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283 進化する王子召喚
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冬休み。
午前・午後・夜……の三回態勢で王子召喚に臨んできたけれど。休みが終わって大学の講義が始まってしまえばそうもいかない。
が、楽しそうにゲームをしている王子を見ていると、急に元の召喚ペースに戻すのも可哀想。
――と、言う訳で。現在、今後を見据えての実験中です。
準備を整えて、カウントダウン開始!
5……4……3……2……1…
「召喚主!! 今日は冬休み最後だから、3回全ての召喚で見回りの兵士にバレるギリギリを狙って3秒前までこっちに……召喚主?」
いつも通り元気いっぱいに召喚をされてきた王子様。
……何やら不穏な発言をしていたのは気になりますが、どうやら今回の『実験』は無事に成功したみたいですね。やったぜ、四回目にして初成功!
が、部屋の様子を見て言葉を途切れさせた王子様は右を見て。左を見て。最後に下を見て。
「……………………グスッ…」
――――泣いた。
「……って、いやいや、ちょっと! 王子、何で泣いてんの!?」
「!?」
しゃくりあげる声に慌てて立ち上がって王子の背後から声をかければ、勢いよく王子が振り返る。
「――な、なんだ、召喚主は後ろに居たのかぁ……!」
私を見つけるや否や、やたら透明感のある濃い青い目を限界まで見開いて、ポロポロと涙を流しながら。
「い、いや、だって……だってこれは、鈴木さんの家にあった、僕を雑に召喚するやつじゃないか! 何でこれが召喚主の部屋にあるんだ!!」
――と、足元にある全自動王子召喚機を指差した。
そう。ペット用の自動給餌機を改良したそれは前召喚主である鈴木さんからのお下がりです。
実はコーヒー店で鈴木さんから20歳になったお祝いに欲しい物はないかと聞かれた際に、これをリクエストしていたんだよね。
これを使えば大学が始まっても王子の召喚回数を減らさずに済むと思ったんだけど……どうやら王子のトラウマを刺激してしまったようだ。
とりあえず王子を呼び出すのに使った召喚機のおやつはそのまま放置しておいて、王子の大好物(※コーラとポテトチップス)でご機嫌を取りつつ事情を説明すると、王子はぽつりぽつりと当時の心境を語ってくれた。
「……鈴木さんだって、最初はちゃんと自分で僕を召喚してくれていたんだよ。確かに鈴木さんが用意するジュースはぬるいし氷は入ってないし、毎日同じようなおやつばかりで不満はあったけど、しっかりと僕のことを構ってくれていたのに、『しゅーしょくかつどー』とやらが本格的になったあたりから段々と扱いが雑になって、鈴木さんが留守の時にはこの機械を使って召喚されるようになったんだ。それでも家にいる時には遊んでくれていたのに、社会に出てからは持ち帰った急ぎの仕事があるからと、家にいる時でもこれを使われるようになっちゃって……。真剣な顔してパソコン画面を見るばかりで、そんな時はどんなに誘っても一緒に対戦ゲームやってくれないし、イタズラしてみても全然僕に構ってくれなくて……」
おっと、イタズラに関しての自供が出ましたね。やはり王子の鈴木さんに対するあれやこれやは完全に確信犯だったようだ。
……にしても、鈴木さんてば泊まり込みでの残業の他に家に持ち帰ってまで仕事をやっているのか。いや、もうあの人本当に大丈夫なの? 本気で心配なんだけど。
むしろその状態でよくもまあ王子様の召喚を続けていたもんだ。心のお兄ちゃんすごい……とかメールしたら秒で返ってきそうだな。仕事中だろうから送らないけど。
私がそんなことを考えている間も王子様の愚痴は続く。
「その上好きなおやつも機械に入るサイズに砕かれているから味は変わらなくても何か微妙だし……」
パリン、パリン! 話している間に当時を思い出したのか、豪快に大きなポテトチップスに齧りつく王子様。おっと、お行儀が悪いですよ。後で掃除機掛けないと。
まあねえ、その気持ちは分かるかな。確かに味は同じでも、袋の中に残った粉々のモノと普通のモノとでは受ける印象が違う。アレはアレで好きだけど、毎回その状態だと流石に侘しい。
事情を聞けばこうやって王子がしょんぼりしちゃう気持ちも理解できる――が、安心してください。そこは解決済みですよ!
