魅了堕ち幽閉王子は努力の方向が間違っている

堀 和三盆

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153 僕がやりました

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「なななななななな、何かって」

「え? おでこに落書きしたりとか……」


 そう。聞こうと思ってすっかり忘れていたのだが、先輩に指摘された謎のおでこの汚れは原因がまだ分からない。

 とりあえずクマちゃんには品質保持の魔法をかけてくれたみたいだからいいけれど、色落ちとは限らないし、他に何か理由があるかもしれない。

 考え始めるとやっぱり気にはなる。


「……!! ぼ、僕は顔に落書きだけは絶対にしないぞ! 特に油性ペンは時間のない朝に迷惑だと鈴木さんにこっぴどく叱られたから、たとえ思いついたとしても二度としない!!」


 やっぱ、思いつくのは思いつくのか……。そしてどうやら前科ありのようだ。
 被害者は鈴木さん。ほんっと大変だったんだな、あの人……。


「うーん。じゃあ、なんだったんだろう。実はね……」


 先輩におでこをガン見されたこと、汚れがあると言って執念深くおでこを擦られたことを王子に説明した。


「最初は前髪切りすぎたせいで見られているのかと思っていたんだけど……」

「前髪? ああ、確かに離宮から戻ったあと何日かして、急に前髪が短くなっていたな。面白くて思わず記憶魔法で記念写真を撮ったからよく覚えている」

「……そう」


 ……やっぱり前髪は切りすぎていたようだ。今度からは気をつけよう。いつもお兄ちゃんに直してもらっていたからつい、いつもの感覚で切ってしまった。

 ってか、王子も気が付いていたのなら、魔法使ってわざわざ記念写真なんか撮ってないで直接言ってくれたらいいのに。

 八つ当たりだと理解しつつもついジト目で睨んだら、急に王子は落ち着きが無くなり、がばっとその場で頭を下げられた。

 えっ! まさかの土下座王子……!? なんで!??


「……悪いっ!! 実は…………!!」



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