34 / 40
第三章 初級フリー討伐
34 交流! 異世界助け合い運動 後編
しおりを挟む
俺がその草に気が付いたのは偶然だった。
200gがダイエットの為に森をコロコロと転げまわる様子を見ていたら、妙な草の周りだけくるくると避けるように回っていたのだ。
なんだ? と思いその草を摘んでギルド窓口に持って行ったところ、例の『魔避け草』だと言われ、薬草の10倍以上の買取ポイントが付いて驚いた。
これも200gのお陰だ。
もしかしたら大量ポイントゲットも夢じゃないかも……と期待に胸を膨らませた。
――が、それから丸二日間。
ぽっよ~ (……ずざざっ!)
くっさ~、とでも言うように200gに後ずさりして避けられた。
……なるほど。魔除け草というのは、魔物が嫌がるニオイを発しているらしい。
どうりで200gが避けて通るはずだ、と理解はしたものの、魔除け草の効果が切れるまでの間がきつかった。たぶん、俺は人生初の彼女が出来る前から、年頃の娘から避けられる父親の気持ちを理解してしまったに違いない。
このまま200gに嫌われてしまったらどうしよう……と不安になっていたのだが、二回ほど風呂に入ったところでそれは終わった。時間にして大体二日と少しくらいだったと思う。
完全にニオイが消えてからの、
ぽよょ~、……ぽよよよん?
『もうぅ~、……やめてよね?』――と、言わんばかりに、それまでの反動から俺にぽよぽよと擦り寄ってくる200gの姿は可愛かった。
ツン! からのぽよ♡ だ。かわええ。
ツンぽよ♡ のギャップにはやられたが、正直なところ、二度とあんな思いはしたくない。200gとの共同生活の楽しさを知ってしまった後だけに俺のボッチ心が抉られる。
それくらい200gからのツン! 攻撃は破壊力がとんでもなかった(※心理面)。下手したら立ち直れない。
――という訳で。それからというもの適材適所というか、需要と供給というか。スライムは俺、魔除け草は子供達、という風にお互いwin-winの協力体制でやってきた。
最近はスライムによる攻撃の被害もなく安全に森での薬草取りが出来るようになった、と子供達から感謝をされている。
…とか、油断していたら足元に200gからの嫌われ草…………じゃなかった、『魔除け草』が!!
やべえ、よく見たら囲まれている。動けない!!
「ちょ、お…おい、子供達頼む! 助けてくれ!!」
「ったく、しょうがねーなぁオータは…って、すっげー! 魔除け草の群生地じゃん!!」
「大量大量!! これで一カ月はパンが買えるぞ。サンキュー、オータ!」
「あ、きゃあ、ちびスライムがいるわ! 動き早い、ヤダ、ヤダ。オータ、とって!」
「よっしゃ、俺に任せろ! ほ~ら、来い、スライムたち」
ぽよぽよ~(わらわら~)
「「「すっげースライム職人だ!!」」」
……と、言う感じで現地の子供達とはお互い苦手なトコを補う感じで上手いこと住み分けが出来ている。なんせ、俺はスライムに(だけは)襲われることがないからな。
ってか、むしろ最近ではスライムの方から俺に寄ってくる気がするのは何故だろう??
子供達の安全のためにスライムを回収した俺は、ぽょぽょ、ぽよんぽよんと俺の腕の中で嬉しそうに弾みながら会話する野良スライム達を連れて、ザッツさんの経営する発光スライムの養殖場へとウォーキング。
生け捕りにしたスライムをザッツさんに納品後、ポイント付与の手続きをして、200g用に苔を分けてもらう。
ぽよ~ん(うう~ん)
…と悩みに悩んだ結果、今日のおやつは赤と青の苔にするようだ。苔を食べた200gが赤と青、交互に光って楽しそう……って、その技初めて見たな!?
