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2:カブキーフェスタへの道
128:龍脈の棟梁(シガミー)、ギルド支部建築開始
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「――あるぇー、すぇっかくぅ面白ろぉそぉな話ぉー、真っ先ぃに教えてぇー・あ・げ・た・の・にぃぃー? 反応うすくなーぃ?――」
梅干しの小ささでもわかる――じとりとした、目つき。
大の大人がそんな顔をしてると――たとえソレが大恩がある神でも、イラつかせられるところだけど、この和菓子みたいな小ささだと――ソコまでは気にならない。
五百乃大角は、この和菓子や御神体のカラダが――似合ってる気がする。
ふぉ♪
『>たいへん興味深いですよ、イオノファラー』
ビードロ(小)の上端。
文字が出たけど、これは――迅雷がイオノファラーにした……返事だな。
一瞬、こんな物いらねって思ったけど――まてよ?
迅雷からの念話は、文字をつかえば時間を取られなくて、良くね?
あとで試そう。五百乃大角ほどじゃなくても、〝便利棒〟はもっとうまく使えるはずだ。
シガミーだってもう、何ヶ月も迅雷を使ってるんだからな。
「じゃあ、また面白い話があったら聞かせてよ。そろそろ、仕事にもどらないと……」
ことあるごとに忘れるけど、コレでもぼくに来世をくれた、ありがたい神さんだからな。
朝夕の暇なときにでも、話があるなら聞いてやろう。
いまは、レイダやリオの手前、真面目に仕事をやらないといけない。
「――そうねぇー。あとわぁー、大しておもしろぉいお話は、なぁいーわねぇー。避雷針がわりの兎角からひく導線のぉー反対側にわぁー、普通に女神像とかぁメイン金庫のぉーシステム筐体がぁー接続ぅされるだけぇだぁしぃー――」
ふぉ♪
『>たいへん興味深いですよ、イオノファラー』
「(うん、興味深いな)――じゃ、行くね」
「――無理して相づちを打ってくれなくてぇもー、いーわよぉうーだっ! 最後に一応報告だけ――〝ギルド支部の主回路〟に例のお高い〝マナ宝石〟を組み込みます、以上!――」
『>ナ、なんだっテぇー!?』
え? なに驚いてんの、迅雷クン。
まったく、いい宛鋳符悪党〟がみっともないよ。
§
ギルド支部建設予定地に――――すここここ、すぽぉん♪
迅雷が大穴を空ける。
野次馬たちから、歓声があがった。
ヒュゴォォォォォォォォォッ――――流れ込む風。
野次馬たちが、張っておいた荒縄にしがみつく。
たしかにこれは、すごく迫力がある。
この何倍も大きな穴を、七天抜刀根術で空けてなかったら、ぼくだって驚いただろう。
そういえば、あの大穴は――どうしたんだっけ?
「――あのままデす。イま掘った土デ埋メることも出来ますが、どうしましょウか?――」
そうだなあ。危険な森に近づく人も居ないだろうけど、よし、今夜埋めに行こう。
ぼくは、背中の〝収納魔法具箱〟をしっかりと背負いなおした。
鉄で出来た、このソコソコの大きさの箱は――中に入れた〝収納魔法具〟の〝大きさ〟を〝ひとまとめに〟することが出来る。
相当おおきな物を仕舞えるけど、じつはソコソコ重くて、金剛力なしでは持ち上げられない。
これからは金剛力は何があっても――使い切らないようにしないと。
「――はイ。でハ今後、私の工作用機械腕……千本ノ腕は大量に作り置きしておきマす――」
「(作り置きなんて、できたのか。それなら……細腕用の収納魔法具をつくって、寝床の下にでもしまって置くのは、どうかな?)」
「――それハ良い考えデす。たっタ一日、金剛力が使用できなかっただケで、巡り巡ってギルドヲ全壊させてしまいましたかラね――」
うん。二度とないように――――強いヤツに、近寄らないようにも気をつけよう。
「やってますわね、シガミー」
かざり気のない質素な狐耳兜を頭にのせた、姫さんがやってきた。
「(言ってるそばから、来ちゃったなー)」
「――けレど、帯剣していマせんし……基礎工事作業ノ陣頭指揮ヲ取るつもりのよウです――」
「(陣頭指揮っていうと)……棟梁か?」
「当寮? いいえ、ココに建てるのは、変異種の襲撃にも対応できる――〝決戦型冒険者ギルド〟ですのよ? 当家使用人の、生活寮ではありませんわ?」
「決戦型!? なにそれ、超おもしろそー♪」
「超おもしろいわよー……〝超〟ってなんだかわかりませんけれど。けどシガミーも昨日、設計会議に顔を出してたじゃない?」
「ごめん、途中で寝ちゃった」
夜間作業も、天狗か烏天狗の格好でしてる。
いまだって気を抜くと、すぐに眠れる自信がある。
「まったく、しょうがないですわね。当家使用人の生活寮ではありませんけれど、町民全員が避難できるシェルターを建築する予定ですわ」
四依流他?
「――シェルたーでス……地中ノ安全な隠レ家のことデす――」
あー、だからこんなに大きな穴が、必要だったのか。
ジンライが空けた、大穴をのぞきこむ。
落ちたら死ぬくらいには、深さがある。
「リカるル、棟梁というノはシガミーの国ノ職業で、建築作業員のノ頭領……現場監督のこトです」
便利棒がふわぁーりと、現場監督によっていく。
「それって、つまり――将軍ってことね? 私にふさわしいヒ・ビ・キ♪」
あんまり後ろに、ふんぞり返ると――落ちるよ?
