285 / 740
3:ダンジョンクローラーになろう
285:ダンジョンクローラー(シガミー御一行様)、解析指南と岩陰のつどい
しおりを挟む
「あらシガミー、変わった香りですこと?」
大きなテーブルに陣取って、何かを眺めてたリカルルたちまでやってきた。
がたん、ちいさな机を、もう一個出して――こと、ことん。
追加で卵酒(二級)をだしてやる。
「いやぁ、これはとても暖まりますねー♪」
大柄が体をちぢめて、湯飲みをすする。
「ふはわぁ♪ ほんとう、レーニア……いえ、リオレイニア。これ我が家でも作れないかしら?」
そんなリカルルの言葉に、首を振るリオレイニア。
「まえにレシピを聞きました所、例のシガミーの酒瓶からしか入手できない〝澄み切ったお酒〟を使っているようですので――」
「そーね、あのお酒に近いのわぁつくれるけどぉ――」
ずぞぞぞぞぉー。
「おいそりゃ、おれんだぞ。病みあがりの信徒を、すこしは労れってんだぜ」
姫さんの長髪をつたって、テーブルに降りた御神体は……どっちが湯飲みだかわからん。
「――天狗かシガミーの手が空いてるときじゃないと――戦争になるわね……鍛冶工房のおじさんたちとぉ――――ウケケッケケッ♪」
「ウヌゥ――!?」
五百乃大角の笑い声に驚いたゲール少年が、椅子ごとうしろにひっくり返る。
ヴッ――――ぱしん、ごどん。
小太刀を出して、椅子の背につっかえ棒をしてやる。
「す、すまぬ、店主よ」
ジタバタともがくゲールを、レイダが起こしてやる。
「す、すまぬ、レイダよ」
このパーティー最弱は間違いなく、コイツだ。
守りながらの行軍だと、いつ魔王城にたどり着くのか見当も付かない。
「ふぅぅぅぅうっ――♪」
白いのが湯飲みをかかえ、口から冷てぇ魔法を吐いて冷ましてる。
ああいう芸当が出来ると、この世界での生活がとても楽しそうだ。
もっともソコにたどり着くまでに、なみなみならぬ修練が要るが。
「ふぅぅぅゥウッ――ぼわっ♪」
真似をしたリカルルの口から――狐火の青い炎が漏れた。
きゃぁ――あわてて、湯飲みから立ちのぼる〝仄暗い炎〟を散らす。
「それで、これからどうするんだぁ?」
狐火が使えるんなら――あの妖狐ルリーロ並みに使えるんなら、この先の道行きでも――楽が出来たんだがなぁ。
「ことここに至っては、致し方ありませんでしてよ。Cルートとやらを選ぶだけですわ」
さっきテーブルに広げてたのは、五百乃大角がだした地図だったか。
「それしかねぇか……ってなると、おいゲール」
「ごくごくん、フウ。なんだ、店主よ」
子供の姿でも〝熱さ〟には強いのか、がぶがぶと卵酒を飲む少年。
「〝かりゅうのねどこ〟は本当に「壊る」されちまうかもしれねぇ……すまんなぁ」
どれだけ急いでも、一日二日で魔物の勢力の本丸を落とせるたぁ――思えん。
「そうでしたわ。ソレに関しましては、謝ることしか出来ませんわ……ごめんなさい」
ぺこり。
彼女のこういう筋が通った所は、尊敬できる。
日の本の大名どもは清廉ではあるが、こうして頭を下げることはしないからな。
「気にすることはない。半身は、この先の魔王城にも一体あるから、ソチラを回収すれば良いだけのことだ」
「はいじゃぁ、決まりねっ♪ キミたちにわぁ――ズヴァバァーン! 魔王城を再攻略していただきまぁすぅ!」
かちゃっ――卵酒を飲み干し、ひっくり返った湯飲みを頭に乗せたままの――美の女神。
戸棚に急須や湯飲みと一緒にしまわれてても、まるで気づかないその――御神体。
「ん? 妙にまじめに仕事をしてやがるな、お前さまよ?」
何を隠してる?