「大丈夫! ほら。わざわざ猫ちゃんのカリカリと同じくらいの大きさの、小さめのクッキーを探したんだから。これなら砕かなくても入るでしょ。味も結構おいしいわよ」
と、今回呼び出しに使った猫ちゃんのカリカリサイズクッキーを王子召喚機の受け皿からひょいっとつまんで自分で食べる。
サクサクサク……うん、おいしい!
形と大きさだけでなく、味にもしっかりとこだわりましたからね。ウエストサイズ気にしながらも試食を重ねた私を褒めて欲しい。王子の為とかいう言い訳があれば、ついつい摘まんじゃうくらいには美味しい困りものの一品ですよ。
「王子も食べてみてよ。ほら、あーんして」
「!?!?」
ひょい、っとクッキーを摘まんで王子の口元まで持っていっていく。抵抗しているのか顔を真っ赤にしてピシリと固まっていたものの、やがて諦めたのか王子様はおずおずと口を開く。よしよし、良い子!
王子の気が変わらないうちに……えいっ。
「――これは……美味い! すごく美味い!!」
どうやら味がお気に召したようだ。
もぐもぐゴクン、と飲み下して再びお口を開けるので、二個三個と続けて入れてやる。
ああ、なんかこうやっていると偽王子(猫)みたい。王子が偽者に寄っているのか偽者が本物に近いのか正直訳が分からなくなってきた。が、これだけはハッキリしている。
「ハイ! クッキーはこれでお終いです」
「えぇー」
「えぇー、じゃないでしょ。召喚の為とはいえ、王子は一日に三回もおやつ食べているんだから、しっかりと一回の分量は守ってください。――で、どう? これを使えば急なバイトが入ったり帰りの電車に乗り遅れても時間通りに召喚できるし、大学始まっても今の三回態勢が続けられるけど……」
クッキーも気に入ったみたいだし、喜んで賛成すると思っていたのだが。
意外なことに、王子は『うーん……』と微妙な反応だった。
「確かに……たくさん呼んでもらえるのは嬉しいしいっぱいゲームもしたいけど、僕は召喚主と遊ぶのも楽しいから。出来るだけ今までみたいに召喚してほしい」
と、いうことらしい。
なるほど。鈴木さんのお陰である程度の社会常識を備えても、王子の構ってちゃん気質はあまり変わっていないようだ。
王子とじっくりと話し合った結果。
これを使うのはあくまでも私に急なバイトが入った時などの緊急時の他、王子がゲームにハマり込んで明日は午前中から遊びたい! となった時などに自分でセットする『セルフ王子召喚機』として使っていくことになった。
――で、多少遅れてもいいから、毎日のおやつの召喚は今まで通りがいいそうだ。おやつに何が出てくるか分からないわくわく感が楽しみなのだとか。
確かに、この機械に入るおやつとなると種類とか大きさが限られちゃうし、それがどんなに美味しくても毎日食べていたら飽きちゃうもんね。
アイスなんかは絶対に無理だし。
「――ま、それで召喚するのが遅れて、王子が泣いたりすねたりしないなら別に今まで通りでもいいか」
「…………」
って、何でそこで自信なさそうに目を逸らすんですかね。まあ、出来るだけ遅刻はしないように気を付けますけども。
――――それにしても。
全自動王子召喚機を使いたいときに王子本人がセットして使うって……全自動王子召喚機の『完全自動化』が進んできましたね!
