滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~

スサノワ

文字の大きさ
上 下
108 / 741
1:輪廻転生、おいでませガムラン町

108:烏天狗(シガミー)、ケモ耳バンダナを開発しよう

しおりを挟む
「できた――けどこれだと耳穴みみあなが空いてるから、ふゆとか……さむくないかな」

「さむいけど獣人向じゅうじんむけのバンダナは、そういうものだコン」
みみのかたちは種族しゅぞくによってちがうニャ。だから種族向しゅぞくむけの帽子ぼうしかぶとは、すこしおたかくなるニャ」

「――汎用性はんよウせいが無いモのは買い手ガかギられルため、価格かかク反映はんエいさレます――」
 あキないのはナしってやつだね。

汎用性はんようせい……だれにでも使つかえるバンダナ。ルコルとニャミカはみみ場所ばしょが……ちがう」
「――どうしマしたか、シガみー?――」

「(うんっとねー。いろんなヤツ……いろんなひと使つかえるものでしょ? なんかやり方がありそうでさ」
 それこそ着物きものだって一本いっぽん反物たんものから出来できてるわけだしさ。

「――なニかおモいつキましたか?――」
「(いろんなくびふとさのひと着物きものをちゃんと着られるのは、ひらいたかたち着物きものあわせ方・・・・加減かげんしてるからでさ)」
「――そうデすね――」

「(だからさ、〝けものみみ〟を着物きものを着るひとの〝〟に、見立てられないか・・・・・・・・なと)」
「――なルほど。もト出身しゅっシんなラではの発想はっソうでス。シガみー――」

「(けど、おびはどうしようか? ほそ黒布ぬのを切ってつくっても良いけど)」
「――つマり、空イた耳穴みミあな着物きモのの〝エり〟ヲ、付けタいわけですよね……デはみミうシろニめンスる部分ぶブんエりを縫いつケて――」

 ふぉふぉふぉふぉん♪
 ルコルとニャミカのまえよこかおが、ビードロにあらわれた。
 ヴュューーッ。
 大写おおうつしにされるひたりのみみ
 ふぉん♪
 黄色きいろせんが、バンダナの絵を描いて、狐耳きつねみみかさなる。
 ふぉふぉん♪
 たぶん〝えり〟をあらわす絵が描かれて――

「(やたらとふとおにつのみたいに、なっちゃったけど――)」
 バンダナの両端りょうはじをしばるときに、なが襟先えりさき一緒いっしょにしばるかんじじにすると、縫い閉じてない耳穴みみあな綺麗きれいにふさがる。

 ふぉふぉふぉん♪
 おなじかたちが、猫耳ねこみみがわにもあらわれ、きゅっとしぼられた。
「――こうシてひク位置いチでバンダナを締めレば、猫族ねコぞくにモ対応たいオうでキます――」

 バンダナにながめの〝耳襟みみえり〟を乗せた。
「これを修復しゅうふくでつなぎ合わせて、スキルで補強ほきょうする」
 ポォウ――♪
 一瞬いっしゅんひかるバンダナ。開いた耳穴あなから魔法の神髄ひかりのすじがニュルンと生えた。
 生えたソレ・・先端さきを、左右さゆうにに振りはじめた。

「――縫い合わせタい箇所かシょは、念話ねンわ要領よウりょう指示しジしてください――」
 ぼくがあたまなかかんがえるだけなら、ルコルの護身術ごしんじゅつ刺激しげきすることはない。

 縫って欲しいところに先端さきがきたときに「ソコのふちを〝置いた感じのまま〟、したのあなの〝ふちに〟縫い付けてくれる?」
 そう〝ソコ〟。あと反対側はんたいがわも、〝おなじかんじ〟でたのむよ。

 境目さかいめを縫いあわせるように、光の筋それがものすごいはやさでうごめく。
 ぱぁぁ――ひかりがつよくなって消えた。

 ことん――長机テーブル黒筆くろふでがおかれる。

「ルコルはなにか、好きながらは有るかい?」
 
がら? じゃあもちろんキツネが良いコォォン♪」
 きつねね。はいはい。

『狐』
 さらり。
「――達筆たっピつでスね、シガみー――」
「(おう、おれぁ坊主ぼうずでぇ――だったからね)」

 字を書くだけじゃげいがないから全体ぜんたいすがたを、いつだかどこかのまつりでみたきつねめんに似せて描いた。

「よしできたっ!」
 コォォォォォン!
 即座そくざ強奪ごうだつされ、あたまに巻かれるバンダナ。

「ニャぁにその、素敵すてきニャ模様もよう!? ず・る・いっ!」
 ニョキン♪
 つめを伸ばし、また店主ルコルのバンダナを、ぶんどろうとする店員ニャミカ

「すぐ、もう一個いっこつくるよ。ニャミカはなんのがらが――」
「ネコニャ♪」
 はずした黒手くろてぬぐいを、やわらかいネコ手でムギュギュと押しつけられた。

『猫』
 すらり。
「――またも達筆たっピつでスね、シガみー――」
「(えへへ、ぼくは坊主ぼうずだったからねー)」
 こっちはねこ根付ねつけみたいな、まるっこいかたちに書いてみた。

