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3:ダンジョンクローラーになろう

282:ダンジョンクローラー(シガミー御一行様)、川流れ8連星

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「うわぁー! おもってたよかぁ、百倍高ひゃくばいたけーぇ!」
 崖下がけしたを見ればいとみたいなほそさの水面すいめんが、かすかに見えた。

「コレはさすがに、引きかえしましょう」
 堅牢けんろう甲冑かっちゅう重厚じゅうこうたて大柄おおがら体躯たいく
 たしかにな。エクレア一人ひとりで7シガミーは有りそうだぜ。
 しずんだら浮かび上がるのは、至難しなんわざだ。
 しかし……シシガニャン特撃型とくげきがただったか――こいつらぁ。
 ちからが、ありやがるぜ。
 なかなにはいってないんだろう?

 ふぉん♪
『>はい。実は特撃型が作成できたのには、秘密があります』
 秘密ひみつだとぉ?

「だいじょうぶよーぅ。そのシシガニャンたちわぁ、使つかい捨てのおもちとちがって、しずめようとおもってもぉー、絶対ぜったいっにっしずみませんからっ――――きゃっほーぉい♪」
 ぽきゅぽぽぉぉーん♪
 がけから飛び出す三号さんごう幹竹割からたけわりの一番派手いちばんはでなヤツ。

「ウムゥ――――――――――――っ!」
 道連みちづれの元火龍ゲール

 ひゅるるるるるうるるるるっ――――!
 落ちた。
 いつまでも水音みずおともせず、みずしぶきもない。
 どれだけたけぇんだよ。でけぇあたま米粒こめつぶみてぇに、ちいさく見えてる。

馬鹿ばか野郎やろうっ! 迅雷ジンライさきを行くふく付き従う仕組み・・・・・・・を、いますぐ切れっ!」
 言うがはやいか、見えないなわしばられているかのように――

 ぽきゅきゅきゅーん、ぽぽきゅぽーぉん――♪
「うっきゃぁぁぁあぁああぁぁっ――!」
「ひゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあっ――!」
 リカルルにレイダ。

 ふぉん♪
『>管理者権限により、セッティング変更出来ませんでした』
 わからんぞぉ!
 ふぉん♪
『>イオノファラーにより、錠前を掛けられました』
 あのぉ惡神わるがみめぇっ――――!!!

 ぽぽきゅぽーん、きゅぽむぽーん――♪
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ――!」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ――!」
 リオレイニアにエクレア。

 つぎつぎと断崖だんがいを、落ちていく。
「ああぁぁ、本当ほんとう大丈夫だいじょうぶなんだろーなっぁ!?」
「イオノファラーノ見立みタテに、間違まチがいはなイとオもわレま
 けどこりゃ、さっき見た〝そらうえの目が見た画面がめん〟ほどのたかさがあるぞ!?
 おれぁ、とんでもねぇたかさにだって耐えられる二号こいつを着てるってのぉに――こえぇ。

 ぽっむきゅぽむん――!
「うっっぎぃやぁぁぁぁぁぁぁあぁっ!」
 さいごにニゲル。
 すまねぇ、成仏じょうぶつしてくれ。

「し、しししっし、心配しんぱいねぇ……はずだ」
 一号おにぎり神域惑星しんいきわくせいかわに飛びこんでも、ぼぎゅぼぎゅ言って、まるでしずみゃぁしなかった。
 どぼぉん――――。
 水音みずおとが、聞こえた気がする。
 やべぇ、ながれに乗られたらはなされちまう。
 一人ひとりだけはぐれたら、どうにもならねぇ!

無念無想むねんむそう――!」
 ――ぽっきゅぽこぉぉんっ♪
 おれは決死けっし覚悟かくごで、あとを追った!
 落ちる落ちる落ちる――――!!!!!!

 二号にごうあたまうらかおに張りつく画面がめんが――血のいろをほとばしらせた。
 びびびびっびっ――――♪
▼▼▼あぶねぇ』――のはわかってる。
 『こいつ』を切れ、うるせぇ!