ふぉん♪
『イオノ>隠してなどいません』
「なぁんかねぇ、魔王城のどこかにー、見たことも聞いたこともないよぉな珍しい茸ガァー生えてるんだってさぁー?」
小首をかしげるじゃねぇやい。
「まったく、見たことも聞いたこともねーもんを、どーして知ったんだお前さまわぁ?」
ことん、ことん、こととん。
空になった湯飲みを集めて――五百乃大角を囲む。
「なんかねぇー、温泉客のおじさんがねぇ――
「ソレを食べると、無病息災、体質改善、家内安全、学業成就、商売繁盛したあげく黒雲から現れた異形の神によって――たちどころに恋愛成就までするらしい!」
――なんて自慢してきたのよねぇ」
寄せ集まる湯飲みの中から、ぽちゃぽちゃと。
なんかがたれる音――よだれか。
「フェスタの客かぁー! 余計なことを余計な奴に、吹き込みやがって……その茸わぁ、よりにもよって――うまいってんだな?」
「なぁんかねぇー、そうらしーのよねぇー……ぐひひひへへへっ♪」
またでたな。ドコで覚えて来やがった、その下卑た笑い。
「――秘蔵の蘇生薬もすべて、吐きだすことになりそうで……すね」
精悍な護衛騎士の顔に陰りが。
彼は新婚で物入りらしいのに。
「その損失を補填するためにも、この攻城戦勝ちに行きますわよ、エクレア!」
落ち込む従者にしてパーティーメンバーを、元気づけるリーダー。
「はい、リカルル!」
元気づけられたS級冒険者の顔が、凜々しく引きしまる。
「そーだなー、祝儀がてら魔王城を、落としてやるかぁ! めぼしいもんのひとつくらい、残ってんだろっ」
いくさで城を落としたことは、一度もない。
ありゃぁ、用意周到に兵糧攻めでもしねぇと、そうそう出来ねえもんだ――が。
「――はイ。現在のシガミーでシたら、単身乗り込んデも可能ト思わレます――」
「けど、気がかりはあるぞ? 魔王城てのは、危なくねぇのか? おれぁともかく、レイダやゲールも居るだろう?」
本来、子供を三人もつれて出歩く場所じゃねぇのは、おれにだってわかる。
「危ないですわよ? ヴォルトカッターが使えない私では、足手まといなくらいには――――」
尖った狐耳が、へなへなと倒れる。
「けれど、活路はあります。リオレイニアが迅雷殿を使って極大魔法を放てば、魔物など物の数ではありません」
良い顔が白仮面に、信頼の眼差しを向けた。
それなー。
いっそのこと、〝白い悪魔一式〟で全部ぶっ壊しちまえば、って思わなくもねぇ。
ふぉん♪
『イオノ>不許可。生態系への過度な選択圧は、
あたくしさまへの供物に、支障が生じる可能性があり、
看過できません』
なんだと?
