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2:カブキーフェスタへの道

148:龍脈の棟梁(シガミー)、女神像完成!

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「まさか、こんなことになるとわ――にゃ」
「な、なにいのっていますのっ!? かみともあろうものが!」

 土台中央どだいちゅうおう
 ひざをつき、コウベをたれる――美の女神めがみ(2・5頭身とうしん)。
 組んだ両手両手をはなに押しあて、なみだながす――その姿すがた

 見たひとに特定とくてい感情かんじょうおもい起こさせる、随分ずいぶん姿勢しせい
「な、なさけねぇ――にゃぁ~」
「――ないですわぁ~」

 いまにも斬りかかろうとするリカルルはくしゃくれいじょうに、ゆるしをこうた瞬間しゅんかん
 女神像めがみぞうの、なんかの手続てつづきがおわわって――そのままかたまっちまった。

「し、仕方しかたないじゃんかー! インストール終了しゅうりょうまでわぁ、まだまだ時間じかんが合ったはずなのぉに、なんでか女神像めがみぞう稼働かどうはじめちゃったんだからっさっ!」
 本題ほんだいはソコじゃねーけど、言わないで置いてやろう。
 こいつぁ、いくさかみじゃねーし、中身なかみ子供ガキだしなぁ。

 つまるところ、〝完成かんせいした女神像めがみぞうからはじき飛ばされた女神めがみが、またビードロのなかもどった〟ってことだな。
 ふぉん♪
『>女神像とのリンク、復旧しました』
 そのへんただよってた、大目玉おおめだまが――カシャララッ、ドォン――と地によこたわる。

「――イオノファラーが〝女神像めがみゾう〟デ直接・・、デジタル測量そくりょウ……ハしまワっタ結果ケっか事象じシょうライブラリ構築こうチく……魔方陣まほウじんノ書き込ミが、一気いっキ終了しゅウりょうしタとおモわれま――」
 いつもの迅雷ジンライこえが聞こえてきた。これでひと安心あんしんだ。
「(おれが何かすると・・・・・迅雷ジンライ頓知とんちが、はやく終わる・・・・・・のと一緒いっしょか?)」
 ふぉん♪
『>そうです』

「ふぅ、冗談じょうだんですわよ。かみで有るアナタにささげるけんはあっても、切りつけるけんは持ち合わせていませんわ~ぁ」
「――ほぉんとぉ? じゃあ、ゆるしてくれるぅ~――ぱくぱくぱくぱく、もぎゅもぎゅもぎゅり――」
 おまえなぁ、原因くうのをやめ――いや、言うまい。
 良い機会きかいだから、リカルルにも五百乃大角いおのはらの――実態じったいってヤツを知ってもらおう。

「わかりました。けれど、おかあさまに伝言でんごんをおねがいいたしぃまぁすぅわぁー♪」
 うふふふふ?
 あ、目がわらってねえ。

「ばりばり、もぎゅぎゅもっ――なんへ
「こほん……〝央都おうと菓子店かしてんから、お取り寄せしていただきます――とうぜん費用ひようは、おかあさま持ちで!〟――以上いじょうですわ」

「もぐもぐもぐもぐ、ごくん♪ こっちのやぁーらかいのわぁ、あたくしさまのぶんとあわせて、10ぱこたのんでねぇー♪」
 おまえ……。イオノファラ……。

「あら、面白おもしろいことをおっしゃりますのね、イオノファラーさまったら。10ぱこなんて、おとうさまがこちらに来るときに、たのみでもしなければとても無・理む・りでぇ・すぅ・わぁー!」

「……しけてやがるなぁ……ぼそり……ひめさんは、ギルドの仕事しごともバリバリこなしてるじゃねーか。そんな菓子かしの10ぱこや20ぱこぐれぇ――」

央都おうとまでの距離きょりが、どれくらいはなれているとおもいますの?」
 ふぉん、ピピ――ッ♪
『央都大女神像――▼…………<809㎞>…………▼――ガムラン町女神像』
 わからん。
「――みやコ江戸えドヲ、往復おウふくでキる距離キょり――」
 なら、ずいぶんとおいな。わかった。

「それと〝そんな菓子かし〟とは、聞き捨てなりませんでしてよ?」
 やべえ、いかりの矛先ひこさきがコッチを向いた。
「――そーよっ! このまるくて黄色きいろくて、ふわふわぽわぁーんなヤツわぁ、デパートの高級こうきゅう菓子かしとおなじくらいおいしーんだからねっ!?――」
 梅干しおまえは、だまってろ。
「わるかった。それほどうまいもんなら、ぜひウチでも取りあつかいたいくらいだぜ!?」
 くちから出任でまかせを言っておく。

「わかれば、よろしくてよ」
「よくってよぉーん♪」
 だからやめろ、ご令嬢れいじょうの目がわらってねーから。

 フォフォン♪
『>同一エリア内で女神像#778が検出されました
  同期を開始しますか? Y/N』

「(こりゃ、なんでぇい? 女神像めがみぞうづくりは終わったのに、まだなにかしてんのか? 菓子かしを食いながら……)」
 ふぉふぉん♪
『>一言で言うなら、この神域とガムラン町の女神像をつなぐ〝龍脈を通す儀式〟とお考え下さい』
 それなら、わかる。

