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2:カブキーフェスタへの道
201:神域探訪、相談所建設とメイドさん
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ふぉん♪
『>ファストトラベル中
>転送完了まで 00:02』
「きゃぁぁぁぁっ!?」
うるせえ。
一号に抱きかかえられた、侍女さんがうるせえ。
シュゴォォォォォォォ――――――――ン♪
切り立つ岩場、崖の上に出た。
像はとても見晴らしの良い場所に、建っていた。
「こ、ここがあの、ギルドの上に浮かんでいた星なのかい!?」
「そうデす。ようコそ、神域惑星へ」
それにしても、随分と様変わりしたな神域は。
森・火山・巨大湖・川。
岩場や草原も、無数に点在している。
ギャーギャーギャーギャーギャギャギャッ――――♪
ゴガァァァッ、ゴワァァ――――!
ピィロロロロロロロォォォォ――――♪
パォォォォォン――――♪
「生き物が、居るぞ!?」
「マだ生態系ヲ構築すルには至っテいませんが――ガムラン周辺デ取れル生物に準じタ動植物ガ発生したはずデす」
わからん。
カシャ――『(>_<)』
「あたくしちゃんの星ってことはさっ、やっぱり――〝美〟を体現してるワケなんだけどさぁー♪ わっかるぅー、そこんところぉー?」
わからねぇが、わかった。
「例の美食同源を言いわけにして、うまい獲物がたくさん取れそうな狩り場が出来たってことだろ?」
「そーともいうわねっ♪」
ヴォォーンと辺りを探るように飛んでいく――よくわからん喋る玉。
「わぁー、ここわぁどこですかっ!? いま獣の鳴き声がしましたよ!?」
「にゃぅー♪」
すとんと、下ろされるメイドさん。
「(まったく、一号だけじゃなくてオマケまで、ついて来ちまった。それと随分とちかいんだな、神域は)」
超女神像の間が、かき消えてから――三秒も経たずに、外の景色があらわれた。
「(それはそうよん。空間的にわぁ同じ座標軸上……地続きですからねぇー。そんな事より)――じろり」
二号の頭防具の裏側。
迅雷の収納魔法の中身を見たりできる、画面の中。
梅干し大の五百乃大角が、闖入者二号を睨み付ける。
もちろん、闖入者一号は、シシガニャン一号だ。
カシャ――『(◎_◎)』
「――じろり」
分け身の視線と連動してるのか、浮かぶ玉まで睨んでる――やめてやれ。
「ひぃ――!」
怯えてるだろうが。
彼女が目をそらした先には――
「――じろり」
馬鹿でかい方の御神体――五百乃大角象までもが、彼女を睨み付けていた。
膝をつき首を垂れ涙を流す、巨大な御神体像。
小さい御神体が、そのまま大きくなった――各地にある女神像の……変わり種だ。
「な、何て神々しい――――むぎゅ!」
それを見た給仕服が、組んだ手を鼻に押し当て、片膝をついた。
実際には、まったくもって神々しい姿なんかじゃないけど――ここは、黙っておいてやる。
「(そういや、あの手を鼻に押し当てるヤツやらなかったけど、普通に転移陣に乗れたな?)」
央都の大女神像から跳んでくるときは、やらないと置いてかれるって、脅されたのに。
「基本的にはしてちょうだい。あんまり変な姿勢で乗ると事故らないとは限らないわぁよぉー、ウケケケケッ♪」
魔物のような笑い声に、侍女の口元が引きつってる。
元侍女長リオレイニアから五百乃大角の実体くらいは、聞かされてるのかと思ってたけど、そうでもないっぽい。
そのまま、鼻に手を押しあて続けてる。
信心深くて結構だ。
けど、どうしたものか。
「(どうする、彼女だけ帰ってもらうか?)」
「(ソレ無理だぉ! 転移わぁ~一時間のぉインターバル……ほとぼりを冷まさないと事故る危険がぁ、ありますぅーのぉーでぇ)……どうしようかしらね?」
口を利いた五百乃大角像に、瞳を輝かせる侍女さん。
「(その像、また動かせるのか?)」
「んぅぎぎっぎいっ――――無理みたいねぇー」
顔以外は指一本うごかせないと。
なんかの役に立ちそうだと思ったんだか――無理か。
「あーなんでもない、なんでもないのよぉー。おほほっほほっ?」」
まあ、図らずも一号が付いて来ちまったから、そっちを便利に使ってやるとして――どうした?
「(いやぁ、コッチの御神体の体の方が――動いちゃったわよっ)」
それほど自在に何でも出来るわけでもねぇなぁ――神なのに。
いま五百乃大角の御神体は、ガムラン町に居る。
ただでさえ二つの体を、操っているのに――さらにもうひとつ足したら……想像するだけでもこんがらかるから、無理もないかもだけど。
カシャ――『(Θ_Θ)』
「じゃあ、シガミー。早速だけど、そこの平らな所に家を建ててもらえる?」
「家を建てろだぁ?」
画面の中に、広げられる図面。
「にゃにゃみゃ♪」
おれの問いかけを、いつもの大工仕事だと思ったらしい。
「にゃみゃーん――♪」
ずごごどーん♪
「にゃみゃーん――♪」
ごどどぼーん♪
「にゃみゃーん――♪」
ごがばきずどん♪
「にゃにゃみゃ――♪」
ちょっとした小屋が、たちどころに建った。
小屋と言っても、旧シガミー邸の三倍はある。
扉には看板が付いてて――
『ニゲル専用恋愛相談所』
なんて書いてある。
『>ファストトラベル中
>転送完了まで 00:02』
「きゃぁぁぁぁっ!?」
うるせえ。
一号に抱きかかえられた、侍女さんがうるせえ。
シュゴォォォォォォォ――――――――ン♪
切り立つ岩場、崖の上に出た。
像はとても見晴らしの良い場所に、建っていた。
「こ、ここがあの、ギルドの上に浮かんでいた星なのかい!?」
「そうデす。ようコそ、神域惑星へ」
それにしても、随分と様変わりしたな神域は。
森・火山・巨大湖・川。
岩場や草原も、無数に点在している。
ギャーギャーギャーギャーギャギャギャッ――――♪
ゴガァァァッ、ゴワァァ――――!
