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第三章 初級フリー討伐
37 終了! スライム捕獲運搬ダイエット!!
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「すまんっ、オータ! このままだと発光スライム養殖場の受け入れが限界を越えそうなんだ。だから、ノーマルスライムの買取は今日までな。これ以上増やすと発光スライムの素が食いつくされかねんっ!」
日々、スライム捕獲運搬ダイエットを続けていたら、ある日突然、経営者のザッツさんから強制終了の声がかかった。
どうやら養殖場のスライムが増え過ぎて、ダンジョンに自生していた、スライムが食べると光るあのキレイな謎の苔が尽きかけているらしい。
ぽよぉ~ん…(がぁ~ん…)
…と、ポケットの中で落ち込んでいるのは俺のダイエットの相棒、意識高い系スライムの200g。
いつも納品ついでにコイツにもおやつの苔を分けて貰っていたことから、あのテンション爆上げおやつとも今日でしばらくお別れか……と、かなりショックを受けているようだ。
ああ、解る。
解るよ、200g。お気に入りおやつが原材料不足で生産中止になるとそんな気持ちになっちゃうよな。
ショックから立ち直った200gはよだれ(消化液)を垂らしながら、壁に生えた大好物の苔を見てしばらく考え込んでいたが。
ぽーよーよー!
あーと―でー! …とか言っているので、最後のお裾分けはここで食べずに後で大切に食べるようだ。ウチの意識高い系スライムは行動が計画的ですね。
ザッツさんにそれを伝えると、今日の分は紙に包んでくれた。それを、大切にお預かりする俺。
200gに渡すと消化しちゃうからな。
ぽよぽよ~…
おおっと。
じろじろ~…とか見なくても、別に苔とかつまみ食いしないから大丈夫だって。……何だよ、苔ってそんなにうまいのか?
ぽよんっ!?
まさかっ!? って、いやいや、だから食わないって。食べ物の恨みは怖いからな。…って、怖くなくたって苔なんか食わんけど。
……さっきからイマイチ信用されていないのは、ここ最近俺が野良スライムの捕獲ばかりしていたせいで、200gのヤキモチが酷かったからだ。
ダイエットの為とはいえ、200g以外のスライムを俺が運ぶとあからさまに機嫌が悪い。
スライムの納品が終わるとまるで子供のようにぷく~っとほっぺた? を膨らませて、やっと邪魔者が消えたとばかりにいそいそと俺の空いた両手の上を陣取り、自分の存在を主張してくる。
そんでもって、アパートに帰るとやけ食いをする。
コイツ、基本なんでも食うからな。捨てるつもりだったゴミを食われた時には、なんと重さが一キロを超えていた。
まあ、ごみ捨てしなくて済んで、俺的には大助かりだったけど。
その後ハッと我に返った200gは速攻で部屋をコロコロと転がり、大急ぎでダイエットして体重を落としていた。
ポケットサイズを超えると共に暮らせないと前もって200gに伝えてあるとはいえ、ゴミを食べての運動は見ていて少し可哀想だった。
実際、色つやから察するに相当ストレスが溜まっているようだ。
あと、俺はやたらスライムに好かれる体質になってしまったらしく―――向こうから攻撃してこないだけでなく、わざわざスライムの方から俺に捕まえられに大量にわらわらと寄ってくるようになった。
そしてサイズを問わずスライムが次々と俺の体に飛び乗ってくるので、圧死のリスクが出てきてしまった。
正直、俺に香車ウサギから貰った逃げ足スキルが無ければ何回かは危なかった。
なので、どの道この『スライム捕獲運搬ダイエット』も限界に来ていた。
この運動は体重減少効果が高かっただけに残念だ。
――――が。
俺は、そのお気に入りのダイエット以上に有意義で魅力的な――これぞ運命の出会い、とも言うべき効果的なダイエットを、またしてもこの異世界で見つけてしまった。
それは――――。
日々、スライム捕獲運搬ダイエットを続けていたら、ある日突然、経営者のザッツさんから強制終了の声がかかった。
どうやら養殖場のスライムが増え過ぎて、ダンジョンに自生していた、スライムが食べると光るあのキレイな謎の苔が尽きかけているらしい。
ぽよぉ~ん…(がぁ~ん…)
…と、ポケットの中で落ち込んでいるのは俺のダイエットの相棒、意識高い系スライムの200g。
いつも納品ついでにコイツにもおやつの苔を分けて貰っていたことから、あのテンション爆上げおやつとも今日でしばらくお別れか……と、かなりショックを受けているようだ。
ああ、解る。
解るよ、200g。お気に入りおやつが原材料不足で生産中止になるとそんな気持ちになっちゃうよな。
ショックから立ち直った200gはよだれ(消化液)を垂らしながら、壁に生えた大好物の苔を見てしばらく考え込んでいたが。
ぽーよーよー!
あーと―でー! …とか言っているので、最後のお裾分けはここで食べずに後で大切に食べるようだ。ウチの意識高い系スライムは行動が計画的ですね。
ザッツさんにそれを伝えると、今日の分は紙に包んでくれた。それを、大切にお預かりする俺。
200gに渡すと消化しちゃうからな。
ぽよぽよ~…
おおっと。
じろじろ~…とか見なくても、別に苔とかつまみ食いしないから大丈夫だって。……何だよ、苔ってそんなにうまいのか?
ぽよんっ!?
まさかっ!? って、いやいや、だから食わないって。食べ物の恨みは怖いからな。…って、怖くなくたって苔なんか食わんけど。
……さっきからイマイチ信用されていないのは、ここ最近俺が野良スライムの捕獲ばかりしていたせいで、200gのヤキモチが酷かったからだ。
ダイエットの為とはいえ、200g以外のスライムを俺が運ぶとあからさまに機嫌が悪い。
スライムの納品が終わるとまるで子供のようにぷく~っとほっぺた? を膨らませて、やっと邪魔者が消えたとばかりにいそいそと俺の空いた両手の上を陣取り、自分の存在を主張してくる。
そんでもって、アパートに帰るとやけ食いをする。
コイツ、基本なんでも食うからな。捨てるつもりだったゴミを食われた時には、なんと重さが一キロを超えていた。
まあ、ごみ捨てしなくて済んで、俺的には大助かりだったけど。
その後ハッと我に返った200gは速攻で部屋をコロコロと転がり、大急ぎでダイエットして体重を落としていた。
ポケットサイズを超えると共に暮らせないと前もって200gに伝えてあるとはいえ、ゴミを食べての運動は見ていて少し可哀想だった。
実際、色つやから察するに相当ストレスが溜まっているようだ。
あと、俺はやたらスライムに好かれる体質になってしまったらしく―――向こうから攻撃してこないだけでなく、わざわざスライムの方から俺に捕まえられに大量にわらわらと寄ってくるようになった。
そしてサイズを問わずスライムが次々と俺の体に飛び乗ってくるので、圧死のリスクが出てきてしまった。
正直、俺に香車ウサギから貰った逃げ足スキルが無ければ何回かは危なかった。
なので、どの道この『スライム捕獲運搬ダイエット』も限界に来ていた。
この運動は体重減少効果が高かっただけに残念だ。
――――が。
俺は、そのお気に入りのダイエット以上に有意義で魅力的な――これぞ運命の出会い、とも言うべき効果的なダイエットを、またしてもこの異世界で見つけてしまった。
それは――――。
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