梅干しの小ささでもわかる――じとりとした、目つき。
大の大人がそんな顔をしてると――たとえソレが大恩がある神でも、イラつかせられるところだけど、この和菓子みたいな小ささだと――ソコまでは気にならない。
五百乃大角は、この和菓子や御神体のカラダが――似合ってる気がする。
ふぉ♪
『>たいへん興味深いですよ、イオノファラー』
ビードロ(小)の上端。
文字が出たけど、これは――迅雷がイオノファラーにした……返事だな。
一瞬、こんな物いらねって思ったけど――まてよ?
迅雷からの念話は、文字をつかえば時間を取られなくて、良くね?
あとで試そう。五百乃大角ほどじゃなくても、〝便利棒〟はもっとうまく使えるはずだ。
シガミーだってもう、何ヶ月も迅雷を使ってるんだからな。
「じゃあ、また面白い話があったら聞かせてよ。そろそろ、仕事にもどらないと……」
ことあるごとに忘れるけど、コレでもぼくに来世をくれた、ありがたい神さんだからな。
朝夕の暇なときにでも、話があるなら聞いてやろう。
いまは、レイダやリオの手前、真面目に仕事をやらないといけない。
「――そうねぇー。あとわぁー、大しておもしろぉいお話は、なぁいーわねぇー。避雷針がわりの兎角からひく導線のぉー反対側にわぁー、普通に女神像とかぁメイン金庫のぉーシステム筐体がぁー接続ぅされるだけぇだぁしぃー――」
ふぉ♪
『>たいへん興味深いですよ、イオノファラー』
「(うん、興味深いな)――じゃ、行くね」
「――無理して相づちを打ってくれなくてぇもー、いーわよぉうーだっ! 最後に一応報告だけ――〝ギルド支部の主回路〟に例のお高い〝マナ宝石〟を組み込みます、以上!――」
『>ナ、なんだっテぇー!?』
え? なに驚いてんの、迅雷クン。
まったく、いい宛鋳符悪党〟がみっともないよ。
§
ギルド支部建設予定地に――――すここここ、すぽぉん♪
迅雷が大穴を空ける。
野次馬たちから、歓声があがった。
ヒュゴォォォォォォォォォッ――――流れ込む風。
野次馬たちが、張っておいた荒縄にしがみつく。
たしかにこれは、すごく迫力がある。
この何倍も大きな穴を、七天抜刀根術で空けてなかったら、ぼくだって驚いただろう。
そういえば、あの大穴は――どうしたんだっけ?
「――あのままデす。イま掘った土デ埋メることも出来ますが、どうしましょウか?――」
そうだなあ。危険な森に近づく人も居ないだろうけど、よし、今夜埋めに行こう。
ぼくは、背中の〝収納魔法具箱〟をしっかりと背負いなおした。
鉄で出来た、このソコソコの大きさの箱は――中に入れた〝収納魔法具〟の〝大きさ〟を〝ひとまとめに〟することが出来る。
相当おおきな物を仕舞えるけど、じつはソコソコ重くて、金剛力なしでは持ち上げられない。
これからは金剛力は何があっても――使い切らないようにしないと。
「――はイ。でハ今後、私の工作用機械腕……千本ノ腕は大量に作り置きしておきマす――」
「(作り置きなんて、できたのか。それなら……細腕用の収納魔法具をつくって、寝床の下にでもしまって置くのは、どうかな?)」
「――それハ良い考えデす。たっタ一日、金剛力が使用できなかっただケで、巡り巡ってギルドヲ全壊させてしまいましたかラね――」
うん。二度とないように――――強いヤツに、近寄らないようにも気をつけよう。
「やってますわね、シガミー」
かざり気のない質素な狐耳兜を頭にのせた、姫さんがやってきた。
「(言ってるそばから、来ちゃったなー)」
「――けレど、帯剣していマせんし……基礎工事作業ノ陣頭指揮ヲ取るつもりのよウです――」
「(陣頭指揮っていうと)……棟梁か?」
「当寮? いいえ、ココに建てるのは、変異種の襲撃にも対応できる――〝決戦型冒険者ギルド〟ですのよ? 当家使用人の、生活寮ではありませんわ?」
「決戦型!? なにそれ、超おもしろそー♪」
「超おもしろいわよー……〝超〟ってなんだかわかりませんけれど。けどシガミーも昨日、設計会議に顔を出してたじゃない?」
「ごめん、途中で寝ちゃった」
夜間作業も、天狗か烏天狗の格好でしてる。
いまだって気を抜くと、すぐに眠れる自信がある。
「まったく、しょうがないですわね。当家使用人の生活寮ではありませんけれど、町民全員が避難できるシェルターを建築する予定ですわ」
四依流他?
「――シェルたーでス……地中ノ安全な隠レ家のことデす――」
あー、だからこんなに大きな穴が、必要だったのか。
ジンライが空けた、大穴をのぞきこむ。
落ちたら死ぬくらいには、深さがある。
「リカるル、棟梁というノはシガミーの国ノ職業で、建築作業員のノ頭領……現場監督のこトです」
便利棒がふわぁーりと、現場監督によっていく。
「それって、つまり――将軍ってことね? 私にふさわしいヒ・ビ・キ♪」
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