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3:ダンジョンクローラーになろう

253:ダンジョンクローラー(シガミー御一行様)、ツナマヨと鉄餅マッピング

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「ではココからが、ダンジョン攻略こうりゃく本番ほんばんですわよ?」
 みっつの入りぐちの、露払つゆはらいはすんだ。

 レイダには迅雷ジンライとリオ。
 リカルルにはエクレア。
 そしておれにはフッカが付いた。

「じゅあぁ、せぇーのでいくぞー?」
「はぁーい♪」
「よろしくてよ♪」
 三方さんぽうに分かれて、一斉いっせいおくすすむことにした。

   §

「あらこれ曲がったさきのことが、まるでわかりませんわよ?」
「まっすぐすすめないよ?」
 実際じっさいに見ながらあやつれるわけじゃねぇから、もどかしい。
 通路つうろさき様子見ようすみしたとおりに、それぞれやたらと折れ曲がってて――まるで人家じんかのねぇ城下町じょうかまちだった。

「(ダンジョン……まどまよわせる通路つうろってなぁ、城下町じょうかまちのことだろ?)」
 いちおう聞いておく。
「――はイ。ソの認識にんシきデ良イとオもわレます――」

「レイダ、紅茶こうちゃはいかがですか?」
 灼熱しゃくねつながれをまえにあつちゃってのも、おかしなもんだが。
「もらうー、飲むー♪」
 ――コトリ。
 テーブルにおかれる、持ち手が付いた茶器ティーカップ
 火縄じゅうほうり出しテーブルに陣取じんどった、毛皮娘レイダ
 あたまはずしてテーブルにのせてあるから、すこし不気味ぶきみだ。

「レーニア……こほん、リオレイニア。わたくしにもいただける?」
「はい、お嬢様じょうさま。エクレアもどうぞ」
 こぽぽ、ぽぽぽっ――コト、コトリ。
 ながれれる手際てぎわがよどみない。

「シガミーは、いかがなされますか?」
 でけぇ急須きゅうすをもって、やってきた元給仕長リオレイニア
 ぼんうえには、素焼すやきの湯飲ゆのみと茶器カップ

「おう、くれ……いただけますかしらことのよろしわぜ?」
 銃口じゅうこうのない火縄銃ひなわをテーブルに立てかけて、椅子いすにとびのる。

「フォチャカさんは、どうされますか?」
「いただきま……いえわたしなにか、お手伝てつだいします」
「いえどうせひまですし、長丁場ながちょうばになるかも知れませんので、くつろぐのが正解せいかいですよ」
 リオにそう言われたフッカが、こしのカバンから〝ガムラン饅頭〟を取り出した。

「つぶれちまってるな――ずずずぅー♪」
 ふーぃ、リオのちゃはうまい。

「いくらでもあるから、交換こうかんしてやるぞ」
 おれのこし皮紐ベルト何重なんじゅうにも取り付けた収納魔法具しゅうのうまほうぐいた
 そのなかのひとつから、おなかたちはこを取り出した。

「あれっ、シガミー!? そのはこ、どーしたのっ?」
 レイダが飛びかかるように、体当たいあたりしてきた。
 やめろっ、ちゃぁこぼれるだろうが!

きつねの絵――っていうかコレっ……ルリーロさまぁ!?」
 こえがでけぇ。
 拠点きょてんと決めた、この場所ばしょ
 おれたちのこえ魔物まものが、聞きつけることはないとおもう。
 けど、あんまりはしゃぐな。

 見た目は灼熱地獄しゃくねつじごくのままだが、リオレイニアとエクレアによって超快適ちょうかいてきつくり替えられた。
 背後はいご地上ちじょうへつづく階段かいだんがある通路つうろは、黒騎士エクレア大盾おおたてでふさがれてる。

 地面じめんに敷かれた平板ゆかのうえには、たな道具入どうぐいれが置かれているし。
 すずしいくらいにととのえられた陽気は・・・寝床ねどこトイレまでをおおっている。
 きゅうシガミーていよか立派りっぱだぞ? これだから金持かねちは。