 フッ――ちいさい『あぶない』がひとつ、ひかるだけになった。
 ふぉん♪
『>地表まで3秒』

 したがみえてきた。
 あたりは日陰ひかげになってるモノの、それなりにあかるかった。
 川幅かわはばはとてもひろくて、ながれもそこまではげしくなさそうだ。

▲▲▲ピピピッ――――♪』
 だからあぶねぇのはわかって――!

「(いえコレはべつです。接触せっしょくまで一秒いちびょう直下ちょっかから来ます)」
 念話ねんわ使つかうほどの速度そくど
 ぼぉぎゅぎゅぽぽぉぉぉぉぉぉぉぉぉんむ――――!

 なんかしたからあがってきたぞ――まさか!?
 あの緋色ひいろ桔梗色ききょういろ

「――きゃははははっ――――何コレぇーたのっしぃー――」
 派手はでなニャン・幹竹割りさんごう
 いろが見えたときには――もう目のまえ

「(てめぇ、なにやってやがんだっ! ぶつかんだろーが!)」
 よし悪神わるを、退治たいじすんぞ。
 おれは錫杖しゃくじょうひねりこみ――真下ましたへ打――ち――はな――ぁ――ぁ――ぁ――ぁ――っ――――!

「(シガミー、ゲールも一緒いっしょです)」
 そうだったぜ……目ぇまわしてやがる。
 こうなっちまうと、火龍かりゅうもなにもねぇ。

 いや、おれたちだって――
 さっき迅雷ジンライ念話ねんわ使つかってなかったら――
 あぶねぇところだった。

「(わるいんだけどさぁー、そのままコッチをさぁー、両足りょうあし蹴りとばして・・・・・・くれなぁいぃー?)」
 迅雷ジンライ――五百乃大角あんにゃろぅは、なに言ってやがる?

 ゲールにしっかりとかかえられた、御神体いおのはらの目がひかる。
「(シシガニャンは、水中すいちゅうはいると反発はんぱつしま)」
 おう、するな。
 それでいまコッチに、ぶつかりそうになってるってこったろぉ?

 ぽ――きゅ――ん――♪
 三号いおのはら両足りょうあしひろげて、なにもない空中ちゅうを蹴飛ばした。
 はずみで――ぐるぅぅん――さかしまになった三号さんごうあしうら

 それは、いつだか……ひめさんとやりあったときにあらわれた。
 点線てんせんえがかれたひかり縁取りかたち……に似てるか?

 ふぉふぉん♪
『<タッチダウン>』
 わからん。
「(三号さんごうあしうらを、おもいきり踏みつけて・・・・・ください)」」
 よし、ぶつかるよかマシだ。

「(でぇぇぇぇいぃぃぃぃぃりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ――――!)」
 おれはさけびつつ――三号さんごうあしをあわせる。

 ぼぉぉぉおぉっ――――ぎゅぅぅぅぅぅうっ――――むぅぅぅぅぅぅぅんっ――――!!!!!!!!!!

「(死にさらせぇぇぇぇーっ!)」
「(ちょっと、きこえてるわよっ――)」
 二号おれに踏まれた三号ヤツが――ひゅるるると落ちていく。

「――リオレーニアちゃぁーん! あたくしさまにもぉー重力軽減の魔法・・・・・・・ぉー、かけぇてぇー――」

 ふぉん♪
『ヒント>重力軽減/からだが軽くなり、落ちる速度が遅くなる』

 ヴュゥゥン♪
 画面がめんなか大写おおうつしになった川面かわも

 派手はでなニャン・風氷火弾ろくごう
 波打なみう水面すいめんよこたわるソイツに――立つ・・給仕服リオ
 ちいさいのとながいのの二本にほん魔法杖つえを、うまいこと振りまわしてる。

 なるほど――ほか連中れんちゅうはあれで、やんわりと降りられたんだな?

