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2:カブキーフェスタへの道
147:龍脈の棟梁(シガミー)、女神像インストール60%
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「おう、やっと話せる――にゃ。久しぶりだ――にゃ、迅雷」
ぽきゅぽきゅむ♪
大目玉に駆けよる。
ぐいっ――なんかひっぱられるぞ?
きゅっぽぉぉん♪
おもしろい音――やべぇ、尻尾の先が抜けた。
コシャラララッラ、ズズン!
見た目よりかるい、かわいた音をたてて――大目玉がたおれた。
「迅雷ぃ――――にゃぁ!?」
大目玉に駆けよる。
ふぉん♪
『神力が低下しています(0%)
>〝DOZタレット〟を使い続けるには、女神像に接続している必要があります』
なんかでた。わからん。
§
「ココが、とても巨大な迅雷の背中の上でぇすってぇぇぇぇっ――?」
逃げてった姫さんが、五百乃大角に説明されて戻ってきた。
「じゃあ、いつもの迅雷はガムラン町にもどりゃ、元どおりになるってんだ――にゃ?」
〝猪蟹屋ん〟の首うしろを指さす。
「ひとまずわぁー、そっうっよぉーん♪」
どしどしどずずずぅぅぅん!
おれと姫さんが、ピョンと跳ねた。
ひとまずだぁ?
何か歯切れが悪ぃけど、ひとまずソレは置いとく。
「そして、ガムラン町に戻るためには――ガムラン町の女神像が、必要なのですわね?」
「そっうっよっねへぇーん♪」
どっしんどすどすずどずずん!
おれと姫さんが、またピョンと跳ねた。
「けど、お前さまに使っちまった――にゃろ? ガムラン町の〝神力結晶〟って小石わ――にゃぁ?」
「大丈夫よぉーん♪ 向こうには、コレの十倍もの大おおきさの――〝マナ宝石〟があるものぉ♪」
どすんどすーんどすすどすーん♪
「やい、いい加減にしやがれってんだ――にゃ! 動けるカラダが手に入ったからって、あまりはしゃぐ――にゃ。壊れねえともかぎらねぇんだから――にゃー!」
額の光る小石を、自分で指さして――おどける五百乃大角。
そう、いま五百乃大角は、作ったばかりの巨大御神体兼女神像に入ってる。
「えー、だってさぁー。折角、こんな大きな体が動かせるんだからさっ、神様だって遊びたいじゃんかー!」
くそう。おれは尻尾を突き刺したまま、ろくに動けねぇのに。
巨大女神像は土台を降りて、全速力で走りだす!
ずっどぉぉぉん――どっずむん、どっずむん――どどどどぉぉぉぉぉぉぉっ!
ぐわらわららっ!
揺れる巨大迅雷。
「うぉわぁ――!?」
「きゃぁぁぁ――!?」
はいつくばるおれたちに、大目玉が――カシャララッ。
巻きつくように、かばってくれる。
「助かる、迅雷」
「感謝いたしますわぁー、迅雷」
「イイエ、コチラコソ美の女神ガ、大変ゴ迷惑ヲオカケシテオリマス。」
ふぉん♪
『>女神像端末#3313
使用可能まで 07:17:42』
のこり時間は、あと七時間ちょい。
「どうせ女神像が完成したら、動けなくなるから――大目に見てやるか――にゃ」
いつもの御神体は、手のひら大で窮屈だろうしな。
§
「お前は、食わんで良いのか?」
「へーんだ、いらないもんねぇー! ぱくぱくぱくぱく、もぎゅもぎゅもぎゅり♪」
女神像の何かが終わって完成するまで、ひまだから飯を食うことになったが。
飯の神は、飯の催促をしなかった――異常だ。
「やっぱり、どっか壊れたのか――ぱくり、もぐもぐ、うめぇ♪」
姫さんがつくってくれた〝貝と芋の串揚げ〟は、かなりうまかった。
彼女は、尻尾が抜けねえように座るおれが、食べやすいものを用意してくれた。
この細かな気づかいは、立派なもんだと思う。
「はい、もう一本、どーぞ。あぁーん♪」
けどな、自分で食える――にゃ!
そこまでの気づかいは、要らない。
串揚げをひったくり、かじり付く。
「もぎゅもぎゅ――うめぇ♪ 貝と芋はよく合うな! おまえ、本当に要らんのか? 無くなっちまうぞ?」
おれの真似をしてるのか、短い足を抱えて器用に座る五百乃大角に、聞いてやった。
「へっへぇーっむぐ。ほんほーひににはへーんほーは! もぐもぐもぐもぐもぐもぐっ、ごくり♪」
大きさが大きいからか、コイツの言葉も〝何かを囓り、飲みこむ音〟も――やたらと大きく聞こえて――とても見過ごせなかった。
「おまえ……なんか食ってるだろ?」
ぎくりっ!?
心の声まで大きくて、手に取るようにわかった。
「し、知らないもんねっ! リ、リカルルちゃんがクローゼットの奥に隠しておいた、央都の有名菓子店の最高級のお取り寄せを、ルリーロちゃんと一緒にごちそうになったりなんてしてないもんねっ!」
そうだった、コイツのカラダ……手のひら大の方は、まだガムラン町に居るんだった。
そして五百乃大角は、隠し事がとても下手だ。
「んなっなぁんでぇすぅってぇぇぇぇ――――レーニアと私のぉー密かな、お楽しみをぉぉぉぉぉ――――スラァァリ!」
抜くな抜くな、また最初から女神像をつくり直すのだけは、勘弁してくれ。
ぽきゅぽきゅむ♪
大目玉に駆けよる。
ぐいっ――なんかひっぱられるぞ?
