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第三章 初級フリー討伐

28 挑戦! 初ダンジョン!

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「すいません、コレくださ~い!」


 ~初心者討伐セットの皮鎧~
 しめて50000ポイントのお支払い☆

 俺の異世界ダイエット生活で初! となる高額のお買い物だ。

 同じ金額で串刺しラビットの煮込みが20回食べられると思うと迷いが出るが、これ着て40回食べられるくらいポイントを稼げばいいんだ、と発想の転換を行い乗り越えた。

 ちなみに支払いはポイントでの一括払いです。



 ――で、その結果。


「すっげぇ。ベテラン冒険者になった気分です!」

「だろ? おー、似合う、似合う。いいぞー良く決断したな!
 あ、ギルド販売員のおねーさん、はい、顧客の紹介料よろしく♪」


 何やらギルド販売員から薄い封筒を手渡されているザッツさん。

 ……なんか、一瞬見てはいけないものを見ちゃった気がして友情を怪しむが……まあいい。前向き! 前向きに!!



実際。新品の皮鎧を着てみると、予想以上にテンションが上がった。

 購入することになった経緯はどうあれ、こうなってくると装備だって決して馬鹿には出来ない。結果良ければ……ってやつだ。

 あれだな。「形から入る」って大事だな。俺、強くなった気がする。今ならノリで魔王討伐できるかも。あ、いやいや嘘ですよー。あくまで目的はダイエット。

 ――と、いうわけでっ! 
 スライム討伐にLet’s go!!



 ……と、元気でいられたのは一時間くらいだった。あ、嘘つきました。本当は30分くらい?

 皮鎧あついー。重いー。ダンジョン内寒いからイケると思ったら、運動したら蒸れてきた。
 ちなみに運動したらとは『歩いたら』ってことです。

 まだ、スライムに出会ってすらいないので。


「ザッツさん、発光スライムってまだですか~」

「あと半分ってとこだ。一番奥の、湿度が高い突き当たりのトコにいるんだよ。あ、このダンジョンまだ知らない道多くて迷子になると助けに行けないんで、頑張って俺について来いよ!」


 ま・じ・か!! まあ、ここまで来たら行くしかない。楽しいことを考えて乗り越えよう。


「あれだ……討伐成功したらご褒美だ……ぜえぜえ……たこ焼き……いっぱい……10……いや、12個入り……ぜえぜえ…コーヒー……2本……」

「よ、よし急ごうか。うん! 早く終わらせよう」


 俺の鬼気迫る様子を見て、足を速めるザッツさん。


 ちょ、待って! 置いてかないでぇ~!!





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