26 / 34
26 悪役令嬢様の正体
しおりを挟む
学期末のダンスパーティー終了後は片付けのために3日間ほどは学園内への立ち入りを制限される。しかし今回は理事長が起こした騒ぎのせいで、一週間ほど学園内への立ち入りが禁止された。
そして、登校の許可が下りメリーが部活のために学園内へと足を踏み入れたときには理事長の痕跡はキレイさっぱりと消えていた。
学園中に飾られていた理事長の肖像画や銅像がどこにもないのだ。
理事長には怖い思いをさせられたが、学園内で囁かれる7不思議のうち3つほどはその理事長の肖像画や銅像がらみなのでメリーは少しだけ寂しく感じてしまう。
女生徒が通ると囁く肖像画。
渡り廊下にある肖像画は特定の髪色の生徒を目で追ってくる。
そして、突然赤いバラの花束を持つ理事長の銅像。
どれも部長やリキッドと検証して回ったのでメリーにとっては思い出深いものだった。ただ、7不思議に関しては10以上はあったので3つくらい消えても問題はなさそうだ。
途中、理事長室の前を通ると改装中となっていた。
部室に行くと部長とリキッドが既に来ていた。
メリーはいつも通りにお茶の準備をする。用意を終えたところで、どこで情報を仕入れたのか部長が今回の件の真相をメリーに話してくれた。
メリーが予想していた通り理事長は転生者だった。
しかも、元王族なのだそうだ。
今からおよそ60年前――当時王太子だった理事長は学期末のダンスパーティーで当時の婚約者だった公爵令嬢に対して婚約破棄騒動を起こしたらしい。
転生者だった王太子は優秀だったが、自由、平等の名のもとに身分制度を否定した。前世の価値観を持ち込んだのだ。
それは一見素晴らしいことのように見えたが、世界が違えば常識もまた違う。多くの貴族から反発され、一部の貴族からは利用された。
王太子の傍らには常に男爵家の令嬢が寄り添うようになった。令嬢は王太子と共に身分制度を否定しつつも、王妃の座を狙っていたのだ。
平和な日本からの転生者だった王太子は気が付かない。嘘をついて他人を陥れてまで這い上がろうとするほど権力欲が強い者がいることに。
王太子は真実の愛を誓った男爵家の令嬢が言うことを鵜呑みにした。このままではいけないと、王太子の婚約者だった公爵令嬢は排除に乗り出した。
最初は可愛いものだった。ワインをかけたり教科書を隠したりノートを破ったり。
「それって……」
部長の説明にメリーは驚いた。悪役令嬢様からメリーが指示されたことそのままだ。
「最終的には階段から突き落とそうとまでしたらしい……でも、それが良くなかったんだろうな。王太子は自分に賛同してくれる男爵令嬢に夢中で、彼女の言うことは真実だと思い込んでいた。婚約破棄騒動を起こしたパーティーで、男爵令嬢は体調不良を訴えて王太子の婚約者に毒を盛られたと言い出した。実際に嫌がらせをしていたから、王太子は信じ切ってしまったんだ」
婚約者は否定したが、パーティーで提供されているワインは婚約者の家で作られている物だった。
誰がどれを飲むのかは分からないから特定の誰かを狙い毒を仕込むのは不可能だと説明しても、ならば全てのワインに毒を仕込んだのだ、ワインそのものに毒が入っているのだと言って男爵令嬢は引かない。
婚約者を信じない王太子はもはや婚約者を名前で呼ぶことすらしなかった。
悪役令嬢だと罵り、毒が入っていないというなら飲んでみろと男爵令嬢が指定したワインを婚約者に飲ませた。
そして――婚約者は死んだ。
会場は大騒ぎとなった。しかし、いくら調べても他のワインから毒物の反応は出なかった。
王太子は焦り、そんな筈はないと国内外に出回っている同じワインまですべて回収するように命令を出した。しかし、回収し調べてみてもやはり問題は見つからない。
そのうち使用された毒の購入記録から男爵家の名前が上がり、自作自演が証明された。男爵令嬢は自分でワインに毒を入れたのだ。しかも、飲んだふりだけで自らは一口も飲んでいなかった。
男爵令嬢がピンピンしていることから、王太子もそこまで強い毒であるとは思っていなかったのだ。
だからこそ婚約者に飲ませた。腹でも壊せばいいと、自らが否定し続けてきた身分を盾に。
