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26 途絶えた召喚
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王子の召喚が途絶えている。
靴を購入した後。王子は散歩をするのが楽しくなったらしく外に行きたがるようになった。行動可能範囲はドンドン広がって、今ではあの靴を買ったスーパーでも普通に言葉が通じるようになった。
散歩ついでにお1人様1つまでのトイレットペーパーなどの特売品を2人分買えるようになりとても助かっている。
なので、それはいいんだけど。
最初は嫌がっていた癖に、何故か王子は自動翻訳魔法がオフになるギリギリを攻めだすようになった。言葉が通じなくなるたびに手を繋いでいたんだけど、ドンドン移動できる距離が伸びていた時期だったので、ついはしゃいでしまったのだと思う。
ある時散歩中に王子が――目の前で消えた。
1人暮らしから一年立っていないし、自宅と大学とバイト先、あとスーパーかゲーム屋さんくらいしか私も行っていなかったから、王子との散歩で初めて通った道も多い。
だから思いのほか自宅から――魔法陣ラグから離れてしまっていたのだと思う。
おそらく王子は魔法陣ラグへと回収されている。急いで家へと戻ったが、結構遠かったので時間がかかってしまった。
予想通りソコにいたのだが、会話する前に消えてしまったのだ。王子が最後に見せた――迷子が親と再会した時に見せるような、ホッとしたような表情が忘れられない。
これが王子の言っていた強制召喚終了、というヤツなのだろう。
あれから毎日おやつを用意してラグの上へと載せているが、まったく反応がなくなってしまった。
年末は帰省した。バイトがあったから年明けはアパートに戻った。年を越したからもしや――と思い、ラグにおやつを載せてみたが無反応だった。せっかくの冬休み。召喚を増やしてあげるつもりだったのに。
あるとき偶然鈴木さんに再会した。バイト中のコンビニだ。私はちょうど昼間のシフトに入っていて、鈴木さんは仕事の途中に立ち寄ったのだという。
王子を押し付けてしまったこともあり、私の心配をしてくれていたそうだ。私が元気ないようだったので、つい声をかけてしまった――と言っていた。そんなに表情に出ていたのだろうか……。
とりあえず近況報告も兼ねて。次の休日、鈴木さんに話を聞いてもらうことになった。
靴を購入した後。王子は散歩をするのが楽しくなったらしく外に行きたがるようになった。行動可能範囲はドンドン広がって、今ではあの靴を買ったスーパーでも普通に言葉が通じるようになった。
散歩ついでにお1人様1つまでのトイレットペーパーなどの特売品を2人分買えるようになりとても助かっている。
なので、それはいいんだけど。
最初は嫌がっていた癖に、何故か王子は自動翻訳魔法がオフになるギリギリを攻めだすようになった。言葉が通じなくなるたびに手を繋いでいたんだけど、ドンドン移動できる距離が伸びていた時期だったので、ついはしゃいでしまったのだと思う。
ある時散歩中に王子が――目の前で消えた。
1人暮らしから一年立っていないし、自宅と大学とバイト先、あとスーパーかゲーム屋さんくらいしか私も行っていなかったから、王子との散歩で初めて通った道も多い。
だから思いのほか自宅から――魔法陣ラグから離れてしまっていたのだと思う。
おそらく王子は魔法陣ラグへと回収されている。急いで家へと戻ったが、結構遠かったので時間がかかってしまった。
予想通りソコにいたのだが、会話する前に消えてしまったのだ。王子が最後に見せた――迷子が親と再会した時に見せるような、ホッとしたような表情が忘れられない。
これが王子の言っていた強制召喚終了、というヤツなのだろう。
あれから毎日おやつを用意してラグの上へと載せているが、まったく反応がなくなってしまった。
年末は帰省した。バイトがあったから年明けはアパートに戻った。年を越したからもしや――と思い、ラグにおやつを載せてみたが無反応だった。せっかくの冬休み。召喚を増やしてあげるつもりだったのに。
あるとき偶然鈴木さんに再会した。バイト中のコンビニだ。私はちょうど昼間のシフトに入っていて、鈴木さんは仕事の途中に立ち寄ったのだという。
王子を押し付けてしまったこともあり、私の心配をしてくれていたそうだ。私が元気ないようだったので、つい声をかけてしまった――と言っていた。そんなに表情に出ていたのだろうか……。
とりあえず近況報告も兼ねて。次の休日、鈴木さんに話を聞いてもらうことになった。
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