ピィロロロロロロロォォォォ――――♪
パォォォォォン――――♪
「生き物が、居るぞ!?」
「マだ生態系ヲ構築すルには至っテいませんが――ガムラン周辺デ取れル生物に準じタ動植物ガ発生したはずデす」
わからん。
カシャ――『(>_<)』
「あたくしちゃんの星ってことはさっ、やっぱり――〝美〟を体現してるワケなんだけどさぁー♪ わっかるぅー、そこんところぉー?」
わからねぇが、わかった。
「例の美食同源を言いわけにして、うまい獲物がたくさん取れそうな狩り場が出来たってことだろ?」
「そーともいうわねっ♪」
ヴォォーンと辺りを探るように飛んでいく――よくわからん喋る玉。
「わぁー、ここわぁどこですかっ!? いま獣の鳴き声がしましたよ!?」
「にゃぅー♪」
すとんと、下ろされるメイドさん。
「(まったく、一号だけじゃなくてオマケまで、ついて来ちまった。それと随分とちかいんだな、神域は)」
超女神像の間が、かき消えてから――三秒も経たずに、外の景色があらわれた。
「(それはそうよん。空間的にわぁ同じ座標軸上……地続きですからねぇー。そんな事より)――じろり」
二号の頭防具の裏側。
迅雷の収納魔法の中身を見たりできる、画面の中。
梅干し大の五百乃大角が、闖入者二号を睨み付ける。
もちろん、闖入者一号は、シシガニャン一号だ。
カシャ――『(◎_◎)』
「――じろり」
分け身の視線と連動してるのか、浮かぶ玉まで睨んでる――やめてやれ。
「ひぃ――!」
怯えてるだろうが。
彼女が目をそらした先には――
「――じろり」
馬鹿でかい方の御神体――五百乃大角象までもが、彼女を睨み付けていた。
膝をつき首を垂れ涙を流す、巨大な御神体像。
小さい御神体が、そのまま大きくなった――各地にある女神像の……変わり種だ。
「な、何て神々しい――――むぎゅ!」
それを見た給仕服が、組んだ手を鼻に押し当て、片膝をついた。
実際には、まったくもって神々しい姿なんかじゃないけど――ここは、黙っておいてやる。
「(そういや、あの手を鼻に押し当てるヤツやらなかったけど、普通に転移陣に乗れたな?)」
央都の大女神像から跳んでくるときは、やらないと置いてかれるって、脅されたのに。
「基本的にはしてちょうだい。あんまり変な姿勢で乗ると事故らないとは限らないわぁよぉー、ウケケケケッ♪」
魔物のような笑い声に、侍女の口元が引きつってる。
元侍女長リオレイニアから五百乃大角の実体くらいは、聞かされてるのかと思ってたけど、そうでもないっぽい。
そのまま、鼻に手を押しあて続けてる。
信心深くて結構だ。
けど、どうしたものか。
「(どうする、彼女だけ帰ってもらうか?)」
「(ソレ無理だぉ! 転移わぁ~一時間のぉインターバル……ほとぼりを冷まさないと事故る危険がぁ、ありますぅーのぉーでぇ)……どうしようかしらね?」
口を利いた五百乃大角像に、瞳を輝かせる侍女さん。
「(その像、また動かせるのか?)」
「んぅぎぎっぎいっ――――無理みたいねぇー」
顔以外は指一本うごかせないと。
なんかの役に立ちそうだと思ったんだか――無理か。
「あーなんでもない、なんでもないのよぉー。おほほっほほっ?」」
まあ、図らずも一号が付いて来ちまったから、そっちを便利に使ってやるとして――どうした?
「(いやぁ、コッチの御神体の体の方が――動いちゃったわよっ)」
それほど自在に何でも出来るわけでもねぇなぁ――神なのに。
いま五百乃大角の御神体は、ガムラン町に居る。
ただでさえ二つの体を、操っているのに――さらにもうひとつ足したら……想像するだけでもこんがらかるから、無理もないかもだけど。
カシャ――『(Θ_Θ)』
「じゃあ、シガミー。早速だけど、そこの平らな所に家を建ててもらえる?」
「家を建てろだぁ?」
画面の中に、広げられる図面。
「にゃにゃみゃ♪」
おれの問いかけを、いつもの大工仕事だと思ったらしい。
「にゃみゃーん――♪」
ずごごどーん♪
「にゃみゃーん――♪」
ごどどぼーん♪
「にゃみゃーん――♪」
ごがばきずどん♪
「にゃにゃみゃ――♪」
ちょっとした小屋が、たちどころに建った。
小屋と言っても、旧シガミー邸の三倍はある。
扉には看板が付いてて――
『ニゲル専用恋愛相談所』
なんて書いてある。
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