男爵令嬢は処刑されたが、王太子は被害者でもあるからと王太子の地位は返上となったものの処分は臣籍降下に留まった。
「前世感覚だった」がここでも発動されたのだ。婚約者だった令嬢の家と話がついていたのも大きい。公爵家は処罰より王家に恩を売ることを選んだ。
元王太子は病気療養の名目で長年引きこもっていたが、同じ失敗をする者が出ないようにと転生者学園の理事長に収まった。
「公爵令嬢の死は事故として処理されたが、事件が与えた影響は大きかった。これをきっかけに、王族が転生者だった場合は王族の身分と継承権を剝奪する、との法律が作られたほどだ」
メリーは部長の言葉に驚いた。転生者は知識がある分、様々な場面で優遇される。しかし、王族に関してのみは真逆に働くらしい。
社会体制をひっくり返すような位置にある者があからさまに異なる価値観を持つのは問題があるのだろう。とはいえ、本人にはどうしようもないことだけに複雑だ。
「それで……今までに実際に身分や継承権を剥奪されてしまった王族の方はいるんですか?」
「……いいや。表向きは1人もいないな」
そう言う部長も複雑な顔をしている。同じ転生者として思うところがあるのだろう。
前世の知識も経験も記憶すらないメリーでさえ、納得できないでいるのだから当然だ。
「事情は分かりました。でも……なんで私だったのでしょうか? 悪役令嬢様をやっている生徒は私以外にもたくさんいたのに」
理事長と直接会話したことなど数える程度だ。目を付けられる理由がメリーには分からない。
確かにメリーは目立つ存在ではあるが、その分扱いにくいはずだ。
「『ダンス』だそうだよ。ツァールトハイト公爵家のお試し夜会に理事長も学園代表として出席していたそうだ。そこで悪役令嬢様のダンスを見て、君に興味をもったらしい」
「ダンス……」
そういえば、学期末のダンスパーティーで理事長から声をかけられる前もメリーの代わりに悪役令嬢様が踊っていた。
シャインが驚くほどのダンスの腕前だ。理事長の記憶の中の誰かと、踊り方が一致したのかもしれない。
「あの……それで、理事長先生はどうなるんでしょうか?」
「さすがに今度ばかりは庇えないだろうな。3度目だから」
「3度目?」
「『悪役令嬢様』は学校で禁止されているだろう。おかしくなる奴が出るからって。理事長が『悪役令嬢様』に手を出して、正気を失うのは初めてじゃない。これで3度目だ」
メリーは部長の言葉に目を見開いて驚いた。
今まで。学園内で何度も禁止をされてきた『悪役令嬢様』。禁止されるきっかけが理事長先生だったとは。
『私が呼び出しても現れないクセに、禁止しても禁止しても生徒の間で流行って現れる。何故だ! お前なんだろう!? アリッサ!』
儀式をさせられている最中。理事長が叫んでいたことを思い出す。
理事長は悪役令嬢様を呼び出そうとしていた。部長の説明を聞く限り、今までもそうしていたようだ。
長年忘れられなくて、ダンスを見ただけで正体が分かってしまうくらいに執着している相手。理事長は悪役令嬢様を呼び出して何を伝えたかったのだろうか。
謝罪か……言い訳か。それとも……。
いずれにしても、悪役令嬢様が答えない以上、理事長が望む答えは一生得られないのだろう。
理事長が口にしていた名前――多分、あれが悪役令嬢様の正体なのだろう。
メリーは部長を見た。悪役令嬢様ほどではないけれど、部長も結構情報通だ。メリーもおおよその見当はついている。
今なら、聞けば答えを教えてもらえるかもしれない――。
そう思って――やめた。
メリーにとっては悪役令嬢様は悪役令嬢様だ。それに知りたいのならこんな形で聞くよりも、本人から直接聞く方がいいだろう。
必要なら教えてくれるし、そうでないなら無視される。それだけのことだ。
悪役令嬢様は帰る前にまたお話ししてくれると約束してくれたのだから。
そして、登校の許可が下りメリーが部活のために学園内へと足を踏み入れたときには理事長の痕跡はキレイさっぱりと消えていた。
学園中に飾られていた理事長の肖像画や銅像がどこにもないのだ。
理事長には怖い思いをさせられたが、学園内で囁かれる7不思議のうち3つほどはその理事長の肖像画や銅像がらみなのでメリーは少しだけ寂しく感じてしまう。