「えっ!? なんですのなんですのぉ、そ・れ・ぇぇっ!!??」
 釣りに飽きた子供レイダのようなのが、もうひとり釣れた・・・

   §

 かがみの付いた振動板ふるえるいた中継機はしわたしにして、曲がったさきあるいて行けるようにした。
 背中せなか背負せおった振動板ソレはソコソコあつみがあって、全部ぜんぶで10まいくらいしか持たせられなかったけど――
 ソイツを曲がりかどに立てれば、10回曲がれる・・・・・・・って寸法すんぽうだ。

「まったくニゲルってば、このわたしことわりもなくこんな物を・・・・・つくってたなんて!」
 開いたはこには、狐面きつねめんのような〝かお〟がひとつのこっている。
 もぎゅり――手にしたあかみがかったのが梅餡うめあんで、はこのこった卵色たまごいろのが尽生世味つなまよあじ

「おいしいよ、シガミー♪」
 よろこぶ子供こども
「そりゃ、よかったぜ。出かけにあじを見てくれって言われたから、そのまま持って来ちまってなー……もぐもぐ!? あまくねぇ? なんだこのきざんださかなわっ!」

「たまごソースのサラダをパンではさんだみたいな、おあじですね♪」
 リオにも評判良ひょうばんよいな。
 ガムラン名物予定めいぶつよていの〝名代饅頭みょうだいまんじゅう〟も、なかなかに受けそうだぜ。
「――はイ。イオノファラーも、ツナマヨあじこのんでいまシたし――」

尽生世つなまよなぁ……もぐもぐ、こりゃいける!」
 〝生きるものが尽きる〟なんてぇ、物騒ぶっそう名前なまえはんしてマジうめぇ――!?
「ありゃ!? 味見あじみにもらったぶんだけだから、もうなくなっちまった」
 ウチのパーティーメンバーにくわえて二名にめいぶんの、けい五箱ごはこ

 のこったのは、一箱ひとはこ
 にらみあう三人おれたち

「じゃぁ、この迷路めいろ出口でぐちしたへつづく階段かいだんへたどり着いたチームが、いただくって言うのはどうかしら?」
 ひめさんがかまえたのは、〝銃口じゅうこうがない火縄銃ひなわじゅう〟――ホントの名前なまえは、なんだっけ?

 ふぉん♪
『>4D超音波フェーズドアレイモジュール付き光源ユニットです」
 なげぇっ――ちじめろ。
「――でハ、〝棒状ぼうジょうのコントローラー〟でハ?――」
 まだなげぇ、なんかかんがえといてくれ。

「その勝負しょうぶ、うけた!」
 こんな地面じめんしたで食い意地張いじはってる場合ばあいでもねぇんだけど、張り合いが出て良いやな。
「わたしも、やるっ!」

「――操作説明書そうさせつめイしょうら踏破とウはシた道順みチじゅんしメされまスので、随時参照ずいじさンしょうしてくださイ――」
 説明書せつめいしょ
 さっきのボタンの押しかたのか?
 ソコには、『ライフル状のポインティングデバイス』と書かれてた。
 どっちなんだ、それにコッチでも長ぇ。

 説明書せつめいしょとやらを、ひっくりかえすと――
 『拠点』と書かれた四角しかくから、三本さんぼんみちがのびている。

 ためしに引きがねを引いて、突き当たりをみぎに曲がりひだりに曲がり、突き当たりの四辻よつじをまっすぐにすすむ。
 するとえがかれたみちが、スルスルスルとのびていく。

「「「これわぁ、おもしれぇ♪」――おもしろいよ♪」――おもしろいですわっ♪」
 なるほど、これで地図・・出来上がっていく・・・・・・・・わけだな。

 どくを喰らうことも灼熱地獄しゃくねつじごくに落ちることもなく、ジワジワとすすんでいける。
 そして最後さいご出来上できあがった地図ちずもとにおれたちがあるいて行けば、当たりの一本道いっぽんみちなんなくとおれる。

 ヴォォン♪
『火龍の寝床B1F踏破度――3%』
 地図ちずしたには、そんな文字もじが書かれてた。

 どういう仕組しくみかわからねぇが、調しらべが済んだ割合わりあいがわかるらしい。
 今日中きょうじゅう火龍ボスにたどり着けりゃ、良いんだがなー。
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