「そんなことをしたらぁー、お珍しい茸さままで消しの炭です! ダメだからねっ!」
お前さまよ、本音がさっきから前面に出すぎだ。
ふぉん♪
『>一部地域の魔物を殲滅した場合、なにがどう影響するか類推できません。
場合によってはポグバード一匹、採れない世界になるかも知れません』
そういうことか。それには納得だ。
おれがガムラン町の草原で、薬草を全部採っちまって。
レイダの仕事まで取っちまったみたいなことが――
魔物の生き死にでも、起こりかねないってコトだろ。
「まあ、お聞きなさい。どっちにしろ魔王城を経由してルートCでご神木ちゃんに行くわけでしょお? ならあたくしさまへの供物、そして雨あられの御利益まで降り注ぐなら、そっちの方が良いでしょう?」
それしかあるめぇ。
「言い分はわかりました。けれど――」
大筒扱いされるがままの白い悪魔が――テーブルのうえに並べられた黒板を、一枚取った。
「この魔王城からご神木までの、点線の意味はおわかりになったのでしょうか?」
「いいえ、ひょっとしたら魔王討伐後になにか、変化があったのかもしれないわねぇー、ウケケッケケケケケッ♪」
「討伐後――?」
細顎に指をそえる、白い悪魔。
「転移陣が作動して――砦と火山の間くらいの地点に飛ばされましたよね?」
地図の一カ所を指さす護衛。
ちょうどおれが、五百乃大角と青年に会ったあたりだ。
「転移陣? ふーん、二週目だと行き先が変わるのかも、知れないわねぇー♪」
ふぉん♪
『イオノ>突然出てきた3ルートの選択画面といい、
本当にゲームみたい』
わからんのにも、飽きたぞおれぁ。
そうだ、聞いてみるか――解析指南に。
「(この地図の点線は何だ?)」
ヴォォォォン♪
『解析指南>ウリアッ上』
は? なんかでたが読めん。
おかしいな――解析指南。
『解析指南>ジャンニーキックプ』
おい迅雷、説明。
ふぉん♪
『>地図上の点線については、イオノファラーの考えに賛同します』
魔王を倒すと、飛ばされる先が変わるって話はわかった。
それで、この解析指南のは何だ?
「――わかりません。類推の閾値を超えています。データセットの欠損か誤植による表記バグの可能性がありマす――」
ずずずずずー♪
ほほぉぅ、わーかーらーんー。
ふぉん♪
『イオノ>攻略本(初版)には載ってないし、
行ってみるしかないわね』
まぁーなぁー、深い森を抜け、今いる洞窟を通って――
魔王城へ到達したほどのヤツが――
ココには、三人も居る。
「――ニゲルノ存在モ考えレば、コれ以上ノ布陣もないノでは?――」
「はくしょんっ――――!」
まだ本調子じゃ、なさそうだけどなー。
「なんにしてもさっ、安心して良いんわぁよよぉぉぉぉん♪ いざとなったら、うちのシガミーがすべての敵をなぎ倒しますので、えへんっ!」
勝手なことを、言いやがって。
「しゃぁねぇ、おれに任せとけ。おれぁ別にイオノフ教の信徒じゃねぇけど――神さんの不始末は、おれがとるぜ!」
ヴッ――――じゃりぃぃぃん♪
あ、そうだぜ。見得をきるときにゃぁ、片目を閉じるんだったか?
ばちぃぃぃぃぃんっ!
片目を閉じてやったぜ!
「――ぅにゅ!? リオレイニアさん……」
「――ええ、フォチャカさん……」
「ああ、なるほど――ああいう所ですかぁ……」
また三人がかしましく、岩陰に集った。
大きなテーブルに陣取って、何かを眺めてたリカルルたちまでやってきた。
がたん、ちいさな机を、もう一個出して――こと、ことん。
追加で卵酒(二級)をだしてやる。
「いやぁ、これはとても暖まりますねー♪」
大柄が体をちぢめて、湯飲みをすする。
「ふはわぁ♪ ほんとう、レーニア……いえ、リオレイニア。これ我が家でも作れないかしら?」
そんなリカルルの言葉に、首を振るリオレイニア。
「まえにレシピを聞きました所、例のシガミーの酒瓶からしか入手できない〝澄み切ったお酒〟を使っているようですので――」
「そーね、あのお酒に近いのわぁつくれるけどぉ――」
ずぞぞぞぞぉー。
「おいそりゃ、おれんだぞ。病みあがりの信徒を、すこしは労れってんだぜ」
