滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~

スサノワ

文字の大きさ
上 下
54 / 740
1:輪廻転生、おいでませガムラン町

54:冒険者パーティー『シガミー御一行様』、ぶった切るしくみ

しおりを挟む
装備用そうビよう小型空間こがタくうかんストレージを開発かイはつ……収納魔法具しゅうノうまほうぐをツくりました」
 ふぉん♪
『>運搬中
 >2秒後に両手首にお届けします』

 あたまの後ろジンライから、首肩腕くびかたうでときて肘手首ひじてくび
 なんかきたぞ。
 気配けはいをかわしながら、両手りょうてを見る。

 カシャカシャ――キュキュィ。
 手首てくびから伸びた細腕かいなが、ひかるものを差しだした。
 それは子供おれゆびに、ちょうどはまりそうなちいさな銀輪ぎんりん

 中指なかゆび装着そうちゃく――して――くだ――さ――――ごぉぉぉぉぉっぉぉっ!
「なんだってぇ――かぜでよく聞こえねえ!」

 だっだっだだっだっだ、ずだだだだだだっだっ!
 ―――ィィイッ――ィィイッ――ィィイッ――ィィイィィィィィンッ!

 ひめさんの切る気配けはいが、止まらなくなった。
 それをけつづけるおれは、まるで台風たいふうだ。

 じんらいふるえ、みみにさわる感触かんしょく――すぽん♪
 そとおとが聞こえなくなった。

『Canal-type_NoiseCanceller
 >アイテムを一件、作成しました』
 わからん。

「カナルがたノイズキャンセラー……こえだけが聞こえる耳栓みみせんでス。これで風音かざオと邪魔じゃまされずにはなしがでキます」
 みみがふさがれてんのに、迅雷ジンライこえがはっきり聞こえる。
 これはあたまんなかひびく、いつもの内緒話みつだんでもねえ。

ゆびにそノ指輪ゆビわを付けテください」
 ゆびげたら――ギュッ――細腕かいな勝手かってゆびにはめた。

 ぎゅぎゅ、ぱ。
 にぎったかんじ、小太刀いあい錫杖こんじゅつ邪魔じゃまにはならねえが。

「こいつぁなんにつかう?」

武器ぶきをひトつ格納かくノうできまス」
 うん? まあつかえるっちゃつかえるか。
 いざってときに迅雷ジンライだのみ、ばっかりだとやべえかもしんねえしな。

最大容量ペイロードは1シガミーと少量しょうりょうですが、わたしの〝こわれたものをなおして取りだす機能きのう〟がつかえます」
 兵牢弩ぺいろうど、いちシガミー、わからんが――

「――さっき細切こまぎれにされた錫杖しゃくじょうが、これでもなおんのか?」
「はい、可能かのうでス。リカルル・リ・コントゥル攻略こうりャく必要ひつヨうになりマすので、回収かイしゅうかってくダさい」

   §

「じゃ、さっきのつづきだ――そもさん」
 だっだっ、ずだだだだっ――――ィィイィンィイィン!

説破せっパです、シガみー」
ひめさんの〝見えねえ切っさき〟は――どこにかくしてんだ?」

電磁でンじメタマテリアルにヨる、可視光かしこうウ改竄かいざんでス」
「ぅぬん?」
 常世とこよの……神仏おまえら世界せかいのもんは、まずわからん。

「――かくみので、手元てモとをかクしていると、おかんがえくダさい」
 わかった。

 〝かまえ〟が見えねえ・・・・しくみはわかった。
 わからねえことは、わからなくていい。
 つかい方を知るのに、いちおうの理屈ことわりだけは聞いとく。

「いやまて、なら……姿すがたまるごとかくしたほうが、よかねえか?」

攻撃対象こうげきたいシょうを〝光学的こうがくテき〟にトらえないと、攻撃こうげキができないよウです」
「ぬぬん?」

「〝魔眼まがンち〟と、おかんがえくダさい」
 わかった。
 リオレイニアの〝仮面かめん〟ときつねめん
 あれにも〝そとが見える〟機能しくみがついてんだろう。
 仮面きつねめんの〝魔眼〟で〝見て〟、〝見た場所ばしょ〟を、〝ぶった切ってる〟わけだ。

 かくみののちからで、ひめさんの姿すがたは、レイダたちには見えてねえ。
 けど、標的ひょうてきのおれと迅雷ジンライには、甲冑姿すがたさらさねえといけねえ。
 とりあえずわかった。

 ピッ♪
 おとがしたを見たら、レイダたちをあらわす縁取ふちどりがちかづいてきてる。

「どうする、これ以上いじょう時間ときはかけられねえ。いったんもりなかにでもにげるか、金剛力こんごうりきがありゃ――――」

行動予測こうどうヨそくによレばもりはいっタ場合ばあい、96%の確率かクりつでレイダとリオレイニアが、わたしたチを追従ついジゅうしまス。とてモ危険きけんです」

「だめか。錫杖しゃくじょうひろうぞ」
「〝灯りの魔法ひかりのタまの〝あかり〟ヲ指輪ゆびワに使ってくだサい」
 カカカカカッシュ――がここん♪
 はしりけざま、右手みぎて地面じめんぐ。

 ヴ♪
 かすかなふるえ――ぱしん!
 よし、切られたかたななんかを、おれひとりでも、もとにもどせるようになった。
 これでいくら切られても平気へいきだ――――くるくるくる、すげえかりぃ。

