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2:カブキーフェスタへの道

165:龍脈の棟梁(シガミー)、頭上の星(拠点ホログラム)

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 ぼごぉぉっぉわぁぁぁ――――――――――――ガツン、ボガァーン!
 炎球ほのおのたまが丸岩《ほし》に当たって、くだけた!

実体じったい、あるじゃねぇーかっ!」
「「シガミーッ!?」」
「そう言われても、ないものわぁ、ないわよー?」
「「イオノファラーちゃん!?」――さまっ!?」
 かたうえさか鏡餅かがみもちを、ひったくられた。

「あら、みんな、さっきぶりね♪」
 ふたりのすご剣幕けんまくも、何処吹どこふかぜ
「そんなこと言ってる場合ばあいじゃないでしょ、いったい今度こんどなにしたの!?」
おこりませんから正直しょうじきに、つつみかくさず御白状おはくじょうなさってくださいませぇ――――くるんスポン♪」
 レイダを乗せてきたつえをしまい、いつものちいさなつえを取りだす――〝あの・・〟リオレイニア。
 収納魔法具しゅうのうまほうぐは、もちろん迅雷ジンライせい。レイダにも持たせてある。

 バッガァァァァン――――ドドッガァァァァァァンッ!!
 神域しんいき攻撃こうげきする魔法まほうが、はげしくなってきた。

 ぞう見物けんぶつしていた、気のはやい町民ちょうみん
 その人垣ひとがきをさばいていた、あたらしく来たひめさんの護衛ごえいたち。
 そして〝シガミー御一行様おれたち〟の目が、大爆発だいばくはつ釘付くぎづけになった。

 頭上すじょうのおしは――――――――ズボゴドガガァァァァァァァァァァァァァン、ヒュボボワァァァォォォウッ!!!!
 という、地上ちじょうまでとどくほどの衝撃しょうげきねつに――耐えきった。

 逃げまどう人々ひとびと
「「きゃぁぁぁぁぁぁっ――――――――!!!」」
 逃げまどう仲間パーティーメンバー

「しかし、かてぇな!」
「だから実体じったいはないってば。アレは超女神像ちょうめがみぞうの〝全能ぜんのうバリア〟が、効いてるだけわよー」
「なんだ、そいつぁ?」
簡単かんたンニ言うナら、〝あマよケ〟でス」
 あー? まだ、ギルドを建ててねぇから、たしかに女神像めがみぞう雨ざらし・・・・だ。

「おまえら落ちつけっ、ありゃ超女神像ちょうめがみぞうの〝あまよけ〟だそうだっ!」
 まあ、聞けば納得なっとくはできる。
「「きゃぁぁぁぁぁぁっ――――――――!!!」」
 ただ、逃げまどう仲間パーティーメンバーに、おれのこえとどきそうもなかった。

 ――ぽこん♪
「――それに、本当ほんとうにあんな巨大隕石きょだいいんせき……流星りゅうせいが降ってきても、跳ねかえせるおっ――」
 五百乃大角いおのはら分け身マルチカーソルが、ビードロのなかにあらわれた。

「(流星りゅうせい……ながぼしってのわ、本当ほんとう落ちる・・・もんなのか?)」
「――はイ、実在じつざイしマす。巨大きょだイいワが降ル現象げんしょウ……天狗礫てんぐつぶテおオキなもノトおかンがえくだサ――」

 五百乃大角いおのはらは、迅雷ジンライが見せる〝ビードロでおおわれたような視界しかいなか〟――つまり〝迅雷ジンライ収納魔法しゅうのうまほうなか〟にも、同時に・・・存在そんざいすることができる。

 視線しせんを合わせると――『ヒント>マルチカーソル/分け身』――なんて案内あんないが出るようになった。
 ビードロは超便利ちょうべんりだ――『ヒント>ビードロ/画面』――がおもて?
「――画面がメんでス。ヒント表示ひょうジ……案内表示あんないヒょうじハ、このマまつヅけまスか――」
 おう、当面とうめんは、これ出しといてくれ。

 ヴィーーン♪
『○――――<拠点/神域>』
 五百乃大角いおのはらがなんかを、ひろげた。
 それは、あの大岩おおいわ大写おおうつし……『ヒント>ズーム/拡大表示/遠見の魔法』したもので……「なんか、爆発ばくはつしてねぇか? 魔法まほう効いてるだろぉ?」

「――ぜんっぜん、効いてないお。爆発あれほしの〝なか〟から、吹き出した・・・・・だけだお――」
ほしなかからだぁ!? なんでまた、そんなことに?」

「――なんでって――天地創造てんちそうぞうのぉぉー、真っ最中さいちゅうなんだもの、当たりまえ~じゃんかー――」
 あの浮かぶほしが〝神域しんいき〟だってんなら――アソコには女神像めがみぞう……じゃなくて、五百乃大角いおのはらぞう巨大御神体きょだいごしんたい)をつくって置いてきた。
御前おまえさまのぞうだって有るだろ? 燃えちまったら、どうすんでぇい?」

「――だからぁ大丈夫だいじょぶなんだってばぁ。あの『>映像/神域惑星えいぞう』にはラグがあるから――えっと――」

 ふぉふぉん♪
『>天地創造バッチプログラム
  プロンプト〝***********〟
  大気組成システム{########++}88%
  海洋システム{####++++++}41%
  大陸プレートシステム{######++++}64%
  山河循環システム{###+++++++}98%
  疑似月齢システム{#########+}98%
  天候システム{#########+}98%
  輪廻転生ゲートウェイ{##########}100%』
 なんかでた。読めんし、意味わけわからん。

「――あと数分すうふんで、神域惑星しんいきわくせいの〝大陸たいりくプレート構造こうぞう〟が安定期あんていきはいります。初期造成しょきぞうせい終了しゅうりょうするまで、やく10――」
 ふぉん♪
『>女神像端末#3313は正常に作動中
 >精度1シガミーの探査プローブを三機運用中
 >神域の78%をカバーしています』

 羽根はねが付いた空飛そらと行灯あんどんが、うつし出された。
 そして、また出てきたな『1シガミー・・・・』。
 おれを、はかりがわりにすんなってんだ。

 ふぉん♪
 画面がめんなかにも〝神域惑星まるいわ〟が、表示ひょうじされた。
 ヴィィーーン♪
 拡大おおうつしにされた様子ようすは――地獄絵図じごくえずだった。

 熱風ねっぷう、焼け焦げた大地だいち
 ひび割れた裂け目のした地獄じごくかまのように煮えたぎり、炎柱ほのおばしらが吹き出している。
 うみらしきものもあったが、当然とうぜんそっちも煮えたぎり、生きものなんか居る訳もなく。
 草木くさきひとつ生えてない。
 生えてるのは、ただひとつ。
 黒焦くろこげげの、巨大御神体きょだいごしんたいだけ。
大丈夫だいじょうぶには見えねぇんだが……どういうこった?」

「――アレわぁ……そーねぇ、あたくしさまのぞうがこんがり焼けて――ふくれたおもちみたい……じゅるりっ――」
正月しょうがつには……ガムランちょう正月しょうがつこめがあるならだが――もちくらい焼いてやるから、わかるようにだなぁっ!?」

「――なら簡単かんたんに。あのほしは絵に描いたもちだから、食べられまっせぇーん! 魔法まほうは効かないしぃ、落ちてもぉ~来っないのっですっ♪ ちょうあんぜん~ですから、なんのご心配しんぱいも要りませんよーぅ、うふふふ、くすくす、ぉもち♪ ウケケケッケケケケケッ――」
 絵に描いたもちだぁ?
 あぶなくない……絵に描いた地獄じごくなら、あぶなくはねぇけど――

 〝美の女神めがみにして御神体ごしんたい猪蟹屋ししがにや飯神めしがみさまでもある五百乃大角いおのはら〟の言葉ことばはんして――周囲しゅういいろめき立った。

「「「「「「「「「「「ぅおおぉぉ――――効いたっ!?」」」」」」」」」」」
女神めがみさまの化身けしんと言うべき女神像めがみぞうのうえに、あんな不吉ふきつものはべらせとく・・・・・・わけにゃぁ、いきませんぜぇぇー、オルコトリアの旦那だんなぁ――――!」

「だぁーれがぁ――――おとこなかおとこかぁ――――!!」
 冒険者ぼうけんしゃのひとりが、ほのおたまを撃ちまくってるやつに、屋根やねから蹴り落とされた。
 ひたいからのびる立派りっぱ一本角いっぽんづのが、青白あおじろひかってる。

 やっぱり鬼娘アイツか。わるやつではないし、普段ふだんからじゃじゃ馬リカルル手綱たづなをつかんでてくれるたのもしい受付嬢うけつけじょうだ。
 けど、あの綺麗きれいなかおおには飛んでるものを見つけると、やたらと撃ち落としたがる。
 まえにたすけに行った烏天狗おれを、何度なんども撃ち落とそうとしやがったし。

 本当ほんとう丸岩ほしが落ちたら、どうするつもりなんだ?
 建てたばかりの女神像めがみぞうがつぶれるとか、かんがえねぇのか?
「――〝頭上ずじょうからせまり来るもの〟にたいして過剰かじょう反応はんのうするのは、鬼族オーガ性質さがのようで――」
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