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第二章 初級講習

12 完食! カレーうどん

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 この日は朝から大学だった。今日は必修科目があるためサボることはできない。

 ……なんて、基本チキンだからサボったことなんてないけどな! 代返頼めるような友達もいないし! 真面目な俺エライ!!

 と、いうわけで昼は学食だ。ウチの学食はそこそこうまい。しかも、安い。特に余計なトッピングをしなければカレーは300円から食べられるし、うどんは200円で食べられる。それでどっちを選ぶかって? 両方ですが何か。

 マナー的にはよろしくないが、うどんを食べ進めて最後の最後でカレーのルーを投入してカレーうどんにするのが俺のお気に入り。メニューにはないが、これでカレーうどんも楽しめる。見た目が良くないので人がいるときにはやらないが、ほぼ一緒に食べる人がいないから大丈夫! ……ふう。

 ダイエットはどうした! と言われそうだが、そこはキッチリ継続中。カレーもうどんも一口残したところでスライム投入。

 おお。うちの200gもカレーをちょっとだけ捕食した後うどんへと移動してカレーうどんを楽しんでいる。仲間だ。それとも飼い主に似たのか?

 そうして200gのお食事が終われば器はまるで舐めたかのようにピッカピカ。カレーうどんを楽しんだ後は器が汚れてしまうので、学食のおばちゃんに申し訳なく思っていたからこれはありがたい。

 そうして席を立とうとしたところで。


「あの……ちょっとお話していいかな?」


 ……と、ビックリするような美少女が話しかけてきた。

 肩くらいまでの自然な明るい髪に、少し垂れ気味の温かみを感じる目。美女ではないが、可愛い系。しかもまつ毛めっちゃ長い。何よりスタイル抜群だ。


 うちの姉ちゃんよりは胸ないけど。


 これ、あれだ。ミス学祭。掲示板やらあちこちに写真が貼ってあるから俺でも知ってる。ちなみに絶賛ひきこもりゲーム中☆ …だったので学祭には参加しておりません。はい。

 そんな美少女が俺なんかに何の用だ? これ、あれか? 早速スポーツクラブに通い出した効果か? まだ、お試し入会してからは一週間ちょい。本入会してからは数日しかたっていないけど。

 まあ、体重は割と減っている。今は満腹だから増えてるけどな。

 微痩せ効果でまさかの美少女ホイホイ。いや、待て、落ち着け俺。何度期待して騙された?

 討伐数では82歳のお爺ちゃんに負けてるし、魔力じゃ小学生に負けている。

 いい気になっちゃ駄目だ。いい気になっちゃ駄目だ。いい気になっちゃ駄目だ。……でも、もしかして?(チラ)


「いいけど……俺に何か用?」


「一週間くらい前、スポーツクラブに居たよね? 受付の所でスタッフの人と話しているのを見かけたの。私、同じクラブに通ってて」

「あー、体験入会した日かな」

「やっぱり! ねえ、良かったら私とお友達になってくれない!?」



 キタ――――――――――――――――ッ!!!!



 これ、あれだろ? 間違いないだろ。ここまで来て間違いだったらただの事故だ。もういいよな? 俺、頑張ったよな? 素直に喜んでいいんだよな!?


「い……いいけど、なんで」

「やった! あのね、今、お友達を紹介すると月会費が割引になるキャンペーンをやっていて……」


 はい! 事っ故でっした――!!


 そうだよな。こんな美少女が俺目当てで話しかけてくるわけないもんな。分かってますよ、分かってましたとも。

 分かってたんだけどね……(グスッ)。


「ああ、悪い。実は、既に入会しちゃってて」

「ああっ! 残念!! もっと早くお友達になってもらえばよかったあ!!!」


 くぅーっと悔しそうに顔を歪める美少女。


 ……って、あれ? 「お友達」は継続??





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