滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~

スサノワ

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2:カブキーフェスタへの道

228:ギルド住まいの聖女(研修中)、聖剣偽装うけおい

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「(すみませんシガミー。寝ぼけたレイダがたおれかかってきたので――押しかえして、怪我けがをさせるよりは、良いと判断はんだんしまし)」
 どんな判断はんだんだよっ!?
 それと姫さんリカルルが居る、念話ねんわはなしだ!

「リカルルさまっ、おおねがいっ!」
 持ってた御神体いおのはらを、ひめさんに向かってほうりなげた。
 これで念話ねんわへの、反撃はんげきふうじる。

「(とにかく、この場をどーにかするぞ!)」
 とりあえず――替われっ!
 おれがシガミーにもどる――オマエは裏烏天狗うらカラテェーに!

 ダダッ――二人ふたりを受けとめる体裁ていさいで、飛びついた!
 ガシッ――迅雷ジンライたちをつかむ。
 ヴヴッ――――かちゃり。
 目のまえにあらわれたのは――しろ魂徒労裏コントローラー
 必死ひっしに真んなかの出っぱりを、長押し・・・する!

 ヴヴヴゥゥゥンッ――――ぶわっさぁぁ、ガシャァ!
 真っしろ迅雷ジンライ式隠しきかくみのが、うらがえり・・・・・――くろづくめの人型ひとがたになる。
 どごがっしゃぁぁんっ――――!!!

 ごど、どん――――!
 その高下駄あしが、ゆかを踏む。
 あっちは烏天狗からすてんぐ姿すがたを、形作かたちづくった迅雷ジンライ

 そして、「いってててててっ――どうなってるっ!?」
 こっちは、烏天狗カラテェー装束しょうぞく収納しゅうのうしたおれ、シガミーだ。

「あれぇ? シガミーもうあさぁ? ……揚げいもが食べたぁい……むにゃ?」
 盛大せいだいに寝ぼけてやがるな、子供こどもか。

「揚げいも!? 素敵すてきねっ、深夜しんやのオヤツに、ピッタリじゃないのっ♪」
 こんなときに、盛大せいだいに寝ぼけてやがるな、女神めがみか。

   §

 ふぉん♪
『>正式ではない状態で稼働している聖剣が、
  スリープ状態に入ると過剰に自己修復され、
  〝黒さび〟が生じるようです。

 くろさび……鉄瓶てつびんなら、わからんでもない。たしかにありゃかたくておもいからな。

「(あのけんだが――上級鑑定じょうきゅうかんていにも見破みやぶられないような、強力きょうりょく偽装ぎそうはできるか?)」
「――可能かのうでス、たダし、どノ程度てイどSPスキルポイント消費しょうヒすルか見当けんトうが付きまセ――」
 いま有るSPスキルポイントは?
 ふぉん♪
『SP 残り144、875です』

 じゃあ一万いちまん、いや、三万さんまんポイントまでつかって良いぞ。
 ニゲルに取っちゃ、一大事いちだいじだ。
「――了解りょうかいしまシ――」

「(さて、いそがしいぞ。五百乃大角いおのはら協力きょうりょくしてくれ――この場をしのいで仮眠かみんを取れたら、揚げいもでもなんでもつくってやるから)」
 ふぉん♪
『揚げ芋>何をすればいいの?
     何でも言って!』
 おい、名前なまえまちがってんぞ。

 ――すぽん♪
 コントローラーを即座そくざ仕舞しまう。
 うらからす天狗てんぐ骨格こっかくさえ取り出せれば、もう必要ひつようない。
 迅雷ジンライが居れば、おれがあやつらなくても良いからな。

「ちょっとシガミー、なんですか、この仕掛しかくけはっ!」
 やばい、勝手かってつくった秘密ひみつの抜けあなが、リオレイニアにバレた!
「し、しぃらないよぉう? あ、アイツだ、カラテェーがやったんだぜわよ!」
 つみ迅雷カラテェーになすりつけつつ――(ニゲルのけん上級鑑定じょうきゅうかんていした結果ログを、表示ひょうじしてくれ)。

 ふぉふぉん♪
『聖剣ヴォルト【打ち直し】
 攻撃力34。魔王を討伐できる唯一無二の聖剣。
 >正式な手順で抜剣されなかったため、
  追加効果や称号は付与されない。
 装備条件/異世界より来訪した勇者』

 これをひめさんに見られたら、ニゲルのこいが終わ……らなくてもとおのく。
 〝つよろう〟とするリカルルの〝うえを行くおとこ〟になら、なびいても良さそうなもんだが。
 なかなかどうして、上手うまくいかねぇ。

「(五百乃大角いおのはらには、偽装ぎそうする文面なかみかんがえてもらう)」
「――はぁい、できたわよーぅ――」
 めしがらみになると、本当ほんとう仕事しごとはえぇ!

 ふぉふぉん♪
『鍵剣セキュア【安物】
 攻撃力34。参考価格は2ヘクク。
 >セキュリティー重視の試作品。
 装備条件/揚げ芋』

「(意味いみはわからねぇけど、2ヘククって金額きんがくやすくてニゲルに似合にあってる)」
 ふぉん♪
『>女神像書き換えのための、MSPが必要です』
 SPエスピー三万さんまんまで使つかえって、言ったろ?

「そうね、観客席かんきゃくせき舞台ぶたいもカラテェーの担当たんとうだったはずね」
 よいしょっ――と寝相ねぞうわる子供レイダを、受けとりかかえてくれるひめさん。
「あれぇ? ココどこ、なんのおはなしぃー?」
 むにゃー――とまだ寝惚ねぼまなこのレイダ。

「けど、このあたりの土台どだい全部ぜんぶ、シガミーがつくったんじゃなかったっけ?」
 安物やすもの聖剣せいけんを、頭上ずじょうかかげるニゲル。

まちひろげた一角いっかくをかこむ石壁いしかべは、天狗てんぐさまがつくったって、お聞きしましたわ――?」
 それ全部ぜんぶ順番じゅんばんぼく・・と、おれ・・と、わし・・仕事しごとだ。
「ぎゃっ――リカルルさま!? おろしておろしてっ、はなしてぇぇぇぇぇぇぇぇー!」
 自分じぶんが、伯爵令嬢はくしゃくれいじょうに抱きかかえられているとわかるや、必死ひっし抵抗ていこうを見せる子供こども

「――あ、それ、あたくしさまのメガミSPスキルポイント必要ひつようなんでしょ――」
 おれのSPエスピーは化けうさぎとかで増えたぶんもあるし、問題もんだいねぇけど。
 五百乃大角いおのはらSPエスピーは、いざってとき五百乃大角いおのはら生身なまみのすがたで世界ここにとどまるための命綱いのちづなでもある。
 そんなとらの子を、使つかうわけには――

「――はイ。女神像めがみゾうシステムがワへノ介入かいニゅうが、必須ひっスですノ――」

「――いーわよ! えっとねぇー、いまのこりが10230あるから、すこしくらい平気へいきでしょ――」
 平気へいきじゃねぇだろうが!

 ふぉん♪
『>〝デバイスID偽装〟、〝デバイス位置情報偽装〟、
  〝デバイス名称偽装〟を収得。120MSP使用しました』
 ふぉん♪
『>〝リアルタイムログアクセス禁止〟、〝帯域偽装〟、〝▒▒▒世◎屯/▒▒▒▒▒〟、〝埋込UIアクセス許可〟を収得。94MSP使用しました』
 まてまて、一回いっかいやめろ――!?

「――イオノファラーの必須ひっすスキル習得しゅうとくは、完了かんりょうしまシ――」
 これで終わりか? ふう、あせらすなよ。

「――シガミーあト40びょウ時間ジかんかセいでくダさ――」

 ふぉん♪
『>〝アイテム名偽装〟、〝女神像システムフォルダ開放〟、
  〝女神像Pフォント〟を収得。17SP使用しました』
 こっちは、おれのSPエスピーか。
 おれのは、どんどん使つかえ。

「えぇー!? このあなわぁー、迅雷ジンライがぁーつくったってぇー!? 非常用ひじょうよう避難口ひなんぐちのテストを、抜きうちでためしたらぁー、ソレに――」
 ふぉん♪
『>〝寝ぼけたレイダが抱きついて、付いて来てしまった〟、
  と説明してください』

「寝ぼけた……レイダがぁくっ付いて……来ちゃったのだぜわよー?」
 レイダはたしかに、寝相ねぞうが良くない。
 たんこぶでもつくらせたら、父上殿ギルドちょうに合わせるかおがない。
 迅雷ジンライ判断はんだんは、ただしかったのかも。

「なんか……カンペ読んでるみたいだよ、シガミー?」
「なんだか、たどたどしいですわね?」
「たしかに、ほかになにかなくしていませんか、シガミー?」
 じりじりと寄ってくる、大人おとなたち。

 ふぉん♪
『>聖剣ヴォルトの偽装表示完了しました』

 よーし。
何も隠してないよしめしめうっひっひ

 ふぉふぉん♪
『鍵剣セキュア【安物】
 攻撃力34。参考価格は2ヘクク。
 >セキュリティー重視の試作品。
 装備条件/揚げ芋』

「な、なんですの、あのかお!?」
「わっるいかおして、どうしたのシガミー?」
 いずかしむ大人おとなたち。

「ぷははははははははっ――――!?」
「ぷっ、ふふふふふっ、クスクスぷふーっ!?」
 パーティーメンバーたちには、ウケた。

 あ、いけねぇ、いまおれぁシガミーだった。
 ひとまず、かおもとにもどす。
「いやぁ、なんか小腹こばらが空いたから――そう、揚げいもでも食べたいなっておもってさ、ふひひへ♪」

 なんておどけてみせるおれのよこに――カッカッカカン♪
 くろ人影ひとかげが立った。
「どうしたぁ? ひょっとしてカラテェーも、はらでも空いたかぁ?」
 シガミーおれ裏烏天狗ジンライがならんで会話かいわすると、ニゲル語が際立きわだつから――
 シガミーであるおれが、地のしゃべり・・・・・・はなす。

「おなかは減ってないよ。ぼくはただ大事だいじそうにかかえたけんが、気になったから鑑定かんていしただけだよ――ほらニゲルさん」
 迅雷カラテェー黒板くろいたを、青年せいねんに差しだした。
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