女生徒が通ると囁く肖像画。
渡り廊下にある肖像画は特定の髪色の生徒を目で追ってくる。
そして、突然赤いバラの花束を持つ理事長の銅像。
どれも部長やリキッドと検証して回ったのでメリーにとっては思い出深いものだった。ただ、7不思議に関しては10以上はあったので3つくらい消えても問題はなさそうだ。
途中、理事長室の前を通ると改装中となっていた。
部室に行くと部長とリキッドが既に来ていた。
メリーはいつも通りにお茶の準備をする。用意を終えたところで、どこで情報を仕入れたのか部長が今回の件の真相をメリーに話してくれた。
メリーが予想していた通り理事長は転生者だった。
しかも、元王族なのだそうだ。
今からおよそ60年前――当時王太子だった理事長は学期末のダンスパーティーで当時の婚約者だった公爵令嬢に対して婚約破棄騒動を起こしたらしい。
転生者だった王太子は優秀だったが、自由、平等の名のもとに身分制度を否定した。前世の価値観を持ち込んだのだ。
それは一見素晴らしいことのように見えたが、世界が違えば常識もまた違う。多くの貴族から反発され、一部の貴族からは利用された。
王太子の傍らには常に男爵家の令嬢が寄り添うようになった。令嬢は王太子と共に身分制度を否定しつつも、王妃の座を狙っていたのだ。
平和な日本からの転生者だった王太子は気が付かない。嘘をついて他人を陥れてまで這い上がろうとするほど権力欲が強い者がいることに。
王太子は真実の愛を誓った男爵家の令嬢が言うことを鵜呑みにした。このままではいけないと、王太子の婚約者だった公爵令嬢は排除に乗り出した。
最初は可愛いものだった。ワインをかけたり教科書を隠したりノートを破ったり。
「それって……」
部長の説明にメリーは驚いた。悪役令嬢様からメリーが指示されたことそのままだ。
「最終的には階段から突き落とそうとまでしたらしい……でも、それが良くなかったんだろうな。王太子は自分に賛同してくれる男爵令嬢に夢中で、彼女の言うことは真実だと思い込んでいた。婚約破棄騒動を起こしたパーティーで、男爵令嬢は体調不良を訴えて王太子の婚約者に毒を盛られたと言い出した。実際に嫌がらせをしていたから、王太子は信じ切ってしまったんだ」
婚約者は否定したが、パーティーで提供されているワインは婚約者の家で作られている物だった。
誰がどれを飲むのかは分からないから特定の誰かを狙い毒を仕込むのは不可能だと説明しても、ならば全てのワインに毒を仕込んだのだ、ワインそのものに毒が入っているのだと言って男爵令嬢は引かない。
婚約者を信じない王太子はもはや婚約者を名前で呼ぶことすらしなかった。
悪役令嬢だと罵り、毒が入っていないというなら飲んでみろと男爵令嬢が指定したワインを婚約者に飲ませた。
そして――婚約者は死んだ。
会場は大騒ぎとなった。しかし、いくら調べても他のワインから毒物の反応は出なかった。
王太子は焦り、そんな筈はないと国内外に出回っている同じワインまですべて回収するように命令を出した。しかし、回収し調べてみてもやはり問題は見つからない。
そのうち使用された毒の購入記録から男爵家の名前が上がり、自作自演が証明された。男爵令嬢は自分でワインに毒を入れたのだ。しかも、飲んだふりだけで自らは一口も飲んでいなかった。
男爵令嬢がピンピンしていることから、王太子もそこまで強い毒であるとは思っていなかったのだ。
だからこそ婚約者に飲ませた。腹でも壊せばいいと、自らが否定し続けてきた身分を盾に。
男爵令嬢は処刑されたが、王太子は被害者でもあるからと王太子の地位は返上となったものの処分は臣籍降下に留まった。
「前世感覚だった」がここでも発動されたのだ。婚約者だった令嬢の家と話がついていたのも大きい。公爵家は処罰より王家に恩を売ることを選んだ。
元王太子は病気療養の名目で長年引きこもっていたが、同じ失敗をする者が出ないようにと転生者学園の理事長に収まった。
「公爵令嬢の死は事故として処理されたが、事件が与えた影響は大きかった。これをきっかけに、王族が転生者だった場合は王族の身分と継承権を剝奪する、との法律が作られたほどだ」
