滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~

スサノワ

文字の大きさ
上 下
128 / 740
2:カブキーフェスタへの道

128:龍脈の棟梁(シガミー)、ギルド支部建築開始

しおりを挟む
「――あるぇー、すぇっかくぅ面白おもしろぉそぉなはなしぉー、真っさきぃにおしえてぇー・あ・げ・た・の・にぃぃー? 反応はんのーうすくなーぃ?――」
 梅干うめぼの小ささサイズでもわかる――じとりとした、目つき。

 だい大人おとながそんなかおをしてると――たとえソレが大恩だいおんがあるかみでも、イラつかせられるところだけど、この和菓子わがしみたいなちいささだと――ソコまでは気にならない。
 五百乃大角いおのはらは、この和菓子うめぼし御神体ごしんたいのカラダが――似合にあってる気がする。

 ふぉ♪
『>たいへん興味深いですよ、イオノファラー』

 ビードロ(小)の上端うえはじ
 文字もじが出たけど、これは――迅雷ジンライがイオノファラーにした……返事へんじだな。
 一瞬いっしゅん、こんなものいらねっておもったけど――まてよ?

 迅雷ジンライからの念話ないしょばなしは、文字コレをつかえば時間じかんを取られなくて、良くね?
 あとでためそう。五百乃大角いおのはらほどじゃなくても、〝便利棒ジンライ〟はもっとうまく使つかえるはずだ。
 シガミーぼくだってもう、何ヶ月なんかげつ迅雷ジンライ使つかってるんだからな。

「じゃあ、また面白おもしろはなしがあったら聞かせてよ。そろそろ、仕事しごとにもどらないと……」
 ことあるごとにわすれるけど、コレでもぼくに来世らいせをくれた、ありがたいかみさんだからな。
 朝夕あさゆうひまなときにでも、はなしがあるなら聞いてやろう。
 いまは、レイダやリオの手前てまえ真面目まじめ仕事しごとをやらないといけない。

「――そうねぇー。あとわぁー、たいしておもしろぉいおはなしは、なぁいーわねぇー。避雷針ひらいしんがわりの兎角つのからひく導線ケーブルのぉー反対側はんたいがわにわぁー、普通ふつう女神像めがみぞうとかぁメイン金庫きんこのぉーシステム筐体きょうたいがぁー接続せつぞくぅされるだけぇだぁしぃー――」

 ふぉ♪
『>たいへん興味深いですよ、イオノファラー』
「(うん、興味深きょうみぶかいな)――じゃ、行くね」

「――無理むりしてあいづちを打ってくれなくてぇもー、いーわよぉうーだっ! 最後さいご一応報告いちおうほうこくだけ――〝ギルド支部しぶ主回路メインサーキット〟にれいのおたかい〝マナ宝石ほうせき〟を組み込みます、以上いじょう!――」

『>ナ、なんだっテぇー!?』
 え? なにおどろいてんの、迅雷ジンライクン。
 まったく、いい宛鋳符悪党アーティファクト〟がみっともないよ。

   §

 ギルド支部しぶ建設予定地けんせつよていちに――――すここここ、すぽぉん♪
 迅雷ジンライ大穴おおあなを空ける。

 野次馬やじうまたちから、歓声かんせいがあがった。
 ヒュゴォォォォォォォォォッ――――ながれ込むかぜ
 野次馬やじうまたちが、張っておいた荒縄あらなわにしがみつく。

 たしかにこれは、すごく迫力はくりょくがある。
 この何倍なんばいおおきなあなを、七天抜刀根術じぶんのわざで空けてなかったら、ぼくだっておどろいただろう。
 そういえば、あの大穴おおあなは――どうしたんだっけ?

