【完結】お4枚鏡

 僕は駄目な子らしい。
 お母さんが大事に仕舞っていた手鏡を割ってしまって怒られた。僕は鏡と『あいしょう』が悪いらしく、何でか割ってしまう……。

お4枚鏡2(続編)

『あなたって子は。……お兄ちゃんの方は手のかからない良い子なのに』――それが母親の口癖だ。

 朝、登校する前に玄関の鏡が割れていた。
 やったのは部活の為に一足早く家を出たお兄ちゃんだけど、家に帰ったらあれも私のせいにされるのだろう。

 どうせ怒られるならもっと盛大に怒られようと思った。
 だから――学校の鏡を割ったのは間違いなく私。

お4枚鏡3

「……だからね、4のつく歳に4枚の鏡を割ってはいけないんだ。悪いことが起きるから」

「キャー!」
「こえー!」
「ソレってあそこの鏡でしょ?」
「いやいや、きっと旧校舎の方だって!」

 自習の時間。夏だからと怪談話を始めたお目付け役の先生の話を聞いて、盛り上がるクラスメイト達。

 怖い。ありえない。嘘くさい。
 色々な声が教室を飛び交っていたけれど、僕はクラスの皆みたいに騒げなかった。

 僕には『心当たり』があったから――。




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