぜ。
 迅雷ジンライが居りゃぁ、あとでみんなにも見せてやれたんだがなぁ。

 迅雷ジンライってのぁ――なんだったかなぁ。
 ふにゃぁ――――――――♪



 良い陽気ようきだ。

 本日ほんじつはお日柄ひがらも良く……へへへっ♪




 へへっ……♪











































































 ふぉふぉふぉふぉっふぉおふぉふぉふぉぉぉぉぉん♪♪♪
『緊急時戦術プロトコル作動
 >WetWareID#44Ga3
  対象アドレス:生体デバイス個体シガミー内/不随意記憶領域内/……/……
 >Forced reboot with bootstrap
 >Access to room #44Ga3
 >Initiating spiritcontrol
 >なんかでた
 >付けっぱなしだった耳栓
 >そこから伸びた棒
 >目尻に照らされる赤い光

 >画面を、とんでもねぇ勢いで流れていく、なんかの知らせ
 >それは赤くて、良い意味じゃねぇ事だけが分かった
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