「――あのままデす。イま掘ったつチデ埋メることも出来デきますが、どうしましょウか?――」
 そうだなあ。危険きけんもりちかづくひとも居ないだろうけど、よし、今夜こんや埋めに行こう。

 ぼくは、背中せなかの〝収納魔法具しゅうのうまほうぐばこ〟をしっかりと背負しょいなおした。
 てつ出来できた、このソコソコのおおきさのはこは――なかに入れた〝収納魔法具しゅうのうまほうぐ〟の〝大きさ・・・〟を〝ひとまとめに・・・・・・〟することが出来できる。

 相当そうとうおおきなもの仕舞しまえるけど、じつはソコソコおもくて、金剛力こんごうりきなしでは持ち上げられない。
 これからは金剛力こんごうりきなにがあっても――使い切らないように・・・・・・・・・しないと。

「――はイ。でハ今後こンごわたシ工作用機械腕プロダクト・アーム……千本せんぼンかいな大量たいりょウつクり置きしておきマす――」
「(つくり置きなんて、できたのか。それなら……細腕かいなよう収納魔法具しゅうのうまほうぐをつくって、寝床ねどこしたにでもしまって置くのは、どうかな?)」

「――それハ良いかンがえデす。たっタ一日いチにち金剛力こんごうりキ使用しよウできなかっただケで、めぐめぐってギルドヲ全壊ぜんかイさせてしまいましたかラね――」
 うん。二度にどとないように――――つよいヤツに、近寄ちかよらないようにも気をつけよう。

「やってますわね、シガミー」
 かざり気のない質素しっそ狐耳兜かぶとあたまにのせた、姫さんリカルルがやってきた。

「(言ってるそばから、来ちゃったなー)」
「――けレど、帯剣たいけンしていマせんし……基礎工事きそこうじ作業さぎょウ陣頭指揮じんとうしキヲ取るつもりのよウです――」

「(陣頭指揮じんとうしきっていうと)……棟梁とうりょうか?」
当寮とうりょう? いいえ、ココに建てるのは、変異種バリアント襲撃しゅうげきにも対応たいおうできる――〝決戦型けっせんがた冒険者ぼうけんしゃギルド〟ですのよ? 当家使用人とうけしようにんの、生活寮せいかつりょうではありませんわ?」

決戦型けっせんがた!? なにそれ、ちょうおもしろそー♪」
ちょうおもしろいわよー……〝ちょう〟ってなんだかわかりませんけれど。けどシガミーも昨日きのう設計会議せっけいかいぎかおを出してたじゃない?」

「ごめん、途中とちゅうで寝ちゃった」
 夜間作業やかんさぎょうも、天狗てんぐ烏天狗からすてんぐ格好すがたでしてる。
 いまだって気を抜くと、すぐにねむれる自信しじんがある。

「まったく、しょうがないですわね。当家使用人とうけしようにん生活寮せいかつりょうではありませんけれど、町民ちょうみん全員せんいん避難ひなんできるシェルターを建築けんちくする予定よていですわ」
 四依流他シエルタ
「――シェルたーでス……地中ちちゅウ安全あんぜンかクのことデす――」
 あー、だからこんなにおおききなあなが、必要ひつようだったのか。
 ジンライが空けた、大穴おおあなをのぞきこむ。
 落ちたら死ぬくらいには、ふかさがある。

「リカるル、棟梁とウりょうというノはシガミーのクに職業しょクぎょうで、建築作業員けんちくサぎょういんのノ頭領かシら……現場監督げんばかんとくのこトです」
 便利棒ジンライがふわぁーりと、現場監督リカルルによっていく。

「それって、つまり――将軍ジェネラルってことね? わたくしにふさわしいヒ・ビ・キ♪」
 あんまりうしろに、ふんぞりかえると――落ちるよ?
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

俺だけ2つスキルを持っていたので異端認定されました

七鳳
ファンタジー
いいね&お気に入り登録&感想頂けると励みになります。 世界には生まれた瞬間に 「1人1つのオリジナルスキル」 が与えられる。 それが、この世界の 絶対のルール だった。 そんな中で主人公だけがスキルを2つ持ってしまっていた。 異端認定された主人公は様々な苦難を乗り越えながら、世界に復讐を決意する。 ※1話毎の文字数少なめで、不定期で更新の予定です。