メリーは部長の言葉に驚いた。転生者は知識がある分、様々な場面で優遇される。しかし、王族に関してのみは真逆に働くらしい。
社会体制をひっくり返すような位置にある者があからさまに異なる価値観を持つのは問題があるのだろう。とはいえ、本人にはどうしようもないことだけに複雑だ。
「それで……今までに実際に身分や継承権を剥奪されてしまった王族の方はいるんですか?」
「……いいや。表向きは1人もいないな」
そう言う部長も複雑な顔をしている。同じ転生者として思うところがあるのだろう。
前世の知識も経験も記憶すらないメリーでさえ、納得できないでいるのだから当然だ。
「事情は分かりました。でも……なんで私だったのでしょうか? 悪役令嬢様をやっている生徒は私以外にもたくさんいたのに」
理事長と直接会話したことなど数える程度だ。目を付けられる理由がメリーには分からない。
確かにメリーは目立つ存在ではあるが、その分扱いにくいはずだ。
「『ダンス』だそうだよ。ツァールトハイト公爵家のお試し夜会に理事長も学園代表として出席していたそうだ。そこで悪役令嬢様のダンスを見て、君に興味をもったらしい」
「ダンス……」
そういえば、学期末のダンスパーティーで理事長から声をかけられる前もメリーの代わりに悪役令嬢様が踊っていた。
シャインが驚くほどのダンスの腕前だ。理事長の記憶の中の誰かと、踊り方が一致したのかもしれない。
「あの……それで、理事長先生はどうなるんでしょうか?」
「さすがに今度ばかりは庇えないだろうな。3度目だから」
「3度目?」
「『悪役令嬢様』は学校で禁止されているだろう。おかしくなる奴が出るからって。理事長が『悪役令嬢様』に手を出して、正気を失うのは初めてじゃない。これで3度目だ」
メリーは部長の言葉に目を見開いて驚いた。
今まで。学園内で何度も禁止をされてきた『悪役令嬢様』。禁止されるきっかけが理事長先生だったとは。
『私が呼び出しても現れないクセに、禁止しても禁止しても生徒の間で流行って現れる。何故だ! お前なんだろう!? アリッサ!』
儀式をさせられている最中。理事長が叫んでいたことを思い出す。
理事長は悪役令嬢様を呼び出そうとしていた。部長の説明を聞く限り、今までもそうしていたようだ。
長年忘れられなくて、ダンスを見ただけで正体が分かってしまうくらいに執着している相手。理事長は悪役令嬢様を呼び出して何を伝えたかったのだろうか。
謝罪か……言い訳か。それとも……。
いずれにしても、悪役令嬢様が答えない以上、理事長が望む答えは一生得られないのだろう。
理事長が口にしていた名前――多分、あれが悪役令嬢様の正体なのだろう。
メリーは部長を見た。悪役令嬢様ほどではないけれど、部長も結構情報通だ。メリーもおおよその見当はついている。
今なら、聞けば答えを教えてもらえるかもしれない――。
そう思って――やめた。
メリーにとっては悪役令嬢様は悪役令嬢様だ。それに知りたいのならこんな形で聞くよりも、本人から直接聞く方がいいだろう。
必要なら教えてくれるし、そうでないなら無視される。それだけのことだ。
悪役令嬢様は帰る前にまたお話ししてくれると約束してくれたのだから。
35
お気に入りに追加
144
あなたにおすすめの小説

【完結】「君を手に入れるためなら、何でもするよ?」――冷徹公爵の執着愛から逃げられません」
21時完結
恋愛
「君との婚約はなかったことにしよう」
そう言い放ったのは、幼い頃から婚約者だった第一王子アレクシス。
理由は簡単――新たな愛を見つけたから。
(まあ、よくある話よね)
私は王子の愛を信じていたわけでもないし、泣き喚くつもりもない。
むしろ、自由になれてラッキー! これで平穏な人生を――
そう思っていたのに。
「お前が王子との婚約を解消したと聞いた時、心が震えたよ」
「これで、ようやく君を手に入れられる」
王都一の冷徹貴族と恐れられる公爵・レオンハルトが、なぜか私に異常な執着を見せ始めた。
それどころか、王子が私に未練がましく接しようとすると――
「君を奪う者は、例外なく排除する」
と、不穏な笑みを浮かべながら告げてきて――!?
