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114 共同検証! 触れ合いながらゲームをしよう2
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私の探求心は止まらない。眼鏡の効率的な使用方法を極めるために、クマちゃんも交えて王子との実験は続いていく。
更に検証を進めた結果、例え素肌じゃなくとも薄手の服なんかでは素肌と同じような効果があることが分かった。
へー。シースルー素材なんかは素肌と同じ扱いなのね。
これは、あれだ。私の体感だけど、相手の体温を感じ取れるような素材だと割と魔力の通りが良いようだ。袖がレース地になっているシャツなんかも効率がよかった。
そして。
直接、私が眼鏡を着用していれば効果が高いけど、私が眼鏡をかけた王子に接触しているだけでもそれなりに効果が出ることが分かった。有効時間1:30(一時間半)。
なるほど。それで午前中は私も3D酔いしなかったのか。そもそも、今までも特別な事しなくても一時間半くらいは3Dゲーム出来ていたしね。通算して3:00(三時間)。
一時間半+一時間半で、三時間。一回の召喚時間とほぼ同じ。元々の能力に効果が加算できるのはありがたい。
ちなみに。検証の結果、私が眼鏡をかけた状態で全力で王子に寄っかかるのが最強だった。その状態でゲームをすれば有効時間6:00(六時間)。
ビーズクッション(大)に寄っかかる王子に背中を預けたんだけど、何故か王子が間にクマちゃんを挟んできた。離宮に連れて行ったことで連帯感というか、仲間意識でも芽生えたのかもしれない。ちなみにその状態でも有効時間は変わらなかった。王子とクマちゃんの相性もいいようだ。まあ、クマちゃんかわいいしね。
ちなみに腰の位置にクマが来るので私的には座り心地が良かった。王子は偽王子(大)さんがごとく無言だったから分からないけど、表情と体が少し強張っているようだったから、王子的には無理があったのかもしれない。フムフム。
いくら接触率を高めても、姿勢に無理があったり、片方の行動に制限がかかるような状態はよろしくない。確かにその状態だと、完全に王子はただの人間座椅子状態で何もできないからね。
理想は、あれだ。お互いがお互い、好きなことを好きなようにしながら一部接触しつつ、効率的に眼鏡の恩恵を二人して受ける。
――で、たどり着いたのがコチラ!
ビーズクッション(大)に座ってゲームをする眼鏡王子。……に軽く寄っかかるビーズクッション(小)に座った私。
方向を90度変えることで適度な接触を保ちながらお互い別のゲームをやることも可能です。王子がクラフト系ゲームをやりつつ、私が携帯ゲーム機で別の3Dゲームをやることだってできちゃいます。
うん。お互い姿勢に無理はないし、お互いがお互い、3D酔い防止の恩恵を受けつつ好きな事ができるので、この形がいいと思う。
眼鏡は王子がかけているので王子は無制限に楽しめる。
私も接触効果の恩恵で、夏の服装なら眼鏡の有効時間は1:30(一時間半)。なので、元々の活動限界の一時間半と合わせて三時間の召喚時間は余裕で楽しめる。
効率を求めて色々実験してみたけれど、このくらいが限界かしら。
それを王子に言ったらやたら疲れた声で同意をされた。
それでようやく気が付いた。
しまった……!! 体勢を工夫する度に鑑定魔法で効果を確かめる王子は魔法を使いっぱなし。日焼けしていても分かるくらいに顔が赤くなっている。無理をさせ過ぎたのかもしれない。
そう言えば、途中何回も休憩を求められた。やたらと飲み物を飲んでいたせいか、トイレの回数も多かった気がするし、具合悪くさせちゃった?
「ゴメン、検証に夢中になっちゃって。疲れた? 魔法を使いっぱなしだったものね。今日の夜の召喚どうする? 明日もバイトあるから、また、勝手に帰ってもらうことになるけど」
「きょ……今日はその、魔力も心許ないからやめておく。三回目の召喚はただでさえ言葉通じないし……夜だし……その、念の為……」
そう言うと、王子はフラフラとあちらの世界へと帰って行った。
王子が召喚を諦めるなんて。かなり疲れさせてしまったようだ。ちょっと反省。
でも、これでお互いより楽しく過ごせるようになるんだからいいよね。
とりあえずお疲れな王子の為に、明日は効きそうな栄養ドリンクを用意してあげることにした。
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