姫さんの長髪をつたって、テーブルに降りた御神体は……どっちが湯飲みだかわからん。
「――天狗かシガミーの手が空いてるときじゃないと――戦争になるわね……鍛冶工房のおじさんたちとぉ――――ウケケッケケッ♪」
「ウヌゥ――!?」
五百乃大角の笑い声に驚いたゲール少年が、椅子ごとうしろにひっくり返る。
ヴッ――――ぱしん、ごどん。
小太刀を出して、椅子の背につっかえ棒をしてやる。
「す、すまぬ、店主よ」
ジタバタともがくゲールを、レイダが起こしてやる。
「す、すまぬ、レイダよ」
このパーティー最弱は間違いなく、コイツだ。
守りながらの行軍だと、いつ魔王城にたどり着くのか見当も付かない。
「ふぅぅぅぅうっ――♪」
白いのが湯飲みをかかえ、口から冷てぇ魔法を吐いて冷ましてる。
ああいう芸当が出来ると、この世界での生活がとても楽しそうだ。
もっともソコにたどり着くまでに、なみなみならぬ修練が要るが。
「ふぅぅぅゥウッ――ぼわっ♪」
真似をしたリカルルの口から――狐火の青い炎が漏れた。
きゃぁ――あわてて、湯飲みから立ちのぼる〝仄暗い炎〟を散らす。
「それで、これからどうするんだぁ?」
狐火が使えるんなら――あの妖狐ルリーロ並みに使えるんなら、この先の道行きでも――楽が出来たんだがなぁ。
「ことここに至っては、致し方ありませんでしてよ。Cルートとやらを選ぶだけですわ」
さっきテーブルに広げてたのは、五百乃大角がだした地図だったか。
「それしかねぇか……ってなると、おいゲール」
「ごくごくん、フウ。なんだ、店主よ」
子供の姿でも〝熱さ〟には強いのか、がぶがぶと卵酒を飲む少年。
「〝かりゅうのねどこ〟は本当に「壊る」されちまうかもしれねぇ……すまんなぁ」
どれだけ急いでも、一日二日で魔物の勢力の本丸を落とせるたぁ――思えん。
「そうでしたわ。ソレに関しましては、謝ることしか出来ませんわ……ごめんなさい」
ぺこり。
彼女のこういう筋が通った所は、尊敬できる。
日の本の大名どもは清廉ではあるが、こうして頭を下げることはしないからな。
「気にすることはない。半身は、この先の魔王城にも一体あるから、ソチラを回収すれば良いだけのことだ」
「はいじゃぁ、決まりねっ♪ キミたちにわぁ――ズヴァバァーン! 魔王城を再攻略していただきまぁすぅ!」
かちゃっ――卵酒を飲み干し、ひっくり返った湯飲みを頭に乗せたままの――美の女神。
戸棚に急須や湯飲みと一緒にしまわれてても、まるで気づかないその――御神体。
「ん? 妙にまじめに仕事をしてやがるな、お前さまよ?」
何を隠してる?
ふぉん♪
『イオノ>隠してなどいません』
「なぁんかねぇ、魔王城のどこかにー、見たことも聞いたこともないよぉな珍しい茸ガァー生えてるんだってさぁー?」
小首をかしげるじゃねぇやい。
「まったく、見たことも聞いたこともねーもんを、どーして知ったんだお前さまわぁ?」
ことん、ことん、こととん。
空になった湯飲みを集めて――五百乃大角を囲む。
「なんかねぇー、温泉客のおじさんがねぇ――
「ソレを食べると、無病息災、体質改善、家内安全、学業成就、商売繁盛したあげく黒雲から現れた異形の神によって――たちどころに恋愛成就までするらしい!」
――なんて自慢してきたのよねぇ」
寄せ集まる湯飲みの中から、ぽちゃぽちゃと。
なんかがたれる音――よだれか。
「フェスタの客かぁー! 余計なことを余計な奴に、吹き込みやがって……その茸わぁ、よりにもよって――うまいってんだな?」
「なぁんかねぇー、そうらしーのよねぇー……ぐひひひへへへっ♪」
またでたな。ドコで覚えて来やがった、その下卑た笑い。
「――秘蔵の蘇生薬もすべて、吐きだすことになりそうで……すね」
精悍な護衛騎士の顔に陰りが。
彼は新婚で物入りらしいのに。
「その損失を補填するためにも、この攻城戦勝ちに行きますわよ、エクレア!」
落ち込む従者にしてパーティーメンバーを、元気づけるリーダー。
「はい、リカルル!」
元気づけられたS級冒険者の顔が、凜々しく引きしまる。
「そーだなー、祝儀がてら魔王城を、落としてやるかぁ! めぼしいもんのひとつくらい、残ってんだろっ」