午前・午後・夜……の三回態勢で王子召喚に臨んできたけれど。休みが終わって大学の講義が始まってしまえばそうもいかない。
が、楽しそうにゲームをしている王子を見ていると、急に元の召喚ペースに戻すのも可哀想。
――と、言う訳で。現在、今後を見据えての実験中です。
準備を整えて、カウントダウン開始!
5……4……3……2……1…
「召喚主!! 今日は冬休み最後だから、3回全ての召喚で見回りの兵士にバレるギリギリを狙って3秒前までこっちに……召喚主?」
いつも通り元気いっぱいに召喚をされてきた王子様。
……何やら不穏な発言をしていたのは気になりますが、どうやら今回の『実験』は無事に成功したみたいですね。やったぜ、四回目にして初成功!
が、部屋の様子を見て言葉を途切れさせた王子様は右を見て。左を見て。最後に下を見て。
「……………………グスッ…」
――――泣いた。
「……って、いやいや、ちょっと! 王子、何で泣いてんの!?」
「!?」
しゃくりあげる声に慌てて立ち上がって王子の背後から声をかければ、勢いよく王子が振り返る。
「――な、なんだ、召喚主は後ろに居たのかぁ……!」
私を見つけるや否や、やたら透明感のある濃い青い目を限界まで見開いて、ポロポロと涙を流しながら。
「い、いや、だって……だってこれは、鈴木さんの家にあった、僕を雑に召喚するやつじゃないか! 何でこれが召喚主の部屋にあるんだ!!」
――と、足元にある全自動王子召喚機を指差した。
そう。ペット用の自動給餌機を改良したそれは前召喚主である鈴木さんからのお下がりです。
実はコーヒー店で鈴木さんから20歳になったお祝いに欲しい物はないかと聞かれた際に、これをリクエストしていたんだよね。
これを使えば大学が始まっても王子の召喚回数を減らさずに済むと思ったんだけど……どうやら王子のトラウマを刺激してしまったようだ。
とりあえず王子を呼び出すのに使った召喚機のおやつはそのまま放置しておいて、王子の大好物(※コーラとポテトチップス)でご機嫌を取りつつ事情を説明すると、王子はぽつりぽつりと当時の心境を語ってくれた。
「……鈴木さんだって、最初はちゃんと自分で僕を召喚してくれていたんだよ。確かに鈴木さんが用意するジュースはぬるいし氷は入ってないし、毎日同じようなおやつばかりで不満はあったけど、しっかりと僕のことを構ってくれていたのに、『しゅーしょくかつどー』とやらが本格的になったあたりから段々と扱いが雑になって、鈴木さんが留守の時にはこの機械を使って召喚されるようになったんだ。それでも家にいる時には遊んでくれていたのに、社会に出てからは持ち帰った急ぎの仕事があるからと、家にいる時でもこれを使われるようになっちゃって……。真剣な顔してパソコン画面を見るばかりで、そんな時はどんなに誘っても一緒に対戦ゲームやってくれないし、イタズラしてみても全然僕に構ってくれなくて……」
おっと、イタズラに関しての自供が出ましたね。やはり王子の鈴木さんに対するあれやこれやは完全に確信犯だったようだ。
……にしても、鈴木さんてば泊まり込みでの残業の他に家に持ち帰ってまで仕事をやっているのか。いや、もうあの人本当に大丈夫なの? 本気で心配なんだけど。
むしろその状態でよくもまあ王子様の召喚を続けていたもんだ。心のお兄ちゃんすごい……とかメールしたら秒で返ってきそうだな。仕事中だろうから送らないけど。
私がそんなことを考えている間も王子様の愚痴は続く。
「その上好きなおやつも機械に入るサイズに砕かれているから味は変わらなくても何か微妙だし……」
パリン、パリン! 話している間に当時を思い出したのか、豪快に大きなポテトチップスに齧りつく王子様。おっと、お行儀が悪いですよ。後で掃除機掛けないと。
まあねえ、その気持ちは分かるかな。確かに味は同じでも、袋の中に残った粉々のモノと普通のモノとでは受ける印象が違う。アレはアレで好きだけど、毎回その状態だと流石に侘しい。
事情を聞けばこうやって王子がしょんぼりしちゃう気持ちも理解できる――が、安心してください。そこは解決済みですよ!