きゅっぽぉぉん♪
おもしろい音――やべぇ、尻尾の先が抜けた。
コシャラララッラ、ズズン!
見た目よりかるい、かわいた音をたてて――大目玉がたおれた。
「迅雷ぃ――――にゃぁ!?」
大目玉に駆けよる。
ふぉん♪
『神力が低下しています(0%)
>〝DOZタレット〟を使い続けるには、女神像に接続している必要があります』
なんかでた。わからん。
§
「ココが、とても巨大な迅雷の背中の上でぇすってぇぇぇぇっ――?」
逃げてった姫さんが、五百乃大角に説明されて戻ってきた。
「じゃあ、いつもの迅雷はガムラン町にもどりゃ、元どおりになるってんだ――にゃ?」
〝猪蟹屋ん〟の首うしろを指さす。
「ひとまずわぁー、そっうっよぉーん♪」
どしどしどずずずぅぅぅん!
おれと姫さんが、ピョンと跳ねた。
ひとまずだぁ?
何か歯切れが悪ぃけど、ひとまずソレは置いとく。
「そして、ガムラン町に戻るためには――ガムラン町の女神像が、必要なのですわね?」
「そっうっよっねへぇーん♪」
どっしんどすどすずどずずん!
おれと姫さんが、またピョンと跳ねた。
「けど、お前さまに使っちまった――にゃろ? ガムラン町の〝神力結晶〟って小石わ――にゃぁ?」
「大丈夫よぉーん♪ 向こうには、コレの十倍もの大おおきさの――〝マナ宝石〟があるものぉ♪」
どすんどすーんどすすどすーん♪
「やい、いい加減にしやがれってんだ――にゃ! 動けるカラダが手に入ったからって、あまりはしゃぐ――にゃ。壊れねえともかぎらねぇんだから――にゃー!」
額の光る小石を、自分で指さして――おどける五百乃大角。
そう、いま五百乃大角は、作ったばかりの巨大御神体兼女神像に入ってる。
「えー、だってさぁー。折角、こんな大きな体が動かせるんだからさっ、神様だって遊びたいじゃんかー!」
くそう。おれは尻尾を突き刺したまま、ろくに動けねぇのに。
巨大女神像は土台を降りて、全速力で走りだす!
ずっどぉぉぉん――どっずむん、どっずむん――どどどどぉぉぉぉぉぉぉっ!
ぐわらわららっ!
揺れる巨大迅雷。
「うぉわぁ――!?」
「きゃぁぁぁ――!?」
はいつくばるおれたちに、大目玉が――カシャララッ。
巻きつくように、かばってくれる。
「助かる、迅雷」
「感謝いたしますわぁー、迅雷」
「イイエ、コチラコソ美の女神ガ、大変ゴ迷惑ヲオカケシテオリマス。」
ふぉん♪
『>女神像端末#3313
使用可能まで 07:17:42』
のこり時間は、あと七時間ちょい。
「どうせ女神像が完成したら、動けなくなるから――大目に見てやるか――にゃ」
いつもの御神体は、手のひら大で窮屈だろうしな。
§
「お前は、食わんで良いのか?」
「へーんだ、いらないもんねぇー! ぱくぱくぱくぱく、もぎゅもぎゅもぎゅり♪」
女神像の何かが終わって完成するまで、ひまだから飯を食うことになったが。
飯の神は、飯の催促をしなかった――異常だ。
「やっぱり、どっか壊れたのか――ぱくり、もぐもぐ、うめぇ♪」
姫さんがつくってくれた〝貝と芋の串揚げ〟は、かなりうまかった。
彼女は、尻尾が抜けねえように座るおれが、食べやすいものを用意してくれた。
この細かな気づかいは、立派なもんだと思う。
「はい、もう一本、どーぞ。あぁーん♪」
けどな、自分で食える――にゃ!
そこまでの気づかいは、要らない。
串揚げをひったくり、かじり付く。
「もぎゅもぎゅ――うめぇ♪ 貝と芋はよく合うな! おまえ、本当に要らんのか? 無くなっちまうぞ?」
おれの真似をしてるのか、短い足を抱えて器用に座る五百乃大角に、聞いてやった。
「へっへぇーっむぐ。ほんほーひににはへーんほーは! もぐもぐもぐもぐもぐもぐっ、ごくり♪」
大きさが大きいからか、コイツの言葉も〝何かを囓り、飲みこむ音〟も――やたらと大きく聞こえて――とても見過ごせなかった。
「おまえ……なんか食ってるだろ?」
ぎくりっ!?
心の声まで大きくて、手に取るようにわかった。
「し、知らないもんねっ! リ、リカルルちゃんがクローゼットの奥に隠しておいた、央都の有名菓子店の最高級のお取り寄せを、ルリーロちゃんと一緒にごちそうになったりなんてしてないもんねっ!」
そうだった、コイツのカラダ……手のひら大の方は、まだガムラン町に居るんだった。
そして五百乃大角は、隠し事がとても下手だ。
「んなっなぁんでぇすぅってぇぇぇぇ――――レーニアと私のぉー密かな、お楽しみをぉぉぉぉぉ――――スラァァリ!」
抜くな抜くな、また最初から女神像をつくり直すのだけは、勘弁してくれ。
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