本日の成果は1200ポイントと200gの新技。ピカピカと強そうなビジュアルは中々に見応えがある。
現地の子供達に感謝され200gの芸が見られて、スライムは香車ウサギや悪魔の子羊や魔魚のように食用でないから食べ過ぎて太ったりしない。
体重は減っているうえ、自分の手を汚さないから心も痛まない、のいいこと尽くめ。
俺のスライム生け捕りダイエット生活は順調だ。
なので、しばらくはこんな感じでまったりと行こうと思う。
200gがダイエットの為に森をコロコロと転げまわる様子を見ていたら、妙な草の周りだけくるくると避けるように回っていたのだ。
なんだ? と思いその草を摘んでギルド窓口に持って行ったところ、例の『魔避け草』だと言われ、薬草の10倍以上の買取ポイントが付いて驚いた。
これも200gのお陰だ。
もしかしたら大量ポイントゲットも夢じゃないかも……と期待に胸を膨らませた。
――が、それから丸二日間。
ぽっよ~ (……ずざざっ!)
くっさ~、とでも言うように200gに後ずさりして避けられた。
……なるほど。魔除け草というのは、魔物が嫌がるニオイを発しているらしい。
どうりで200gが避けて通るはずだ、と理解はしたものの、魔除け草の効果が切れるまでの間がきつかった。たぶん、俺は人生初の彼女が出来る前から、年頃の娘から避けられる父親の気持ちを理解してしまったに違いない。
このまま200gに嫌われてしまったらどうしよう……と不安になっていたのだが、二回ほど風呂に入ったところでそれは終わった。時間にして大体二日と少しくらいだったと思う。
完全にニオイが消えてからの、
ぽよょ~、……ぽよよよん?
『もうぅ~、……やめてよね?』――と、言わんばかりに、それまでの反動から俺にぽよぽよと擦り寄ってくる200gの姿は可愛かった。
ツン! からのぽよ♡ だ。かわええ。
ツンぽよ♡ のギャップにはやられたが、正直なところ、二度とあんな思いはしたくない。200gとの共同生活の楽しさを知ってしまった後だけに俺のボッチ心が抉られる。
それくらい200gからのツン! 攻撃は破壊力がとんでもなかった(※心理面)。下手したら立ち直れない。
――という訳で。それからというもの適材適所というか、需要と供給というか。スライムは俺、魔除け草は子供達、という風にお互いwin-winの協力体制でやってきた。
最近はスライムによる攻撃の被害もなく安全に森での薬草取りが出来るようになった、と子供達から感謝をされている。
…とか、油断していたら足元に200gからの嫌われ草…………じゃなかった、『魔除け草』が!!
やべえ、よく見たら囲まれている。動けない!!
「ちょ、お…おい、子供達頼む! 助けてくれ!!」
「ったく、しょうがねーなぁオータは…って、すっげー! 魔除け草の群生地じゃん!!」
「大量大量!! これで一カ月はパンが買えるぞ。サンキュー、オータ!」
「あ、きゃあ、ちびスライムがいるわ! 動き早い、ヤダ、ヤダ。オータ、とって!」
「よっしゃ、俺に任せろ! ほ~ら、来い、スライムたち」
ぽよぽよ~(わらわら~)
「「「すっげースライム職人だ!!」」」
……と、言う感じで現地の子供達とはお互い苦手なトコを補う感じで上手いこと住み分けが出来ている。なんせ、俺はスライムに(だけは)襲われることがないからな。
ってか、むしろ最近ではスライムの方から俺に寄ってくる気がするのは何故だろう??
子供達の安全のためにスライムを回収した俺は、ぽょぽょ、ぽよんぽよんと俺の腕の中で嬉しそうに弾みながら会話する野良スライム達を連れて、ザッツさんの経営する発光スライムの養殖場へとウォーキング。
生け捕りにしたスライムをザッツさんに納品後、ポイント付与の手続きをして、200g用に苔を分けてもらう。
ぽよ~ん(うう~ん)
…と悩みに悩んだ結果、今日のおやつは赤と青の苔にするようだ。苔を食べた200gが赤と青、交互に光って楽しそう……って、その技初めて見たな!?
本日の成果は1200ポイントと200gの新技。ピカピカと強そうなビジュアルは中々に見応えがある。
現地の子供達に感謝され200gの芸が見られて、スライムは香車ウサギや悪魔の子羊や魔魚のように食用でないから食べ過ぎて太ったりしない。
体重は減っているうえ、自分の手を汚さないから心も痛まない、のいいこと尽くめ。
俺のスライム生け捕りダイエット生活は順調だ。
なので、しばらくはこんな感じでまったりと行こうと思う。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
38
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる