滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~

スサノワ

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2:カブキーフェスタへの道

159:龍脈の棟梁(シガミー)、女神像まえの廊下にて

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ひめさん、通信機つうしんき牝狐めぎつね……じゃなかった、ルリーロさまに五百乃大角いおのはらいまどこに居るか聞いてくれない?」
牝狐めぎつねでかまいませんわよ。通信機つうしんきはさっき来た使つかいのものに、かえしてしまいましたわ」
 こしをひねり、革紐かわひも……かわベルトにけんしか下げられていないことを見せてくれる。 
 たしかに、打ち解けたなー。それはわるいことじゃないんだけど――あんまりひっ付くなよな。

 ココは大女神像だいめがみぞうまでもどり、大扉おおとびらから出た外側そとがわ
 ながくひろい廊下ろうかには天窓てんまどがあり、陽光ようこうに満ちている。

 そして、ひとも満ちていた。
 ズララララァ――――ッ!
 おくの、とおくのとびらまで、人人人ひとひとひと

 こしを落とし、かしづく人々ひとびと
「そもそも、なんでこんなことになってるんだっ……ろう?」
「なんでって、アナタが迅雷ジンライ使つかい手だからに決まってるでしょ? ほら、しゃんとして」
 おい、五百乃大角いおのはら眷属けんぞくとか関係者かんけいしゃだからって、面倒めんどうなことにはならないはずじゃなかったのか!?

「――ギルドちょう……レムゾー・クエーサーのくちぶりでは、ココまでおおげさにうやまわれることはないはずですが――」
 ないったって、こうして有るんだから。

 モサモサじゃない神官しんかんや、開発部かいはつぶ橙色だいだいだけじゃなくて、大勢おおぜいまち人々ひとびとかこまれてる。
 しゃらあしゃらした連中れんちゅうから、仕事着しごとぎ職人しょくにんまでいろいろなひとが居た。

 あれ? 見たかおが居るぞ。
 リカルルの護衛ごえいの、黒鎧まっくろ
 かおが良いあいつが……柄繰エクレアで――となりには、コントゥル領領主りょうりょうしゅまでいるぞ。

「うわっ――と、伯爵とのさんまでなにしてるんだ――ですわぜ!?」

「ははは、やあシガミー。今回こんかいは、ウチのおくさん……名代みょうだい迷惑めいわくを掛けたな」
 精悍せいかんかつやさしげで、狐耳きつねみみが生えてないラ……なんだったっけ?
「――ラウらル・ジーん・コントゥルでス――」

「ら、ラララウララルさまに、おかれましてわぁ~!?」
 給仕服ふくすそを持ちあげ、片足かたあしを引いてこしを落とす。
「うむ。〝ラ〟が多いな。かしこまらなくても良い。大神殿だいしんでんなかでは、みな平等びょうどうだ」
「ぜんぜん平等びょうどうじゃねぇ――ないですわよぜ?」
 おれは、あたりを見わたした。

 ラウラル伯爵はくしゃく片膝立かたひざだちのままだし、なんならひとれつ最後尾さいこうびに、かしずくひとが増えてる。

平等びょうどうだよ。トッカータ大陸各地たいりくかくちおさめる領主りょうしゅたちに、上下じょうげの差はないし、領民りょうみんたちも基本的きほんてき自由じゆうだ」
 よーく見れば、伯爵ラウラルみたいな格好かっこうをしたのが、ちらほら混じってる。
 あれぜんぶ、貴族きぞくか!?
「(迅雷ジンライやべぇ――たすけろっ!)」

 ふぉん♪
『>女神像端末#778を検出しました』
 ふぉふぉぉん♪
『>女神像端末#778
  ガムラン町エリア統括データベース
  ならびに事象ライブラリ再構築を開始します
  使用可能まで 00:05:56』

「(いまこんなの、見てるひまねぇよ!)」
「――ガムランちょウ女神像めがミぞうガ、再設置さイせっちされたよウで――」
 ああぁ? なんだっけ、たしか五百乃大角いおのはらがヤルって言ってたやつか。

「――はイ。ガムランちょウへノファストトラベル……転移魔法てんいまほう可能かのウになるマで、5ふン49びょウ――」
 はぁ? いままで女神像めがみぞう使つかった〝転移てんい魔法まほう〟は出来できなかったのか?
 じゃあ、ミャッドのはなしを聞いたりしてて、ちょうど良かったな、

「――はイ。ファストトラベルに女神像めがみゾウ必須ひっスですノ――」
 そりゃソウだな。ならあと5ふん
 この、よくわからん状況じょうきょうに耐えるしかねぇ……ないよね。

 スッ――コツン。
 豪奢ごうしゃけんゆかを打った。
 ――耐えられるかっ!
 とうとう伯爵令嬢リカルルまで、かしづきやがった!

 居たたまれなくなったおれは――その場にかしずいた。
 あがめたてまつられる対象おれ居なくなりゃ・・・・・・――いいだろうという頓知とんち

「ぷっ♪」
 だれかが吹いた。
「おい、やめろ」
 それをしずかにせいする、だれか。
 その直後ちょくご――――

「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「ぷわははっははははははははっつっ♪
」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」

 ビリビリとまどというまどふるわすわらごえ歓声かんせいか?
 一斉いっせいに立ちあがる、人々ひとびと

 たじろぐしか出来できないおれを、かおの良い〝柄繰エクレア〟が立たせてくれた。
「いやぁ、わ、わるいねシガミー。ぷっははっ♪」
「どういうこった?」
「みんなキミに、ずっと会いたかったんだよ。それが突然とつぜん央都おうとに来てるって言うもんだから――いきおいあまってこんなことに」
 ニゲルもそこそこ良いかおつきだけど、柄繰レアこいつとくらべたら分がわりい。
 たえずリカルルに張りつく護衛コイツの、〝夫婦めおとになる相手あいてが決まってる〟ってのは、ニゲルにとっちゃ朗報ろうほうだ。

「するってぇとまさか、ひめさんたちも一緒いっしょになって、からかってたのか?」
「ごめんね、シガミー。おとうさま……ちちが〝魔剣まけんイヤーイを使つか聖女せいじょさま〟の自慢話じまんばなしをしてたら、ウワサがひろまってしまったらしくて」
 立ち上がり心臓しんぞうを押さえ、こうべを垂れる。

「うむ。しかし、わるふざけが過ぎたかな、すまなかった」
 ほめさんがみせた、正式せいしき謝罪しゃざいとおなじ姿勢しせい
「ああもう、あたまをあげてくれっ――――わかったよ!」
 立ちあがり、両手りょうてを挙げて降参こうさんした。

「よぉぉし。みなもの! 聖女せいじょさまの、おゆるしがでぇたぁぞぉぉぉ――――!」
 伯爵とのさんが、おれをかかえてもちあげる。

「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「うぉぉぉぉぉぉぉぉっぉぉぉっ――――!!!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」
 やかましい。

 あと、聖女せいじょってぇのはなんだ?
「――眷属けんぞくであるわたしかいし、イオノファラーの言葉ことばつたえる女性じょせいのことで――」

「つきましては、シガミー。ちょっとした宴会えんかい用意よういさせていただいたのですが」
 良い顔エクレアが手をあげると、人の群れが左右さゆうひらいて、みちができた。
 みちそとつうじているから、宴会場えんかいじょうちかくに用意よういされているっぽい。。

宴会えんかいだぁ? おれたちは、スグにでもガムランちょうもどって、ギルドを建てなおさねぇと――アンタ……柄繰《エク》レアの結婚式けっこんしきも、いつまでも出来できないだろぅが!?」

「ちょっとまったぁ――! このあたくしさまをさしおいて、宴・会えん・かいなんてゆるしませんよーーぅ?」
 おい、その声。どっからでてる?
 でた。出やがった。

 迅雷ビードロの中にはいねぇ。
 ってことは――

 ぽきゅぽきゅぽきゅぽきゅ――――♪
 あのうるせえ足音あしおとが、ちかづいてくる。
 ぽきゅぽきゅぽきゅぽきゅ――――♪
 やべぇ。ココじゃ相当そうとううやまわれてる、〝五百乃大角いおのはら〟の実態じったいが知られたら――

「――相当そうトう事態じタいに陥りかねません――」
 どこだ、どこに居やがる?
 うるさい足音ぽきゅぽきゅが、きゅうに止んだ。

 ひめさんにひろいあげられたソイツ・・・は、すでに食う気満々まんまんだった。
「あたくしさまが来たからにわぁー、央都おうと素敵すてきごはんにわぁー、指一本触ゆびいっぽんふれさせませんんかぁらぁねぇぇ――っ♪」
 まずは、そのよだれをふけ。
 あとなんで、全部食ぜんぶくう気なんだよ。
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