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212 夜の召喚と贅沢おやつ
しおりを挟む「なんだなんだ!? 今日のおやつはやたら豪勢だな!?」
夜。約束通り王子を呼び出したら、『ソレ』を目の前にして王子は驚きの声を上げていた。
あー、うん、私もそう思う!
大学祭が終わった後のこと。ちょうど時間がいい感じだったので、行きつけのスーパーに寄ったらカットフルーツに半額シールが貼られていた。
コレ系は貧乏学生にとっては贅沢品だし、いつもならたとえ半額でも必要のない物は買わないけれど、今日はちょうど夜に王子の召喚もあるし、王子はフルーツが大好きだ。
ここ数日、大学祭絡みで召喚時間に遅刻したり予定を変更して貰ったりと色々迷惑をかけちゃったし、王子にもお祭り気分のお裾分けってことで思い切って買うことにした。
今日の召喚のおやつにはこの半額フルーツを使えばいいだろう。
――と、思ったところでふと思い出す。
そういえば、昨日の午前中はプリンとミルクティーで王子を召喚した。三個セットのプリンだったので、冷蔵庫にはまだ二つ残っている筈だ。
プリンとフルーツ……とくれば生クリームを足せばあれができる。
――そう! 『プリンアラモード』!!
正直、生クリームは半額カットフルーツ以上に贅沢品な感じは否めないが、ここまで材料が揃うとせっかくだから見栄えにはこだわりたくなってくる。
それに、絶対、王子はああいう凝ったおやつ好きだよね。
出来合いの生クリームは高いけど一回で使い終わる訳でもないし、残った生クリームで朝からフルーツサンドとか作って食べるのもいいかもしれない。
ガスとか換気扇とか使わないから夜に近い早朝でもご近所に騒音で壁ドン☆ される心配もないし、おしゃれだからきっと朝からテンションも上がる。
そうなると自分の分のフルーツも必要だよね。
半額シールの付いたカットフルーツは他にもいくつかあるけれど、どれも消費期限は今日中。――ってことで、日付が替わってから食べる自分用にはバナナを購入。
皮を剝くだけでいいのでこれなら水周りの騒音にも配慮ができる。あと、安い。
王子用の出費は仕方ないとして、自分で締められる所は締めて行かないと! おっと、食パンもちょうど特売ですね。こちらも朝食用に購入。
うん、こんなもんかな。我ながらいいお買い物ができたと思う。
――と、いう訳で!!
今日の夜召喚のおやつはカットフルーツと生クリームたっぷりの手作りプリンアラモードです☆
カットフルーツだけではちょっと物足りなかったからどどーんとバナナも載せてボリュームアップを図り、なかなか見栄えもよくできた――と思うのだけど。
私、渾身のスイーツを前に、王子は驚きの声を上げたまま固まっていた。
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