紅蓮慕情

井海博人

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花姦 二

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 すぐさま自分の手で大事なところを隠そうとする姉を許さず、俺は彼女の両手首を抑えた。

全裸を弟の前に晒した姉は羞恥を隠しきれず俯いてしまう。

「姉さん、きれいだね」

 俺は思わず素直な意見を述べた。

体が弱く少食なせいで姉の体は少し力を入れたら折れそうなほど細いのに、ガリガリとか筋張っているということはなく、必要な部分にはちゃんと肉がついている。

 繊細な首筋から伸びるなで肩は儚げと言えるほど頼りなく、大きく張りのある半球状の乳房は透けるような桜色の先端を持ち、その重みに屈することなく形よく上半身を彩っている。

小さな尻のせいで腰のくびれは少ないように見えるが、その滑らかな曲線は一種芸術的だ。

へこんだ腹の中心にちんまりとした臍が見え、その下には大人の女を象徴するかのような陰毛が黒く茂り、歪みのない両足は細いせいかスラリと長く感じられる。

真珠の輝きを放つ象牙色の肌は一つの染みも黒子もなく真新しい雪原を思わせるが、湯上りせいか今は全体がほんのりと赤く色づいている。

 博物館に展示されている彫像を観賞するように、俺は姉の裸身を隅から隅までじっくりと眺めた。
その視線に雪を欺く肌はますます火照り、赤みを帯びてくる。

 この体を今から抱くんだと思うと、ワクワクした。

 手首を掴んでいた手を離し、両肩に当てると俺はそのまま姉を下に押し付けるように力をこめた。

しばらくは抗っていたが、その圧力に姉の体は徐々に沈んでいき、床の上に跪く姿勢になる。

すかさず俺も床に膝を付き、床板の湿気防止に敷かれた茣蓙の上に、姉が落としたバスタオルを広げた。

のしかかるようにして彼女をその上に押し倒し、脱衣所の床に二人で横たわる。

「和くん、ダメだよ……」

 俺の目を悲しげに見つめたまま姉はか細い声で訴え、俺を自分の上からどかそうと懸命に腕を動かすが、蚊に刺されたほどにも感じない。

 それでも、抵抗は少ないに限ると言葉を封じるために真っ先に唇を奪う。

俺の舌が口内に侵入するのを知ると、姉はいつになく激しく抵抗し、後頭部が茣蓙にゴリゴリと当たるのも構わず千切れそうなほど大きく首を振った。

その動きで舌に姉の歯が当たり、思わず唇を離してしまう。

「……つっ!」

 顔を遠ざけた拍子に姉の歯は俺の唇にも当たったらしく、口端が切れて俺は顔を歪めた。

「和くん、やめてっ!」

 口が自由になると、姉は怒りのこもった声でそう叫んだ。

叫びながら俺の顔を見て唇に血が滲んでいるのに気づいたらしく一瞬ハッとして申し訳なさそうな表情を作りかけたが、直後に起き上がろうとしたため、俺は自分の体でそれを防ぎ姉の両手を押さえ込む。

すると今度は足をじたばたと動かし始めたため、仕方なく自分の足を使ってそれも封じ込めた。

 物理的な抵抗の術を失った姉は、潤みかけた瞳で俺を睨みすえる。

彼女が今さら何に怒っているのか分からず、俺の思考は一部停止状態になっていた。

察するに、もしかして姉は警戒を怠り、弟に付け入る隙を与えてしまった自分自身に憤っていたのかもしれない。

「今日は随分抵抗するんだ」

 姉のそんな態度を楽しむ気分は失せていたが、俺はからかい口調で言ってみせる。

姉の対応は、そうして抵抗し続けていればそのうち両親が帰ってくることを知っているからだろう。

確かに、駅前のイタリアンレストランならばここからはそう距離もないし、二人とも一時間か二時間もすれば戻ってくるはずだ。

目的を遂げるための時間はあまり多くない。

もっとも、あまり激しく動き続けると姉の体力の方が先に底をつくだろうが。

 腹が立っていたわけではないが、俺はあえて目を眇(すが)め冷たく姉を見下ろすと髪の毛と顎を多少乱暴に掴み、罰するように口付けた。

快感を誘うためでなく、苦しみを与えるためだけに舌を奥深くまでこじ入れ、お返しとばかりに彼女の舌に強めに噛み付く。

 そのせいで、血の味が舌の上にじんわりと広がった。

それは俺と姉とを繋ぐ切っても切れない絶対の絆だ。

 苦しかったのか、口中に溢れ出した唾液を姉が喉を鳴らして飲み込むのが分かった。

「んんんっ、んんぅ……!」

 姉はまだ逃れる努力を諦めず、首を振ろうとする。

自分の頭でそれを床に押さえつけ、俺は息ができないようになおも口を塞ぎ続ける。

 ゆうに三分以上たってから解放すると、姉は過呼吸でも起こしたように忙しなく息を吸った。

肺だけでは足りないのか、いつもはへこんでいる腹が大きく上下する。

 姉の反応には構わず、俺は指を目一杯広げて大きめの二つの乳房をいきなり鷲掴みにした。

白い肌に指の跡が残るくらい力を込めて握り締める。

「痛いっ……」

 目を閉じた姉の頭が反り返る。

俺の腕に手をかけ引き剥がしたかったようだが、痛みのためか指には力が入っていない。

俺は乳房を鷲掴みにしたまま押し付けるようにしてぐるりぐるりと手を回した。

更なる痛みに首を振る姉のまなじりから涙が滲み出す。

そこで手を離し、くっきりと赤い指の跡をつけた乳房に手のひらを当てて左右から体の中心へと何度も揉み上げた。

そうしているうちに先端は力を持ち始めたため、舌をできるだけ伸ばして形のよい丘全体を犬みたいに大きく舐め回してから、小さな蕾を口に含んだ。

下顎を動かし何度か唇で揉むようにしたあと、上へと引っ張り口を離すと乳房はぽよんとおいしそうに弾んで元の形を保つ。

それが面白くてもう片方の乳房も同じように弄んでやった。

「ふっ、……あっ……」

 痛みのあとではそんな刺激もちょっとした快感を生むらしく、顰められていた姉の眉が緩み表情が変化した。

それを見て、膨らみに置いた両手の動きはそのままに、胸の谷間に顔を埋め下腹部へと舌を這わせていく。

 姉の餅肌は風呂上りのせいかしっとりと濡れていて、そのふわふわとしたマシュマロの手触りの中にいつまでも沈み込んでいたくなる。

 俺の舌が這い回るのを感じるのか、姉はゆらりゆらりと左右に体をくねらせた。
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