闇の錬金術師と三毛猫 ~全種類のポーションが製造可能になったので猫と共にお店でスローライフします~

桜井正宗
ファンタジー
Cランクの平凡な錬金術師・カイリは、宮廷錬金術師に憧れていた。 技術を磨くために大手ギルドに所属。 半年経つとギルドマスターから追放を言い渡された。 理由は、ポーションがまずくて回復力がないからだった。 孤独になったカイリは絶望の中で三毛猫・ヴァルハラと出会う。人語を話す不思議な猫だった。力を与えられ闇の錬金術師に生まれ変わった。 全種類のポーションが製造可能になってしまったのだ。 その力を活かしてお店を開くと、最高のポーションだと国中に広まった。ポーションは飛ぶように売れ、いつの間にかお金持ちに……! その噂を聞きつけた元ギルドも、もう一度やり直さないかとやって来るが――もう遅かった。 カイリは様々なポーションを製造して成り上がっていくのだった。 三毛猫と共に人生の勝ち組へ...!

悪徳貴族の、イメージ改善、慈善事業

ウィリアム・ブロック
ファンタジー
現代日本から死亡したラスティは貴族に転生する。しかしその世界では貴族はあんまり良く思われていなかった。なのでノブリス・オブリージュを徹底させて、貴族のイメージ改善を目指すのだった。

この争いの絶えない世界で ~魔王になって平和の為に戦いますR

ばたっちゅ
ファンタジー
相和義輝(あいわよしき)は新たな魔王として現代から召喚される。 だがその世界は、世界の殆どを支配した人類が、僅かに残る魔族を滅ぼす戦いを始めていた。 無為に死に逝く人間達、荒廃する自然……こんな無駄な争いは止めなければいけない。だが人類にもまた、戦うべき理由と、戦いを止められない事情があった。 人類を会話のテーブルまで引っ張り出すには、結局戦争に勝利するしかない。 だが魔王として用意された力は、死を予感する力と全ての文字と言葉を理解する力のみ。 自分一人の力で戦う事は出来ないが、強力な魔人や個性豊かな魔族たちの力を借りて戦う事を決意する。 殺戮の果てに、互いが共存する未来があると信じて。

実はスライムって最強なんだよ?初期ステータスが低すぎてレベルアップが出来ないだけ…

小桃
ファンタジー
 商業高校へ通う女子高校生一条 遥は通学時に仔犬が車に轢かれそうになった所を助けようとして車に轢かれ死亡する。この行動に獣の神は心を打たれ、彼女を転生させようとする。遥は獣の神より転生を打診され5つの希望を叶えると言われたので、希望を伝える。 1.最強になれる種族 2.無限収納 3.変幻自在 4.並列思考 5.スキルコピー  5つの希望を叶えられ遥は新たな世界へ転生する、その姿はスライムだった…最強になる種族で転生したはずなのにスライムに…遥はスライムとしてどう生きていくのか?スライムに転生した少女の物語が始まるのであった。

痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~

ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。 食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。 最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。 それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。 ※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。 カクヨムで先行投稿中!

スター・スフィア-異世界冒険はお喋り宝石と共に-

黒河ハル
ファンタジー
——1つの星に1つの世界、1つの宙《そら》に無数の冒険—— 帰り道に拾った蒼い石がなんか光りだして、なんか異世界に飛ばされた…。 しかもその石、喋るし、消えるし、食べるしでもう意味わからん! そんな俺の気持ちなどおかまいなしに、突然黒いドラゴンが襲ってきて—— 不思議な力を持った宝石たちを巡る、異世界『転移』物語! 星の命運を掛けた壮大なSFファンタジー!

処理中です...