「(地表ちひょうまで9びょう)」
 おかげでコッチはがけよりもたかく、飛ばされちまったぜ。
 かわさきには、おりが見えた。
 真んなかが高くなってるから、まるごとおおきな木に見えなくもない。

 はじき飛ばされたいきおいが――おわる。
 ひゅぉぉぉぉぉっ――――かぜに吹かれた。

 アレだけこわかったたかさだが、いつのまにか慣れちまった。
 もう怖くねぇ。

 えっと、かわ反対側はんたいがわはどーなってんだ?
 さっき五百乃大角いおのはらがやってたみてぇに――

 ――あしひらいて、なにもない空中ちゅうを蹴り飛ばす。
 ぐるぅん――ななめになっちまったが、からだの向きを変えられた。
 ソッチには魔王城まおうじょうにつづく――剣山けんざんのようにつらなる山々やまやまがそびえている。
 あっちの道順ルートすすまないで済んだのだけは、良かったぜ。
 こうギッザギザしてて、あしすべらせたらからだ刺さりそうだ・・・・・・

▲▲▲ピピピッ――――♪』
 なんだどうした、また五百乃大角いおのはらか?
 リオが魔法まほうをかけそこね――――!?

「(接触せっしょくまでゼロびょう直下ちょっかから来ます)」
 ぼぉぎゅぎゅぽぽぉぉぉぉぉぉぉぉぉんむ――――ドゴガッン!
 いたくわねぇーけど、咄嗟とっさのことであたまを揺らされた。

 まともにぶち当たったからか――そいつは跳ねずに、まだソコにいる。

「ひ、ひどぃよぉぉぅ、リオレイニアさぁん。なんでぇ、ぼくにだけ、魔法掛まほうかけてくれないのぉさぁー!?」
 派手はでなニャン・共用語きゅうごう

 ひゅるるるるうるるるっ――――んぁ?
▼▼▼ピピピッ――――♪』
「(接触せっしょくまでゼロびょう直上ちょくじょうから来ます)」
 ぽぎゅごっつん――――いい加減かげんにしろっってんだ、つぎからつぎへと!

 とどめは派手はでなニャン・猫の模様じゅうごう
 あっ――おれにくっつけたヤツかっ!?

「ふぎゃ――!」
 ガクリ――あーあー、ニゲルが白目しろめむいちまった。

 落ちていくおれたち。
「(ニゲルのバイタルに異常有いじょうありません。スグに気づくとおもわれます)」
 ならよかったぜ。
「(けどダメだな。五百乃大角いおのはらにはキツく言い聞かせとかねぇと――蘇生薬エリクサーじゃ足りねぇことになりかね――ん?)」

 ふぉふぉん♪
ゲール』『リカルル』『レイダ』『リオ』『エクレア』『フッカ

 画面がめんの地図ちずなか
 水面したへ落ちた連中れんちゅうかわながれにそって、うごきだした。
 なぜか――――魔王城まおうじょうの有る山岳地帯さんがくちたいへ向かって。

「やい五百乃大角いおのはらぁっ――コレッ、川の向きが逆じゃね・・・・・・・・・っ!?」
 やりやがった。

「「ふわふわうかべかるくなれ、ふわふわうかべかるくな……るかも――――!」」
 どぱーん、どぽーん!
「ぬゃへっ!? ごぼがば、ここドコ――!?」
 こんどはニゲルにも、ちゃんと魔法まほうを掛けてもらえた。

 ふぉん♪
『イオノ>ごめんごめん、高低差レイヤーを忘れてた』
 ヴォヴォン!
 Bルートかわながれ地図ちずにかさなる薄影かげ
「――アかルいとこロたカク、クらトころヒく場所バしょ――」
 やりやがった!

「またざつ仕事しごとおぉー、しやがったなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
 おれたちは、目的地もくてきちからどんどんとはなれていく。
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