いくさで城を落としたことは、一度もない。
ありゃぁ、用意周到に兵糧攻めでもしねぇと、そうそう出来ねえもんだ――が。
「――はイ。現在のシガミーでシたら、単身乗り込んデも可能ト思わレます――」
「けど、気がかりはあるぞ? 魔王城てのは、危なくねぇのか? おれぁともかく、レイダやゲールも居るだろう?」
本来、子供を三人もつれて出歩く場所じゃねぇのは、おれにだってわかる。
「危ないですわよ? ヴォルトカッターが使えない私では、足手まといなくらいには――――」
尖った狐耳が、へなへなと倒れる。
「けれど、活路はあります。リオレイニアが迅雷殿を使って極大魔法を放てば、魔物など物の数ではありません」
良い顔が白仮面に、信頼の眼差しを向けた。
それなー。
いっそのこと、〝白い悪魔一式〟で全部ぶっ壊しちまえば、って思わなくもねぇ。
ふぉん♪
『イオノ>不許可。生態系への過度な選択圧は、
あたくしさまへの供物に、支障が生じる可能性があり、
看過できません』
なんだと?
「そんなことをしたらぁー、お珍しい茸さままで消しの炭です! ダメだからねっ!」
お前さまよ、本音がさっきから前面に出すぎだ。
ふぉん♪
『>一部地域の魔物を殲滅した場合、なにがどう影響するか類推できません。
場合によってはポグバード一匹、採れない世界になるかも知れません』
そういうことか。それには納得だ。
おれがガムラン町の草原で、薬草を全部採っちまって。
レイダの仕事まで取っちまったみたいなことが――
魔物の生き死にでも、起こりかねないってコトだろ。
「まあ、お聞きなさい。どっちにしろ魔王城を経由してルートCでご神木ちゃんに行くわけでしょお? ならあたくしさまへの供物、そして雨あられの御利益まで降り注ぐなら、そっちの方が良いでしょう?」
それしかあるめぇ。
「言い分はわかりました。けれど――」
大筒扱いされるがままの白い悪魔が――テーブルのうえに並べられた黒板を、一枚取った。
「この魔王城からご神木までの、点線の意味はおわかりになったのでしょうか?」
「いいえ、ひょっとしたら魔王討伐後になにか、変化があったのかもしれないわねぇー、ウケケッケケケケケッ♪」
「討伐後――?」
細顎に指をそえる、白い悪魔。
「転移陣が作動して――砦と火山の間くらいの地点に飛ばされましたよね?」
地図の一カ所を指さす護衛。
ちょうどおれが、五百乃大角と青年に会ったあたりだ。
「転移陣? ふーん、二週目だと行き先が変わるのかも、知れないわねぇー♪」
ふぉん♪
『イオノ>突然出てきた3ルートの選択画面といい、
本当にゲームみたい』
わからんのにも、飽きたぞおれぁ。
そうだ、聞いてみるか――解析指南に。
「(この地図の点線は何だ?)」
ヴォォォォン♪
『解析指南>ウリアッ上』
は? なんかでたが読めん。
おかしいな――解析指南。
『解析指南>ジャンニーキックプ』
おい迅雷、説明。
ふぉん♪
『>地図上の点線については、イオノファラーの考えに賛同します』
魔王を倒すと、飛ばされる先が変わるって話はわかった。
それで、この解析指南のは何だ?
「――わかりません。類推の閾値を超えています。データセットの欠損か誤植による表記バグの可能性がありマす――」
ずずずずずー♪
ほほぉぅ、わーかーらーんー。
ふぉん♪
『イオノ>攻略本(初版)には載ってないし、
行ってみるしかないわね』
まぁーなぁー、深い森を抜け、今いる洞窟を通って――
魔王城へ到達したほどのヤツが――
ココには、三人も居る。
「――ニゲルノ存在モ考えレば、コれ以上ノ布陣もないノでは?――」
「はくしょんっ――――!」
まだ本調子じゃ、なさそうだけどなー。
「なんにしてもさっ、安心して良いんわぁよよぉぉぉぉん♪ いざとなったら、うちのシガミーがすべての敵をなぎ倒しますので、えへんっ!」
勝手なことを、言いやがって。
「しゃぁねぇ、おれに任せとけ。おれぁ別にイオノフ教の信徒じゃねぇけど――神さんの不始末は、おれがとるぜ!」
ヴッ――――じゃりぃぃぃん♪
あ、そうだぜ。見得をきるときにゃぁ、片目を閉じるんだったか?
