滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~

スサノワ

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1:輪廻転生、おいでませガムラン町

11:転生幼女(破戒僧)、薬草師はオワコン?

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「あった、ありましたわ。これよこれ!」
 狐耳ひめさんが持ち出してきた一抱ひとかかえはある大きな書物しょもつ

薬草師やくそうし薬師くすしにおける下級職かきゅうしょく
 薬効やっこうのある植物全般しょくぶつぜんぱんの取り扱いにけた技能スキルゆうする。
 具体的ぐたいてきには、F級採取きゅうさいしゅクエストに特化とっか
 個人こじんで冒険者ギルド数店舗分すうてんぽぶん植物採取しょくぶつさいしゅ可能かのう
 薬師くすしやギルド関係者かんけいしゃからは重用ちょうようされるが実入みいりはすくなく、不遇職ふぐうしょく代名詞だいめいしと言われてひさしい。』

   §

「やい短い棒すだれ、どういうこったぁ!?」
 城壁じょうへきをでて森へ続く草原そうげんのあたり。
 機械腕きかいうで協力きょうりょくして、ヨモギみてえな草を手あたりしだいに刈りとっていく。

「(上位権限じょういけんげんにより非公開ひこうかいです)」

「おれぁ、まちがいなく『薬師くすし』の文字もじを押したからな!」

「(上位権限じょういけんげんにより非公開ひこうかいです)」

「まてよ、そんとき、『くすり』の文字もじと『』の文字もじの間になにか・・・はさまってた・・・・・・気が……しないでもねぇ」

「(上位権限じょういけんげんにより非公開ひこうかいです)」

「ちっ、マジ・・で〝五百乃大角いおのはら〟がらみか。ほかにも細工さいくしてねえだろうな?」
 機械腕すだれった薬草くさを、ふくろめる手を止めた。

 〝かあど〟をじっとみる。

薬草師やくそうし★★★★★ /状態異常無効/生産数最大/女神に加護』
 いっぱしの僧侶そうりょたのめば、病気びょうきどくもたちどころになおるってんなら、〝状態じょうたいなんたら〟はそこまでらなかったかもしれん。

 〝生産せいさんなんたら〟は、いま実際じっさい薬草やくそうってみている。

 問題もんだいは〝女神めがみ加護かご〟だ。
 あの女神めがみ本物ほんもの女神めがみだって事はわかった。

 惡神わるがみじゃねーと思いてえが、自分てめえがうまいめしを喰うためだけに、世界うつつ(とおれの体)を作ったと豪語するぬかすやつだ。

 考えかたに、致命的ちめいてき隔たりずれがありそうで、どうにも落ち着かねえ――――あった。
 あんじょうありやがった!

「なんだこりゃ! 女神〝〟になってんじゃねーか!」
「(上位権限じょういけんげんにより非公開ひこうかいです)」

「おい『女神加護』ってのぁ、どーいう意味いみだぁ!?」
 〝女神加護〟があればなにをしても、少しだけ良いことがあるって聞いたが――――女神〝〟加護って何だよ!
「(上位権限じょういけんげんにより非公開ひこうかいです)」

「(やいすだれ)」
「(なんでしょうか? マスター)」
「これ、どうやって持ってかえりゃいいんだ?」
 背後はいごを振り返れば、大量たいりょう大袋おおぶくろ

 ふくろのひとつひとつは、おれとおなじくれえの大きさ。
 それが、ガムラン町の城壁じょうへき(城はねえが)まで点在てんざいしている。

   §

「おかえりー! はやくない?」
「シガミーちゃぁぁぁぁ――――きゃぅぅんっ!」
 どさどさどさどさ、どっさどっさどささささぁぁぁぁっ!
 おれは後ろあたまいんてりげんすだれから、薬草が詰まった袋を取り出していく。

草原そうげん森林しんりんの入り口まで。くすりになるくさわぁ、あらかたりつくしたぜ?」
 大量たいりょうふくろはカウンターにるはずもない。

「収納系のアイテムなんて……持ってたのね」
 薬草をとっさにかわした鬼娘オルコが、おどろいている。

「(おい、大丈夫なんだろうな。あんまり目立つことはしたくねえ)」
「(はい、マスター。この程度ていどの重さを収納できる……持ち運べるアイテムはポピュラー……身近みぢかなものと聞いています)」

「まあな、あんまりおもいもんは無理むりだけどな」
 薬草師おれのたった半日はんにち仕事しごとが、狐耳ひめさんほか数名すうめい下敷したじきにした。

ーーー
惡神/悪神(あくしん)の旧字訓読み。この世界ではあまり意味はない。
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