滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~

スサノワ

文字の大きさ
上 下
178 / 740
2:カブキーフェスタへの道

178:龍脈の棟梁(シガミー)、カブキーフェスタ開催のお知らせ(再)

しおりを挟む
勝負しょうぶは一週間後いっしゅうかんごぉ。この〝ビデオカメラ〟と〝巨大きょだいモニター〟みたいなアーティファクトをつかって、大々的だいだいてき興業こうぎょうしまぁす♪。」
 なんだこのでけぇ、画面がめんわぁ!?
「な、なにをしておるのじゃ、アヤツ……いや美の女神めがみわぁぁぁっ――――!!!」

「〝遠見とおみかがみ〟と〝うつはこ〟です、イオノファラーさま」
 五百乃大角いおのはらのうしろから――――ギュギュギュギュィィィィンッ♪
 なんか騒々そうぞうしいおとが、かすかに聞こえる。
「おとうさんのこえだ!?」
 子供レイダが飛びおきて、あたりを見わたした。

 おれの画面がめんなか
 おおきな矢印やじるしが、すこしはなれた地面じめんを指した。

 五百乃大角いおのはらあたまに乗せた、猪蟹屋うちわかしゅう――――猫頭青年ねこあたませいねん姿すがたをあらわした。
 まったく猫頭ねこあたまくんまで、かり出しやがって。
 大鍋おおなべの真んなかぼうが立ったものを、背負せおわされてる。

「――受像機兼じゅぞうきけん投影装置とうえいそウち……遠見の鏡プロジェクターノようです。アレが巨大きょダい画面がめンうツしだしていマす――」
 わからぬ。
 ちなみに、かれ名前なまえは――〝ネコアタマ〟だ。
 猫頭ねこあたまを持つ猫耳族ねこみみぞくで、平民ただのネコアタマ。
 猫頭ネコアタマ、うちの飯の神いおのはらが、迷惑めいわくかけてスマン。

 その背後はいご、ギルドちょう橙色だいだいいろぬのまとった連中れんちゅうが付きしたがってる。
 おなじく五百乃大角いおのはらに、こき使つかわれてんだろな。
 マジ《・・》でスマン。

「あー、イオノファラーさまがらみか」
「じゃあ、しかたがないわね」
「けど、シガミーが居ないから、そこまで大事おおごとにはならなそうじゃね?」
 おい、なんか言われてるぞ。おれが。
 ヴッ――――揺れる迅雷ジンライ
 やい迅雷てめえ、いまはなわらいやがったか?

「こほん、良いでしょう。ではいまここに、〝シガミー争奪杯そうだつはい☆カブキーフェスタ〟の開催かいさい決定けっていしますぅーわぁぁぁぁっ♪」
 シシガニャンにはなしかける姫さんリカルル

「ふにゃ?」
「ええ、そうよシガミー。超女神像ちょうめがみぞうの、お披露目ひろめをかねた素敵すてきな――武闘会ぶとうかいにしましょおねー?」

「だぁめでぇすぅー! カワイイ魔物まもののシガミーちゃんわぁー、わたくしのものでーっす♪」
 シシガニャンのうでを、取りかえす妖狐ルリーロ
「にゃにゅん?」
 やめろ、あんまり引っぱんな。
 またおおケンカになるぞ。

「ありゃ、シガミーちゃんもいるみたいねー」
「しばらくは騒々そうぞうしくて、昼寝ひるね出来できなくなりそうだぜ」
「けどはやくてやすくてうまい、串揚くしあげのれいも有るぞ?」
「そうだ。まんいちうまくいったら、ガムランちょう発展はってんするのは間違まちがいいないよ」
 やい町民ちょうみん期待きたい不安ふあんが入りみだれた、複雑ふくざつ表情かお黄緑色シシガニャンに向けんなってんだ。

「に゛ゃぁぁぁぁごぉぉぉぉ――――♪」
 群衆ちょうみんからジッと見つめられた仕返しかえししのつもりなのか、シシガニャンが化けねこみたいに鳴いた。
 もしケンカがはじまっても、〝なぐったつよささ〟でしか仕返しかえしが来ないなら――おおけがするコトもねぇかな。

 となると問題もんだいあっち・・・だ。
 もう一度いちどよーく、画面そらを見つめる。
 巨大きょだい五百乃大角いおのはらつら
 おおきすぎて、一部いちぶしか見えてねぇ。
 なにこの、おぞましさ。
 まさに末世まっせとしか、言いようがない。

「――どうヤらわたシ以前いぜン生成せイせいシた楽曲がっキょくヲ、央都おウとの神官しんかンウたっていたコとに関連かんれンシたアーティファクトを使ツかっているようでス――」

「っぎゃっ、魔物まもの魔物まものが居るっ!?」
 うるせえな。
 おくれてきたヤツが、「ま、魔物まものだー」のくだりを、いまさらやってやがる。
 それはとっくに終わっ――――なんだ、ニゲルじゃんか。
 かれ背負せおった巨大きょだい目玉めだまがついたはこ
 それは、ルコルのみせで見た、上級鑑定じょうきゅうかんていできるはこに似てた。

「――アレも、巨大画面きょだイがめんうツすタめに必要ひツようなアーティファクトでス。おソらく、撮像機兼さつゾうきけん送信装置そうしんそうち……映し視の箱ビデオカメラで、アの大眼玉おオめだまうツっタもノ画面がメんうツシ出されル仕組しクみかト――」

「り、リカルルさんと、ルリーロさまからはなれろぉ!」
 ニゲルがけんを抜く。
 ココの連中れんちゅう本当ほんとう毎回まいかいかならずアレやるのな。

「――――おぬしかねかえすのは、わらし……シガミーが開放かいほうされてからでも良いかのう?」
「――――そりゃこまるわ……手合てあわせは、どうするのよ?」
条件じょうけんはかわらん。猫耳頭シガミーに勝ってからじゃなー」
 天狗わし鬼娘オルコが、しゃがみ込み、あたまかかえた。

   §

 折角せっかく草原そうげん大集合だいしゅうごうしてるってんで、ひめさんの号令ごうれいでギルド再建さいけんすすめられた。
 なんせ、あの顔が良いやつエクレア結婚式けっこんしきに、超女神像ちょうめがみぞうのお披露目ひろめに、シシガニャンおれ(?)争奪そうだつに、鬼娘オルコとの一騎討いっきうちまで、祭りの予定プログラムに組みこまれちまったからな。
 今日きょうにでもギルド建物たてものけんレイダのいえ……クエーサー家の家屋かおく完成かんせいさせねぇと。

 けど、おおきな区画くかく一気いっきつくるためにつくった収納魔法箱しゅうのうまほうばこが、シシガニャンに使つかわれてるから、取り出せない。
 取り出すと、シシガニャンとの試合しあいっていう出しもの減っちまう・・・・・

 おれがなかはいっても良いが、まつりの最中さいちゅうはいろんなことにかり出されるだろうから――――うまくシシガニャンを使つかえたら、とてもたすかるのだ。

 じゃあ、どうするかとなやんだけど、まったく問題もんだいなかった。
 収納魔法箱しゅうのうまほうばこ使つかいたい場所ばしょに、シガミーシシガニャンを連れて行けば、普通ふつうはこ使つかえたからだ。

「シシガニャン、つぎは向こうだよ?」
 黄緑色きみどりいろの手を引き、足場あしばを駆け抜ける。
「おい、カラテェー。このかべあつさは、コレで良いかぁ?」
 手伝てつだわされてる冒険者ぼうけんしゃが、こえを掛けてきた。

「うん、それで大丈夫だいじょうぶだよ」
 黄緑色シシガニャン背中せなかに、手を置く。

 ゴドゴゴドゴドズズズズズムン!
 あずかっていた調度品ちょうどひん修復しゅうふく配置はいちし、ほん書類しょるいごとたな等間隔とうかんかくにならべる。
 ついでに必要ひつような〝金庫きんこ女神像めがみぞうつな配線てつのなわ〟なんかも、一度いちどに済ませた。

「あっつ、居た! きみたちさー、手なんかつないじゃって――とっても仲良なかよししさんだよねっ?」
 路地ろじの向こうから飛びだしてきた子供こどもが、そんなことを言う。

「ええと、レイダだっけ? なかが良いわけじゃ無いよ。この背中せなか収納箱しゅうのうばこ使つかえるのが、コイツだけだから、ぼくが便利べんり使つかってやってるのさ」
 ぼくはいま烏天狗カラテェーだから、とぼけておく。

「こぉら。頑張がんばってるシガミーに、その言いかたは良くありませんね?」
「そーだね。そもそもウチのいえこわしちゃったのは、アナタとオルコトリアさんでしょお?」
 それをいわれると、ぐうのも出ねぇ。
「か、かたじけない」
 片手かたていんむすび、謝罪しゃざいの意をしめす。

「にゃっ、にゃみゃ♪」
 ぽきゅむ♪
 猫耳頭オマエは、真似まねしなくて良いから。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

世界最強で始める異世界生活〜最強とは頼んだけど、災害レベルまでとは言ってない!〜

ワキヤク
ファンタジー
 その日、春埼暁人は死んだ。トラックに轢かれかけた子供を庇ったのが原因だった。  そんな彼の自己犠牲精神は世界を創造し、見守る『創造神』の心を動かす。  創造神の力で剣と魔法の世界へと転生を果たした暁人。本人の『願い』と創造神の『粋な計らい』の影響で凄まじい力を手にしたが、彼の力は世界を救うどころか世界を滅ぼしかねないものだった。  普通に歩いても地割れが起き、彼が戦おうものなら瞬く間にその場所は更地と化す。  魔法もスキルも無効化吸収し、自分のものにもできる。  まさしく『最強』としての力を得た暁人だが、等の本人からすれば手に余る力だった。  制御の難しいその力のせいで、文字通り『歩く災害』となった暁人。彼は平穏な異世界生活を送ることができるのか……。  これは、やがてその世界で最強の英雄と呼ばれる男の物語。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第三章フェレスト王国エルフ編

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

性転のへきれき

廣瀬純一
ファンタジー
高校生の男女の入れ替わり

玲子さんは自重しない~これもある種の異世界転生~

やみのよからす
ファンタジー
 病院で病死したはずの月島玲子二十五歳大学研究職。目を覚ますと、そこに広がるは広大な森林原野、後ろに控えるは赤いドラゴン(ニヤニヤ)、そんな自分は十歳の体に(材料が足りませんでした?!)。  時は、自分が死んでからなんと三千万年。舞台は太陽系から離れて二百二十五光年の一惑星。新しく作られた超科学なミラクルボディーに生前の記憶を再生され、地球で言うところの中世後半くらいの王国で生きていくことになりました。  べつに、言ってはいけないこと、やってはいけないことは決まっていません。ドラゴンからは、好きに生きて良いよとお墨付き。実現するのは、はたは理想の社会かデストピアか?。  月島玲子、自重はしません!。…とは思いつつ、小市民な私では、そんな世界でも暮らしていく内に周囲にいろいろ絆されていくわけで。スーパー玲子の明日はどっちだ? カクヨムにて一週間ほど先行投稿しています。 書き溜めは100話越えてます…

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

処理中です...