紅蓮慕情

井海博人

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玩弄 三

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 二つの乳房を堪能し尽くした後、一度姉から身を引いた。

姉の胸は俺の唾液でてらてらと光っていて、ちょっとした芸術作品を作り上げた気になった俺はその完成度をじっくりと観察した。

俺が離れたことに気づいたのか、姉は目を開けてこちらを見る。

そのまなざしは「終わり?」と如実に問いかけていた。

「もう」なのか「やっと」なのかまでは知る由もないが。

「まだだよ」

 微笑んで俺は続行を告げた。

「今度は下だろ?」

 そして、目線で次の行為を示唆する。

それを聞いて姉の顔が一瞬絶望的なものに変わった。

「姉さん、自分で脱いでよ」

 笑顔のまま俺はお願いした。

「いや……」

 対して、姉は子供のように首を振ってそれを拒否する。

「脱がないなら、挿れるよ?」

 優しい口調で、それでもできる限り残酷に響くように、無理矢理にでもという意味を言外に込めて自分の意図を伝える。

そのとたん姉の顔が泣き出しそうに歪んだ。

滅多に見ることのないその表情が俺に与えるのは無上の喜びだけだ。

可愛すぎて思い切り抱きしめたくなるのを俺はどうにか耐えた。

「姉さんは痛くされる方が好き? それとも気持ちいい方が好き?」

 姉にしてみれば究極の二択だろう。

どっちも嫌というのが本音に違いないのは分かるが、本当にそう言われたらどうしてやろうか?

 俺はしばらく返答を待ったが、答えはなかった。

「黙ってるってことは、挿れてもいいんだ?」

 さらに返答を迫ると、ようやく喉の奥から搾り出すような声が聞こえてくる。

「……脱ぐ、から……」

 確約したものの、姉はその先どうしたらいいのか分からないらしく長いことためらっていた。

俺は一歩離れたところで行動の再開をゆっくり待つことにする。

二つのカルチャースクールの講師を兼任している母親は、自分の日舞教室で着付けや作法も教え、プライベートレッスンの申し込みを受け付けることもあって、日夜忙しそうだ。

まだ四十代半ばだから、仕事としては一番脂がのって充実している時期なんだろう。

今日も遅くなるらしいから時間はたっぷりとある。

 無言のまま注視しているとその沈黙に耐え切れなくなったのか、姉はスリッパを脱いでから意を決したようにジーンズのボタンに指をかけた。

しかし、手が震えているためなかなかうまくはずすことができない。

手伝うことはせず見守り続けていると、ようやくボタンがはずれ、のろのろとファスナーが下りていく。

焦らすようなその動きはストリップショーにも似て、俺をますますその気にさせるだけで全くの逆効果だ。

それが分かっていない姉はさらに緩慢な動作で尻をまくり膝辺りまで下すと、片足ずつジーンズから抜き取っていく。

 完全に脱ぎ取ると姉は脇の床の上にジーンズを置き、まっすぐに伸ばした手を体の前で重ね、先生に叱られる生徒のように俺の前に立った。

「まだ残ってるよ」

 姉の大事なところを包む薄ピンクのショーツを顎で示して冷徹に促す。

ジーンズくらいで許すはずがないのは当たり前のことなのに、それを耳にして姉の顔が屈辱の色を浮かべた。

そして、もう諦めたようにショーツに手をかけると、今度はそれほど時間をかけずに左右の足を順番に持ち上げる。

一瞬、姉の着替えをこっそりと覗いているような倒錯感を覚え、妙に胸が高鳴った。

 ショーツはパサリと軽い音を立てて、ジーンズの上に落とされた。

 再び直立不動の姿勢をとる姉の頭の先から爪先まで、俺は腕を組みながら舐めるように眺めた。

ジーンズを脱ぐために身を屈めた時、セーターは首元から落ちて元通りに彼女の上半身を覆い、その上着の裾からはスラリとした白い素足がまっすぐに伸びている。

短めの裾の真下に見える、午後の柔らかな陽光を浴びた黒い茂みが白い肌とは対照的でやけに淫靡だ。

俺の視線がどこに集中しているのかを知り、姉は羞恥に満ちた表情を作ると自分の手で陰部を隠した。

家族の食卓がある台所で、真っ昼間に下半身を晒しているんだから、さぞや恥ずかしいだろう。

俺にとっては情欲をそそるいい眺めだが。

「恥ずかしいんだ?」

 口角を上げ、故意に尋ねると姉はほのかに赤面してうなずいた。

その拍子に結ばれていない髪が肩を越えてサラサラと前方へと流れてきて、姉の頬に影を落とす。

「俺しか見てないよ?」

 台所の流しの上には格子のはまった大きな窓があるが、磨りガラスのため外の様子は見えない。

そもそもこの家は広い敷地をぐるりと塀に取り囲まれているから、隣家や道路に直接面した窓というものはない。

よって、通りがかりの誰かに家の中を覗かれる心配もない。

しかし、姉はその言葉に髪を乱しながら首を左右に振った。

 俺は両膝をついて姉の前に屈み込むと、小振りの尻に両手をあてて自分の方へ引き寄せた。

よろめくように小さく足を踏み出した姉の陰部が目の前に迫る。

股の中心にすぐに顔を埋めると舌で柔らかな縮毛を掻き分け、まだ充実していない突起を大きく舐め上げた。

「あっ、いやっ……!」

 姉は腰を引き、両手で俺の頭を押しのけようとするが成功はしない。

「もう少し足開いてよ、姉さん」

 足を閉じようとする姉の、やわやわとした小さな尻を揉みながら俺は不服の声を上げた。

すぐには反応がないため、急かすように尻の谷間に指を差し入れ、乾ききっている会陰部から尻の穴へ向けて緩やかに撫で上げた。
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