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22 自由だー♪
しおりを挟む前世を思い出す前までは元婚約者が言う通り少しでも喜んでくれれば……と思って、彼の為にアレコレ作っていたんだけどね。
わりと早めに心が折れた。この人基本、ひと言以外は余計なんだもん。
なので、学園時代に前世を思い出してからは自分の為に作っていました。
動機としては故郷(?)の味への郷愁もあったけど、一番はこっちの人にも前世の美味しいアレを食べさせてあげたい!! ……との思いから。
ああ、既にそこに彼は入っていなかったな。変な物を食べさせやがって……なんて、文句を言われるとばかり思っていたから。まさか同郷(?)とは思わなかったし。
だから、彼に前世の味を食べさせるのは今日が初めてだ。
フムフム。こっちも味はよし――と。
しっかりと彼の感想をメモする私。それさえ分かればコチラもよしです。元婚約者の、数少ない余計じゃない方のひと言。ご協力ありがとうございます。
ぶっちゃけ試食しすぎて舌が馬鹿になり、味が分からなくなってきていたんだよね。
ひと言以外は余計だけれど、少なくとも彼は同じ味を知っている。今日は丁度いい試食人がいて良かった。
ああでも、もう婚約は破棄したんだから、これからは好きなだけ試食で太っても構わないのか。それで文句を言ってくるが人いなくなるんだし。
私も別の食べ物で味覚をリセットしてから、試食をやり直してもいいかもしれない。
……とか、思ったら自然と頬が緩んだ。
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