「大丈夫! ほら。わざわざ猫ちゃんのカリカリと同じくらいの大きさの、小さめのクッキーを探したんだから。これなら砕かなくても入るでしょ。味も結構おいしいわよ」
と、今回呼び出しに使った猫ちゃんのカリカリサイズクッキーを王子召喚機の受け皿からひょいっとつまんで自分で食べる。
サクサクサク……うん、おいしい!
形と大きさだけでなく、味にもしっかりとこだわりましたからね。ウエストサイズ気にしながらも試食を重ねた私を褒めて欲しい。王子の為とかいう言い訳があれば、ついつい摘まんじゃうくらいには美味しい困りものの一品ですよ。
「王子も食べてみてよ。ほら、あーんして」
「!?!?」
ひょい、っとクッキーを摘まんで王子の口元まで持っていっていく。抵抗しているのか顔を真っ赤にしてピシリと固まっていたものの、やがて諦めたのか王子様はおずおずと口を開く。よしよし、良い子!
王子の気が変わらないうちに……えいっ。
「――これは……美味い! すごく美味い!!」
どうやら味がお気に召したようだ。
もぐもぐゴクン、と飲み下して再びお口を開けるので、二個三個と続けて入れてやる。
ああ、なんかこうやっていると偽王子(猫)みたい。王子が偽者に寄っているのか偽者が本物に近いのか正直訳が分からなくなってきた。が、これだけはハッキリしている。
「ハイ! クッキーはこれでお終いです」
「えぇー」
「えぇー、じゃないでしょ。召喚の為とはいえ、王子は一日に三回もおやつ食べているんだから、しっかりと一回の分量は守ってください。――で、どう? これを使えば急なバイトが入ったり帰りの電車に乗り遅れても時間通りに召喚できるし、大学始まっても今の三回態勢が続けられるけど……」
クッキーも気に入ったみたいだし、喜んで賛成すると思っていたのだが。
意外なことに、王子は『うーん……』と微妙な反応だった。
「確かに……たくさん呼んでもらえるのは嬉しいしいっぱいゲームもしたいけど、僕は召喚主と遊ぶのも楽しいから。出来るだけ今までみたいに召喚してほしい」
と、いうことらしい。
なるほど。鈴木さんのお陰である程度の社会常識を備えても、王子の構ってちゃん気質はあまり変わっていないようだ。
王子とじっくりと話し合った結果。
これを使うのはあくまでも私に急なバイトが入った時などの緊急時の他、王子がゲームにハマり込んで明日は午前中から遊びたい! となった時などに自分でセットする『セルフ王子召喚機』として使っていくことになった。
――で、多少遅れてもいいから、毎日のおやつの召喚は今まで通りがいいそうだ。おやつに何が出てくるか分からないわくわく感が楽しみなのだとか。
確かに、この機械に入るおやつとなると種類とか大きさが限られちゃうし、それがどんなに美味しくても毎日食べていたら飽きちゃうもんね。
アイスなんかは絶対に無理だし。
「――ま、それで召喚するのが遅れて、王子が泣いたりすねたりしないなら別に今まで通りでもいいか」
「…………」
って、何でそこで自信なさそうに目を逸らすんですかね。まあ、出来るだけ遅刻はしないように気を付けますけども。
――――それにしても。
全自動王子召喚機を使いたいときに王子本人がセットして使うって……全自動王子召喚機の『完全自動化』が進んできましたね!
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