『○――ぽこん♪』
 梅干しいおのはらが、みじか手刀しゅとうはなつと――おおきなまるがビードロのすみに出た。
 そのまるが欠けて、ちいさくなって消えると――
 ふぉん♪
『>女神像#778との同期が完了しました
 >天地創造バッチプログラムの整合性チェック終了』

本日ほんじつのぉメインイベントお~、はじめるわよぉーん♪」
 ふぉふぉん♪
『>天地創造バッチプログラム
  ☑ SDKユニットのオートフロート機能をオンにする
 実行しますか? Y/N』

「こんどわ、なんでえぇい?」
「――シガミーにワかる言葉こトばデ言うト、〝成劫じょうごう〟で――」
 国作くにつくり――天地開闢てんちかいびゃくか。
 たしかにココは、天地あめつちがわかたれてねえ気がする。

 また梅干うめぼししが、手刀しゅとうを放つと――地鳴りゴゴゴ
 それはすさまじい、いきおいで。
 とおくのほう火山かざんが出来て噴火ふんかし、女神像なさけないのが建ってる場所ここ波打なみうちはじめた。

こわれはしなくても、こんなんじゃ埋まっちまわねぇか、女神像めがみぞうがっ!?」
「きゃぁきゃぁきゃぁきゃぁ――――!?」
大丈夫だいじょうぶーぅ、この土台どだい水平すいへいたもつし、かならず地面じめんうえに浮かぶようにしたからー♪」

 ぷぴぽぽーん♪
『>〝頭部防具:シシガニャン・へっど〟を装備します』
 ギュッ――ばくん♪
 迅雷ジンライ兜頭あたまを閉じ――ヴュパパパパッ♪

 耳栓みみせんが――すぽっとはずされ――そとおと自然しぜんに聞こえるようにな――――ゴゴゴゴゴゴッズズズズズズズズ――――――――うるせえ!

「――シガミー、リカルルちゃんを抱っこしてあげてぇねぇぇー
 膝下ひざしたが――ぎゅ、ぐぅぅうぅーん♪
 と持ちあがった。

 〝猪蟹屋んつよいふく〟につかまる姫さんリカルルを、しっかりとかかえる。
「――尻尾しっぽ女神像端子めがみぞうたんしから、はずれないようにしてねぇー――」
 なんでぇい、いそがしーぜ!

「――もし、ソレ引っこ抜けたら、いのちが無いわよぉぉぉぉー?――」
 尻尾しっぽの長ながさは十分じゅうぶんあるけど、すこしだけ中腰ちゅうごしになった。

 ぐらぐらぐらわららぁぁぁ――どごごぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉわぁぁぁぁぁぁぁぁ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 キィンキン――カキャキャキャキャキャッ――――ぽぉん♪
 聞いたことの無い――つばぜり合いのような――――ぽぉぽぉん♪

   §§§

 シュゴォォォォォォォ――――――――ン♪

「なん――にゃ?」
 ひかり奔流ほんりゅう
 魔法まほう神髄しんずい
 からみつく光糸いと――いや、からんでたのがぎゃくにほつれてんのか?
 わからーん。

 ふぉん♪
『>ファストトラベル中
 >転送完了まで 00:02』

「あら、このかんじ、わたくし知っていますわ・・・・・・・ぁー」
「あたくしさまも知ってるわよぉー。コレ知らないのは、シガミーだけみたいよ。おくれてるよきみ。ねぇー、いまどんな気持きもちぃー?」
 うるせえ。

 シュゴォォォォォォォ――――――――ン♪

   §§§

「どこだ、ココわぁ――にゃぁ!?」
 城塞都市となりまちのギルドみたいに、立派りっぱつくり。
 ただし、その何倍なんばいもひろくて、天井てんじょうまでのたかさが、やっぱり何倍なんばいたかかった。

「ここわぁ、見覚みおぼえがありますわぁ――まさか!?」
「――ふっふっふぅー、そうでぇーす♪」

 振りかえり見上みあげれば、巨大きょだい女神像めがみぞう
 さっきつくった、まるっこくてゆるしをなさけないヤツじゃなくて――
 ガムランちょうの、普通ふつう女神像めがみぞうの――3ばいはありそうな――

「ココわぁー、なんとぉー、央都おうとのぉー大神殿だぁいしんでんでぇーす♪ おどろいた? ねぇー、おどろいたぁー?」
 あたりを見わたせば、まばらな人影ひとかげ
 開いた大扉おおとびらから駆け込んでくる――――なんかモサモサした連中れんちゅう

 なんとなく、城塞都市となりまちかこまれたときをおもいだした。
 降りようとしていた、ひめさんをもう一度抱いちどかかえる。
「っきゃっ!?」

 あたりをすっかり、かこまれたころ。
 包囲ほういするするモサモサ連中れんちゅうをかきわけ、おくから姿すがたをあらわしたのは――

「おとうさま――!?」
 まさかの――コントゥル領伯爵りょうはくしゃくだった。
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