(ちょっと待って、これって普通の求愛じゃない!)
冷酷無慈悲と噂される公爵様は、どうやら私のためなら何でもするらしい。
……って、私の周りから次々と邪魔者が消えていくのは気のせいですか!?
自由を手に入れるはずが、今度は公爵様の異常な愛から逃げられなくなってしまいました――。
悪役令嬢エリザベート物語
kirara
ファンタジー
私の名前はエリザベート・ノイズ
公爵令嬢である。
前世の名前は横川禮子。大学を卒業して入った企業でOLをしていたが、ある日の帰宅時に赤信号を無視してスクランブル交差点に飛び込んできた大型トラックとぶつかりそうになって。それからどうなったのだろう。気が付いた時には私は別の世界に転生していた。
ここは乙女ゲームの世界だ。そして私は悪役令嬢に生まれかわった。そのことを5歳の誕生パーティーの夜に知るのだった。
父はアフレイド・ノイズ公爵。
ノイズ公爵家の家長であり王国の重鎮。
魔法騎士団の総団長でもある。
母はマーガレット。
隣国アミルダ王国の第2王女。隣国の聖女の娘でもある。
兄の名前はリアム。
前世の記憶にある「乙女ゲーム」の中のエリザベート・ノイズは、王都学園の卒業パーティで、ウィリアム王太子殿下に真実の愛を見つけたと婚約を破棄され、身に覚えのない罪をきせられて国外に追放される。
そして、国境の手前で何者かに事故にみせかけて殺害されてしまうのだ。
王太子と婚約なんてするものか。
国外追放になどなるものか。
乙女ゲームの中では一人ぼっちだったエリザベート。
私は人生をあきらめない。
エリザベート・ノイズの二回目の人生が始まった。
⭐️第16回 ファンタジー小説大賞参加中です。応援してくれると嬉しいです

【完結】望んだのは、私ではなくあなたです
灰銀猫
恋愛
婚約者が中々決まらなかったジゼルは父親らに地味な者同士ちょうどいいと言われ、同じ境遇のフィルマンと学園入学前に婚約した。
それから3年。成長期を経たフィルマンは背が伸びて好青年に育ち人気者になり、順調だと思えた二人の関係が変わってしまった。フィルマンに思う相手が出来たのだ。
その令嬢は三年前に伯爵家に引き取られた庶子で、物怖じしない可憐な姿は多くの令息を虜にした。その後令嬢は第二王子と恋仲になり、王子は婚約者に解消を願い出て、二人は真実の愛と持て囃される。
この二人の騒動は政略で婚約を結んだ者たちに大きな動揺を与えた。多感な時期もあって婚約を考え直したいと思う者が続出したのだ。
フィルマンもまた一人になって考えたいと言い出し、婚約の解消を望んでいるのだと思ったジゼルは白紙を提案。フィルマンはそれに二もなく同意して二人の関係は呆気なく終わりを告げた。
それから2年。ジゼルは結婚を諦め、第三王子妃付きの文官となっていた。そんな中、仕事で隣国に行っていたフィルマンが帰って来て、復縁を申し出るが……
ご都合主義の創作物ですので、広いお心でお読みください。
他サイトでも掲載しています。

【完結】真実の愛のキスで呪い解いたの私ですけど、婚約破棄の上断罪されて処刑されました。時間が戻ったので全力で逃げます。
かのん
恋愛
真実の愛のキスで、婚約者の王子の呪いを解いたエレナ。
けれど、何故か王子は別の女性が呪いを解いたと勘違い。そしてあれよあれよという間にエレナは見知らぬ罪を着せられて処刑されてしまう。
「ぎゃあぁぁぁぁ!」 これは。処刑台にて首チョンパされた瞬間、王子にキスした時間が巻き戻った少女が、全力で王子から逃げた物語。
ゆるふわ設定です。ご容赦ください。全16話。本日より毎日更新です。短めのお話ですので、気楽に頭ふわっと読んでもらえると嬉しいです。※王子とは結ばれません。 作者かのん
.+:。 ヾ(◎´∀`◎)ノ 。:+.ホットランキング8位→3位にあがりました!ひゃっほーー!!!ありがとうございます!

