滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~

スサノワ

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1:輪廻転生、おいでませガムラン町

39:魔剣イヤーイ使い(幼女)、物置小屋をもらう

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「よくみてんな、さすがは、あの・・ギルド長のむすめだぜ」
あの・・……?」
「なんでもねえ。なんか書いてあんな……えーっと」


『主』

「よめないわね。これはかみくに言葉ことばかしら?」
「見たことない文字もじ……お父さんがよろこびそう!」

「そいつはおれが、もと居たところのだ。『あるじ』って書いてある」
「シガミーのくに言葉ことば? 記憶きおくがないってはなしだったんじゃ……」
 ほらみろ、迅雷ジンライ。さっそくぼろがでたぞ。はやくおきろよ。

「〝あるじ〟って、どういう意味いみ?」
 ひっつくなレイダ、うでいてえ。

「〝主人しゅじん〟とか〝真ん中の〟って意味いみだ」
意味いみかわらない・・・・・のね」


『電』

「こっちは、なんてかいてあるのかしら?」
「『いなづま』だ。」
「〝かみなり〟ってこと?」


『源』

「さいごのは『みなもと』だ。川のみずが、わきでるって意味いみだ」

「真ん中で……カミナリが……湧き出る……?」
「どういう意味いみなの? シガミー」

「おれに聞かれてもよ……カミナリ? あ、そういや迅雷ジンライめし・・がカミナリだ・・・・・・ってんで、あの物置ものおき小屋ごやを使わせてもらいたかったんだよなぁー」

 ――――べちっ!
「いってえ!」
「シガミーのおばか!」
 突然とつぜんレイダに脳天のうてんたたかれた!

「それをはやく、お言いなさい。まったくもう!」
 そして狐耳ひめさんに、独古杵ジンライをひったくられた。

   §

AOSエーオーエス再起動リブートしまシた。リンク確立かくりつまで11びょうお待ちくダさい。」

「お、息を吹きかえしたぞ!」
 ここは、冒険者ぼうけんしゃ登録とうろくんときに来た、ギルドのほそい通路つうろのどんづまり。

 はこを持った女神像めがみぞう
 そのせなかがわにあるはこ

「リンク確立かくりツまで7びょうお待ちくだサい。」
 フタを開いたそこに入れられた独古杵ジンライが、うわごとをくりかえしてる。

「まったくもう! シガミーは、いろんなことができるのに――何にも知らないんだから!」
 おかんむりのレイダが、おれをなじる。

 レイダにたたかれ、狐耳ひめさん独古杵ジンライを取られたときは何ごとかと思った。
 この女神像めがみぞうは、冒険者ぼうけんしゃ登録とうろくだけでなく、〝宛鋳符悪党ア-ティファクト〟にめしを食わせることも、できるんだそうだ。

 さすがは〝めしかみ〟だけのことはあるな。

「チチピッ――リンク確立かくりツしマしタ。おハよウごザいマす~、シガミー」
 ヴッ――――ふわぁ。
 迅雷ジンライはこからでてきた。

「(ごようはございませんか?)」
「(なんでぇ、はらすかせてただけかよ)」
「おどかすなってんだ。ちゃんとめし食えたか?」

「ばか! 笑いごとじゃないよ、シガミー。アーティファクトは神力しんりょく補充ほじゅうしないとうごかなくなっちゃうんだから!」

神力しんりょく?」
「カミナリはかみがおあたえになる試練しれん。それを神力しんりょくというのよ」
 狐耳ひめさんが組んだ手を、自分じぶんたかはなしあてた。

「(カミナリによる充電じゅうでん……ギルド長の眼鏡めがねなどのエネルギー供給きょうきゅう……食事しょくじを、そうよんでいるようです)」
「(眼鏡めがねもめしをくうのか……だから、レイダもそのへんのことがくわしかったんだな。納得なっとくだ)」

「いえ、コレはわたくしたちが、気をつけてあげるべきでしたわね。シガミーちゃんは記憶きおくがあいまいなんだし……」
 狐耳ひめさんが、おれのあたまを執拗しつようになでる。
 やめろ、ガキじゃねーんだ!

 ――――しゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ~ぷすん♪
外部がいぶ電源でんげんへの供給きょうきゅう過多かたにより、主回路メインサーキット電圧でんあつ低下ていかしていマ~ブッツン!」

「「「わっ!」」」
 とつぜん女神像めがみぞうが、とち狂った声(五百乃大角いおのはらの声)をだしやがった。

「あらいけない、こわしちゃったかしら?」
 オロオロする狐耳きつねみみ
 あんまりカミナリ仕掛じかけに、くわしくはなさそうだ。

迅雷ジンライ~?」

問題もんだいありまセん。わたくしへの神力しんりょく大量たいりょう供給きょうきゅうしタタめ、一時的いちじてき女神像めがみぞウサービスを停止ていししタダけです」

「わからん……なおんのか?」
「はい。ガムラン町の落雷らくらイ頻度ひんどかラ算出さンしゅつ……神力しんりょく回復かいふく一週間いっシゅうカん……七日程度なのかてイどでモとにもどりまス」

一週間いっしゅうかん……そのくらいなら平気へいきよ~。新規しんき冒険者ぼうけんしゃ登録とうろくする人なんて、めったに居ないし~♪」
 胸をなで下ろす藩主はんしゅむすめ

「リカルルさぁん。それ・・ぜんぜん良くないんですけどぉー? それに本日午後ほんじつごごから、お仕事しごとたのんでありましたよねぇー!?」
 狐耳ひめさん背後はいご鬼娘おにっていた。

   §

『ガムラン町における次の一区画を、
 定住冒険者 シガミー● へ譲渡するものなり。
 リカルル・リ・コントゥル■

┌─┐    └───┐
├┐├──┐    ┌┘
├┴┴┐ │    └┐
┤  ├─┴─┐   └┐
├──┴───┘    │
┴─┐     ┏┯┓ │
──┴┐    ┗┷┛┌┘
   │   ┌───┘
───┴───┘』

 あつめのしっかりとしたかみには、そう書かれているらしい。

 おれの名前なまえのよこには、おれの血判けっぱん
 狐耳ひめさん名前なまえのよこには、けんの柄の紋章もんしょう判子はんこがわりにしあてた。

 それは略式りゃくしきだが、あの物置ものおき小屋ごやのある小さな一画いっかくを、シガミーおれにくれるという書類かきつけだった。

ーーー
血判/血で押す判のこと。
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