「リカルルの攻撃こうげキにヨり切断面せつだんめん消失しょうしつすルため、ジンライこう質量しつりょウ――目方めかた目張めべりしテいます」
 なおさら、いそがねえと。

「そういや、さっきから、右上みぎうえでひかってんのはなんだ?」
 まるかったのがけて、しぼんですりってた。
 あおかがいてたのが、血の色をおびてきてる。

わたくのバッテリーメーター……のこりの神力しんりょくです」
「どれだけ持つ」

全力稼働ぜンりょくかどうで2分。節約せつやくすレば10分じゃク
 切っても切られても、十分じゅっぷんでけりがつく。

   §

 ――――ィィィッィィィイイイィィィィイイィィィィン!
 どんっどんまされてくな――――ねらいがここまで正確せいかくになると、けるのは簡単らくで――――

「――――っとぉわったたたあっ!」
 たてだ!

 水平よこになぎはらうだけだった、ぶった切り。
 それがたてにきた。

 いままでは余波あおりをくらってへこんでた地面じめんが――――ズァァァァァァバキバキ、ゴバァァァァァァァァァァァァァッ!!!
 地を衝撃しょうげき一直線いっちょくせんにせまる!

 からだをくるりとまわし、紙一重かみひとえける。
 あぶねえ、もしうえんでたら、お陀仏だぶつだった。

 ヴュパパ♪
 ひめさんの甲冑姿かっちゅうすがたがビードロに、おおきくうつしだされる。

 ひめさんのからだが、真横まよこにひんまががってた。
 仁王立におうだちのまま、こしを〝く〟の字にしてる。

 〝魔眼で見たまま・・・・・・・〟、たてに切ってるわけだ。

「はははっ――くるしくねえのか?」
 甲冑かっちゅうががんじがらめなのは、来世ここでも変わらねえだろ。
 むこうもれて、なりふりかまわなくなってきてる。

「で、あの〝ぃぃぃぃーん〟ってやつをつらぬくのは、どうすりゃいい?」

「はイ、〝ィィィィーン〟は可視光かしコう通信つうしんによル魔術まじゅつ行使こウしデ――」
 わからん、説明せつめー

 びーどろにうつ甲冑姿ひめさん
 ヴュ♪
 その狐面かおわくで切りとられて、大写おおうつしになった。
 ヴュパ♪
 めんのしたのつらがあらわになる。

めんのなかも見れんのか?」
「こレは記録きろく映像エいぞうかラ類推るいすいしタ合成ごうせイ……でス」
 か、わかった。

 ヴュゥゥー♪
 あでやかなひとみが、おおうつしになった。

 ひめさんのひとみには、草原そうげんをはしる小猿こざるうつりこんで――――こりゃおれか!

 ――――ィィィィィッィイイィィインッ!
 うつ景色けしきぶった切るように・・・・・・・・、ひかりのすじ水平よこはしる。
 魔法まほう神髄しんずい……魔法まほうをつかうのに必要ひつような、ひかりの輪。あれとおなひかりだ。

ひとみの中ノ光線こうせんで、対象物たいシょうぶつせんをヒく。その距離きょり一定以上いっていイじょうをこエると発動はつどうすル高位こうい魔術まじゅつデす」

ーーー
ストレージ/倉庫。PCの記憶装置。
ノイズキャンセラー/周囲の騒音とは逆位相の音波を出し、無効化するしくみ。
1シガミー/破戒僧猪蟹が来世で受肉した姿、その一個分を表す単位。
電磁メタマテリアル/負の屈折率を持つ人造構造体。波長を操り透過や遮蔽が可能になるとされている。
魔眼/邪眼。見ることで呪う視線や魔術。
可視光通信/可視光線帯域を利用した無線通信。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

14歳までレベル1..なので1ルークなんて言われていました。だけど何でかスキルが自由に得られるので製作系スキルで楽して暮らしたいと思います

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕はルーク 普通の人は15歳までに3~5レベルになるはずなのに僕は14歳で1のまま、なので村の同い年のジグとザグにはいじめられてました。 だけど15歳の恩恵の儀で自分のスキルカードを得て人生が一転していきました。 洗濯しか取り柄のなかった僕が何とか楽して暮らしていきます。 ------ この子のおかげで作家デビューできました ありがとうルーク、いつか日の目を見れればいいのですが

半神の守護者

ぴっさま
ファンタジー
ロッドは何の力も無い少年だったが、異世界の創造神の血縁者だった。 超能力を手に入れたロッドは前世のペット、忠実な従者をお供に世界の守護者として邪神に立ち向かう。 〜概要〜 臨時パーティーにオークの群れの中に取り残されたロッドは、不思議な生き物に助けられこの世界の神と出会う。 実は神の遠い血縁者でこの世界の守護を頼まれたロッドは承諾し、通常では得られない超能力を得る。 そして魂の絆で結ばれたユニークモンスターのペット、従者のホムンクルスの少女を供にした旅が始まる。 ■注記 本作品のメインはファンタジー世界においての超能力の行使になります。 他サイトにも投稿中

月が導く異世界道中

あずみ 圭
ファンタジー
 月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。  真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。  彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜人、そしてヒューマンと魔族の戦争、次々に真は事件に関わっていく。  これはそんな真と、彼を慕う(基本人外の)者達の異世界道中物語。  漫遊編始めました。  外伝的何かとして「月が導く異世界道中extra」も投稿しています。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

処理中です...