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14 名門高位貴族と転生者
しおりを挟む詐欺行為をしてまで金を手に入れるのは使う為だろうし、傷ついた不敬コインが大量に流通したところを調べれば、犯人を捕まえられるかもしれない。
副騎士団長様にそれを伝えたら。
「なるほど……! 歴代王族の傷ついたコインの大量使用など、産まれた時から忠誠心を叩きこまれている生粋の貴族にはありえない発想だ。それでいて、実は置く場所に困っている貴族の悩みまでも解決する良い方法ともいえる」
――と言って褒められた。
……いや、褒められた――んだよね? 読んだ空気が違うと全力で叫んでいるけれど、コレはおそらく気が付いたら負けなやつだ。なので、転生者はソコ気にしない。
あと、歴史ある名門侯爵家ともなると、そんなにも使えもしないコインを貯め込んでいるものなのですね。それくらいなら、上からの覚えなんてどうでもいいから、困っているトコに寄付するなりテコ入れするなりドバっと使えるだけ使ってアレコレ不具合を改革した方が、結果的に皆が幸せになれるだろうに。
領民の幸せと国への忠誠心を天秤にかけた結果が現状ですか。貴族のプライドって面倒くさいなぁ。
「……なるほど。生粋の貴族にはありえない発想だ。…どこの領地にも後ろ暗い場所はあるからな。貴族の悩みまでも解決する良い方法ともいえる。…………申し訳ない」
――と言って褒められた。そして謝られた。
マズイ、また声に出てしまっていたようだ……!!
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