婚約破棄をいたしましょう。
見丘ユタ
恋愛
悪役令嬢である侯爵令嬢、コーデリアに転生したと気づいた主人公は、卒業パーティーの婚約破棄を回避するために奔走する。
しかし無慈悲にも卒業パーティーの最中、婚約者の王太子、テリーに呼び出されてしまうのだった。

【完結】平凡な令嬢、マリールイスの婚約の行方【短編】
青波鳩子
恋愛
平凡を自認する伯爵令嬢マリールイスは、格上の公爵家嫡男レイフ・オークランスから『一目惚れをした』と婚約を申し込まれる。
困惑するマリールイスと伯爵家の家族たちは、家族会議を経て『公爵家からの婚約の申し込みは断れない』と受けることを決めた。
そんな中、レイフの友人の婚約パーティに招かれたマリールイスは、レイフから贈られたドレスを身に着けレイフと共に参加する。
挨拶後、マリールイスをしばらく放置していたレイフに「マリールイスはご一緒ではありませんか?」と声を掛けたのは、マリールイスの兄だった。
*荒唐無稽の世界観で書いた話ですので、そのようにお読みいただければと思います。
*他のサイトでも公開しています。

【完結済】恋の魔法が解けた時 ~ 理不尽な婚約破棄の後には、王太子殿下との幸せな結婚が待っていました ~
鳴宮野々花@書籍2冊発売中
恋愛
侯爵令嬢のクラリッサは、幼少の頃からの婚約者であるダリウスのことが大好きだった。優秀で勤勉なクラリッサはダリウスの苦手な分野をさり気なくフォローし、助けてきた。
しかし当のダリウスはクラリッサの細やかな心遣いや愛を顧みることもなく、フィールズ公爵家の長女アレイナに心を移してしまい、無情にもクラリッサを捨てる。
傷心のクラリッサは長い時間をかけてゆっくりと元の自分を取り戻し、ようやくダリウスへの恋の魔法が解けた。その時彼女のそばにいたのは、クラリッサと同じく婚約者を失ったエリオット王太子だった。
一方様々な困難を乗り越え、多くの人を傷付けてまでも真実の愛を手に入れたと思っていたアレイナ。やがてその浮かれきった恋の魔法から目覚めた時、そばにいたのは公爵令息の肩書きだけを持った無能な男ただ一人だった─────
※※作者独自の架空の世界のお話ですので、その点ご理解の上お読みいただけると嬉しいです。
※※こちらの作品はカクヨム、小説家になろうにも投稿しています。
タイムリープ〜悪女の烙印を押された私はもう二度と失敗しない
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
<もうあなた方の事は信じません>―私が二度目の人生を生きている事は誰にも内緒―
私の名前はアイリス・イリヤ。王太子の婚約者だった。2年越しにようやく迎えた婚約式の発表の日、何故か<私>は大観衆の中にいた。そして婚約者である王太子の側に立っていたのは彼に付きまとっていたクラスメイト。この国の国王陛下は告げた。
「アイリス・イリヤとの婚約を解消し、ここにいるタバサ・オルフェンを王太子の婚約者とする!」
その場で身に覚えの無い罪で悪女として捕らえられた私は島流しに遭い、寂しい晩年を迎えた・・・はずが、守護神の力で何故か婚約式発表の2年前に逆戻り。タイムリープの力ともう一つの力を手に入れた二度目の人生。目の前には私を騙した人達がいる。もう騙されない。同じ失敗は繰り返さないと私は心に誓った。
※カクヨム・小説家になろうにも掲載しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる