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8 責任の所在
しおりを挟む隠されていた妻の日記を読んで絶句した。
まさか、妻の身にこんなことが起こっていたなんて。
「……っ!! 誰か……誰か来いっ!!」
「旦那様、お呼びでしょうか……ひっ!」
バササッ!!
僕の怒鳴り声を聞いてやってきたメイドに妻の遺した日記を投げつけ詳細を聞き出した。メイドは最初はとぼけていたものの、騎士団に突き出すと言えば正直に吐いた。
日記に書かれていたことは全て事実だった。
何てことだ。
しかし――どうしても納得がいかないことがある。
「お……お許しください旦那様! 全ては大奥様の指示でしたことなのです」
「嘘をつけ! では何故、妻に続き母上まで……ああ、そうか。解ったぞ。お前達は全ての罪を母上に擦り付けようとしているのだろう!!」
まるで死んだ妻の後を追うように亡くなってしまった母。長期出張から帰ったばかりの頃はまだ元気そうだったのに、急にやつれて死んだのは何故なのか。
それは、母に罪を着せるために使用人たちが仕組んだのではないか。
「まさか! とんでもない事でございます」
「では、どうして元気だった母上まで死んだのだ!」
尚も罪を否定しようとするメイドの胸倉をつかみ締め上げると、メイドはギッと僕を睨んだ。
「すべて――すべては旦那様のせいではありませんか!!」
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