滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~

スサノワ

文字の大きさ
上 下
255 / 741
3:ダンジョンクローラーになろう

255:ダンジョンクローラー(シガミー御一行様)、強敵があらわれた

しおりを挟む
「シガミーちゃん、そろそろあそんでばかりも居られなくない?」
 そういってフッカが、自分じぶん冒険者ぼうけんしゃカードの――
 ギルドの文様もんようが入ってるがわを、見せてきた。

 文様そのしたにある空いた余白よはく左端ひだりはし
『〇〇○/△△/××
 現在時刻 04:53』
 たしかに、そろそろが明ける。
 そうすると、フッカの一式防具いっしきぼうぐ恩恵おんけい――
 〝打たれよわ魔術師まじゅつしねらってくる魔物まものに、いくらかじられても平気へいき作戦さくせん使つかえなくなる。

「じゃあ、さきいそぐか。そろそろ出口でぐち階段かいだんも見つかるだろーし」
 三匹さんびきのおもちがあるくことで、見る間に書きあがった地図ちず
 「そうだね」「そうですわね」
 おもちであそぶのにも飽きたのか火縄ひなわ――じゃなくて〝もちコン〟を一斉いっせいかまえる子供こども冒険者ぼうけんしゃ代表だいひょう

 カチカチカチカチ――カッキン♪
 連射れんしゃされる引き金トリガー
 ふっすふすふす、ふすふふすふふっ――――。
 ふたたび迷宮めいろへ駆けこんでいく、三匹さんびき鉄餅おもち①~③たち

「おおーー、はえはえぇ♪」
「お手柄てがらですわね、レイダ♪」
「えへへっへへへっ♪」

 ヴォォン♪
『□□□□□□□□□□□
 □□□□□□□□□□□
 □□□□□ □□□□□
 □□□□ ② □□□□
 □□□□□ □□□□□
 □□□□□ □□□□□』
 おれがあやつる『②』が、四辻よつじで止まった。

「――引キがネヲ引きつづけレば、まダあルいてイない順路じゅんロさがシてはシかラじゅンまワりマす――」
「じゃあ、ソレで」
「わたしも、ソレで」
「わたくしも、ソレで」

「「「おおー」」」
 ①②③おもちたちが、行ったり来たりしはじめた。
 そのうごきにまよいはなく、あっという間にレイダ通路つうろはしに行き着いた。
 ほどなくしてリカルルも、はし到達とうたる

 ヴォォン♪
『火龍の寝床B1F踏破度――98%』
 地図ちずののこりは――2パーセント
 おれが行き着くさきに、階段でぐちがある。

「――シガミー、おもちまるに反応消失はんのうしょうしつシました――」
 まるいちまるさんはちゃんとうごいてる。
 とおれるみちがなくなったから、コッチにもどってきてる。

 まるにが居なくなったらしい。
 落としあなにでも落ちたか?
 ヴゥン――――ぽこふすん♪
 あたしい鉄餅②おもちをだしてると、通路入つうろいぐちに――のそり。

「なんだおまえ、ちゃんともど――――!?」

 ソコに居たのは――ズングリとした寸足すんたらず。
 みじかめの毛皮けがわは、血濡ちぬれれてるのかとおもったほど赤黒あかぐろく。
 目はあかおおききなくちからは、よだれが垂れていた。

「なんだ――魔物まものか!?」
 なりちいせぇが、普通ふつうじゃねぇぞ。
 ヴッ――ジャリィン♪
 錫杖しゃくじょうを取りだす。

 鉄餅てつもちだって、そこそこヤルのに……あんなちっさいのに負けたのか。
 おもちよう魂徒労裏こんとろううら……もちコンをテーブルにほうりだして、出した錫杖しゃくじょうをかまえ――――

うごいてはいけません、シガミー!!!」
 なんていう、リオの必死ひっしこえ

「なんでこんな低階層ていかいそうに!?」
 こしを落とす黒騎士エクレア
「え? まさか――――ミノタウロース!?」
 尻餅しりもちをつく、フッカじょう
 こしを抜かしたのかも知れない。

「ぎゃぁぁぁぁっ――んむぐ!?」
 あばれ出した子供レイダを抱きかかえ、くちをふさぐ給仕服リオレイニア

「むぅ――――(こいつぁ、強敵なつええのか?)」
「――そのヨうです――」

 ヒュヒュヒュヒュヒュ――ヒュン、ゴガン!
 ジャリィィン――――相手あいてにとって不足ふそくはねぇ♪
「かかってこいやぁ!」

「(おうがり、ばさがる。かちのは、よてなう)」
 なにか言ったか――ひめさん居るから念話ねんわ使つかうなよ。
 ふぉん♪
『>私ではありません。体感時間への外部からの干渉を検出』

 いきをしたら、おそろしくでけぇつのが目のまえにあった。
 姫さんリカルルとかルコルの〝先制攻撃スキルアレ〟よりはやぇ。
 ニゲルの〝勇者ブレイブ歩みステップ〟と同じような――
 だけど、それだけじゃねぇ――こいつ!?

「(念話ねんわつかって――きやがる!)」
 突き上げられる大角おおつの
 ギャリリリリィィィィンッ――散る火花ひばな

 錫杖しゃくじょうごとはじかれたおれは、「(金剛力こんごうりきだ!)」

▲▲▲ピピピッ♪
 ブブブブッキャチャカチャキャチャ――ぱしゃん!
 細腕かいなが、おれに巻きつく。

 錫杖しゃくじょうをぶんまわして、空中くうちゅう横に・・避けたはずなのに。
 ギャリィィィンッ――まただ!

 着地ちゃくち瞬間しゅんかんがなくて、コッチが息を継ぐと・・・・・――いきおいいよく、ぶち当たってくる!
 テーブルのうえ猫耳頭シシガニャンへっどを、錫杖しゃくじょう鉄輪てつわで引っかけた。

「リオ、たのむ!」
 迅雷ジンライ無しでも強化服シシガニャンがありゃ、そうそう怪我けがすることはねぇ。
 給仕服リオレイニアほう猫耳頭へっどをぶん投げて――――ギャリギャリィィンッ!
 四方八方しほうはっぽうから飛んでくるつのを、死に物狂ものぐるいで受けつづける。

 まさか通路側つうろがわから正面突破しょうめんとっぱされるとは、おもいも寄らなかったからしかたがねぇけど――いまの位置取いちどりはマズい。
 どうする、地上うえへの通路つうろをふさいでる大盾おおたてをどかすか!?

 ふぉん♪
『ミノタウロース/
 二足歩行。巨大な角に小さな蹄。
 手が付けられないほどの乱暴者。
 すじ張ってて食べるところがないが、
 一匹につき500グラムだけ採れるヒレ肉は、
 値が付けられないほどの珍味。
 ただし二本ある角を破壊した後、とどめを刺さないと固くなる。
 ミノタウロースのヒレ肉(シャトーブリアン)、
 それは見ただけでも、一生自慢できるほどに希少。』

 なげぇ――やべぇな。
 よりにもよって〝食ったらうまい〟のか、こいつわぁ。

「――はイ。強制介入きょうせイかいにゅうさレる前――」
 引導いんどうわたしてやる!

姫さんリカルル、あいつなんかやべぇ! いますぐぶった切ってくれっ!!!」
「きゅ、きゅうに、そんなことおっしゃっても――!!」
 どうした!? いつもなら止める間もなく切り込んでるだろうが。

 ギャリィィィィィィンッ――――いまおれをかすめていった大角おおつのが。
 おれがいきを継ぐと――――
「(るについ、らけあく、ふこさぬ、ねごわま)」
 念話ねんわとともに、べつ場所ばしょからあらわれる。

