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第三章 初級フリー討伐
38 熱弁! 修道女推しダイエット
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「……は? 修道女推しダイエット?」
「そう! これはガチでお勧めだ」
お昼の一番混んでいる時間を過ぎて、落ち着きを取り戻しつつある大学構内にある学食で。
俺は人生初となる女友達にしてミス学祭のカイドー相手に、自分が最近異世界で始めたダイエットについて熱く語っていた。
何と言っても、この修道女推しダイエットは効果がスゴイ。
俺が異世界に持ち込んで、俺とはまったく無関係の誰かがいつの間にか悪気なく流行らせたオータ……オタ芸はすっかり現地で定着し、そのお陰でイベント会場で気兼ねなく好きな曲を聞きながらの全身運動が出来るようになった。
しかも、好きな曲を生で聞きながらの全身を使ったファン活動はモチベーションが保てて無理なく続けられる。
当然、異世界に電車などないので修道院までの往復は歩きだが、そんなのまったく苦にならない。ウォーキングとダンスの合わせ技でドンドン楽しく痩せていく。
その上、この修活(修道女推し活動)はイベントの入場料が寄付金として社会貢献に使われるため、俺が気になっていた貧民街の貧しい子供達への支援につながるし、修活ダイエットで疲れた体はイベント終了後に推しの子から回復魔法をかけて貰えるから心も体もスッキリ爽快――――となれば、これはもうやるしかないよね!
しかも、相手は神に仕える『修道女』。
修道院生活で外部との接点を絶たれた彼女達は厳しい戒律に縛られて、こちらのアイドルのように熱愛だ密会だとそっち関係の醜聞とは無縁。
その身の清らかさは神様によって保証されているのだ。
身も心も美しい彼女達こそまさに、穢れを知らぬ真の清純派アイドルといえるのではないか、と鼻息荒く熱く語る俺。
――に対し。
「あー、オータ君。ごめんねー…? 私、講義の準備があるからそろそろ行くわね」
……と、冷たい視線と声音を残して、いそいそと学食を後にする美少女カイドー。あからさまに避けられている。
……おかしいな。
『オータ君、最近何か全体的に痩せてスッキリしたよね。魔王討伐コースってそんなに効果あるんだ? どんなことしているのか詳しく教えて!』
とか向こうから聞いてきたから、リクエスト通りどこまでも正直に詳しく答えてあげただけなのに。解せぬ。
確かに修道女たちのその身の清らかさについて熱弁してしまったが、俺は事実を言ったまでだ。好きな芸能人のスキャンダルにガッカリした経験くらい誰しもあるからな。その心配がないとなれば、それだけでポイントが高い。
……それに、これだけは誤解のないように主張しておくが、そもそも俺は魔物のユニコーン的な処女厨ではない。
その証拠に、俺のイチ推しは出戻り修道女のマリアンヌ様だからな! しかも子持ち。
出戻り修道女のマリアンヌ様は高位貴族の旦那に堂々と浮気をされたうえ、跡継ぎとなる嫡男は取り上げられて自身は修道院へと送られてしまうという苦労人。
その不幸な境遇にめげずに民に寄り添い、同じような目に遭った女性たちの相談にのったり、得意の魔法で奉仕する姿はマジ泣ける……あと美人。
ちなみに200gのお気に入りは庶民出身聖女のビアンカちゃん。
聖女である彼女は、なんと人体修復までこなしてしまうという上位の回復魔法持ち。その為、貴族・平民などの身分に関係なく彼女に助けられたという人は多い。特にケガと隣り合わせの冒険者からの人気が絶大だ。
そして。
俺も、そんな心優しい彼女に助けられた一人だったりする。
「そう! これはガチでお勧めだ」
お昼の一番混んでいる時間を過ぎて、落ち着きを取り戻しつつある大学構内にある学食で。
俺は人生初となる女友達にしてミス学祭のカイドー相手に、自分が最近異世界で始めたダイエットについて熱く語っていた。
何と言っても、この修道女推しダイエットは効果がスゴイ。
俺が異世界に持ち込んで、俺とはまったく無関係の誰かがいつの間にか悪気なく流行らせたオータ……オタ芸はすっかり現地で定着し、そのお陰でイベント会場で気兼ねなく好きな曲を聞きながらの全身運動が出来るようになった。
しかも、好きな曲を生で聞きながらの全身を使ったファン活動はモチベーションが保てて無理なく続けられる。
当然、異世界に電車などないので修道院までの往復は歩きだが、そんなのまったく苦にならない。ウォーキングとダンスの合わせ技でドンドン楽しく痩せていく。
その上、この修活(修道女推し活動)はイベントの入場料が寄付金として社会貢献に使われるため、俺が気になっていた貧民街の貧しい子供達への支援につながるし、修活ダイエットで疲れた体はイベント終了後に推しの子から回復魔法をかけて貰えるから心も体もスッキリ爽快――――となれば、これはもうやるしかないよね!
しかも、相手は神に仕える『修道女』。
修道院生活で外部との接点を絶たれた彼女達は厳しい戒律に縛られて、こちらのアイドルのように熱愛だ密会だとそっち関係の醜聞とは無縁。
その身の清らかさは神様によって保証されているのだ。
身も心も美しい彼女達こそまさに、穢れを知らぬ真の清純派アイドルといえるのではないか、と鼻息荒く熱く語る俺。
――に対し。
「あー、オータ君。ごめんねー…? 私、講義の準備があるからそろそろ行くわね」
……と、冷たい視線と声音を残して、いそいそと学食を後にする美少女カイドー。あからさまに避けられている。
……おかしいな。
『オータ君、最近何か全体的に痩せてスッキリしたよね。魔王討伐コースってそんなに効果あるんだ? どんなことしているのか詳しく教えて!』
とか向こうから聞いてきたから、リクエスト通りどこまでも正直に詳しく答えてあげただけなのに。解せぬ。
確かに修道女たちのその身の清らかさについて熱弁してしまったが、俺は事実を言ったまでだ。好きな芸能人のスキャンダルにガッカリした経験くらい誰しもあるからな。その心配がないとなれば、それだけでポイントが高い。
……それに、これだけは誤解のないように主張しておくが、そもそも俺は魔物のユニコーン的な処女厨ではない。
その証拠に、俺のイチ推しは出戻り修道女のマリアンヌ様だからな! しかも子持ち。
出戻り修道女のマリアンヌ様は高位貴族の旦那に堂々と浮気をされたうえ、跡継ぎとなる嫡男は取り上げられて自身は修道院へと送られてしまうという苦労人。
その不幸な境遇にめげずに民に寄り添い、同じような目に遭った女性たちの相談にのったり、得意の魔法で奉仕する姿はマジ泣ける……あと美人。
ちなみに200gのお気に入りは庶民出身聖女のビアンカちゃん。
聖女である彼女は、なんと人体修復までこなしてしまうという上位の回復魔法持ち。その為、貴族・平民などの身分に関係なく彼女に助けられたという人は多い。特にケガと隣り合わせの冒険者からの人気が絶大だ。
そして。
俺も、そんな心優しい彼女に助けられた一人だったりする。
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