「コォォォォォォォォン! なんだか元気げんきが、わいてくるコォォォォォン!」
 さわがしいけど大人おとなしい、ルコルのこえがうるさい。
「ど、どうしたの!?」
「――シガみー、上級鑑定じょうキゅうかんていを――」
 しめしめフヒヒ。悪い顔で狐耳ルコルを見た。

 ――――ぽこん♪
 空中ちゅう文字もじが書かれたいたが、あらわれる。

『ケモ耳バンダナ【鈍い黒色・狐】
 防御力22。獣人向けの頭部防具。
 追加効果/LUK+20
 条件効果/【狐】族の血により最大で100%自然回復力がUP』

「(筆書ふデがきノ文字もジが、効果こウか発揮はっキしてしまったヨうです)」

「フッギャァァァァッ! みぎおなじく、血がたぎるニャァァァァッ!」

「…………」「――――」
 しめしめ、うっひっひ――――ぽこん♪

『ケモ耳バンダナ【鈍い黒色・猫】
 防御力22。獣人向けの頭部防具。
 追加効果/LUK+20
 条件効果/【猫】族の血により最大で100%自然回復力がUP』

「…………まあ、装備そうびできたから、良いよね?」
「――はイ、上出来じょうデきでス。シガみー――」

ーーー
反物/一反(成人一人分)に仕上げた織物。長くて丸まってる。
根付/物が落ちないように紐端に付ける細工。ストラップ。キーホルダー。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!

ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく  高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。  高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。  しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。  召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。 ※カクヨムでも連載しています

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

月が導く異世界道中

あずみ 圭
ファンタジー
 月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。  真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。  彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜人、そしてヒューマンと魔族の戦争、次々に真は事件に関わっていく。  これはそんな真と、彼を慕う(基本人外の)者達の異世界道中物語。  漫遊編始めました。  外伝的何かとして「月が導く異世界道中extra」も投稿しています。

異世界でネットショッピングをして商いをしました。

ss
ファンタジー
異世界に飛ばされた主人公、アキラが使えたスキルは「ネットショッピング」だった。 それは、地球の物を買えるというスキルだった。アキラはこれを駆使して異世界で荒稼ぎする。 これはそんなアキラの爽快で時には苦難ありの異世界生活の一端である。(ハーレムはないよ) よければお気に入り、感想よろしくお願いしますm(_ _)m hotランキング23位(18日11時時点) 本当にありがとうございます 誤字指摘などありがとうございます!スキルの「作者の権限」で直していこうと思いますが、発動条件がたくさんあるので直すのに時間がかかりますので気長にお待ちください。

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる

十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

少年神官系勇者―異世界から帰還する―

mono-zo
ファンタジー
幼くして異世界に消えた主人公、帰ってきたがそこは日本、家なし・金なし・免許なし・職歴なし・常識なし・そもそも未成年、無い無い尽くしでどう生きる? 別サイトにて無名から投稿開始して100日以内に100万PV達成感謝✨ この作品は「カクヨム」にも掲載しています。(先行) この作品は「小説家になろう」にも掲載しています。 この作品は「ノベルアップ+」にも掲載しています。 この作品は「エブリスタ」にも掲載しています。 この作品は「pixiv」にも掲載しています。

貴族家三男の成り上がりライフ 生まれてすぐに人外認定された少年は異世界を満喫する

美原風香
ファンタジー
「残念ながらあなたはお亡くなりになりました」 御山聖夜はトラックに轢かれそうになった少女を助け、代わりに死んでしまう。しかし、聖夜の心の内の一言を聴いた女神から気に入られ、多くの能力を貰って異世界へ転生した。 ーけれども、彼は知らなかった。数多の神から愛された彼は生まれた時点で人外の能力を持っていたことを。表では貴族として、裏では神々の使徒として、異世界のヒエラルキーを駆け上っていく!これは生まれてすぐに人外認定された少年の最強に無双していく、そんなお話。 ✳︎不定期更新です。 21/12/17 1巻発売! 22/05/25 2巻発売! コミカライズ決定! 20/11/19 HOTランキング1位 ありがとうございます!

処理中です...