 いきを〝吸って吐く〟と、べつ方角ほうからあらわれる。
 なら――いきを吸って、いま飛びかかられた方角ほう避けりゃ・・・・――――ドゴォォォン♪
 はじめて避けられた。
 けどくうを切る突進とっしんが、まるで火縄ひなわおとで。
 まともに食らうと、蘇生薬エリクサー出番でばんだ。

 ドゴォォォォンっ――ギャリィィィィィイィィィイィ
ィンッ!
 避けないとからだつらぬかれる気配けはい
 ひめさんの聖剣切ぶったぎりで、慣れてたつもりだったけど。
 溜めもなしにぶち当たってくるけものからだが、ソコに居る・・・・・のとでは大違おおちがいだった。

 必死ひっしによけつづけていると、目のはしに――仄暗い光きつねびが、ぽつぽつぽつぽつと。

「ふざけてないで、いますぐ切ってくれっ!」
 ぼごうゎ、ぼごうわぁっ――ギャリギャリギャリィィィン!
 その狐火きつねびしょう)じゃ、はやさも距離ながさもぜんぜん足んねぇ!
 はやくしねぇと、余計なヤツ・・・・・が来ちまう。

 おれの小太刀こだちでも、ニゲルばりのコイツは切れねぇ。
 なんせあいだ間合まあいもなくて、とらえられない。

馬鹿野郎ばかやろうめっ、死ぬぞ――おれがぁ!」

「んなっ、バカとはなんですの、バカとは!」
 ここん、こここん、こここここぉぉぉん♪
 言いかえしながらも、必死ひっし狐火きつねびはなってる。

 ぼごぼごぼごぼごぼごごぅわぁぁ――♪
 狐耳リカルル視線しせんさきおおきく揺らめくあおほのお
 次々つぎつぎとあらわれては消えていく。

 ほんとなにやってんだ、いまこそ伝家の宝刀ぶったぎり使つかいどきだぜ!
 ――――ギャッリィィィィィィィィィンッ――ォォン!
 大角おおつのはすでに、目で追えない!
 火縄ひなわはやさで飛んでくる魔物まもの
 おれが金剛力こんごうりき使つかってなかったら、やばかった。

 ひめさんの月光げっこうをたたえた月影つきかげひとみを――ぬすみ見た。

「あれ? まさか、ひょっとして――?」
 ひとみなかに有るはずのものが――見えない。
 〝魔法まほう神髄しんずい〟を媒介ばいかいにするための、文字もじどおりの〝空を切る・・・・〟――彫り物いれずみ

「そーですわよ、わるかったですわねっ! わたくしいま、聖剣切りせいけんぎりが使えませんのよっ!」
 涙目なみだめのガムラン代表だいひょうが、こしけんに手を掛けた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

竹林にて清談に耽る~竹姫さまの異世界生存戦略~

月芝
ファンタジー
庭師であった祖父の薫陶を受けて、立派な竹林好きに育ったヒロイン。 大学院へと進学し、待望の竹の研究に携われることになり、ひゃっほう! 忙しくも充実した毎日を過ごしていたが、そんな日々は唐突に終わってしまう。 で、気がついたら見知らぬ竹林の中にいた。 酔っ払って寝てしまったのかとおもいきや、さにあらず。 異世界にて、タケノコになっちゃった! 「くっ、どうせならカグヤ姫とかになって、ウハウハ逆ハーレムルートがよかった」 いかに竹林好きとて、さすがにこれはちょっと……がっくし。 でも、いつまでもうつむいていたってしょうがない。 というわけで、持ち前のポジティブさでサクっと頭を切り替えたヒロインは、カーボンファイバーのメンタルと豊富な竹知識を武器に、厳しい自然界を成り上がる。 竹の、竹による、竹のための異世界生存戦略。 めざせ! 快適生活と世界征服? 竹林王に、私はなる!

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~

いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。 他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。 「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。 しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。 1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化! 自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働! 「転移者が世界を良くする?」 「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」 追放された少年の第2の人生が、始まる――! ※本作品は他サイト様でも掲載中です。

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

処理中です...