ばちぃぃぃぃぃんっ!
片目を閉じてやったぜ!
「――ぅにゅ!? リオレイニアさん……」
「――ええ、フォチャカさん……」
「ああ、なるほど――ああいう所ですかぁ……」
また三人がかしましく、岩陰に集った。
0
お気に入りに追加
54
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

RD令嬢のまかないごはん
雨愁軒経
ファンタジー
辺境都市ケレスの片隅で食堂を営む少女・エリカ――またの名を、小日向絵梨花。
都市を治める伯爵家の令嬢として転生していた彼女だったが、性に合わないという理由で家を飛び出し、野望のために突き進んでいた。
そんなある日、家が勝手に決めた婚約の報せが届く。
相手は、最近ケレスに移住してきてシアリーズ家の預かりとなった子爵・ヒース。
彼は呪われているために追放されたという噂で有名だった。
礼儀として一度は会っておこうとヒースの下を訪れたエリカは、そこで彼の『呪い』の正体に気が付いた。
「――たとえ天が見放しても、私は絶対に見放さないわ」
元管理栄養士の伯爵令嬢は、今日も誰かの笑顔のためにフライパンを握る。
大さじの願いに、夢と希望をひとつまみ。お悩み解決異世界ごはんファンタジー!
貴族家三男の成り上がりライフ 生まれてすぐに人外認定された少年は異世界を満喫する
美原風香
ファンタジー
「残念ながらあなたはお亡くなりになりました」
御山聖夜はトラックに轢かれそうになった少女を助け、代わりに死んでしまう。しかし、聖夜の心の内の一言を聴いた女神から気に入られ、多くの能力を貰って異世界へ転生した。
ーけれども、彼は知らなかった。数多の神から愛された彼は生まれた時点で人外の能力を持っていたことを。表では貴族として、裏では神々の使徒として、異世界のヒエラルキーを駆け上っていく!これは生まれてすぐに人外認定された少年の最強に無双していく、そんなお話。
✳︎不定期更新です。
21/12/17 1巻発売!
22/05/25 2巻発売!
コミカライズ決定!
20/11/19 HOTランキング1位
ありがとうございます!

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第三章フェレスト王国エルフ編
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!
ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく
高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。
高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。
しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。
召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。
※カクヨムでも連載しています
俺だけ永久リジェネな件 〜パーティーを追放されたポーション生成師の俺、ポーションがぶ飲みで得た無限回復スキルを何故かみんなに狙われてます!〜
早見羽流
ファンタジー
ポーション生成師のリックは、回復魔法使いのアリシアがパーティーに加入したことで、役たたずだと追放されてしまう。
食い物に困って余ったポーションを飲みまくっていたら、気づくとHPが自動で回復する「リジェネレーション」というユニークスキルを発現した!
しかし、そんな便利なスキルが放っておかれるわけもなく、はぐれ者の魔女、孤高の天才幼女、マッドサイエンティスト、魔女狩り集団、最強の仮面騎士、深窓の令嬢、王族、謎の巨乳魔術師、エルフetc、ヤバい奴らに狙われることに……。挙句の果てには人助けのために、危険な組織と対決することになって……?
「俺はただ平和に暮らしたいだけなんだぁぁぁぁぁ!!!」
そんなリックの叫びも虚しく、王国中を巻き込んだ動乱に巻き込まれていく。
無双あり、ざまぁあり、ハーレムあり、戦闘あり、友情も恋愛もありのドタバタファンタジー!

無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる